私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~ 作:はくびしん
ちゃんと読ませて頂いております。
励みになります、ありがとやでー( *・ω・)ノ
「全く勉強してねぇーー!!」
「あはははー」
授業参観翌日の休み時間。
ぼやぁとかっちゃんの背中に指でへのへのもへじを書き続けていると上鳴の悲鳴が聞こえた。
何言ってるのかと耳を傾ければ、あしどんの乾いた笑い声も聞こえる。
どしたよ、二人して。
不思議に思ってると隣の瀬呂と、その前に座る耳郎ちゃんが溜息をついた。
「期末テストねぇ・・・参ったな、俺も全然勉強してねぇ」
「確かに。うちも少しヤバイかも」
二人の会話を聞いてやっと理解した。
朝のHRの時、包帯先生が言ってた期末テストの事か、と。
私的には余裕過ぎてすっかり忘れてたのだ。
そういえばあの二人って・・・。
「・・・あ、中間下位コンビか」
私の呟きに上鳴が心臓辺りを押さえて喚いた。
「うわぁぁぁ!!言葉には気を付けろ緑谷!!少しの刺激で泣いちゃうくらい追い詰められてんだぞ!!俺らは!!」
「あはははー」
取り合えず、上鳴よりあしどんのが重症っぽいんですけど。・・・てか、あしどん、そんなに?
「期末テストかぁーどないしよー。私もそんなに自信ないなぁー」
「けろっ。色々あったものね。体育祭、職場体験、授業参観。常闇ちゃんは大丈夫?」
「・・・確かに、あまり勉強時間はとれていないな」
なんじゃろ。
最近、梅雨ちゃんの交遊関係が拡大してる気がする。
前は男子とそこまでだったのに。
というか、私が近づくといまだに逃げてく常闇と仲良くなっているだと?羨ましい。私も常闇の頭ワサワサしたい。
「━━━っ悪しき誘惑、この気配は!緑谷かやめろ!」
ばっと身構えられた。
止めるもなにも、まだ何もしてないのに。
酷い。
皆でわちゃわちゃ騒いでるとふぅーとわざとらしい溜息が吐かれた。そこを見ればブドウが椅子に偉そうな態度でふんぞり返っていた。
「演習試験もあるのが、辛ぇとこだよな」
上鳴とあしどんの目が据わった。
「あんたは同族だと思ったのにぃ!!」
「お前みたいな奴はバカではじめて愛嬌出るんだろうが・・・!そこそこ出来やがって、どこに需要あんだよ・・・!」
「世界かな・・・」
世界か。
需要があるならたぶん、南米の秘境とか、南極大陸の奥地とか、砂漠の果てとか、謎の海底神殿とか、地中深くの地底人の王国とかだろうな。
ワールドワイドだな、ブドウは。
ぼやっと二人を見てると、二人の視線が私に向かってきたのに気づいた。
「てか、緑谷!お前こっち側だろ!何高みの見物してんだよぉ!!お前もこちゃきて、絶望に涙しやがれぇ!!」
「そうだよーニコー。おいでーこっちにおいでー」
何あれ。
行ったらどうなるのよ。
それにちょっと楽しそう。
それにしてもなんでこんなに二人が荒れてんだろ?
