私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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はぁい!はくびしんだよ!
話が進むにつれて、書かなきゃいけない事が増えてきて、「おいおい、まじかよ」と思ってる、はくびしんだよ!!
紅白饅頭の話かくの、むりぃぃぃぃ!!


よーい、ドンって言ったら走るんですよー?いいですねー?よーい・・・良いですか?よーい、はい、待って、よーいドンって言ったら、言ったらですよ?の巻き

『さぁ上げてけ鬨の声!!血で血を洗う雄英の合戦が今!!狼煙を上げる!!!!』

 

ワァと上がる歓声に大統領気分でいえすうぃーきゃんをしてると、騎馬の先頭に配置された尾白がこっちをみてきた。なにー?

 

「今更かも知んないけど、俺で良いのか?」

「本当に今更だなぁ。大丈夫、なんとかなる!!その為に装備も色々した訳だしな。あとは、かっちゃんばりのガッツを見せるだけだ!!尾白!!!」

「爆豪程のって、全然なんとかなる気しないんだけど・・・」

 

いまいちヤル気のかける尾白の尻尾をひっぱたき気合いを入れてあげる。痛くなかったみたいだけど驚いたのかピンと真っ直ぐに伸びた。ナニコレ面白い。

 

「よし、お茶子!!」

「うん!」

 

「発目!!」

「フフフ!!」

 

「類人猿最強生物兵器、尾白マックス!!!」

「俺だけ凄い改造されてる?!」

 

「目標は全員のハチマキ奪取なんでぇ、夜露死苦ぅ!」

「「夜露死苦ぅ!!」」

 

「大丈夫かなぁ、俺・・・」

 

 

 

 

 

 

 

ラジオのおっちゃんの「スタート」の掛け声で始まった騎馬戦。予想通り、私達のチームはスルーされる所から始まった。

殆んどの騎馬がかっちゃん達の元に向かってる。小競り合いしてる騎馬もあるけど、どれもこれも私達の所には向かってこない。アナウンスもこっち完全無視だ。

 

「緑谷の予想通りになったな」

 

そう言った尾白は皆を眺めながら、どこかホッとしてるように見える。かっちゃんばりのガッツを求めたから緊張してたのだろうと思う。

まさか本気にするとは。

 

「2位の人、目立たないと困るんですが・・・」

 

発目の悲しそうな声が聞こえた。

取り合えず無視しといた。

私たち利益で繋がってるフレンドなので、慰める理由がないのだ。

 

「ニコちゃん、取り合えずはこれでええとして、ホンマに全部ハチマキを取るつもりなん?」

「取る。根こそぎ取る」

「頼もしい限りやけども・・・」

 

お茶子が少し心配そうな顔してる。

まぁ、皆が不安になるのは分かる。

これだけ蚊帳の外にされたら不安になるのは当たり前だ。けど、今はこれで良い。

 

忙しくなるのはこれからだから。

 

『やっぱり狙われまくる1000万!爆豪っ、集中砲火っ!!よくあれで取られてねぇなぁぁぁぁ!!』

 

頑張ってんなぁ、かっちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

少し眺めていると、かっちゃん達から離れこちらに向かってくる騎馬が見えた。見たことない人達だからB組の人達だろう。

 

「ほら、痺れを切らしたのがきたぞ。鴨だ鴨」

「本当に来た。緑谷って実は頭良いのか?」

「天才美少女高校生に決まってるだろ!」

「普段の姿を見てると、素直に頷けないな」

 

うだうだ言う尾白は放っておき、お茶子に合図を出す。

直ぐに皆の体にお茶子が触れ、体に掛かる重さが無くなった。

 

「飛ぶよ!」

 

背中のジェットパックから勢いよくガスが飛び出し、私達の騎馬は空を飛んだ。

 

「飛んだ!?サポート科のかっ!るおっ!?」

「ぶぅわっはははは!!さらばだ、B組のとっつぁぁぁぁぁん!!」

 

騎馬一つで飛び込んできたアホのハチマキを引き寄せて奪い取り、そのままもう一度ジェットパックで飛び飛距離を稼いで逃げる。

 

逃げてる最中、炎を吹き散らす嫌がらせもちゃんとやっておく。これが大切。これだけで追うことを躊躇させる効果がある。

 

