私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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さぁ!ストックが切れたぜ!ここからが本当の戦いだ!!


シーズン2:ミッションIN雄英スクール:美少女だけど何か文句ありますか編
合理性をとことんまで突き詰めていったら、きっと全裸で一日を過ごすようになるんだろうなぁ。先生はほんまもんの変態ですねぇ?の巻き


「双虎ぉ!!いつまで寝てんだい、この馬鹿娘!!」

「おっふぉ!!?お早うございますです母様!!」

 

怒鳴り声と共に放たれた抉り込むようなボデーブロー。お陰ですっきりかっちり目を覚ました私は緑谷双虎。花も恥じらう中学━━━あ、違った、今日から高校生だった。花も恥じらうイケイケ女子高生だ。

ひれ伏せ童貞共!!

 

そんなイケイケでナウでヤングでトレンディーな私は、今日から国内最高峰の国立高等学校『雄英高校』に通う事が決まっているのだが、初日からまさかのお寝坊さん。

初日から遅刻はまずいよ!との事で、ちょっと朝からパンをくわえて全力ダッシュ。不覚~不覚~。

 

「おや?もしかして双虎ちゃんかい?」

「はぁん!?」

 

不意に掛けられた声に双虎軽くぶち切れ。いけないいけない。可愛い女の子が、そんなんじゃダメダメ。

顔を作り直し笑顔でご挨拶。

 

「ちゃわーす━━━━って、かっちゃんパパ!おはよでござーます」

「お早う、双虎ちゃん。朝から元気だねぇ。30キロ近くも出てるよ、オリンピックでも目指してるのかい?」

 

かっちゃんパパは自分の運転する車の速度メーターを眺めながら冗談を言ってきた。かっちゃんパパは真面目で大人しそうな人だが意外とフランクなおじさんなのである。

 

「もう!オリンピックなんて古すぎますよ!!」

「ははは、確かにねぇ。いやぁ、でもね、個性がない時代は時速36キロくらいが最速だったらしいんだよ。その点、双虎ちゃんは素質ありそうだよね」

「ありがとーござまーす」

 

かっちゃんパパは忙しい人なのでこうして話すのは久しぶりだなぁ。ちょっち楽しい。こんな糞忙しい朝でなければ、お茶しながらお話出来るのにー。ううん、残念。

 

「それはそうと、双虎ちゃん」

「はいなんですか!」

「途中まで送っていこうかい?」

「ありがとーござまーす!!」

 

 

かっちゃんパパに途中(ほぼ雄英)まで送って貰った私は、電車で遅れてきたかっちゃんと合流し教室へと乗り込んだ。

 

かっちゃんは仕切りに私が遅刻しなかった事を怪しんでいたが、パパさんに送って貰った事を教えたら「あんのクソジジイ」と切れていた。どうしたどうした。反抗期か?どうどう。

 

教室の糞デカい扉を開き中へ入ると、既に登校していた生徒がいたらしく目があった。

しかし、挨拶がない。この私を前にして、挨拶がないのだ。許せぬ。しめてやろうか。

だが、だが!私はもう高校生!こんな事に目くじらを立てるような子供ではない。大人のレデェーなのである。呼び水はこちらから出してやろうではないか。

 

「おはよう!!童貞共!!随分イカ臭ぇけど、ちゃんと手洗ってっか!!」

 

ぐはっ!と誰かが膝をついた。いや、大半の男子生徒がダメージを受けているみたいだ。ていうか、今反応したら自らが童貞である事を晒していく事になるのだが、お前らそれで良いのか?私はその捨て身のスタイル、嫌いじゃないけど。

 

「━━━って、どうしたかっちゃん?」

 

何故か他の男子と同じ様に膝をついてるかっちゃん。

お前も潔いスタイルでいくのか?ん?

 

「てか、かっちゃんって、童貞だったのか。知らんかった」

「はぁぁ!?んなわ、わ、訳は・・・ねぇ訳でもねぇんだが・・・・・クソっ!死ね!!!」

「会話しようぜ、かっちゃん」

 

もしかしたら、かっちゃんは素人童貞だったのかもしれない。触れないでおいてやろ。

可哀想なかっちゃんの古傷を抉るほど鬼畜でも無いので視線を教室へと戻す。すると、入試の時にいたむっつり眼鏡がそこにいた。

 

「よ、むっつり。」

「!?あの時の破廉恥女子!!君も合格していたのか━━━いや、当然か。あの仕組みに気づいていた君なら」

「はぁ?よく分かんないけど、堪能したか?」

「堪能?なんの事だ」

「あの時、入試の時さパスした女の子いたじゃん。お姫様抱っこしたさ。あの子おっぱいとか結構あったし、他の所も超柔らかかったろ?おかずにしたんだろ、なぁ?」

「してない!!」

 

なんか教室の温度が下がった。冷房かな?

