私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~ 作:はくびしん
閑話回お待ちどうさまー( *・ω・)ノ
あつあつだよー出来立てのホヤホヤだよー
え?頼んだのは本編?
アオハルのトッピング付きで?
ほほう。
今日は諦めてやで(*ゝ`ω・)!
相澤くんからA組の皆が説明を受け終わった後、私は緑谷少女・爆豪少年と共にバスで試験会場となっている演習場に向かっていた。
ヒソヒソと聞こえる声に振り向けば、緑谷少女と爆豪少年がバスの最後尾で何やら話し合っている。話し合いはあまり芳しく進んでいないのか、かなり抑えた話し声でだけど時折怒鳴り声が聞こえてくる。
二人の仲が戻ったと聞いていたけど、やっぱり表面上だけで肝心な部分は以前のままのようだ。
・・・いや、少しだけだが、緑谷少女が押され気味か。
それが前回の授業参観での負い目からか、はたまた爆豪少年の気持ちに寄り沿ったが故なのかは分からないけど、止まっていた物が動き始めた事は分かる。
後は良い方向に導くだけなんだけど・・・。
「だからぁ!!それは私が━━━!!」
「っせぇ!!てめぇはさっさと逃げりゃいいんだよ、ボケ!!」
・・・ううん。
試験的に問題なかったけど、緑谷少女にせがまれて試験内容を先に教えたのは失敗だったかなぁ。いや、行くまでの間、時間を無駄にするのもあれだし、作戦立てる時間とか作らせてあげたかったし、それに二人の関係がどうなってるか確認したかったし・・・ね。うん。
それに、相澤くんに任せろって言っちゃったし。
「━━━━組の采配についてなんだけど、緑谷少女と爆豪少年を任せてくれないかな?」
期末試験についての会議中。
私の提案に相澤くんは露骨に嫌そうな顔をした。
「何故、と聞いても?」
「あ、いや、なんて言うかな?前回の授業参観のフォローというか、そのー、ね?」
「そんな理由で許可を出せるとでも?」
「・・・ご、ごめん」
上手く言葉に出来なかった私に氷のような相澤くんの視線が刺さる。痛い、凄く痛い。心がっ。
そんな私に同じく会議に参加していた先生方が声をあげた。
「YOーーー!そんな怖い顔すんなってのイレイザーヘッド!!考えなしにそーゆー事言う人じゃないのは知ってんだろーがーYO」
「話ハ最後マデ聞クベキダロウ。ソノ為ノ、会議ダ」
「そうよ、イレイザー。生徒達が大切なのは分かるけど、オールマイトに厳しくしても仕方ないでしょ?」
庇ってくれる皆にちょっと感動する。
こういう仲間感ってあまり関わりがないから嬉しい。
なんやかんや、私のヒーロー活動って単独が多いし、それに頼られる事はあっても助けられるってあまり経験がないから新鮮だ。
「ですが、曖昧な理由では━━━」
「相澤くん。いいかな?」
皆の発言に眉を顰めた相澤くんを校長が制した。
渋々といった様子で引き下がった相澤くんに代わり、校長が小さく咳払いして口を開いた。
「オールマイトに尋ねたいのさ。それは君のプライベートな理由からの選出なのかな?」
プライベートと言えばそうだ。
緑谷少女も爆豪少年も、私の個人的問題に関わりがある。だからこそ放っておけないという所もあるけど━━━けれど、そうだな。今回のそれは教師としての意味合いが強いかな。
「丸っきりないとは言えません。ですが今回は、あくまでいち教師として、悩めるあの子達に道を指し示したいと思っています」
本心からの言葉を口にすると、校長は大きく頷く。
「それならば問題ないのさ!」
「校長・・・!」
「相澤くん、そう目くじらを立てるものじゃないさ!何より元より、あの子らはオールマイトに任せるつもりだったんじゃないかな?」
校長の言葉に私は相澤くんを見た。
相澤くんは不服そうに視線を逸らし、忌々しそうにそれを口にしていった。
