私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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昨日は頑張り過ぎたわ(;・ω・)

これからは一日一話くらいにしとくでぇ( *・ω・)ノ

だかん、期待すんなってばよ!


皆覚悟して!奴等がここに、あれが始まるよ!ある時はベッド下に隠したテスト用紙を、ある時は勉強机の底に封印したご機嫌で書いた日記帳を白日の元に曝す、希代の悪魔達の祭典!保護者達による授業参観が!の巻き

悪魔の契約をかわした翌日。

寝ぼけ眼の私の前で、母様がおニューのスーツを着てクルクル回ってる。妖精ならまだしも、アザラシのクルクルダンスにどれだけの価値があるのか。鼻先にボールでも投げれば少しはましか。

 

そんな事を考えていると、母様が私を見てきた。

 

「どうかしら?何処か変じゃない?」

 

起きてから何度目になるか分からないほど投げ掛けられた質問。

私は欠伸をかきながらそれを指摘した。

 

「お腹のタプタプ以外は大丈夫じゃないの?」

「ちぇすと!!」

「ふん!」

 

流石に朝から十発近く貰ってれば防げる。

腕を十字に構えるクロスアームブロックで、母様必殺のリバーブローの一撃を芯で捉える。

甘いわ!何度も何度も!そう━━━。

 

「甘い!!」

「ぐふぉっ!?」

 

返す右手で的確に脇腹を突かれた。

内蔵へのダメージが蓄積していく。

この母親、私をヤル気か!?

 

膝をついた私に母様は鼻息を漏らした。

 

「まったくあんたって子は!親に向かって!」

「は、母様だって、実の子供に向かって、パンチしてる癖に・・・」

「口答えしないの!それより学校では恥ずかしい真似しないのよ!後から爆豪さん家と一緒に行くけど・・・大丈夫よね?」

「大丈夫よねって、どんな聞き方?大丈夫に決まってるでしょ!」

 

私が胸を張って言うと、母様の怪訝そうな眼差しが突き刺さった。

 

「中学の授業参観の時。私が不良に囲まれて土下座されたのは大丈夫な事なの?」

「だ、大丈夫でしゃ!!」

「でしゃって何?それと小学の時、先生方に泣きつかれたのも大丈夫な事?」

「・・・・・でしゃ」

「でしゃは日本語じゃないわよ」

 

そんな事もあった。

でも、それはあくまであれだけだ。

他におかしい事なんてひとつもない。ないよ。

 

「はぁ、まぁ良いわ。ちゃんとしときなさいね。もし・・・」

「OKOK!!もしはないぜ、母様!」

「それなら良いんだけど・・・」

 

 

 

 

 

 

 

それから少ししてかっちゃんが迎えにきたので、一旦母様と別れた私は学校へと向かった。相変わらずかっちゃんとは険悪だけど、流石に喧嘩始めの頃のような激しいものはない。無言で足を踏み合うだけだ。

 

・・・あ、ぬぅ、くそっ!小癪なり!!

 

軽くタップダンス戦争しながら学校へ着くと、いつもより緊張した皆がいた。

中でもガチガチになってるお茶子が気になったので、声を掛けることにした。

 

「おはー、お茶子ー。良い感じで緊張してんねぇ」

「あ、ニコちゃんおはよー。いやぁ、えへへ。うちお父ちゃんくんねんけど、なんかエライ張りきっとって・・・うう、なんか変な事せんとええけど」

「お茶子パパかーどんなだろ」

「えぇー普通だよぉ。期待されてもなんも面白い事ないよ」

 

そう言われると気になる。

頭の中で勝手にお茶子パパの筋肉モリモリな豪傑姿を想像していると、アナウンスが流れた。

 

『1年A組、緑谷双虎。1年A組、緑谷双虎。放送を聞いてたら直ぐに職員室に来なさい』

 

クラスメートの視線が私に集まる。

完全に疑いの眼差しだ。

おおいっ!

 

「何したん?素直に謝った方がええよ?」

「お茶子まで!?酷い!何かした体で話さないでよぉー!」

 

「いや、普段の行いが悪いからでしょ」

「ぬぅあにぃー!?」

 

耳郎ちゃんの言葉を切っ掛けに、皆して私を悪者扱い。仕舞いには早く謝ってきなさいコール。

てか、誰も事情を聞きに来ない。解せぬぅ。

 

「皆、待て。緑谷にもなんか事情があんのかもしんねぇだろ」

 

皆の無慈悲さにちょっと泣きそうになっていると、紅白饅頭が皆の視線から守るように出てきた。

流石ベストフレンド、頼りになるぅ!信じてくれんのはお前だけだよぉー!持つべきものは紅白饅頭だよね!