雄英なにやってんのー、まだ春だよ?まったく。

 

「最低ですわ」

「最低だね」

「さいてー」

 

「ちがっ!!僕は何も!」

 

言い訳しようと眼鏡が声あげていると、教室入り口からガタッと物音がした。何だろうと見てみると、顔を青くさせた縁起悪子がいた。

 

「えっ、うち、そんな━━━いやぁぁぁぁ!!」

「待ってくれぇ!!違うんだぁぁぁ!!」

 

廊下を悲鳴をあげて逃げていく縁起悪子と、それを個性すら使って追いかける眼鏡。最早、その図はストーカーとその被害者にしか見えない。もしくは通り魔的な何かかも知れない。

 

私は、収拾のつかないこの状況に静かに合掌した。

 

「南無」

 

「いや、大体お前が悪いんだろ」

 

「ん?」

 

合掌してたら突っ込まれてしまった。

こんな事をしてくるのは大体かっちゃんなのだが、声から違う人物である事が分かる。視線を向ければ紅白饅頭がいた。新築祝いかな?

 

「新築祝いでもしてんの?」

「俺の頭を見て言ってんなら、死ぬほど失礼な奴だな。お前」

「じゃぁ、引出物かな?」

「何も祝ってねぇからそこから離れろ。つか、これは生まれつきだ」

 

なんだ、ただの超人か。

納得、納得。

それにしても生まれつき紅白饅頭とか、こいつ超うけるな。ツッコミも冴えてるし━━━うん、面白い奴だ。

 

「私、緑谷双虎。宜しく」

「?轟焦凍だ」

 

手を差しだせば頭を傾げながらもガッチリ握手してくれるノリの良さ。天然さんっぽい所がまた面白い。いいな、コイツ。友達に欲しいな。

 

「今日から私とあんたはベストフレンド」

「ぐいぐい来るな、お前」

 

轟きゅんと友情を深めあってると、かっちゃんが爆発しながら割って入ってきた。

どうした反抗期!ここに極まれりか!

 

「テメェは、何馴れ馴れしくしてやがんだよ!!」

「俺に言うのか?」

「テメェ以外っ!誰に言うんだよ紅白野郎!!」

 

おおう、なんか知らんがかっちゃんが轟きゅんをライバル視してるみたいだ。あれかな?生理的に受け付けないのかな?んー?

 

まぁ、何はともあれ。

 

「アオハルしてんなぁ」

 

 

 

「あの方、この状況を見て本気で言ってますの?」

「あの子、超パンクだよね」

「皆アオハルしてんねー!」

 

 

暫くかっちゃんVS轟きゅんの熱き闘いを眺めていると、不意に教室扉が開いた。

そこには包帯でグルグル巻きにされた眼鏡と涙目の縁起悪子、それと目が死んでるボサボサ髪のおっさんがいた。

 

「はい。登校初日から女の子を追いかけ回す問題児が現れました。お前ら、クラスメートの暴走を止める事も出来ないのか?お陰で授業開始時間を五分遅れました。合理的でないね、お前ら」

 

全員が固まるその中で、私は浮かんだ言葉を口にした。

 

「俺は相澤消太。お前らのた━━━━」

「私アイズが不審者を発見!!スマホが近くにある奴は直ぐにイチイチキュー!!容疑者は高校生の男女を人質に教室に立て籠ろうとしてる模様!!きゃータスケテー」

 

私の合図でほぼ全員がスマホを手にした。

 

「待て、お前ら。馬鹿。止めろ。俺はお前らの担任だ。というか、イチイチキューだと救急車がきちまうだろうが。どうせならイチイチゼロしろ」

 

成る程。

私は言われた通りイチイチゼロした。

 

「そこの馬鹿、すぐ止めろ」

 

パッカーンと良い音がなり、私の知能指数が2下がった。

 

「いやだって、イチイチゼロしろって言うから」

「人のせいにすんな。馬鹿。少し考えれば分かるだろ」

「確かに。私が可愛いって事は世界の真理ではある事は間違いないですけど」

 

パッカーンと二度目の良い音がなった。

普通に痛かった。知能指数が4は堕ちた。

 

「色々言いたい事はあったが・・・気が削がれた。お前ら取り敢えず全員コレ着てグランドに出ろ。」

 

そう言って不審者担任が取り出したのはジャージ。

完全に私に手渡しに来てるのだが、不審者に物を貰う程馬鹿じゃない私は轟きゅんを前に出した。

 

「・・・・お」

「・・・どうも」

 

無事受け渡しに成功した不審者担任は私を一睨みした後クラス全体を見渡して口を開いた。

 

 

「もう、何でもいいからジャージに着替えてグランドに出ろ。五分後、グランドにいなかった奴は退学。特にそこのポニーテールは退学」

 

 

拝啓お母様。

私、この学校を卒業出来る自信がありんせんでありんす。

byふたこ。

 


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