騒々しいアイドル達とプロデューサー お前ら皆落ち着け。    作:べれしーと

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次の話からはおふざけ200%でいきますけど、今回はガチで。


第二章 時間遡行ってそんなのアリなの?
この話だけシリアス感増し増しですね、晶葉さん。


「ピンポーン、っと。」

 

俺は備え付けられているドアホンを押す。ここは一ノ瀬志希別宅であるマンションの一室前。現在時刻は12時31分。

 

外で彼女を少し待つと、直ぐにドアが開いた。

 

「待ってたよ、プロデューサー。入って。」

 

「あい。」

 

黒のカットソーとホットパンツというラフな姿で出てきた志希。

 

(性欲煽るの止めて志希さん。高校生に逆戻りしちゃう、した。……うっ。ふう。)

 

「なあ、話って何なんだよ?貞操云々とはいっても意味がよく分からんかったのだが。」

 

単純に疑問。そんな話直ぐ終わるだろうに。電話とかじゃ駄目だったのかな。

 

「奥に来てくれれば分かるんじゃない?」

 

曖昧な返答。

 

「そ、そうか。」

 

「……あ、言ってなかったけど晶葉ちゃんもいるからね。」

 

「え?」

 

晶葉……?

 

(……今日の話ってもしかして化学テロかな。)

 

天賦の才人揃いは危険な香りしかしねえ。経験上でだが。

 

志希が奥の部屋の扉を開ける。そっちかい。

 

「こっち。」

 

俺も彼女に倣い、入室。

 

「……来たか。プロデューサーよ。」

 

俺を迎えてくれた晶葉も白のカットソーと濃い茶色のホットパンツ姿。なに、科学者の流行ファッション?

 

「よう、晶葉……って、なんだその機械!?」

 

入った部屋には、もう、いかにもなでけえ機械が置いてあった。なんかボコボコいってるし。きもちわりいな。

 

「これか?これはな、私と志希で共同製作した所謂タイムリープ装置だ。志希から聞いてないのか?」

 

「ごめん晶葉ちゃん。ここで説明した方が良いと思ったからまだしてないんだ。てへ。」

 

「タ、タイムリープ装置!?まじかよ!?嘘だろ!?」

 

こいつらいつの間に神様になったんだ……

 

(つーかこの物語ハチャメチャラブコメディでは……?)

 

ジャンル概念の行方不明性って論文ありそう。(小並感)

 

「本当だ。とは言っても実際に過去や未来へ行ける訳じゃないがな。」

 

「…………?」

 

「この機械は対象の意識だけを過去や未来へ飛ばすモノなんだ。」

 

「はあ。」

 

「あんまりよく解ってないでしょ、キミ。」

 

「うん。」

 

だって急展開すぎるんだもん。てっきり俺は志希がまたヤバい薬撒いたもんだと思ってました。それで貞操の危機云々。しかし実際はタイムリープだ。は?ってなるに決まってるでしょう。

 

「なに、もしかしてその奇怪な機械を自慢したいがためだけに俺をここに呼んだんすか?」

 

そうならこいつらの気概へし折る。

 

「良い機会だしキミに自慢しちゃお~ってのも、確かに一つ!」

 

へし折るか。

 

「だが、主目的はそうじゃない。その主目的とは助手に過去へ飛んでもらうというものなんだ。」

 

よし、へし折るのは志希だけにしよ。

 

「……って、は?俺が過去に飛ぶ?」

 

え、どういうこと?えっと、はい?

 

「そうだ。」

 

「何で?」

 

「ここで昨日のメール内容と繋がってくるんだけど。実は……」

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

「つまり?志希の作った『不思議な』香水の原液が?『何かの拍子に』プロダクションに広まって?皆が『何故か』本能的になってしまって?色々と危ないから過去に戻って『俺が』なんとかするってことですかあ?」

 

「……そ、そうです。」

 

「志希ちゃぁん?」

 

「……わ、悪気はないから許して?」

 

「……全部終わったら土下座しなさい。いいね?」

 

「え?」

 

「ん?」

 

「いえ何でもないですごめんなさい分かりました。」

 

「よろしい。……にしてもさあ、疑問なんだけど。晶葉。」

 

「なんだ。」

 

「一々過去に戻らなくても、お前ら天才なんだし、元に戻すフレグランス作ってばらまけば良くね?」

 

大体のssもそういうのじゃん。(ブーメラン発言)

 

「……そうともいかないんだ。」

 

「何で。」

 

「皆が皆本能的になってる訳じゃない。それはプロデューサーである助手が一番解っている筈だ。」

 

……杏とか、裕子とかの事か?