赤点出せば、そりゃあれだろうけどさ。
不思議に思った私はかっちゃんに聞いてみる事にした。
「かっちゃん、かっちゃん」
「なんだ・・・つぅか、さっきからやってる背中のそれ止めやがれ。何人書き込む気だ、こら」
「まぁまぁ。それよか期末駄目だとなんかあんの?」
「はぁ?てめぇまた聞いてねぇのか」
「うん?」
面倒臭そうにこっちを見たかっちゃんが何か言おうと口を開いたその時、「緑谷」と後ろから声が掛かった。
視線を向ければやっぱり轟がいた。
「赤点とると、林間合宿行けねぇらしいぞ」
「林間合宿?」
「そこから聞いてねぇのか・・・夏に━━」
何か説明してくれそうな雰囲気。
大人しく聞いてると肩を掴まれた。
振り返るとかっちゃんがめちゃ睨んできてる。
「ごらぁ!!紅白野郎!!てめぇ、でしゃばってんじゃねぇぞ!!馬鹿女は俺に聞いてんだよ!!つか、馬鹿女てめぇ、聞いといて誰見てんじゃボケ!」
「別にどっちが教えても同じだろ」
「っせぇわ!!やんのかてめぇはよ!」
またかっちゃん達が不毛な争いを始めたので暇そうな眼鏡を呼んで事情を聞いた。なんでも今回の期末で赤点をとると、夏に開かれる林間合宿に行けず学校で補習を受ける事になるらしい。え、なんて地獄それ?
「緑谷くんは大丈夫なのか?授業中、寝てばかりだが」
「うん?まぁね。かっちゃんいるし」
「理由になってないと思うのだが・・・あ、緑谷くん後ろに」
眼鏡と話してるといつの間にか近寄ってきてた下位コンビに捕まった。突然の事に背中がぞわる。びっくりした。
「ひひひ!ひでぇじゃねぇか緑谷!無視するなんてよぉ」
「ふへへ!そうだよ、ニコー!私ら仲間じゃんかぁー」
まるでなんかのウイルスに感染したB級映画の登場人物みたいな台詞だな。それで仲間をゾンビにしてくんですね?分かります。
まぁ、面白そうだから仲間になっても良いけどね?
でもなぁ・・・・。
「私、中間2位だし?」
その言葉には教室にいた人達の視線が集まった。
驚愕するもの、疑うもの、呆けるもの。
浮かべる表情はそれぞれ違うけど、大体の人が私に釘付けである。
「何・・・言ってんの?ニコ?頭大丈夫?」
あしどん、それは酷くね?
「病院連れてかねぇーと・・・」
上鳴、お前、ぶん殴るぞ?
殆どの連中が疑いの眼差しを送る中、耳郎ちゃんが「本当だよ」と呟き、その声にお茶子も頷く。
「うち、前回の中間ん時テスト結果見させて貰ったから知ってたけど・・・緑谷マジで中間2位。寝てんのに」
「私もテスト結果比べっこしたから知っとるよ。ほんまの事や。遊んどんのに」
「二人とも、本当は私の事嫌い?ねぇ?ねぇねぇ?」
二人の話を聞いて、あしどんと上鳴が慟哭しながら床に四つん這いになる。まるで世界に絶望したパニック系B級映画のモブのようである。
「緑谷の癖にぃぃぃぃ!!」
「ニコの裏切りものぉぉぉぉぉ!!」
うん?ええっと、なんかごめんねぇ。
完璧美人でごめんねぇ。
その後絶望し慟哭する二人を見かねた百が、二人に勉強を教える事になった。二人がそれに乗っかると、耳郎ちゃん、瀬呂、尾白も便乗していく。
耳郎ちゃんに私が教えてあげよっかと聞いたのだが、すげなく断られる。何故だ。中間2位なんすけど。
いや、まぁ、今聞かれても分からないかも知んないけどもさ。
百の「イイデストモー」という可愛い言葉を聞きながら、喧嘩するかっちゃんの所に行く。いつものヤツをお願いする為である。
いつの間にか喧嘩を止めにインしてる切島を轟の方へと押し退け、かっちゃんの前へと出た。
「かっちゃん、かっちゃん」
「あ!?っんだ!!今━━━」
「テスト勉また付き合ってぇー」
いつも通り上目使いでお願いすると、顔をしかめたかっちゃんが盛大に舌打ちする。