「・・・えぇ、まぁ。元より、あいつらを抑えられるような人は貴方をおいて他にないでしょうから。入試に始まり体育祭や授業で好成績を修める爆豪に関しては言うに及ばず、緑谷の個性の応用力、それを使いこなす発想力と頭の回転の早さには目を見張るものがあります。どちらもムラはありますが、最大限のパフォーマンスを発揮した日には俺でも抑える自信はありません」
相澤くんの言葉に同意なのか、他の先生方から反論の声はあがらない。
「ハンデもなく最悪を想定しても、というならやりようはありますが、これはあくまで試験。あの子はヴィランじゃない。それらのリスクなしに相手出来るのは貴方だけなんですよ、オールマイト」
だからこそ━━━と相澤くんが続けた。
「貴方に聞きたい。あの子らを任せていいですか、と」
真剣な目が私を見つめた。
相澤くんは言葉にこそ出さないが、生徒達の事を誰よりも考えている。時に無慈悲な言葉も言うが、それはあくまで優しさからくるもの。前年度の除籍についても、その後の生徒達の受け入れ先をきちんと世話している。時折、その生徒達の様子を受け入れ先から確認しているのも私は知ってる。
人に厳しい彼は、誰よりも自分に厳しい。
だからこそ、こうして責任を持って私に言うのだ。
ならば返す言葉は決まっている。
「━━━任せて貰おう。私が出る」
気持ちを込めて相澤くんの目を見返す。
それから暫し視線を交わしあった後、諦めたように相澤くんが視線を逸らした。
「であれば、お任せします。あの子らの課題は連携です。どちらも己を前に出し過ぎるきらいがある。緑谷はUSJでの行動やヒーロー殺しの一件を鑑みて。爆豪は最近の姿を見てれば言う必要はないですね」
「ああ、うん。そうだね」
「わかってるとは思いますが、課題内容は伝えないようにお願いします。それと━━━」
それから暫く相澤くんのお小言は続いた。
最終的には校長が間に入ってくれて終わったけれど、あれを最後まで聞いていたらどれほどの時間になっただろうか。考えたらちょっと怖かった。
・・・あの時のお小言、本当長かったなぁ。
「だとこら!!!馬鹿女、てめぇ、もっぺん言ってみろや!!!」
思い出に耽っていると、急にバス最後尾から怒鳴り声が聞こえてきた。視線をそこに移せば、胸ぐらを掴みあう緑谷少女と爆豪少年の姿があった。
あうち!
「だぁかぁらぁ~、脳味噌の代わりにホイップクリームでも詰まってんじゃないんですかぁ?そんなんで出し抜けるほどガチムチが馬鹿じゃない事くらい、普通に考えたらわかんでしょーが!!ガチムチは基本ポンコツだけど、戦闘に関しちゃヤバイ筋肉でしょーが!」
「知ったことか!!俺がぶっ潰すんだよ!!ポンコツだろうが、ナンバーワンだろうが関係あるか!!俺の前に立ちはだかるなら、誰だろうとぶっ殺して前に行く!!そんだけなんだよ!!だから、てめぇは尻尾巻いて逃げてりゃいいんだボケが!!」
ヒートアップした緑谷少女と爆豪少年の顔が近づく。
一瞬キスでもしちゃうのかと思ってびっくりして顔を隠してしまった。
思い直してそっと覗きこめば、そんなピンク色の光景は一切なかった。
そこにあるのは互いのおでこをぶつけ合い、人を殺しそうな目で見つめ合うヤンキーな二人の姿。ピンクよりも、殺伐とした真っ赤な背景が似合いそうな光景だった。
何とかしなければと思った私は考えた。
とても、とても考えた。
手元には何もない。あるのはこの身一つ。
それで場を和ませる為には━━━ジョーク!だが、雰囲気的に怒鳴られそうだ。止めておこう。またチェンジって言われるのは、正直辛い。
考えた末、一つ思い付いた。
道具もなく簡単に出来、殺伐とした気持ちを和ませるそれを。
「緑谷少女、爆豪少年!」
「「はぁぁ!?」」
「しりとりとか、してみないかい!子供の頃を思い出して━━━━━」
「「黙ってろ、ポンコツ!!!」」
酷いっ!!