「ニコちゃん着地するよ!」

 

発目の作ったエアクッションブーツでお茶子軟着陸する。見た感じ足元のダメージは少なく済んでると思う。お茶子に確認しないと分からないけど、恐らく二三度はさっきの大ジャンプを出来るだろう。

着地して辺りを警戒してると発目が鼻息荒く迫ってきた。

 

「どうですか、ベイビー達は!!可愛いでしょう!?」

「機械の可愛さなど知らん!!けど、いいね!」

「そうでしょうとも!!」

 

可愛くないのは別にいいのか。

 

「緑谷!!敵の位置と近くなったぞ!このままで良いのか!?」

 

尾白が周囲を見渡しながら聞いてきた。

 

「取り合えず、この『兎さんは月に行きたいんだよ』作戦のまま行こうか。ピョンピョン跳ねて、ブンブンぶんどっていこう」

「その作戦名って本気だったのか!」

 

そうこうしてる内に違うのが来た。

四足で走る獣系男子一人の、背中に男子が一人という鴨が来た。

 

「お茶子!!」

「うん、タッチしたよ!」

 

さっきと同じようにとジェットパックの推進力で空を飛び、敵騎馬を飛び越える。通り過ぎ様にハチマキを引き寄せ奪おうとしたが、敵がしっかり抑えていた。だが、手ぬるい。

 

「どうせ抑えるならっ、手にグルグル巻きにしとくんだったな!!」

 

不屈の乙女力で強引に引っ張れば敵の手元をすり抜けハチマキさんは私の手の中に収まった。

 

「2位の人、あれ使いますか!?」

「やりたまえ」

「了解しましたよー!!」

 

追いかけてこようとする二人組に、発目は銃を構えた。

勿論出るのは弾丸ではない。捕獲ネットだ。

発射されたそれは真っ直ぐ敵に飛ぶ。普通なら機動を読まれかわされるだろうが、そうはさせない。騎手に狙いを定め思いっきり引っこ抜く。お茶子の個性で体重はゼロだがジェットパックで加速された勢いがある。人を一人引っ張るくらいは余裕だ。

 

引き寄せられた人は自ら捕獲ネットに突っ込むようにぶつかり、見事に絡まった。ざまぁ。

 

「緑谷!!今ので飛距離落ちたぞ!混戦してる所に落ちる!!」

「分かってるって!尾白!私の足しっかり掴まえとけ!!飛ぶ!!」

 

足が固定されたのを確認してから引き寄せる個性をフルスロットル発動して飛ぶ。標的にしたサイドテール女子がバランスを崩したが足がしっかり固定されていたのか、こちらに飛んでくる様子はない。そのまま側まで飛んで、通り過ぎ様にハチマキを貰っておく。手が届きそうだったので物理的にとってやった。

 

普通なら騎馬同士がぶつかる所だが、今回に限りその心配はない。お茶子が付けてるエアクッションブーツのお陰でその辺の位置調整が出来るのだ。勿論これは事前に決めておいたからこそ出来る芸当。即興でこんなの出来る訳ないからね。

 

「着地するよ!!」

 

ブーツで落下衝撃を和らげ、地面に着地しお茶子が個性を切る。本来の体重が戻る感覚に慣れない。このままフワフワ生きていたい気持ちになる。

重力を味わいながら発目にサイドテール女子達に対するトリモチ爆弾の指示を出していると尾白がこっち見た。

 

「緑谷!ヒヤヒヤしたぞ!いきなり騎馬から飛ぶなよ!個性で寄せろって!」

「尾白の尻尾、案外しっかりついてるから行けると思ったんだよね。ほら素手で取った方が気持ちいいし?実際いけたし?」

「こっちの心臓が持たないんだよ!!すっぽ抜けると思った!」

 

オコである。

尾白、オコである。

 

「まぁまぁ、上手くいったから良いじゃん?」

「上手くいったから良いけど・・・失敗してたらどっか飛んでいったろ」

「その時は引き寄せる個性で飛んで戻ってくるし」

「それを出来るっていうんだから、緑谷は爆豪と張り合うだけはあるよな」

「完全無欠で豊穣の女神、双虎ちゃんだからね」

「はいはい、凄いよ」

 