 

ベストフレンド紅白は私に向き直りそっと言った。

 

「・・・何があったかは知らねぇけど、困った事があったら言え」

「おおぃ!困った事ある前提か!?」

 

この野郎、ぬか喜びさせやがってぇ!!

結局疑ってんじゃぁないのよぉ!

 

「・・・いや、そうじゃねぇ。ただ━━━」

「庇ってんじゃねぇよ、紅白野郎。馬鹿女が何かしたに決まってんだろ。うっせぇから、とっとと行けや」

 

紅白饅頭の言葉を遮るように、それまで無視していたかっちゃんが文句を垂れてきた。

決めつけるような言葉に、私の可愛いおでこに血管が浮く。殴り飛ばしてやろうかな?というお茶目な気持ちと共に。

 

腕捲りしてかっちゃんに近づこうとすると、紅白饅頭に肩を掴まれて止められた。

そして私に代わり紅白饅頭がかっちゃんに近づく。

 

「━━━━爆豪」

「あぁ?んだ、クソ半分」

「いい加減、その態度止めろ」

 

紅白饅頭の突然の発言に、教室の時が止まった。

たださえ切れやすいかっちゃんに、喧嘩を売るような真っ向から対立するような発言をしたのだ。分からなくはない。

 

「あぁ!?んだ、文句でもあんのかよ!!」

「文句はもう言ってるだろ。その態度止めろ」

「てめぇ・・・」

 

怒りを露にしたかっちゃんが立ち上がり、紅白饅頭にがんを飛ばす。雰囲気的にいつ殴りに行ってもおかしくない感じだ。

なのに、紅白饅頭はまったく身構えない。殴られると思ってないのか、はたまたその体勢からでも対応出来るのか。結局の所、その辺りはさっぱりだけど、兎にも角にも紅白饅頭にかっちゃんからの攻撃に備える準備は見受けられない。

 

睨み合う二人。

クラスメートの緊張はマックスに。

私のちょっかい掛けたい気持ちもマックスに。

 

一触即発の空気の中、紅白饅頭が何かを言い掛けた瞬間、教室のドアが勢いよく開かれた。

 

全員の注目が一瞬にしてそこへと集中する。

当然私もそこを見たのだか、そこには見てはいけないものがあった。

 

そう━━━━。

 

「緑谷、放送聞いてないのか・・・!!」

 

そこには髪の毛を逆立て怒る、包帯先生がいたのだから。

包帯先生を前に私のおみ足がガクガクと揺れる。包帯先生から滲み出る怒りのオーラに恐怖パラメーターが限界を振り切ったのだ。

もう、あれだ、ヤバイ。

 

「いやぁぁぁぁぁ!!締められるぅぅぅ!!廊下に二時間くらい正座させられるぅぅぅぅ!!膝の上に重石を積まれるぅぅぅ!!」

「それは拷問だ。誰がやるか、馬鹿。良いから来いっ。それと、お前ら時間までにちゃんとヒーロースーツに着替えておけ。間に合わなかったやつは・・・覚悟しておけ」

 

私の体を包帯でギチギチに締め上げた包帯先生は、引きずるように私を連行し始めた。

そこに慈悲はなかった。

 

教室を少し離れた所で、包帯先生は私を締め上げていた包帯を解いた。なぜ解放されたのか疑問に思って首を傾げていると「演技じゃなかったのか・・・」と溜息をつかれた。

 

「放送を流しても一向に職員室にこないから、何かあったのかと思えば・・・何をしてるんだお前は」

「えぇ?あ、えっと、説教は?」

「しない。いつまで勘違いしてる。はぁ、もういいさっさと来い。保護者がそろそろ学校に入る頃だ。更衣室でミッドナイトさんが待機してる。行って準備しろ」

 

そこまで言われて包帯先生が一芝居打ったことに気づいた。迅速に私を連れ出す為にああしたのだと。

 

「・・・拗れてるとは思っていたが、また面倒な事になったな」

 

ふと包帯先生が何か呟いた。

小さい声だったのでよく聞き取れなかったが、疲れているのは目に見えて分かる。

よくわからないけど、大人って大変そう。

 

「あ、包帯先生、包帯先生」

「なんだ、緑谷」

「最近ですね、裏路地アイドル達に新メンバーが加わったんですよ」

 

スマホを開いてその画像を画面に映す。

包帯先生はそれを覗いて「ほう」と声をあげた。

 

「子猫か・・・何処かで見たことあるな」

「ほら、前に見せたじゃないですか!ミケ子とクロノスケの子供なんですよぉ!」

「よくその二匹の子供だと分かるな」

 

確かに、どれがどれの子なんて普通は分からない。

けれど私にはこの目で見た真実があるのだ。

 

「だって、二匹がくっついてるの見ましたし」

「そういう話はよそでするな、いいな」

 

軽くお説教された私は画像を包帯先生に献上した後、ミッドナイト先生が待つ更衣室へと向かった。

 

美少女JKにして雄英のスーパーアイドル、高校生最高峰の歌姫にしてハリウッド女優すらたじろぐ産まれながらの演技の申し子。

天才という名を欲しいままにした私緑谷双虎が、本当の演技ってやつを見せてやるぜぇぇぇ!!

