私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~ 作:はくびしん
勿論食用だよ。
さて、どうしようか・・・・(;・ω・)
誰か食べ方教えてくれ(切実)
死刑宣告を受けた翌日。
休み時間という貴重過ぎる癒しの時を使い、私は一枚の紙とにらめっこする羽目になっていた。
事の発端は言うまでもなく昨日、包帯先生が告げた授業参観だ。授業参観を中止に持っていけなくなった以上、母様が学校に来ること、私の普段を知るのは確定事項。つまりは、怒られる事は必然。
━━であるなら、私に出来る事はそう多くない。素直に謝るか、授業参観で良いところを見せて、母様が知るであろうあれこれをうやむやにするしかない。
その為には授業内容である感謝の手紙とやらを完璧に仕上げ、教室を感動の渦に落とすクラスの大作が必要になるのだが、これがまた死ぬほど難しかった。
だってね、作文の評価なんて小学生の頃からギリギリ可を貰えるレベルなんだよ?私。
荷が重すぎるぅぅよぉぉぉ。
プリントを渡さず知らぬ存ぜぬを貫こうとも思ったけど・・・・かっちゃんの存在がある。かっちゃんが光己さんにプリントを渡した時点で、母様に知れるのは時間の問題。なら、この方法は一番の悪手。そんな事すれば何かしらの理由があって学校に来てほしくない事を、自ら母様にばらすような物。理由を問いつめられて、授業参観前に絞められるのは目に見えている。
詰んだ・・・!
「ニコちゃん、どんだけ必死なん・・・顔えらい事なっとるよ?」
内容について悩んでいたらお茶子が声を掛けてきた。
お茶子は授業参観に思う所がないみたいで、割と能天気な感じだ。手紙も早々に書いたみたいで、余裕が体から滲み出てる。
羨ましぃ。
「お茶子はいいよ。私はこの手紙の良し悪しで、母様から何をされるか分からないんだよ・・・ひぃっ」
「普段から真面目にしとったら、そんなんならんかったやん・・・。もう、仕方ないなぁ。手紙書くの手伝ったげる」
「え!本当!ありがとー!!全米が涙するようなのお願い!!」
「私にワールドクラスの結果求めんといてよ・・・!ちょっとした手直しくらいしかせんからね」
お茶子が紙を覗き込み現在文に目を通す。
ふむふむと読んでいたお茶子が段々と渋い顔になっていく。
「どう?私的には、読書感想文で銀賞狙える感じに仕上がったと思うんだけど?」
「えぇ!?ほんまにそう思ってるん?!」
予想に反したお茶子のリアクションに嫌な予感を覚える。な、なんだよぉ。
「いや、その、気持ちは伝わるというか、ニコちゃんらしいというか、うん、感情的ではあるかな。独創的でもあるし、うん」
んん?それは、なんだ、褒められてるのか?
じっとお茶子の顔を見つめていると、顔を逸らされた。
お茶子が女子ーずに召集かけてる。
教室にいた耳郎ちゃん、梅雨ちゃん、百が不思議そうにこちらに来た。
「どーしたの、麗日」
「何かあったの、お茶子ちゃん?」
「どうしましたの?」
集まった女子ーずにお茶子は私の書きかけの手紙を見せた。別に恥ずかしい所もない手紙だ。誰に見せてもいいけど・・・・いや、ちょっと恥ずかしいな。いや、普通に恥ずかしいな。照れる。見ないで、駄文を見ないで。見ないでぇぇぇ!!
私の手紙を見た面々が、やはりお茶子同様に顔を曇らせていく。・・・ちょ、いい加減にしようか。言いたい事あるなら、言おうよ!気になるんだよ!
