私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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次回、職場体験編クライマックスです( *・ω・)ノ

これにて眼鏡の出番も激減!
次彼に会えるのはいつになるのか!
こうご期待です。


劇的な終わりがある訳じゃないのが人生だから、こんな終わり方があっても良いよね?地味かもしれないけど、運命だったんだよ。諦めてさっさと負け犬の遠吠えでもすると良い!!ふぁーははは!の巻き

超絶美少女にして小悪魔系ヒロインである私、緑谷双虎は現在かっちゃんに捕まっている。

理由は分からない。分からないんだけど、兎に角捕まっている。猫掴みで。

 

轟と飯田が発目印のニコちゃんロープでボロ雑巾を縛りあげている間も、猫掴みの刑は執行された。私に出来る事はない。借りてきた猫の如く静かに過ごすのみである。━━━しっかし、こうして猫掴みされるのはいつ以来かなぁ・・・中学の時、西折寺の四天王倒した時以来かな?あの時も凄い怒られたもんなぁ。

 

猫掴みの刑も少し楽しみ始めた頃、轟がなんか凄い顔でこっちを見てる事に気がついた。いや、顔はあんまり変わらないんだけどオーラ的なのが、なんか凄かった。

 

「・・・な、なに?」

「?なんでもないが」

 

なんでもない雰囲気じゃないんだけども。

するとかっちゃんもソレに気づいたのか、轟を強く睨んだ。

 

「俺のだ。てぇー出すな、紅白野郎」

「?ああ、知ってる」

 

知ってるってなんだ、おい。

いつから私はかっちゃんの物になっとんじゃ。

そこんとこ詳しく。

 

ついでに、のーれんず飯田からは生暖かい視線向けられた。

なんだその目は!説明しんしゃい!こらぁ!!

・・・インディアンこらぁ!見えてんだからな!なんだその目は!この穀潰しが!

 

 

 

 

ようやく動けるようになったインディアンにヒーロー殺しを任せ、轟と飯田を連れてかっちゃんに引きずられる様に表通りに出る。

すると丁度こちらに向かっているっぽいプロヒーローを見掛けた。ちっちゃいお爺ちゃんヒーローだ。

マスコット的な可愛さを感じた私は手を振ってみた。

 

「爆発小僧ぉ!!!おめぇっ、勝手にすっとんでくなってったろ!!!」

「んだクソジジィ!!」

 

お爺ちゃんのキックがかっちゃんの顔面に入った。

手加減されてたのか、あんまりかっちゃんは痛そうにしてない。ま、そのおかげで猫掴みの刑を逃れられたので言うことはないけど。

 

「さっきのえれぇ爆発音。おめぇ、あれほど使うなっていったアレ使いやがったな!調整あめぇんだぞ、誰か死んだらどうするつもりだ!」

「っるせぇ!俺が!んなミスすっかよ!!」

「減らず口叩くんじゃねぇ、殻付きヒヨコが!!」

 

かっちゃんに言いたい放題していたお爺ちゃんの視線が、不意に私の方へ向いた。

 

「━━━あ?お、おめぇ緑谷だな?」

 

どうやら私の事を知ってるみたいだ。

散々おテレビで活躍したから仕方ないね。

 

「サインいります?」

「いらん。・・・ふむ、顔はテレビで見るよか美人じゃねぇか。肝もしっかりしてやがる。悪くねぇな。小僧が躍起になんのも仕方ねぇか」

 

「なってねぇ!!!」

 

話の流れはイマイチ分からないけど、取りあえず褒められた事にありがとしておけば「ほぅ、礼儀も知ってるのか」と感嘆の声をあげてきた。

失礼な。私をなんだと思ってるんだ。これくらいお茶の子さいさいよぉ!さいさいさいよぉ!

 

そうこうしてる内に応援のヒーローが集まってきた。

どれもこれも知らない奴ばかりだ。

こんなに居たんだと思うと同時に、誰やん?って本気で思ったのは内緒。

 

聞けばヒーロー達はハゲから要請を受けてきたらしい。

脳味噌野郎共で忙しいってのに、よくこれだけ送り込んできたな。仕事だけは出来るハゲだね、本当。

 

 

 

 

「二人とも、僕のせいで傷を負わせた。本当に済まなかった・・・何も・・・見えなく・・・なって・・・」

 

空気が弛み始めたのが切っ掛けになったのか、飯田が項垂れてしまう。ひくひくしてるから泣いてるのかも知れない。可哀想に。周りにいたヒーローも気を使って話し掛けない。

 

私は優しい気持ちでそっと飯田の顔をとれるようにスマホを捩じ込み、そっとシャッターをきった。

パシャりと光が溢れる。

 

「み、緑谷くん?!」

 

慌てる飯田に撮った写真を見せる。

見事に格好悪い飯田の顔がそこにあった。

 

「お茶子に無事だよメールしなくちゃ」

「その顔を見ても安心しないのではないかな!?というか、止めてくれ!流石の僕でも恥ずかしい!」

「大丈夫だよ、お茶子なら受け止めてくれる」

「ソレが、余計に嫌なんだが!?」

 

また元気が戻った飯田に轟が肩ぽんした。

 

「しっかりしてくれよ。委員長だろ」

「何となくだが、このタイミングでの言葉ではないだろう!?いつから温めていたんだい!?」

「学校ん時だな。職場体験前日・・・」

「大分前じゃないか!それは使えないさ!」

 

「るせぇぞ眼鏡!!」

「ば、爆豪くん!?ご、ごめん!それと助けてくれてありがとう!」

「っるせぇってんだろがっ!!」

 

すっかり涙が引っ込んだ飯田。

相変わらず手足がカクカク動いて面白い。

どうなってんだあれ。

 

あまりに変で心の中で笑ってると、お爺ちゃんが怒号をあげた。

 

「伏せろ!!」

 

全員の顔が空を向いた。

私も少し遅れて空を見上げたら、羽根つき脳味噌野郎そこにいた。

 

「ヴィラン!!あれはっ、エンデヴァーさんが・・・!」

 

プロの声が耳に響いた瞬間体が浮いた。

がっしりと掴まれた。

何故か私が。

 

 

 

「緑谷くん!!」

 

 

 

飯田の声が聞こえてきて、ようやく私の灰色の頭脳が動き始める。

唸れニコちゃんブレイン!!

