私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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ハロハロ!みんな元気?おいらは元気!
みんなは毎日投稿なんてするなよ!
軽く、死ねるぜ(*ゝ`ω・)!


料理なんてしなくても死なないの!だってコンビニがあるからね!だから料理なんて覚えなくてもいいの、そういう時代なの。だから母様、料理を覚えるのはご勘弁願えないだろうか。の巻き

手マン襲撃の影響で、学校が臨時休校。

 

「やぁったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

これはサボりではない。

公式に学校がお休みなのだ。

休む事が正しい、そんな日なのだ。

手マン、ありがとう!!

 

解放感にフラメンコしていると、部屋がノックされた。

なんじゃろ?と扉をあけると、母様の真っ黒なドングリ目がそこにあった。

 

ひぃっ。

 

「御近所迷惑でしょ。朝から何騒いでるの・・・」

「違うんです、マザー!!だって学校がお休みなんですぅ!祝ってただけなんですぅ!」

 

がつ、とマザーハンドが頭を掴んだ。

ギリギリ締め上げるそれは、頭蓋骨が割れんばかりの力が込められてる。

 

「あだだだだだだ」

「学校がお休みで、どうして祝うの?馬鹿な事言ってないで、家事の一つでも手伝いなさい。料理とか」

「うぇぇぇぇ、いやぁぁぁぁぁ」

 

母様は酷い。

私が料理出来ない事を知ってるくせに、こんな仕打ちを平気でしてくる。人にはやって良いことと、やってはいけないことがあることを、きっと知らないに違いない。

鬼、悪魔、小豚!!

 

「━━━っだだだだだっ!?だ!!?」

「何か失礼な事考えたでしょ?」

「考えてませんんん!!あ、いや、小豚とか思ってごめんなさぁいいいい!!」

 

頑張って謝ると手が離された。

解放感から床に倒れる。

死ぬかと思った。

 

「はぁ。・・・こんなのの、何がいいんだろうね勝己君は」

「?かっちゃんがなに?」

「何でもないよ。それより来なさい。折角の機会なんだから、『馬鹿』でも出来る簡単な料理を教えてあげるから」

 

馬鹿を強調しないで欲しい。

うう、面倒臭い。

母様め、覚えておけ。

 

これ以上抵抗しても一つも良いことないと思うので大人しく母様に従い台所にいく。すると、台所に卵が置いてあった。

 

「母様。何をやらせるのん?」

「目玉焼きを作るのよ。簡単でしょ」

「馬鹿にするなぁぁぁぁ!!」

 

幾らなんでも母様は私を馬鹿にし過ぎである。

こんなの楽勝過ぎて、逆立ちしながらだって出来てしまう。━━あ、逆立ち出来ないや。

 

「ま、兎に角やってみなさい」

「はいはい。もう、母様は。幾らでも作っちゃうってのよ。なんなら、明日から朝ご飯は私が作ったげよっか?」

「いいからやってみなさい」

「はいはい」

 

私は卵をテーブルの端にぶつけヒビをいれる。

そして華麗に割って、フライパンの上に落とした。

フライパンの上で黄身と白身がプルプルと新鮮さを自己主張してる。

 

どやぁぁぁぁ。

 

 

「で?」

「ん?」

 

 

母様が何を言ってるのか分からない。

乗せたのに、上手くフライパンに乗せたのに。

黄身潰れてないやん、すごない?ねぇねぇ?

 

「で?」

 

全然、褒めてくれない。

なんだ、なんかミスったのか。

え?綺麗に乗ったよ?乗ったよね?乗ってないの?これ?

心配になったのでスプーンで掬って裏側を見てみた。

綺麗だった、傷ひとつない。

 

どやっ!と母様を見たが、顔が「で?」って顔してる。

 

「いつも食べてるやつは、どんな?」

「いつも、食べてるやつ?半熟とろり、美味しい」

「そういう事じゃなくて、この感じでお皿に乗ってるの?」

 

プルプルしてる。凄いプルプルしてる。

・・・言われて見れば、もっと固い感じな気がする。

 

「あ、火を通してなかった」

 

思わず溢した言葉に、母様の厳しい視線が突き刺さる。

痛い、凄い痛い。もう物理的に痛い気がする。

 

流石にコンロの使い方は分かるのでツマミを━━━

 

「っな」

 

━━━━ツマミがない、だと!?

