私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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最近ロングホープ・フィリアがお気にで馬鹿みたいに聞いとります。ループでガンガン聞いてます。
だから、鼻唄も歌っちゃうよね、ふいにね。


ま、そのくせ全然歌詞覚えてないけど。
ふんふんしか言ってないよね(*´ー`*)


私は全然悪くないんだけど、何故だか代償を払わなくちゃいけなくなった。あれかな?連帯保証的なあれかな?おかしいなぁ、何もサインしてないのに。おかしいなぁ・・・助けて、幼馴染。きゅうりあげるから。の巻き

人質になろうとその美貌に揺らぎなし。

彼氏いない歴イコール年齢の清く正しい穢れなき天使な私は雄英高校1年ヒーロー科、緑谷双虎15歳。

 

誰もが羨む美少女高校生な私は今、母様の前でジャパンオリジナルポーズDOGEZAを披露していた。

 

・・・・ガチムチと一緒に。

 

「この度はご心配お掛けしまして・・・」

「まことに申し訳御座いませんでしたーー!!」

 

 

 

 

演習無視で母様を空中キャッチした私は、かっちゃんからの合図を下で待っていた梅雨ちゃん達にあっさり助けられた。何でも再度アタックを仕掛ける為に準備していたという。

そんな事とは露知らず乙女力を振り絞ろうとしていた私は、そのあっさりな救出劇には盛大に肩透かしをくらう形となった。

 

ほっと一息つくのもつかの間、私の腕の中で母様が眠るように気絶している事が判明。心配する皆を置き去りに保健室へとダッシュ。母様が起きるまで付き添う事になった。

 

遅れてきたガチムチから他の保護者や生徒達に今回の演習の話をして一時期荒れた事や包帯先生から皆が駄目だしを食らった事、皆が私に向け「覚悟しておけ」という怖い事を言っていた事を知らされたりした。

私は悪くないのにぃ。

 

そんな話をしていると母様が目を覚ました。

第一声が私を心配する言葉で、罪悪感がバシバシ刺激された私はガチムチと謝ることにして━━━━━今のDOGEZAに至るわけだ。

 

 

「当たり前だよ!!だからあたしゃ反対だったんだ!!こんな試すような真似をして!親の気持ちをなんだと思ってんだい!!」

 

私達の声を聞いて一緒に看病していたりかばーが怒鳴り声をあげた。プンスコーである。これはプンスコを越える怒り、プンスコーである。

まぁ、主にガチムチが矛先なので黙っておく。

 

「オールマイト!!あんたね!人の気持ちが分からないにも程があるよ!直しな!!」

「は、はい。今回は、本当に申し訳なく。少々配慮が足りませんで・・・」

「少々どころじゃないさ!!全然足りないよ!!人によっちゃ持つ気持ちも違うけどね、でもね大体の親ってのはね、子供の為なら平気で命くらい懸けるもんなんだよ!!母親なら尚更さ!!━━━腹痛めて産んだ子はね、自分の分身も同じなんだ。特別なんだよ。男のあんたに分かれというのも難しいかも知れないけど・・・」

「はい。その辺は難しく・・・」

「自分で言うんじゃないよ!!いっそ女にでもなって子供の一人や二人産んでみたらいいのさ!!そしたらよぉーーく分かるだろうさ!!」

「は、はぃ!申し訳御座いません!!」

 

怒られるガチムチを横目にちょっと想像してみた。

女になって、夫を作って、お腹を膨らませたガチムチの凶悪な姿を。

 

「地獄絵図・・・」

「緑谷少女、君が何を想像したか教えてくれないかな?凄く嫌な予感がするのだけど」

 

旦那役にハゲを想像したせいで、紅白饅頭みたいな髪の毛したゴツい顔した赤ん坊も想像してしまい吐き気すらする。これは酷い。

 

紅白饅頭に腹違いの兄弟が・・・・うわぁ。

 

「緑谷双虎!あんたもだよ!!」

「は、はいぃ!!」

 

急に呼ばれて心臓が飛び上がった。

死ぬかと思った。

 

「予定だとそこまで酷い格好にならない筈じゃなかったかい!!他の先生らにも注意はしたけどね━━━━特に!積極的に参加したミッドナイトとマイクの馬鹿にはキツーーーク言い聞かせたけどね!!発案者はあんただろ!!反省しな!!」

「はいぃぃぃ!!ごめんなさいぃ!!全部ガチムチが悪いけど、ごめんなさいぃ!!」

 

「さらっと私を盾にしないで!?そんな主犯みたいな」

 

私の言葉に反射的にガチムチが反応したけど、そういうノリに慣れてないりかばーは烈火の如く怒り出した。

 

「あんたが一番の主犯だろ!!大馬鹿たれ!!まだ反省出来てないってんなら、知り合いの所でそのぶら下がったもんとっちまうかい!?」

「は、はい!そうでした!企画は私でした!申し訳御座いませんでした!!」

「まったく!!」

 

一通り怒り散らしたりかばーは母様の診察を始める。

体温を計ったり、脈を見たり色々だ。

全部調べ終わったのか最後に母様の顔色を見て「大事なさそうだね」と安堵の息をはく。

 

「疲れたんだろうさ。今日は美味しいものでも食べて、ゆっくり休むんだよ。やる事はそこのじゃじゃ馬にでも任せてね?」

 

そう言って笑うりかばーに母様が困ったように笑う。

 

「それが出来たらありがたいんですけどね・・・逆に気疲れしそうなので」

 

りかばーのジト目が私を見つめた。

 

「あんた、何にも出来ないのかい。高校生にもなって」

「で、出来ますぅーー!目玉焼きとか作れるしぃ!洗濯だってどのボタン押せばいいかとか、お風呂掃除とか普通に出来ますぅーー!!」

「誰にでも出来そうな事ばっかりあげるんじゃないよ。恥ずかしい」

「ぐぅふっ」

 

痛い、心が痛い!

