私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~ 作:はくびしん
おれ、やれば出来る子やったんか。
自分の才能がおそロシア((((;゜Д゜)))
なんてなヽ(・∀・)ノ
包帯先生からお達しがあってから二週間。
それなりに頑張って準備してきた、私の晴れ舞台がついにやってきた。
夏休みを取り戻す、聖戦の開幕である。
え?昨日とテンションが違うって?
そりゃ、そうさ!だって寝たからね!!十時間!!
起きたときびっくりしたわ!
そんな私と違い、A組に設けられた控え室では、やる気と緊張が入り交じった複雑な顔した皆の姿があった。
私は元気なうえ余裕なので、かっちゃんに奢って貰ったスポドリ片手に屋台で買ってきたたこ焼きを食べていた・・・美味しかった。
「皆!準備は出来てるか!?もうじき入場━━━緑谷くん!!これから競技に参加するのだぞ!?飲食は控えたまえぇぇ!!」
「食べ終わったから大丈夫」
「食べ終わってたら、手遅れなんだが!?」
冷えたたこ焼きなんて食べられない。なので別に間違ってないと思うの。食べたいときに食べ、寝たいときに寝る。それが、生き物!!
いやぁ、でも青のりは抜いて貰って良かったわ。テレビに出るのに青のりついた歯は見せられないかんね。
騒いでる眼鏡の口に飴玉を突っ込み黙らせ、緊張してるであろうかっちゃんの肩をポンしてあげる。振り向いたかっちゃんのほっぺに私の人差し指が刺さる。
「・・・ぶっ殺すぞ」
はい、静かなぶっ殺すぞ頂きましたー!
かなり緊張しております、これ。
みんなー!普段クソ元気なかっちゃんが、柄にもなく緊張してるよーーー!!ほらぁ、茶化してあげて!待ってるよ、皆の事かっちゃん待ってるよーーー!!
ただただ、あがるようにしてあげてぇぇ!!
━━っいたっ!いたたた!ちょっ、ポニテ駄目っ!ポニテは反則でしょう!?引っ張らないでぇぇぇ!!・・・やめろってんだこの野郎!!
揉みくちゃにされた髪をお茶子と直していると、紅白饅頭こと轟きゅんが私の前にきた。
神妙な顔してる。トイレだろう。
「入り口出て左」
「・・・?あ、いや、トイレじゃねぇ」
「トイレじゃなかったんや」
お茶子もそう思ったのか。
私らきっと親友だな。
「正直、俺はお前ほどふざけた奴はいないと思ってる」
私は胸元のチャックを少し下ろし、腕捲りして臨戦態勢を整えた。
「喧嘩なら買うぞ・・・紅白饅頭」
「ニコちゃん落ち着いて!!話っ、最後まできこ!」
お茶子に窘められてしまっては殴りにはいけない。
何か言いたそうな轟きゅんに先を促してあげる。
「実力的に言えば、俺のが上だと思う」
まぁ、個性把握テストでも負けてるし、ヒーロー基礎学でも良い成績出してるし、それは間違いはないと思う。けど、今更なんでと思う。
不思議に思ってると轟きゅんが私の目を見てきた。
「でもな、お前に勝てるかどうかって聞かれたら、俺ははっきりと答えられない」
轟きゅんの目が重い気がした。
「お前は気絶した後だったから知らねぇとは思うけどな、その後あの黒いヴィランとは俺も戦った。つっても、直ぐにオールマイトが助けにきて殆んど戦ってないけどな。でもな、それでも分かった。少なくとも俺じゃ、お前と同じ時間戦って居られなかった、てな」
はっきりと口に出来ないけど、なんか追い詰められてるみたいな。そんな余裕のない目。
「お前には勝つぞ」
それだけ言うとさっさと出ていってしまった。
私は轟きゅんの言葉を心の中で反芻し、そして思った。
「・・・少年漫画展開きた」
「ニコちゃん、それ轟くんの前でゆうたらあかんよ?」
分かってるお茶子、これは私の胸にしまっておく。
言ったが最後、せっかくの熱い展開がこないで終わりそうだもんね。
「でもなぁ、これくらいは言ってあげれば良かったかな・・・」
「ん?」
「優勝するのは、私だからって」
何を背負っているか知らないけど、私だって負けられない。なんて言ったって、夏休みが掛かっているのだから。上位入賞すれば包帯先生もかなり譲歩してくれる筈だ。優勝すれば、きっと補習免除になるに違いない。
いえす!カムバック、マイ夏休み!!
