私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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生きるって、こんな気持ちなんだろうな。

(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ.


パート3:ベスト・ガール:私の夏休みを取り戻せ編
嵐を呼ぶ包帯先生が言うことにゃ、皆でお祭りらしいので、僕たち私たちはスポーツマンシップに乗っとり、正々堂々━━━何をしてでも勝ちに行くんで夜露死苦ぅ!の巻き


いつものようにかっちゃんと登校すると、校門の所で切島にあった。切島は「よ!朝からお熱いな!結婚式は呼べよ!」と冗談をかましてしたので、無言で腹パンしてやった。

ほざけ、下郎が。

 

ん?どうしたかっちゃん。

なんで私の顔みない、おい。

どしたん。

 

 

 

馬鹿な事言った切島に説教しながら教室へいく。

A組の教室のドアをオープンすると、皆がワイワイしてた。こいつらいつもワイワイしてるな。

 

「あっ!ニコちゃんおはよ!」

「お茶子おはよー!一昨日ぶりー」

「ねぇー」

「ねぇー」

 

「さっきまでぶちギレてた奴とは思えねぇ変わりようだな。女って怖ぇぇ」

「てめぇが馬鹿なだけだろ」

 

お茶子と昨日の事を話してると、なんか顔を赤くしてイヤンイヤンしてた。どした、変な物でも食べたのか?お金が無いからって、道草をリアルに食べちゃ駄目だぞ。お茶子。

 

「いや、食べてへんよ。というか、その、ニコちゃん何も分からんの?」

「何が?」

「そ、それは私の口から言えんよ~・・・。そ、そういうんは、自分で気づかな意味ないと思うし」

「ふぅん?よく分かんないけど、分かった」

 

まぁ、この話は後にしよ。

 

「それより昨日はお茶子なにしてたん?」

「ええー?私?休みっていきなり言われてもやることなくて・・・その、寝てました」

「一日ずっと?」

「いや、ジョギングには出掛けたけど、他は、うん」

 

花の女子高生がそれで良いのか。

まぁ、お金がないなら仕方ないけどさ・・・。

 

「上鳴ー」

「ん?なんだよ緑谷ー。爆豪から俺に乗り換えか?」

「目を潰されたくなかったら、その達者な口を閉じろ」

「怖えぇぇよ!?なんだよ!」

「今日の帰りお茶子にご飯奢って」

 

「えぇ!?」

 

お茶子が凄く焦った顔してる。

 

「いや、俺は良いけど、麗日がすげぇー顔になってんぞ」

「照れ隠しだから」

 

「照れ隠しちゃうよ!いいよっ、そういう事はしないで~!」

 

お茶子の為を思って言ったのだけど、全力で拒否されてしまった。どんだけモテないんだ上鳴。普通奢るっていったら少しは心が傾くだろうに。即拒否とか。なんやかんやウチのクラスの女子相手に全滅してるだろ、こいつ。

可哀想になったので「どんまい」と優しく肩を叩いてやったら、「そっちのが傷つくわ」と返事が返ってきた。口答えする元気があってよろしい。

 

眼鏡が騒ぎだした頃、教室のドアがガラッと開いた。

部屋に入ってきたのは、僕らの包帯先生。いつかはそうなると思っていたが、ついに顔まで包帯に侵食されてしまっていた。可哀想に。

 

「お早う」

 

僕らの包帯先生は一言そう言うと、さっさと教壇についた。眼鏡が手を挙げたのが見えたので、その後頭部目掛けて消ゴムを投げといた。どうせ大した事言わないんだから、シャラップしとけ。

 

今日の包帯先生は下手に茶化すな。

泣きをみるぞ。

 

私の予想通り包帯先生は終始ぴりぴりしながら話始めた。

 

「ヴィランの一つ二つ退けて気を緩めるな。次の戦いがすぐそこまで迫ってる」

 

「戦い・・・!」

「戦い?」

「またヴィランがーーー!?」

 

皆がザワザワする中、優秀な双虎ちゃんはちょっと先回りしてスマホって調べてしまう。

すると記事の中に雄英が開催するイベントが特集されてた。

 

「ゆ━━━━」

「雄英体育祭があるって」

 

クラスに一陣の風が吹いた気がした。

え、なに?みー?ええ、私ですが?私が教えて差し上げましたが、なにか?━━━はっ!?スマホがっ!!くそっ、包帯先生!返せ!私のスマホを返せ!━━って、わぁ!!ちょっ、漁らないでっ!漁らないでっ!私のにゃんこフォルダを漁らないでぇぇ!その子達は私だけのアイドルにゃんだぁぁぁぁ!!返して頂けませんか、包帯先生ぇぇぇぇぇぇ!!!