 

 

「母様め!謀ったなぁ!!」

「コンロ買い換えたのは随分前よ」

 

く、くそぅ、そんな事言われたら、返す言葉がないじゃないか!!ずるい!!

 

しかし、そこは天才双虎ちゃん。

機械にはそこそこ強いと自負を持ってる私は落ち着いてそれに向き合う。そして文明の利器に頼る事にした。

 

「━━━もしもし、かっちゃん?」

『朝からなんだ、馬鹿━━━』

 

「人に頼るんじゃないの!!」

 

「━━ったぁ!?」

『━━っ!?お、おいっ、なにしてんだ!?ああ?!』

 

思いっきり頭を殴られた上スマホも取られた。

しかも母様は人の電話に勝手に出て、「ごめんなさいね、勝己君。お休みに」と軽く挨拶をして切ってしまった。なんたる横暴!許されぬ!こんなのプライバシーの侵害だ!!プンスコだぞ、母様!!

 

「なに見てんの、さっさと再開なさい」

「くぬぅぅぅぅ」

 

母様めぇぇぇぇ!!

こうなったら、目にもの見せてくれるわぁぁぁ!!

 

そうして始めたお料理戦争。

熾烈を極めたその戦いは天を貫き、雲を裂き、海を割った。母様は途中から韓ドラ見始めた。

 

そして開始から二時間して、私は漸く真実に辿り着いた。

 

「目玉焼きは一流料理だったんや」

 

「あんたがそこまで出来ないとは思わなかったわ」

 

焼け焦げた卵達の前で、私は泣き崩れた。

悲しかったというより、現実の厳しさに耐えられなかった。

 

だって知らないんだもん。

家庭科とか、普通にサボってたんだもん。

出来た頃に帰って、皆の貰ってたんだもん。

それで怒られたりしてたんだもん。

 

てか、母様は通信簿見てるじゃん?知ってるじゃん?

きたない!母様はきたない!可愛い娘を貶める為にこんな事するなんて、きたな過ぎる!!

 

「・・・はぁ。今から言った通りにやんなさい。そうしたら出来るから」

「そんな簡単に出来たら苦労なんてしないもん!」

「出来んのよ。まずはフライパンを温める所から始めなさい」

 

はぁ?フライパンを温めるぅ?

何いってんの?何も乗ってないフライパンを?温めるぅ?

 

「狂ったか、母様」

「狂ってんのはあんたの頭よ。ほら、始める」

 

それから母様の言うとおりやってみた。

5分くらいで出来た。

泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「━━━という事があったので、慰めて欲しいと思った。主にアイスとかケーキとか奢って欲しいと思った」

「説明したふりしてんじゃねぇぞゴラァ!何一つ聞いてねぇからな!?」

 

かっちゃん家に行ったらかっちゃんが出てきた。

光己さんが出てくると思ったので少し誤算である。

まぁ、多分、最終的にかっちゃんの部屋には行ったと思うけども。

 

「昨日の今日だってのにっ、ちっ!!」

「まぁまぁ、お邪魔しまーす。光己さんはー?」

「今いねぇ━━って、おい!勝手に入ってんじゃねぇぇぇ!!」

 

怒鳴るかっちゃんをスルーしてお家に侵入。

さらっと台所の冷蔵庫開けて、さらっとジュースとマイコップを持って、さらっと居間のソファに寝転び、さらっとテレビをつけて録画してある映画鑑賞タイムに入る。

 

これ、こないだやってた奴だ。

かっちゃんパパが好きそうなやつだとは思ってたけど、やっぱりか。

 

「なに、俺以上に寛いでやがんだ、クソが!!」

「お構い無く」

「構うに決まってんだろ!!誰んちだと思ってんだゴラァ!!」

 

今日もかっちゃんは元気だなぁ。

なんか安心する。

あ。

 

「かっちゃんや、かっちゃんや」

「━━んだ、こら!!」

「良い子のかっちゃんにプレゼント」

「プレっ!?━━━━は、はっ、はぁ!?」

 

