騒々しいアイドル達とプロデューサー お前ら皆落ち着け。    作:べれしーと

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今回は嘘とかじゃなく恋愛要素がありよりのありで、ギャグは抑えめ。みくにゃんは好きとかよりも凄いという感情が先行します。真剣でいてひたむきな姿やら個性の模索に奮闘努力している姿やら。でも好きという感情が弱い訳ではないです。むしろ強いです。


猫キャラは何処に行ったんだ、前川ァ!

土曜日、早朝に会社へ出勤するといつも彼女はそこにいる。ストイックで、アイドルに真剣な、アイデンティティは猫キャラの彼女。名前は前川みく。15歳の高校一年生。身長は152cmと平均より少し低めで、体重も平均より少し低い45kg。以外な事に大阪府出身で、血液型はB型である。そして個人的に、彼女が2月22日生まれの魚座という事を知った時はそれを奇跡的だと思った。

 

(恵まれた猫キャラ。……好物は魚かな。ここまで猫にマッチしてくるのだからまあ間違いないと思うが……これで魚が嫌いだったらそれはそれで、)

 

彼女に聞いてみると、魚は嫌いという答えが帰ってきた。

 

(弄るだけだな。)

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

「ふうー、あっちいあっちい。」

 

一週間に一度来る、休みたいけど休めない忌ま忌ましい土曜日。346プロダクションの広い敷地の端っこ、少し前に茜と走ったあの広場を歩きながら俺は一人呟く。

 

「あー……早くみくに会いてえー……会えたら100%暑さなんて吹っ飛ぶのにー……」

 

みくにゃん可愛いもんね。いじってたら本当に暑さ忘れる。なんだろうねこれ。魔法かな?可愛さで暑さを吹き飛ばす魔法かな?なんだよそれ最高かよ。みくにゃん嫁に来て。

 

因みにだがいつもみたいにふざけんぞ俺は。みくはガチの真面目枠なんだよ分かりますか皆さん?だからふざけない。ふざけたくない。今までみたいに叫んだり暴れたり泣いたりはしない。つーか作者。俺をふざけさせてでもみろ。労働三権行使するからな。一発ストライキやからな。交渉権じゃなくて行動権を行使するからな。でも団結権は使わないですだって独りだもん。悲しいね。

 

 

 

 

 

さて、プロジェクトルームに着いた。あっつい外とはおさらばだぜ。平均気温を下げるために松●修造さん、海外旅行にでも行ってくんねえかな……

 

(あれ?みくがいない。)

 

自由気ままな猫かよ。猫か。猫だわ。ごめん忘れてた。

 

(にしてもなんかよく分からない音が隣の部屋から聞こえるんだが。)

 

この前文香と対談したあの部屋から微かに音がする、の方が正しいかな。なんだろ。みくの仕業だろうか。

 

部屋の前に立ち、耳を扉にくっつけ、音の正体を探ろうとする。

 

ドパドパミン……

 

(鎌倉幕府執権北条氏ィ!?何故またここにいるゥ!?みくじゃないのか!?みくは!?みくは何処だ!?癒しの座まで世襲せーへんでもええやろ北条氏ィ!?)

 

ムーンウェーブピリピリー

 

なんなんまじで。ウサミンと条約でも締結してんすか。北条氏と安倍氏の昔ながらの付き合い的な?一体何百年単位なんだ……

 

(みくはこの部屋にいる。俺はそう思う。だがあやつがおっては確認できぬ。どうすれば……)

 

学生の軽い重さじゃねんだわ北条氏。あれは既に大人レベル。三船さんとはれるレベル。……おい誰だ三船さんを色々な意味で重いとか言った奴●すぞ。

 

 

 

 

 

と、耳を澄ませ続けていると二人の女性の声が聞こえてきた。良かった。男性の声だったら御成敗式目だった(意味不明)。

 

何かを言い合っている……いや違うか……?

 

壁を隔てているからあんまし何言ってるのかわかんねえ。

 

(ただ誰か二人がこの中にいて話しているのは確定事項だし……もうめんどくせえ。加蓮がいても知った事はねえ。軽くいなしてやる。入るぞォゥ。)

 

ドアをノックする。さあ、返事をくれ。

 

(…………ふう。)

 

もう一度ノックする。返事無いんですけど。

 

(え、何これ心霊現象?)

 

中に誰もいませんよ的なsomething?ナイスボート?

 

「P、Pチャン?何?どしたの?」

 

やっと中から声が返ってきた。心配したぜ。

 

「ああ、いや、この部屋から声がしたから誰かいんのかなあと思って。やっぱりみくだったのか。」

 

「あー、うん、そう、みく。みくだけだよ。」

 

「……?」

 

なんかおかしいな。変な感じする。

 

「本当に?」

 

「ほんま!ほんま!」

 

「さっき電話の音がしましたよ。」

 

「みくの!みくの!」

 

二人目の加蓮はみくにゃんかー。

 

「二人くらいの声もしましたよ。」

 

「独り言!独り言!」

 

じゃあ、加蓮はいないって事でおk?