「ちっ、日曜空けとけや!!」
「ほーい。またかっちゃん家行けば良い?」
私達の会話を聞いた轟と切島が目を見開いた。
今度の驚愕の眼差しはかっちゃんに向けられている。
「爆豪が、勉強を教える?」
不思議そうに呟く轟。
まるでUMAを発見したような顔であった。
そこまで?そこまでなのん?かっちゃんのイメージって。
隣にいた切島のポカンとあいた口が、ある意味ですべてを物語ってる気がした。
「しかも彼女呼んで家勉とか・・・羨ましい━━━じゃねぇ、出来んのか?」
「出来るわ!!教え殺してやろうか、ああん!?」
「いや、頼めんなら頼むわ。俺もやべぇーからなぁ」
なんか切島も来るらしい。
そうなると隣でぼーとしてるお坊っちゃまが不憫だな。
「轟も来れば?捗るよ?実際、私2位になったし・・・あ、日曜は無理か。レーちゃんとこ行くんでしょ?」
「毎週行ってる訳じゃないから大丈夫だ。それにテスト前だからな。その日は一日、自分で勉強するつもりだった。・・・分かった、俺も行く」
「だってーーー」
「紅白野郎は来んじゃねぇ!!!」
轟の参加に案の定なリアクションを返すかっちゃん。
かっちゃんの体は8割のツンデレで構成されているので、代わりに真実を知る者である私からOKを出しておいた。OKを出した私に轟は「良いのか?」と仕切りに聞いてきたけど、あれは何なんだろうか。良いと言ってるのにね?不思議。
その日のお昼。
久しぶりに女子ーずではなくかっちゃんと食堂でご飯を食べていると、同じテーブルで一緒に食べていた眼鏡がテストの話をしてきた。
それに続いて同じテーブルでお昼してるお茶子や梅雨ちゃんも不安そうに期末の事について口にする。
「結局、期末試験って何すんだろ。ね、かっちゃん?」
「俺が知るか・・・って、てめぇ、何勝手に俺の生姜焼きとってやがんだ!返せや!」
「一枚だけじゃん。もう。・・・はい、お新香と交換。大好きなきゅうりだよぉ」
「きゅうりだけ寄越すんじゃねぇ!!」
そんな文句言ってもきゅうりをおかずにご飯食べれるかっちゃん。人間止めてるな、今日も。
生姜焼きをモグモグしていると、轟が鯖の味噌煮が乗った皿を差し出してきた。切り分けたのか、ちょうど半分くらいに見える。
なにこれ?
「いるか?」
「ううん、いらない。鯖の気分じゃないもん」
「そうか」
断ると鯖のお皿が戻っていった。
なんだったのか、今のは。
轟お腹いっぱいだったのか?
「梅雨ちゃん、今の見た?爆豪くんの。めちゃ勝ち誇っとった」
「見ちゃったわ、お茶子ちゃん。ドヤ顔だったわ。ね、切島ちゃん」
「ああ。見ちゃったわ・・・」
皆で駄弁りながらのんびりご飯を食べていると、いつかの物真似男と面白三人組を見つけた。
何となく手を振ってみると物真似男と面白三人組は少し内輪揉めした後、やっぱり物真似男を突き出してきた。
生け贄か何かかな?
私を前にした物真似男は微妙に体を震わせながら見下すように顎を上げてくる。
「相変わらずの馬鹿面だね、A組━━━━待って、緑谷、待って、まだ待って!せめて最後まで言わせて」
フォークを手にした私に何故かめちゃ怯えてくる。
何もしてないのに。
常闇といいこいつといい、私を何だと思ってるんだ。
私が何もしない事が分かると、物真似男は分かりやすくホッとして話を再開した。
「君ら、ヒーロー殺しに遭遇したんだってね。ネットで見たよ。ご活躍だったねぇ。━━━しかし、体育祭に続いて注目を浴びる要素ばかり増えてくよね。A組って。ただ、その注目って決して期待値とかじゃなくてトラブルを引き付ける的なものだよね?」
物真似男の言葉に何人かがムッとした。
私はそんな事より物真似男のお昼に目がいった。
なにあれ、美味しそう。フランス料理的なかな?