私の視線に気づいた梅雨ちゃん以外の二人が目を逸らしてきた。
「・・・個性的でよろしいかと」
「まぁ、緑谷らしい文っちゃ文じゃない。ウチも作文とか得意じゃないし、人の事言えないわ・・・・」
良い評価を貰えてる気がしない言葉の数々。
最後の頼みと、思ったことを何でも言っちゃう梅雨ちゃんに視線を向けると困ったように首を傾げた。
「けろっ。この間、私の妹が母に書いたお手紙より、酷いと思うわ」
「六歳に、負けた・・・だと?!ぐはっ!!?」
「あわわっ、ニコちゃーーん!!」
梅雨ちゃんの必殺技が私のハートを貫いた。
クリティカルな一撃に、起き上がっているのすら困難になり机に突っ伏した。咄嗟にお茶子が支えてくれなかったら、机を頭突きで叩き割っていただろう。
あと関係ないけど、足も生まれたての小鹿みたいに震えてたりする。
「ご、ごめんなさい。でも、正直に伝えないと、意味がないと思って・・・けろ」
申し訳なさそうにする梅雨ちゃんに心配しなくていいことを伝え、私は再び手紙へと向き合う。
もう絶望しか見えないけど、それでも止める訳にはいかない。お小遣いがなくなるのも、お夕飯にキュウリが混入されるのも、家事手伝いを義務化されるのも、ガチャ課金を禁止されるのも嫌なのだから。
皆から慰めだったり応援だったりの優しい言葉を掛けられ、色んな感情で泣きながら書き直していると、不意に大きな影が私の手元を覆った。
何だろうかと見上げれば、眼鏡が私の前に立っている。
「緑谷くん、少し良いだろうか?」
全然良くなかったけど、このまま思い詰めたままに書いても良くないかと思い、気分転換も兼ねて話を聞くことにした。
話をうながせば、四枚の遊園地のチケットが目の前に突きつけられた。
「この間の・・・ネイティブさんを覚えているかい?」
「ネイティブ?誰?」
「ヒーロー殺しの時・・・その、エンデヴァーが助けたヒーローがいただろう。緑谷くんがインディアンと呼んでいたヒーローの方だ」
「ああ、インディアン・・・!」
あの役立たずか。
私らが頑張ってる間ずっと寝っ転がってた、キングオブサボり魔か。
「お礼だそうでな。兄さんの事務所づてに俺の下に届いたんだ」
「なんで飯田くんの所に?エンデヴァーが解決したんなら、轟くんの所ちゃうの?」
お茶子のつっこみに、眼鏡が汗をかいた。
アホだこいつ、言い訳下手なくせに中途半端な嘘つくから。
本当の所を教えられない以上仕方ないけど、それにしても言い様はあったと思うんだけどなぁ。
ほっとくとボロ出しそうなのでフォローしてあげる。
「━━━ああ、お茶子。あのね、私らも救助に協力したんだよね。後で私らが学生なの知って、余計に気を使ったんじゃないかな?それでだと思う」
「そうなん?」
「チケットを眼鏡に渡したのもさ、最初に救助に向かったのが眼鏡だったからだと思うよ」
「おお、そうやったん!やるね!飯田くん!流石委員長!」
「あ、ああ。いや、それほどでも」
私のお陰でなんとか切り抜けた眼鏡は、ほっと一息つくと私に視線を戻した。
「それでだ、丁度四枚ある事だし、救助に協力してくれた皆でいこうと思って誘いにきたんだ━━━━あ、轟くん!!丁度良いところに!!少しこちらへ来てくれないか!」
「飯田・・・?なんだ」
教室に戻ってきた轟を呼びつけ、眼鏡は私にしたように説明する。説明を受けてる轟は何処と無く興味なさそう。
「━━━という訳なんだ。どうだろうか、丁度四枚ある。俺、轟くん、爆豪くん、緑谷くんと、四人でいかないか?楽しいと思うのだが」
「・・・いつ行くんだ」
乗ってきた、だと!?
あんなに興味なさそうだったのに!?
実はメルヘン好きなのか?