 

「猫チャンの事、どう思ってる?」カチッ

 

「大好き愛してる!」

 

やったぜ。

 

「分かったから取り合えずこの部屋に入れてくんね?何で鍵閉めてんの?」

 

この部屋に鍵はない筈なんだがドアが動かない。ガッチリと壁にくっついてる感覚。まるでまゆが俺を見つけてから五秒後の状態を体現しているかのよう。ほんとになんだろねあれ。まゆの足速すぎじゃね。50m走多分5.1秒だぞ。ナイス世界レベル。

 

「え、え!?なんでだろー……??」

 

中からゴソゴソ聞こえる。怪しすぎる。それにやっぱり何かがおかしい。

 

(……鍵か。)

 

考え得るのは二つ。だが一つの可能性はもう有り得ない。

 

(何故ならアルカトラズ方式では壁にガッチリとくっつかないから……はあ……じゃあ、あれか。やだなあ。)

 

未だにゴソゴソ聞こえる。やはり怪しい。そしてやはり何かがおかしい。……早く入るためにも覚悟を決めろ、羞恥心を捨てろ、同類になる勇気を持て、俺。

 

「………………ふーん。エッチじゃん。」ボソッ

 

言ってしまった。この忌憚する言の葉を。あの渋谷凛というヤバイドルの蒼歴史を。あまりにも穢い文書を。吐きそうだ吐いた。ヴォエ!!

 

「うぇ!?あ、開いた!?」

 

中から聞こえたみくの声で沈んだ意識が元に戻った。凄い。吐いた物が元に戻っていく(錯乱)。みくの声ってなんでこんなにも心地良いんだろ?聞こえた瞬間にHPが回復したよ。そうHPね。HP(エッチなpチャン)、なんつって。ガハハ!!

 

だから下ネタは駄目だって言ったダルォォ!!?

 

にしてもこの声●ロゲとかで聞いた事がある気がします。あ、禁忌に触れるな?ごめんなさい。

 

 

 

 

 

「……よお、みく。ソファに座って楽しそうだな。ニコニコして。」

 

部屋に入ると眼鏡をかけたみく一人だけがいた。やっぱり一人だけか。良かった北条氏いなくて。

 

「そ、そう?テストの結果が良かったからかなー?」

 

何か隠してるなこいつ。

 

「……ん?それ何だ?」

 

みくが後ろ手に何かを隠しているのに俺は気付いた。これかゴソゴソしてたのは。

 

「な、なに?どれの事?」

 

目ぇ、背けんなぁー?

 

「猫耳かそれ。」

 

「え?違うy」

 

 

 

 

 

「アーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

「え!?何!?どうしたのPチャン!?な、何も隠してないよ!!」

 

違和感の正体分かった!!

 

「猫キャラは何処に行ったんだ、前川ァ!」

 

口調だ、口調!そうだそれがおかしかったんだ!なんか違和感あったんだよ!これか!数学七大難問の一つがまた解けた!優勝した、優勝した!

 

「そっちかーい。」

 

ほら『にゃ』がない!『にゃ』のねえみくはただの猫だ。……別にいいのかそれで。

 

「キャラとかじゃないよ。『にゃ』は素だよ。」

 

「取って付けたにゃんじゃなく、マジナチュラルスーパーにゃんだと?」

 

「ちょっと何言ってるか分かんないけど、多分大体そういう意味。」

 

……?また何か違和感が。

 

「今日のPチャン、テンション高くない?気のせい?」

 

「…………」

 

「と思ったら急にテンション低くなっちゃうし……どしたの?」

 

「…………」

 

「え、無視?ひどくない?」

 

「……眼鏡。」

 

「へ?」

 

「なにその眼鏡。初めて見た。てかみくが眼鏡かけてるのも初めて見たんだけど。」

 

赤ぶちの眼鏡である。真面目っぽい。

 

「……あ。かけっぱにしてた。」

 

慌ててみくはその眼鏡を外そうとする。が、

 

「ストップ」

 

「にゃっ!?」

 

みくの座るソファまで行き、眼鏡を外そうとしたみくの手を、俺の手で掴んで止める。

 

「な、何するにゃ!?」

 

みくの顔が紅くなっていく。

 

「離すにゃ!」

 

俺が掴んでいる手をぶんぶんと振り動かす。だが俺は必ず離すまいとさらに力を入れた。勿論、痛くはない程度に。すると、みくは直ぐに手を動かすのを止めた。大人しくなった。

 

「……はなしてよ。」

 

みくは顔を背ける。背けた事により見えた耳は真っ赤に染まっていた。

 

「ちょっと……ねえ、ほんき、なの……?」

 

弱々しい声に俺は強く答える。

 

「……本気だ。」

 

「……う、うう。」

 

そう。俺は本気である。ガチである。

 

「…………や、やっぱり、こういうことはごういなしd」

 

 

 

 

 

「このキャラだよ!!!」

 

 

 

 

 

「…………は?」

 

まだ紅い顔がこちらに向き直る。鳩が豆鉄砲なんたらとはこの事か。

 

「真面目委員長だ!いつもは真面目な彼女が実は猫キャラ!猫キャラの彼女が実は真面目!この二律背反のギャップ!最高だ!俺が求めていたものだ!良いぞ前川みくゥ!そのキャラでいk」

 

「しね」

 

「ド直球は酷くねェ!?」

 

「失Pア辞」

 

「やめろォ!!」

 

「f●ck you.」

 

「女性がそんな事を言ってはいけません!!あと中指も立てない!!最後にその阿修羅みたいな顔も止めなさい!!聞いてるのか前川ァ!!無視すんなァ!!」

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

結局、真面目委員長は大成功した。しかし代わりにあの時からみくに目をそらされるようになった。土曜日に二人だけの時もたまに顔を紅くして怒られるようになった。俺はみくに嫌われたかもしれない。

 

ふざけてはいないのに何故こうなったのだろうか……?(アホ)




みくにゃんの声が好きっていうこの気持ち分かる人いる?
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