「あー怖い!いつか君たちが呼ぶトラブルに━━━ふあっ!!」
「「「物間ーーー!!?」」」
テーブルにあったこしょうを目に振り掛けてやれば、物真似男はうめき声をあげて踞った。料理を落としそうになったのでキャッチしておいてあげる。
気になっていたそれに鼻を近づけ嗅いでみれば、美味しそうな匂いが鼻をついた。
これは贅沢なやつだな。いけない。
こんなのばかり若いうちから食べてたら、痛風になってしまう。助けてやらねば。
私は轟からさっきの鯖の味噌煮を貰い、そっと物真似男の料理と交換してあげた。勿論、優しさからである。感謝はいらない。
「物間!!またあんたはA組にちょっかい掛けて━━━って、もうやられてる?あ、緑谷じゃん」
「あ、サイドテ。ちゃお」
物真似男を回収に来たっぽいサイドテ。
私は物真似男が手にしてた料理が乗っていたトレーをサイドテに渡し、ついでに物真似男も回収して貰う。
その場を直ぐに立ち去ろうとしたサイドテだったが、何かを思い出したようにこちらに振り返った。
「━━━さっきさ、あんたら期末の話してたでしょ?あれね、入試の時みたいな対ロボットの実戦演習らしいよ」
意外なリークに皆が興味深そうにサイドテを見つめる。
正直、私は親切が遠慮される前にさっさとご飯を食べたい所なのだが、サイドテの視線が明らかに私を見てるのでそれが出来ない。
今サイドテの注目がトレーと私が手にした料理にないから何も言われないが、迂闊に動けば私の親切が発覚して遠慮されるかも知れない。
私はなに食わぬ顔でサイドテに笑顔を返した。
何故か不審がられた。
「なんて顔で見てくんのよ。本当だからね、さっきの話。先輩に知り合いがいて聞いたの━━━ちょっとズルかも知んないけどさ」
「へぇ」
「ははっ、あんたは本当、こういう事に興味ないね」
「バカなのかい、拳藤。せっかくのアドバンテージを・・・」
苦笑いするサイドテの手元、粗大ゴミのように持たれた物真似男から恨みがましい声が聞こえてきた。
ブツブツと呪いの言葉のようである。
「・・・憎い」
呪いの言葉であった。
最終的にはサイドテによって首筋に『憎くはないっつーのチョップ』され意識を失った物真似男は、静かに連行されていった。鯖の味噌煮を持って。その後の彼がどうなったのか、それは誰にも分からない。
ま、それはおいておいて。
無事に親切が成功した私は物真似男から譲り受けた料理を口に運ぶ。それは今まで食べた事のない味覚の新境地であり、新鮮な味わいだった。
そして全てを食べ終えた私の中には一つの真理が残った。
そう。
「カツ丼とか、焼き肉とかのが好きかなぁ・・・」
「フランス料理は駄目なのか、緑谷は」
「馬鹿女にフランス料理が分かるわけねぇだろ、けっ」
「二人ともそこちゃう!もっと前の所が問題や!」
「鮮やか過ぎる手口に注意すんの忘れてたぜ・・・」
「緑谷ちゃん、本当に昔、悪いことしてないのかしら?」
「はっ!僕としたことが!不正を見逃してしまった!」
前回の中間成績ぃー
1ヤオモモ
2ふたにゃん
3眼鏡
4かっちゃん
5ととろき
6かえるちゃん
7耳郎ちゃん
8尻尾
9ブドウ
10阿修羅
11お口ちゃっく
12お菓子
13もちゃこ
14中二
15切島
16はだか
17どんまい
18いい加減存在が怪しくなってきた青山
19あしどん
20うぃーい
2位に双虎が割り込んでる以外は原作と一緒やで。
切島「俺だけ普通だ・・・」
耳郎「いや、うちもだから」
青山(僕だけ、根本的に違う・・・!)