凄い怖い顔しながらも、ちゃんと手渡せば貰ってくれるかっちゃんは物を大事にする良い子だと思う。たまに爆破するから、完全に良い子ではないけど。

 

受けとったそれをマジマジと見つめるかっちゃんの顔は渋い。

 

「おい、なんだこりゃ」

「・・・・」

 

改めて考えると恥ずかしい。

タッパーに詰めて持ってきたそれは、私の中では一応目玉焼きなんだけど、かっちゃんからすると得体の知れない何かに見えるんだろうなぁ。

本物の目玉焼きを作れるようになった今の完璧女子な双虎ちゃんから見ても、まぁワケわからん物質だから言い訳のしようもないけど。

 

なんで持ってきたかって?忍びなかったんや。

二時間戦った証を捨ててしまうのが、忍びなかったんや。

でも自分で食べるのは遠慮願いたい。

 

だから、持ってきた。

はい、QED。

 

「おい、馬鹿女、こっちみろや」

「双虎にゃん、人語が分からないにゃん」

「百パーセント分かってるやつの返しだろぉがっ!!」

 

ゆさゆさと揺らしてくるかっちゃん。

酔うから止めろと言いたい。

言わないと終わらない気がするので大人しく白状する事にした。

 

「め、めだま、目玉焼き」

「・・・・・・」

 

かっちゃんの目がヤバイ。

なんだその人殺しそうな目は。

悪かったよぉ、失敗作渡して悪かったよぉ!

 

「・・・はぁ。さっき、電話越しで騒いでたやつか」

 

溜息吐かれた。

怒鳴られるかと思ったのに、溜息吐かれた!!

なにこれ、死ぬほどムカツクんだけど?!

 

殴ってやろうかなと思ってると、かっちゃんがタッパーの蓋を閉めた。

 

「━━━っは、んどくせぇ」

 

そしてそれだけ言うと、そのタッパー持って部屋に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

え、食うの?

 

持ってってたやつ、食うの?

 

 

 

いや、そのまま捨てるのが忍びなかったよ?

だから食わせようと思って持ってきたよ?

無理矢理ね?無理矢理。

 

なのに、え?食うの?

自分から食う感じなの?

食べれんの?それ?

 

なに?なにか悪いことしたの?

罰なの?

なにか悔い改めるような事したの?

懺悔?

 

 

 

かっちゃんの行動に複雑な気持ちになっていると、玄関の方から光己さんの声が聞こえてきた。

 

「あっれー!来てたのね、双虎ちゃん!ごめんねぇ、ちょっとお買い物いってて・・・ってどうしたの?」

 

なんか、光己さんに頬っぺたをプニプニされた。

 

「温かい。熱があるわけじゃないのよね?」

「熱?」

「なんか顔赤いわよ?」

 

え?う、うん?

んー、あれだ、なんだろ。

分からん。

 

「部屋が暑かったのかも」

「そんなにでもないと思うけど?まぁ、良いわ。さっき良いもの買ってきたのよ!じゃじゃーん、シュークリームーー!ほら、駅前に新しく出来た洋菓子店あったでしょ?いつも人が並んでる」

「おおー!知ってます知ってます!お高いやつですよねぇ!」

「そうなのよ!ちょっとお高いやつ!実はさ、ウチの旦那の知り合いがやってたお店みたいでね、今日はお願いして取り置きして貰ってたのよ!限定品のヤツ!」

「おおー!!」

 

いつも、いくと売り切れてるヤツ!

何度もかっちゃんに買いにいかせたけど、買えた事なくて諦めてたヤツ!!

 

「折角だから、これで一緒にお茶しましょ、ね」

「喜んでー!」

 

 

 

 

それから、光己さんとゆっくりお茶してから帰った。シュークリームは美味しかった。なんか母様の分まで貰ってしまったので、ちゃんと持って帰った。途中で食べる?ノンノン、バレたら後が怖いからや・ら・な・い。

 

帰り際、空のタッパーを渡してきたかっちゃんに「よくこんなゴミ持ってきたな」と言われたので、それは殴っておいた。

多分、私は悪くない。

 

 

と、思う。

 

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