◇◇◇
遠ざかっていく緑谷達が乗ったバス眺めていると、不意に肩を叩かれた。
振り返ると不安そうな八百万の顔が近くにある。
「どうした、八百万」
「あ、いえ。・・・ただ、少しお話をと思いまして。二人一組での戦闘ですので、連携をとる為にも互いの情報を交換しておいた方が良いかと」
「そういう事か。分かった」
八百万に促されて話を始める。
八百万に体育祭以降大きな変化はなく、話すのは大体俺の左についてだった。現在の最高温度、攻撃範囲、炎放出に掛かる時間。それに伴い変えた装備についてなど、その他諸々も含めた全部を話す。
すると何故だか八百万の表情が陰った。
「轟さんは変わりましたね。体育祭から、また一つ強く。私なんて入学から大して変わりませんのに」
「そうか?あんま変わんねぇと思うけどな。左を使う気になっただけだ」
「・・・それは、轟さんにとって簡単な決断ではなかったでしょう?」
八百万の言葉に少しだけ驚いた。
「どうして、そう思う?」
「最近のお顔を見ていれば嫌でも分かりますわ。明るくなられましたもの・・・でも、私が気づいたのは、明るくなってからです」
そう言った八百万は肩を落とした。
落胆する所があったようには思えなかったが、何か八百万なりに落ち込む要素があったのだろう。
緑谷から女には愚痴を言いたいだけの時があると聞いてるので、余計な事は言わずに耳を傾けた。
「緑谷さんなら、良かったですわね・・・」
「・・・?何言ってんだ?」
「ペアの相手ですわ。私なんかより、緑谷さんと組んだ方が轟さんは良い成績を残せた筈ですもの・・・」
「?」
俯いていく八百万の姿を見ながら考えた。
緑谷と組みたいか組みたくないかと言われれば、組みたいと答えるかも知れないが、それとこれとは別の話だ。
これはあくまで試験。なら、こうして振り分けられたのにも理由がある。良い成績を残すのも大切だが、それより俺達は何かを相澤先生に見せなきゃならない筈だ。
「八百万、取り合えず聞いてくれ」
余計な事かも知れないが、一言だけ。
「これは俺とお前の試験だ。あいつは関係ない」
俺の言葉を聞いた八百万が俯いていた顔をあげる。
「なんでそんなに自信がねぇのか知らねぇけど、俺はおまえを頼る気でいるぞ。俺より頭良いだろ。作戦だとかは任せるつもりだ」
「え?は?えっ?えぇぇぇ!?わ、わたくしがですかぁ!?それは轟さんがやった方が宜しいのでは!?実戦経験もありますし!」
「実戦経験積んでも、頭自体は良くなったりしないだろ。効率はよくなるかもしんねぇけど」
混乱する八百万の肩を一つ叩く。
少しだけ冷静さが顔に出てきた。
「クラス委員決めるとき、おまえ二票だったろ。一票は俺が入れた。そういう事に長けた奴だと思ったからだ」
「あの、時の・・・?」
「何も思い付かないなら俺も考える。━━けど、おまえならなんか思い付くだろ。俺よりずっと凄い事を」
両肩を掴みじっと目を合わせて話せば、分かってくれたのか八百万が首を縦に振りまくってきた。
何故だか少し顔が赤い。
いつまでも女の体に触るのは良くないと思い手を離せば、八百万は少し呆けた後両手で顔を覆った。
風邪だったりしねぇと良いが・・・いや、流石にこんな短時間で悪化する風邪はねぇか?
それから少しして、顔色が戻った八百万が俺を恨めしそうに見てきた。
どうしたのかと尋ねれば━━━━。
「どこで、その、こう言った凶悪な技を・・・?」
凶悪な技?
意味は分からなかったが、自分が八百万にやった事を振り返って、多分こうして面と向かって話す事をさすのだろうと当たりをつけて返す。
「━━あいつのお陰で話さねぇとわかんねぇ事があるって分かったからな。出来るだけ言葉にするようにしたんだ。得意じゃねぇから、あれだけどな」
そう言うと八百万はそっぽを向いた。
「・・・緑谷さん、よく靡きませんわね」
「?靡く?」
「な、何でもありませんわ!それより出来るだけ作戦を考えておきましょう!フォーメーション、緊急時の対応、話す事は沢山ありますもの!!」
元気になった八百万を見ながら、ふとバスの最後尾で爆豪と話し合う元気な緑谷の姿を思い出した。
・・・ペアか。
「━━━悪くなかったかもな」
「何か仰りまして?轟さん?」
「何でもねぇ」
轟達のバス、最前列席
包帯先生「・・・・・・」
ととろき「」イケメーン
やおもも「」キャー
包帯先生(俺の出番なさそうだな)