 

なんて言ってたら、羽根つきが急にバランスを崩した。

軌道まで予測して反撃のタイミングを窺ってきたのにあんまりだ。

 

誰だっ!

 

「━━━わっ!?」

 

振り返った先にいたのは、まさかのボロ雑巾だった。

それで理解した、ボロ雑巾の個性のせいだって事を。

 

ボロ雑巾は一瞬で羽根つきの頭にナイフを突き立て、その命を刈り取った。そこに一切の躊躇はない。

こいつが本気で私に向かって来なかった事に、改めて安堵を覚える。ガチでやってたら、たとえ勝てたとしてもこんな軽い怪我では済まなかった筈だから。

 

ボロ雑巾は羽根つきと共に地面に着陸すると、抱えていた私を地面に置き、呟いた。

 

「偽物が蔓延る、この社会も」

 

 

「徒に力を振りまく犯罪者も」

 

 

 

「粛清対象だ・・・」

 

 

 

 

「全ては、正しき、社会の為に」

 

 

突然の事に反応出来なかったかっちゃん達。

同様にヒーロー達もどするべきかとざわめく。

 

「何故一塊で突っ立っている!!?」

 

浮き足だっていた雰囲気をかき消したのは、炎をメラメラさせているハゲだった。

もうあっちの脳味噌倒したのか。

本当に仕事だけは出来るな!

 

「なんだ、この状況は!?こっちに、一人逃げたハズだが、それはどうした!!━━━あぁ!?」

 

「エンデヴァーさん!あちらはもう!?」

 

「多少手荒になってしまったがな!」

 

ハゲの視線が私を捉えた。

 

「して、あの男は・・・まさかヒーロー殺し?!━━━む、小娘も一緒だと!?人質か!!ははっ、悪手よ!!小娘!自分の身くらい自分で守れ!!」

 

遠くに見えるハゲの腕が赤く光だした。

距離が離れているのに、熱すら感じる赤。

 

あの野郎!私ごと焼く気だ!

短い言葉だったけど、何をさせたいか分かった。

私に体育祭のアレをやれって言いたいのだ。

無茶苦茶言ってくれる。出来ないとは言わないけど、まだまだコントロール不足な所があるのに。

 

けど、このまま人質扱いってのは癪過ぎるから━━━ま、仕方ないか。

火力調整もしてくれるだろうし、なんとかなるさ。

 

 

くるであろう炎に身構えていたが、「待て、轟!!」というお爺ちゃんの言葉で緊張が走った。

 

 

それはお爺ちゃんの言葉が切っ掛けに見えるけど、実際はそうじゃない。

ヒーロー殺しの浮かべていた表情に、焼けつくような執念の瞳に、背筋が凍るような雰囲気に気圧されたのだ。

 

「エンデヴァー・・・偽物・・・!!」

 

ズルッ、と引きずるように歩く。

脅威なんて感じるような歩き方じゃないのに、誰もが息を飲んでいる。

 

「正さねば━━━━誰かが・・・血に染まらねば・・・!」

 

荒い息遣いが、もうヒーロー殺しが虫の息である事を伝えてくる。

なのに、そいつから溢れるそれは、獲物を前にした獅子のような暴力を体言したかのような激しい物だった。

 

「英雄を取り戻さねば!!」

 

ハゲですら、その圧力に足を引いた。

 

 

「来い」

 

 

 

「来てみろ、贋物ども」

 

 

 

 

「俺を殺していいのは、オールマイトだけだ!!」

 

 

 

 

・・・・・・。

 

 

 

 

 

・・・・ん?

 

 

 

 

 

・・・・んん?

 

 

「いや、ガチムチは人殺さない系でしょ」

「━━━ぶはっ!?」

 

思わずビンタでツッコミ入れたら、びっくりするくらい効いた。一気に死にそうになった。

 

ヒーロー殺しの焦点の合わない視線が私を見てくる。

何かを問うような、そんな視線。

特に返事を返す義務を感じなかった私は、頑張ってジャンプしてヒーロー殺しの頭を両足で挟む。

 

「ニコちゃん108の必殺技、投げっぱなしフランケンシュタイナー!!」

 

叩きつけたら死ぬ気がしたので、バク宙しながら投げ飛ばしてやった。

地面に体を何度も打ち付け転がるヒーロー殺し。

勢いが死にコンクリに転がったヒーロー殺しは完全に気を失っていた。

 

一応呼吸があるか確認したら、僅かだけどちゃんとしてる。

 

安堵した私は取り合えず皆にガッツポーズを見せた。

 

 

 

 

 

 

そうしたら、凄いガチ切れされた。

本当にびっくりするくらい、ガチ切れされた。

 

何故だぁ!一人くらい褒めてくれても良いだろう!!

頑張ったのに!私頑張ったのにぃ!

くそっ、お前ら、みんな嫌いだぁぁぁ!!

 

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