しかしな、それはそうと・・・・。
「チケットの期限が来週までなんだ。だから、来週の日曜日はどうかと思っていたんだが・・・」
「ちょっといい、眼鏡」
「ん?どうかしたかい、緑谷くん?」
「私、パスで」
そう私が言うと皆の時が止まった。
突然の周りのリアクションに、逆に私が戸惑う。
なに?何事!?
「緑谷さんが、遊園地を断るなんて・・・!?」
「病気か!?緑谷!はっ、もしかして、この小学生以下の作文はその病気のせいじゃ・・・!」
「ニコちゃん!あれほど、面白そうだからとか変な理由で、おかしなもんは食うたらあかんゆうたのに!!」
「どうした、緑谷くん!!頭をっ、頭を何処かに打ったのか!?」
お前らぁ、私をなんだと思ってるんだ!!
そんなに変か!私が遊園地に行かないのは、そんなに変か!!くぉらぁぁぁ!!
一人プンスコしてたら、轟が「何か用事でもあんのか?」と普通に聞いてきた。
この中で誰より正しい反応だと思うので、ちゃんと返してあげる。
「いや、用事はないんだけど、男三人と遊園地とかやだし」
そう素直に言うと、眼鏡が少し落ち込んだように見えた。
「い、いやなのか」
「やでしょ。逆に聞くけどさ、私がお茶子と梅雨ちゃんと遊園地いく予定しててさ、最後の一人として眼鏡が誘われたらくる?」
「・・・少し考えてしまうな」
「そういう事」
納得したのか、眼鏡が肩を落とした。
たまに思うんだけど、段々とこいつの中で私が女でなくなってる気がする。最初はハレンチがどうのって言ってたけど、最近全然言わないもんね。
そんな眼鏡をよそに、轟が尋ねてきた。
「緑谷なら、それでも来そうだったんだけどな。アトラクションとか好きじゃないか?」
「好きだよ?アトラクション系は。並ぶのはやだけど、待ってる時間で一緒に来た人達とお喋りすれば楽しいしね━━━━ああ、でも日曜日ってのもちょっとあれかなぁ。絶対混むもん」
「確かにな・・・」
そう言って頷いた轟は眼鏡に視線を向けた。
「━━わりぃ、飯田。日曜日はお母さんの所にお見舞いにいくから、俺もいけねぇ」
「なんと!?そ、そうなのか!」
轟もいかないのか。
それならついでに教えておこうかな。
「多分だけど、かっちゃんはいかないと思うよ。好きじゃないし、騒がしい所」
「なんと!?それでは誰もいかないんじゃないか!ネイティブさんのお気持ちを無駄にする事に・・・うむむ」
そんな事言ってもな。
「お茶子とかいけば?」
「私はいいよ。お金ないし。梅雨ちゃんはどう?」
「日曜日はちょっと。弟達の面倒みないといけないから。・・・耳郎ちゃんはどうかしら?」
「ええ?うーん、パスかな。人混み嫌いなんだよ。ヤオモモいけば?」
「私ですか?遊園地ですと、お母様とお父様に許可を頂かないといけませんし・・・。それにお母様は兎も角、お父様があまり良い顔しませんので」
取り敢えず、ここにいる人達全滅、と。
苦悩する眼鏡は「どうすれば」と言いながら去っていった。流石に全滅するとは思ってなかったんだろう。インディアンの気持ちは、どうなるのか。こうご期待だ。
眼鏡との話も終え手紙の作成に戻ろうとしたら、いつまでも立ち去らない轟が気になった。
なんで、こいつ、まだここにいるの?
そう思って目だけで見上げると、轟が口を開いた。
「緑谷、来週の日曜日。暇だったら、俺に付き合ってくれねぇか?」
・・・?
OH?
・・・・ほわっつ?
ととろき「付き合ってくれねぇか?」
ふたにゃん「?」
もちゃこ(わぁぁぁぁぁぁ!!!!)ブンブンブン!
かえるちゃん「痛いわ、お茶子ちゃん。揺らさないで」