 

「元に戻すフレグランスをばらまいてしまうとそういう人達にもそれが行き渡ってしまう。多数の+1を0にするため、全てを-1したら、少数の0が-1になるのと同義。そしてそれも0に戻そうとするとこれはエンドレスだ。」

 

「……そのフレグランス?とやらにかかった奴だけに与えればいいんじゃね。」

 

「無理だ。個人判定ができない。」

 

「……」

 

「そもそも香水の原液がないから元に戻すフレグランスを作れない。」

 

「え、ないのか?うっかり志希ちゃんばら撒きましたー♪とかじゃないのか?」

 

「流石のあたしもそこまで頭はイッてないよ!?」

 

うーん?そっかなー?

 

「誰かが女子寮の志希の部屋に侵入して勝手に持ってったらしいぞ。」

 

「え、強盗じゃん。大丈夫だったのか志希?……ん?つーかそんな事を俺が把握してないなんておかしくね?あれ?」

 

ちひろさんの伝え忘れ?いやあの人がそれはないか……

 

「晶葉ちゃんにしか言ってないからね。知らなくて当たり前。」

 

「そ、そうか。」

 

「他にはなんにも盗まれてなかったし、警察沙汰は御免だったから秘密にしてたの。ごめんね。」

 

「いやならまあ、良いけども。……じゃあもう一つ。」

 

「ふむ。どうぞ。」

 

「過去に戻る機械って本当?マジ?」

 

「マジだ。」

 

「からかってない?」

 

「マジだ。」

 

「マジか。」

 

「マジだ。」

 

「それじゃあ、意識を飛ばすって?」

 

「マジだ。」

 

「そうじゃなくて。説明を求める。」

 

「ああ、説明か。分かった。志希。」

 

「オッケー。プロデューサー、これ頭にかぶってくれる?」

 

そういって志希に渡された物。

 

「帽子?」

 

茶色のシンプルな帽子だ。

 

「そ。かぶって。」

 

無理矢理俺にかぶせてくる志希。ああ、絡みつくな、おい、ちょ。

 

「…………はいよ。」

 

志希を押し退けて自分で装着。サイズはぴったりである。

 

「よし、かぶったな。」

 

「おう。なあ、説明は?ねえ?まさか帽子が説明?」

 

「対象はプロデューサー、被対象は……まあ、同性なら大丈夫だろう。プロダクションの清掃員っと。時間は、1日でいいか。説明だし。……準備完了。」ボソボソ

 

「なあ、晶葉がボソボソなんか言ってるんだけど。」

 

志希に言う。

 

「キミに忠告しておくよ?」

 

「え?忠告?説明は?」

 

「命令に従ってね?」

 

「は?」

 

「いくぞ!」ポチッ

 

「え?え?」

 

あ、あれ、意識が……うーん…………

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

「はっ!」

 

意識が戻ったァ!!英語ではcome to~!!それの日本語訳は立ち去るゥ!!つまり意識が戻る=立ち去る……?俺は立ち去った?

 

いやいつものクソ思考は止めよう。緊急事態だ。

 

「……会議室?なんで……って俺の声低くなってね?」

 

しかもなんか俺の格好さっきと違うし。掃除する人じゃんこれ。

 

《……聴こえるかプロデューサー。応答願う。》

 

「晶葉?どこだ?え、ほんとに何処にいますか?」

 

無人。何処から声が……

 

《いいか、説明するぞ?》

 

「ちょ、ちょっと待ってよ、訳わかめスープ。」

 

《今、助手は1日前にいる。》

 

「は、はあ。」

 

《私と志希で、助手の意識を前日の清掃員の意識内に入力した。つまり、君は今清掃員。プロデューサーではない。》

 

「は?」

 

《マジだ。》

 

(頭痛くなってきた。)

 

「……よく分からんけど、分かった。」

 

意識を飛ばすって、こういう事か……マジで飛ばされてるんですけど。

 

《試しに行動してみてほしい。こっちも被験者データが少ない。》

 