さて、そろそろ注目も集まってくる頃。

どうしようかね。

 

「2位の人!なんか来ますよ!ゴツイ人!」

 

発目の声に振り返ると進撃のゴーレムがいた。

高校生以前に人がどうかすら怪しい。

 

「緑谷!!こっちもきた!さっきの奴だ!一番最初に飛び込んできた!」

「鴨か」

「そうだ、鴨だ!って、おかしな事言わせるなよ!?」

 

見るまでもない、なんか元気な声で「ポイント返せぇA組のぉぉ!!」とか聞こえる。本当にとっつぁんみたい。

 

「ニコちゃん!こっちもきてるよ!」

 

振り向けば阿修羅さんが最終形態でこっちに迫ってきていた。背中を隠すようにしてる所から、あそこにブドウと梅雨ちゃんが内蔵されているのだろう。厄介な。

 

その場所を見つめていると、腕の隙間から覗いた目と目があった。

 

「尾白ぉぉぉぉぉ!!裏切り者には死の鉄槌ぉぉぉぉ!!」

「俺!?そこはハチマキつけてる緑谷だろ!」

「うるせぇー!!羨ましいポジつきやがって!オイラと代われぇぇぇ!!」

 

ブドウの黒団子が尾白に向かって飛んでいく。

放って置いても良い気がしたけど、尾白の自由を奪われると後々面倒なので引き寄せる個性で軌道を外へと逸らし、当たりそうな奴は燃やしておく。

 

するとブドウの隣から舌が伸びてきた。

そうだろうと避ける準備をしていたので軽くかわして、そこへと視線を向けた。

予想通り梅雨ちゃんの目がこちらを覗いてきた。

 

「やるわね、緑谷ちゃん」

 

なにあれ、ちょっと楽しそう。

 

梅雨ちゃんの姿にほっこりしてると尾白に尻尾で揺らされた。どうしろっていう話だよね?分かる分かる。

 

「そろそろだと思うんだけどなぁ?」

 

かっちゃん達の所を見れば爆発と氷でえらい事になっていた。加えて電撃の光とか見える。戦ってる相手が悪いせいでかっちゃんがまだ飛んでない。

 

「爆豪はまだなんだろ!どうする!?飛ぶか!?」

「飛びたいけど、ジェットパックも無限に使える訳じゃないからね」

 

出来れば最後の五分間まで残したい。

 

「緑谷一騎来たぞ!」

 

振り向けばゴーレムがこっちに向かってきていた。

歩みの遅さに皆の気が抜けたのを感じ、尻尾をつねったのだが遅かった。

 

ゴーレムから噴出された液体がお茶子の足に掛かる。

接着剤みたいな物だったのか、お茶子が身動きを取れなくなった。

 

「目立ち過ぎなんだよ、A組━━」

 

頭に巻いてあったハチマキが抜ける感覚と同時に男の声が背中に掛けられた。

瞬間、尾白の尻尾に足を絡め、引き寄せる個性で後ろを通り過ぎた奴を引っこ抜く。

 

「━━━っわ」

 

間抜け声を出したそいつに、振り向き様に右エルボーを叩き込み、奪われたハチマキと首に下げてるハチマキを引き寄せる個性でぶんどる。二本持っていたようだが、一本取りのがした。後で奪うけども、取り合えず放っておく。

 

苦しそうにえづく知らない奴から周囲の奴等に視線を送り、取り合えず警告はしておく優しい私。

 

「私のに触ったら、殴る。全力で殴る。男も女も関係ない。殴る。死にたい奴から掛かってこい」

 

ガン飛ばしながら「ボキッ」と骨をならしたら、皆が一歩下がった。どうしたよぉ。こいよ。伊達にかっちゃんと拳骨でやりやってないんだよ、こっちはよぉ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ニコちゃん、完全に悪役や」

「ウフフフ!!これは目立ちますねぇ!!」

「気持ちよく戦いたかったなぁ・・・はは」

 

 

『━━━っと!爆豪と轟の激戦に見とれてたら、えらい事になってるぜ!?制限時間半分過ぎて、B組チームのポイント殆んど取られてんぞぉぉぉ!?どうなってんだミイラマン!!』

『ちゃんと全部見てろ、馬鹿』

 

 


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