目玉焼きとか、あれだぞ、凄く難しいんだからね!洗濯機だって、ちゃんと設定しないと回らないんだから!!お風呂掃除だって、洗剤を間違えるとちゃんと汚れが落ちないんだよぉぉー!?

りかばーは知らないだろうけど!!けどぉ!?

 

・・・ぐぁぁぁ!知ってそう!

 

私の様子を見てたりかばーが徐に重い溜息をついてきた。言われなくてもわかる、落胆してるやつやん!このぅ!

 

「苦労してるね、あんたも」

 

りかばーにそう投げ掛けられた母様は、私の顔を見て何も言わずに笑った。

 

「・・・取り合えず、親を騙した悪ーーい子にはお仕置きしようと思います」

 

お仕置き・・・だと?

 

「双虎、あんたこれから一週間、夕飯にきゅうりの和え物出すから残さず食べるのよ?良いわね?」

 

なん、だと・・・!?

突然の死刑宣告に体が、声が、魂が震える。

 

「う、嘘だよね?母様?ぷりちぃーでお茶目な嘘だよね?あれ?可愛いなぁ、今日の母様━━━」

「返事は?」

 

母様の笑ってない目。

有無を言わさぬその雰囲気。

退路が断たれた事を知った。

 

これ以上無駄な抵抗をすれば、被害が拡大する事は目に見えている。

私がとれる手段は最早一つしかない。

 

「は、はい・・・・」

「返事したわね?ちゃんと食べるのよ。こっそり棄てたり、勝己くんにあげるような事があったら、その分日にちが伸びていくから覚悟しなさいね」

 

うわぁぁぁぁぁ!!

 

心の中で絶叫した私はガチムチを恨んだ。

これまで色々あったけど、今日という日ほど恨んだ事はないほど恨んだ。恨みまくった。

この恨み晴らさずおくべきかぁ!

 

 

取り敢えず今は母様達がいて手が出せないけど・・・明日、脛だけは蹴ってやろうと思う。思いっきり。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

緑谷双虎が部屋を出た後、残ったオールマイトは再び緑谷の母親に深々と頭を下げた。

 

「本日は多大なご心労お掛けしました事、誠に申し訳御座いませんでした・・・」

 

さっきまでの軽い雰囲気が抜けた重い言葉。

あの子がいた事で建前として私も叱ったけど、この男はちゃんと今回の事を分かってる。確かに少し頭の足りない男だけど、そこまで馬鹿じゃない。

 

それにこの子にとっちゃ母親ってのは、特別だろうからねぇ。

 

頭を下げるオールマイトに緑谷の母親は「いいえ」と首を振る。

 

「私が早とちりしただけですから。怪我もしてませんし、あの子も無事ならそれで。それに大人しくしていれば、こうも騒ぎにはならなかったでしょう。こちらこそ、申し訳御座いませんでした」

「いえ、そのような事は」

「・・・先程の娘にしていた話。実は聞いていました。保護者の方の中には、今回のこれが演習であると気づいた人達もいらっしゃったんですよね?私ったら一人で・・・恥ずかしい限りです」

 

そう言った緑谷の母親は恥ずかしそうに頭を掻いた。

 

私はその姿を眺めながら感心する。

寝起きだってのによく冷静に聞けたもんだと。

緑谷双虎の頭の回転の早さは、母親譲りなのかも知れないねぇ。

 

「━━━ですが、今回の件は」

 

何かを言い掛けたオールマイトに掌が翳された。

制止を求める緑谷の母親の掌が。

 

「大丈夫だと、あの子が言いました」

「緑谷少女がですか・・・?」

「はい。私はあの子の言葉を信じます。だからこの話はここでお仕舞いにして下さい。これからもどうか、あの子がヒーローになれるその日まで、ご指導ご鞭撻の方、宜しくお願い致します」

 

下げられた頭に、オールマイトも頭を下げた。

 

「沢山ご迷惑をお掛けするとは思いますが・・・」

「あ、いえ、そんな事は・・・あは、アハハハ!!」

 

誤魔化すのが下手な男だこと・・・。

本当に、この男はヒーロー以外からっきしだねぇ。

ふと時間を見るとオールマイトの次の予定が迫っている事に気がついて声を掛けてやる。

すると大慌てで部屋の外へと飛び出していった。

 

部屋に残った緑谷の母親は崩れるようにベッドに倒れる。気をはって疲れたのだろうさね。ナンバーワンヒーローと分かってから肩があがってたからね。

 

「そのまま少し休んでからいきな。ちょうどベッドも空いてるしね」

「あ、いえ、そんな。直ぐに行きますから」

「遠慮するんじゃないよ。知り合いと一緒に来たんだろう?その人が来るまで、大人しくしときな。年寄りの言う事は聞いとくもんだよ」

「そ、それでは、お言葉に甘えさせて貰います」

 

そう言って眠りについた緑谷の母親を眺め、ふとあの時の自分の言葉を思い出した。

 

「大変だって、言わなかったねぇ━━━ふふ、良い親持ったじゃないさ、緑谷双虎。もちっと孝行してやんないと罰があたるよ。まったく・・・」

 

 

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