「な、何すりゃええねん。」

 

《あ、キミの右前にさ、温度設定のやつあるじゃん?それを思いっ切り低く設定してみて?》

 

「そんなんで、いいのか?」

 

《たまーに過去へ行けてない事があるんだよねこの機械。周囲に及ぼす影響評価で本当にそこが実在した過去なのかを調べたいだけだしそれでいいの。》

 

《そうだな。それでいい。》

 

「……分かった。んー……設定温度は……まあ10くらい低くするか。分かりやすいし。17℃っと。」ピッピッ

 

《助手、ちゃんと温度が下がったかを調べてくれ。》

 

「ほいほい。」

 

掃除用具を置いてこの部屋の冷房近くに寄る。

 

《あー……うん。下がっている。17℃だ。……適合、っと。》

 

「分かるのか?」

 

《今は感覚共有してるからね。キミが感じたモノは大体こっちも分かるようになってるよ。》

 

「感覚共有?」

 

《意識って一種の電磁波だからそういうのが可能なの。》

 

「ふーん。」

 

よく分からん。

 

《……よし。データは採れた。助手も説明はこれで大丈夫か?》

 

「まあ大丈夫だけど……自分以外の意識に入るって危なくないのか?」

 

《深く干渉する訳じゃないから危険性は0に等しい。心配するな。》

 

「……そうか。そんでさ。」

 

《うん。》

 

「この声何処からしてんの?二人とも俺の近くにいないけど。」

 

《感覚を共有しているから、まあ、テレパシーみたいなものだ。こいつ直接脳内に……!?みたいな。》

 

「そういうことか。」

 

《そういうことだ。じゃあ、こっちに戻すぞ。》

 

(本当にここは過去なんだな……たまげたなあ。)

 

「了解。」

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

瞼を閉じて、開くと、俺は志希の部屋に戻っていた。

 

「……あー。」

 

声も戻った。格好も同じ。

 

(まだ混乱してるなあ。)

 

 

 

 

 

「さて、助手よ。」

 

「キミに、過去へ戻ってほしい。」

 

「そして、撒かれる前に原液を回収してほしい。」

 

「やってくれるかな?」

 

 

 

 

 

……まあ、楽しそうだし。危険じゃないなら。

 

「やる。やるよ。」

 

「プロデューサーならそういってくれると信じていたよ。」

 

「……んで?どこに飛ぶんだ?」

 

この部屋の端にあった椅子に座り、帽子はかぶったまま話す。

 

「そうなんだよ。そこが問題なんだよね~」

 

「は?どういうことだ?」

 

「原液盗まれたって気付いたの一昨日なんだ。」

 

「ほう。」

 

「だからさ、いつ、誰がばら撒いたのか分かんなくて。」

 

「……呆れた」ボソッ

 

「予想で過去に飛ぶしかないってワケ。」

 

「その予想が違ってたら?」

 

「……もっかいやり直し。」

 

「貴様許さんからな。」

 

「ひぃぃ……」

 

「はあー……取り敢えず、今の予想は?いつ?誰?」

 

「一ヶ月半前、佐久間まゆ。」

 

「あー、確かにあいつならなんかやりそうだわ。」

 

THE 偏見。

 

「早速だがそこに飛ばすぞ。いいか?」

 

「オッケ。」

 

 

 

 

 

「……えっと、一つ留意しておいてくれ。」カチカチ

 

「おう。」

 

「この装置、急いで造ったから不安定でな。」

 

「うん。」

 

「別の過去に少しの間飛ばされる可能性がなきにしもあらずってところで。」カチカチ

 

「……え?どういうこと?」

 

「もしそうなったら、まあ、そうなったで一応そこでも原液を探しておいてくれ。」カチカチ

 

「ねえ?聞いてる?どういうことなの?」

 

「私達はその場合力を貸せない。」カチ

 

「おーい。志希でもいいから聞いてー。耳塞ぐなー。」

 

「……健闘を祈る。」ポチッ

 

「ちょ、おま」

 

意識が……うーん…………

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

「……そういえば被対象も結構ブレるけどってプロデューサーに言っておくの忘れてた……まあ、いっか。」




騒々しい…1. 騒がしい、うるさい。2. 事件等が起こって落ち着かない。

……深い意味は無いです。
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