「皆っ!宣言するよ!!私は勝って勝って勝ち上がって!!絶対に夏休みを取り戻す!!そしたら、皆で死ぬほど遊び倒そうーーー!!」
返事が返ってこない。
遊びたくないのか、こやつら。
「上鳴!!」
「おっ!?なんだよ!」
「遊びたくないのか!!海!山!プール!夏祭り!!」
「海、プール、夏祭り!!」
山を除いて凄い食いついてきた。
魂胆がまる見えなので、そこをついていく。
「私が優勝した暁には、A組皆で海にいく事を宣言する!!見たくないかっ、私らの水着姿を!!」
「なっ、緑谷、おまえっ・・・!」
「み、みてぇぇぇぞーー!!」
エロ小僧も交ざってきた。
こいつは連れてきたくないので、連絡網から外す事を決めた。今決めた。
「夏祭りも皆で行っちゃうぞ!!見たくないかっ、私らの浴衣姿を!!」
「「おおおーー!!」」
本当、こいつら仲良しな!
でもな、峰田、お前は連れていかない。
これは確定事項だ。
「よぉぉし!ならば、もう一度行くぞ!夏休みは死ぬほど遊び倒すぞー!!」
「「遊び倒すぞー!!」」
「皆で海に行っちゃうぞー!!」
「「海に行っちゃうぞー!!」」
「夏祭りにも行っちゃうぞー!!」
「「夏祭りにも行っちゃうぞー!!」」
「よし、ついてこい野郎共!!私がお前らに夜明け見せてやる!!」
「「一生ついてくぜ、緑谷ぁぁぁ!!」」
優勝は私が貰ったーーー!!
「━━ええ!?海いくん!?み、水着!?」
「けろっ、私は別に構わないけど・・・学校指定の水着しかないわ」
「私はパス。あの二人がいくなら余計」
「だよねー。ちょっとね?」
「ええーいいじゃんいこーよ!みんなで海ー!」
「それでしたら、我が家のプライベートビーチに女子だけで集まりませんか?お父様にお話しておきますので・・・」
「「「「「プライベートビーチ!?」」」」」
「は、はい。そうですけど・・・?え、なにか?」
◇◇◇
「あんだけ緊張でガチガチだったのに、随分と弛んだな。固くなり過ぎんのもあれだけどよ、これは流石に弛み過ぎだろ。━━━てか、なんか女子達仲良くなったよな?やっぱこの間の女子会のせいなんかな?俺達は散々だったのに・・・」
「だぁってろ、クソ髪。ぶっ殺すぞ・・・!」
「今日はまた一段とキレてんな?」
不意にそんな会話が聞こえて、私は女子の皆と別れ爆豪くんと切島くんのも元へ向かった。朝から気になってる事があって、爆豪くんなら何か知っとるかも知れへんと思ったから。
「あの、ちょっとええかな?爆豪くん、切島くん」
「お、麗日!なんだ、珍しいな。どした?」
「えっとね、爆豪くんに聞きたい事があって・・・」
そう私が言うと、モノごっつい顔で睨まれた。
うう、相変わらず怖い顔しとるなぁ。
ニコちゃんと仲良いみたいだからまだ大丈夫やけど、普通に会ったら話し掛けられんと思うわ。
「んだ、丸顔」
あ、うん。
あとでニコちゃんに怒って貰お。
「それで、ニコちゃんの事なんだけど━━━」
「ああ!?」
「━━っわ!!?」
モノごっつい顔された。
これ絶対なんかあったやろ。
昨日二人して早引きしとるし、朝からニコちゃんの様子は変やし。
「━━━あのね、言いたくないんやったら、別に言わんでもええよ。ニコちゃんも教えてくれんし。でもね、もし私に力になれるような事があったら教えて欲しい。ニコちゃんはきっとなんもゆうてくれんやろうし、そういうは爆豪くんのが分かるやろ?」
「・・・・・・」
「正直、今日は私も人の事構ってる余裕なんてないよ。私にも夢はあるし、ヒーローになるチャンスだもん。相澤先生が最初にゆうたようにお友達ごっこしてる場合ちゃうんやって分かる。けどね、私はそんな簡単に割りきれん。競う相手かも知れんけど、ニコちゃんは友達やから。だからね・・・あーーんーー、なんてゆうたらいいんだろ?」
なんか恥ずかしなってきた。
なにゆうてんやろ、私。
「そ、それだけ、それじゃ━━━」
「丸顔」
「━━━ん!?な、なに!?」
振り向いて顔を見たら、爆豪くんはなんか凄く苛ついた顔していて、でも何か言いたげにしとった。
聞いたらまた反発されるかもしれんから、少し様子見した。そしたら、そっぽ向いたままやったけど口を開いてくれた。
「━━んか、あったら、言ってやる」
「あ、うん。ありがと」
ほんま、爆豪くんはニコちゃんに弱いなぁ。
なんか、少しだけやけど可愛く見えてきた。
こういう所がニコちゃん好きなんやろか?
こんな時にこんなん思うのはずれてんやろうけど、いつか私にもこういう人が現れたらええなって思う。
ちょっとニコちゃんが羨ましいわ。
いや、でも、爆豪くんみたいなんは嫌や。