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「・・・けっ、興醒めだ。行くぞ切島」

「お、おう。と、ちょっと待てよ、おい爆豪!」

 

緑谷さんがいなくなって暫くして、爆豪さんはヒーロースーツが入ったバッグを肩に背負い教室を出ていきました。

それを追いかけるように切島さんもバッグを抱えて教室の外に。

 

 

残ったのはなんとも言えない気まずい空気。

副委員長としてどうにかしようと思いましたが、どうしていいか分からず、何となしに瀬呂さんを見つめてしまいます。

 

すると私の視線に気づいた瀬呂さんが頭を掻きました。

 

「・・・い、いやぁ、それにしても、あれだな。爆豪は少しやり過ぎだよなぁ!な、尾白!」

「瀬呂、困った時俺を引き合いに出すなよ。何とか出来ると思うなよ」

「そんな事言うなよー。俺とお前の仲じゃんか!」

「俺、瀬呂に裏切られてばっかだと思うんだけど」

 

クラスの空気を和ませようとしたのか瀬呂さんが軽い口ぶりで尾白さんに話し掛けました。尾白さんも空気の悪さをなんとかしようとしたのか、同じ様に軽い口ぶりで返します。

 

それのお陰かどうかは分かりませんが、クラスの空気は少しだけ明るい物に変わっていきます。

 

ほっと一息ついていると、渦中の轟さんに芦戸さん達がワラワラと集まり始めました。

何をするのか、もう何となく分かります。

 

「ねぇねぇ、轟!!さっきのってそういう事!?」

「うわぁぁぁ!!ヤバイよぉぉぉ!!吹き荒れてるよぉぉぉ!ピンク色の何かが、吹き荒れてるよぉぉぉ!」

「葉隠!少しは落ち着きな!━━でもさ、さっきのって轟参戦って事で良いの?いや、ウチはそんなに興味ないんだけどさ。うん」

 

そういう事に興味があるのは悪いとは言いませんが少し不躾過ぎます。というか、まさか耳郎さんまでこうなるとは思いませんでした・・・。

 

あまりに見てられなかったので止めに入る事にしました。

 

「こほん。皆さん、少し落ち着いて下さい」

 

「あ、ヤオモモもきた。おいでおいでー」

「本当だ。やっぱりきた」

「ヤオモモはむっつりだからね」

 

誰がむっつりですか!!?

まったく、もう。

 

「轟さんが困ってらっしゃいます!こういう事は、そう問い詰めるべきではありませんわ!エチケットですわよ!」

 

私がそう言うとブーブー文句言いながら皆さん離れていきました。

この後着替えもしなければなりませんから、皆さん引き際はちゃんと分かってらっしゃるので説得が楽です。

 

それとは別に少し離れた所から穴が空くほど轟さんを見つめてくる麗日さんが気になりますが、あれは放っておきましょう。触らぬ神に祟りなしと言いますし。

 

一人になった轟さんは爆豪さんが出ていった扉を眺め動こうとしません。このままだと着替える時間もなくなってしまいます。

 

ふぅ、世話が焼けますわね。

 

「轟さん?そろそろお着替えしませんと・・・」

「ん?ああ、わりぃな」

 

そう返事を返してくれましたが、轟さんの視線は扉を見つめたまま。何か思うところがあるのでしょうか?

 

轟さんの様子を窺っていると、不意に横に引き絞られていた轟さんの口が開きました。

 

「━━━お前まで、間違える事ねぇだろが」

 

それがどういった意味なのか分かりませんでしたが、その横顔は寂しそうで、どこか歯痒そうに見えました。

きっと二人にしか分からない何かがあるのでしょう。

 

二人にしか・・・。

 

 

・・・・・・。

 

 

ちょ、ちょっと、聞いてもよろしいでしょうか?

 

あ、い、いえいえ、いけませんわ!

やっぱり、そんな事はやるべきではありませんわね!

うんうん!

 

何より、はしたないですもの!

 

 

 

 

 

 

いや、でも、ちょっとだけなら・・・・。

 

 

「ヤオモモーいくよー」

「むっつりしてると、遅れるよー」

 

「む、むむむ、むっつりしてませんわ!!」

 

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