 

泣きながら頼んだら返してくれた。

やってみるもんだ、グスン。

あ、でも後で猫フォルダは危険性の有無を確かめる為に全部コピーして寄越せって言われた。くそっ、私だけの路地裏アイドルなのに。

てか、危険性ってなんだ!

 

「━━━あー、馬鹿に邪魔されたが話を戻すぞ」

 

そうして包帯先生から説明された話は、要約すると体育祭やるよって話だった。チンピラのせいで警備が増えるとか、オリンピックよりでかい祭りだとか、プロヒーローのスカウトが見てるとか、なんかそんな話だった。

 

「時間は有限。プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ。年に一回、計三回だけのチャンス。ヒーローを志すなら絶対に外せないイベントだ」

 

包帯先生は教壇に身を乗り出し、皆を強く睨んだ。

私の後ろの席から「あぅっ、やべ、ちびった」と声が聞こえてきたけど聞かなかった事にした。

峰田、もし私に触ったら命は無いものと思え。

 

「心してかかれ、以上━━━」

「はーい!」

 

包帯先生が私の目を見てきた。

信頼なんて欠片もない、純度百パーセントの疑いの眼差しだ。なんて失礼な目だ。返事をしただけなのに。

 

「緑谷、なんだ」

「え?いや、返事をしただけですけど・・・」

「・・・そうか。俺はてっきり、お前がまた馬鹿な事を言うのかと思った」

「失礼なぁ!!」

 

プンスコだよ、これは!!

サンタさんにもその良い子っぷりが知れ渡っている双虎ちゃんちに大して、クソ失礼ってもんだよ!!

私の事をなんだと思っているんだぁぁぁぁ!!

 

「悪かった」

「許しませんよ!私は許しませんともよ!せっかく頑張ろうとしてる生徒に向かって、包帯先生は何を向けましたか!そう、疑いの眼差し!!傷ついたぁ!これは傷ついたぁぁ!!思春期特有のガラスのハートが傷だらけーですよぉぉ!!」

「だから悪かった。すまん。━━しかし、俺としてはお前がこういったイベントに前向きなのが意外でな。侘びという訳でもないが、成績のリザルトによっては夏の補習日を減らして貰えるように掛け合ってやる」

「騙されませ━━━━うぇ?りぴーとあふたみー?」

「補習日を減らして貰えるように掛け合ってやる。リザルト次第でな」

 

 

夏休みを埋め尽くしていた憎き補習日達が、帳消しの助だと・・・!?

私は思わず立ち上がってしまった。

 

 

はっきり言おう、私は体育祭を、バックレる気満々だった。当日お腹が痛くなる予定だった。それが駄目ならアダムスキー円盤に浚われて一日行方不明になるつもりだった。

何故か?だって体育祭とか面倒臭いから。かったるいから。だから、バックレる気満々だったのだ。

 

だが、包帯先生のうっかり発言の揚げ足とって責め立てたら、たった一日の体育祭で成績を出せば私の夏休みが全部カムバックするという。

 

こんな、美味しい話はそうはない。

やらいでか。

 

「・・・・おい、緑谷」

 

「━━はっ!?はい!緑谷双虎!!雄英体育祭に誠心誠意、参加させて頂きます!!必ずや包帯先生がご納得頂ける成績を叩き出してご覧にいたしますれば!!補習の件何卒、何卒ご再考頂けるように切に願うばかりでありますです!!」

「日本語、滅茶苦茶だな。まぁ、気持ちは伝わった。頑張ってみろ」

「ははぁぁぁぁ!!」

 

私はこの日、雄英体育祭でナンバーワンになることを堅く誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「けろ、相澤先生、確約はしてないと思うのだけど・・・」

「しっ!梅雨ちゃん、しっやって!」

 

 

「私語は━━━」

 

 

「けろっ」

「あわっ」

 

 

 


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