騒々しいアイドル達とプロデューサー お前ら皆落ち着け。 作:べれしーと
(今回は面白く)ないです。シリアス寄りかも。
「……ふぅ。えっと、先ずは……あー……ふむ。この声は李衣菜か。」
時間がまた戻ったので、今度は自分が誰になったのかを確認する。
(日付と時間も……)
「というよりもここ李衣菜の部屋だな……時計は……あった。8時30分。うん。これも日付あるタイプの時計か……って、今日、李衣菜が俺ん家来てた日じゃんか……まじぃ……?」
最悪やん。だってこれあれやろ?このまま俺ん家行かなきゃいけないパターンやろ?なんなんだよ俺と俺が話すとか訳分かんねえよ。
「確か9時ちょい過ぎくらいにはもう李衣菜がいたから早くしねえとな。」
過去を変えてはいけないと言われてるからね。うだうだ考えていても仕方がない。
この部屋にある等身大の鏡を使って今の自分を見る。
「良かった。着替えと準備は出来ている。全部。よし。」
もし出来てなかったら俺がやらなければならなかった。そんなのは嫌だ(アンパンマン)
どうでもいいけどアンパンマンってロックだよな。あいつ愛と勇気しか友達いないんだぜ?しかも進んで自らの頭蓋骨と脳の一部を人に食わせてるんだぜ?凄いよな。俺には出来ないわ。いや、そりゃ出来ねえか俺はアンパンじゃねえんだし。
「つーかあいつもロックのポスター貼ってるんだな。へー。」
李衣菜がこういうポスターを貼ってると逆ににわかっぽく見えてしまうのは何故なんでしょうかね。
「ん……これは……」
夏樹とのユニットであるロック・ザ・ビートのポスターが隣に貼付してあった。
「きちんと保護はしてあるな……ん?メモ書きか?」
『なつきちとの思い出!初心忘るるべからず、二人三脚で頑張っていきたい!夢は、目を開けて見るんだ!』
「…………ったく、李衣菜は。こんな粋な事しやがって。」
そのメモ書きの回りには失敗した事や反省すべき事を書き連ねた走り書きが百以上もあった。あれが駄目だった、ここが駄目だった、次どうすればいいか、また次はどうすればいいか、と。
その中の一枚、くしゃくしゃになって色も黄ばみ始めている紙が俺の目に入った。それには李衣菜にしては汚い字でこう書いてあった。
『夢を夢で、終わらせたくない。』
(どこまでも純粋で真っ直ぐなんだからよ。)
今度は彼女の部屋の机の上にある、下を向いた写真立てが気になった。まあそりゃ気になるよね?下向いてるんだししょうがないよね?うん。しょうがない。これは知る権利だよ。情報開示制度だよ。プライバシーの権利?知らない子ですね……
(open.)
「俺と李衣菜と夏樹か。うわ結構前……本当に事務所入り立ての頃のヤツだし。」
この事務所では李衣菜と夏樹は初期メンバーになる。詳しく言うと夏樹が最初から三番目で李衣菜が五番目だ。
「大事にしてくれるのは嬉しいけど……」
『一緒にいるための口実ですから。』
(あの言葉がちらついてまともに受け止めれねえ。)
なんつーか、昼ドラしてる気分。うあー、止めろー。李衣菜は色恋沙汰とは無縁だー。その筈だったー。
(くっそぉ……ん?ゴミあんな。きちんと捨てろよ李衣菜さん……)
机の下に丸められた紙のゴミを発見。体積36π立方センチメートル。
(開く。)
え?何で開くのか気になるのかい?そりゃ知る権利さ。(同じネタを二回使う馬鹿)
「……昼の2時迄に帰りなさいプロデューサー。か。ふう。」
(毎話出てくるなこいつ……誰やねん……あと今回のこれの書きが母親みたいな口調してんの何……)
「全く……分かったよ、誰かさん。」ワクワク
なんか映画の一端みたいで俺カッコよくない?とか全然思ってないです。
「行ってきまーす。」ガチャリ
さて、数分足らずで俺ん家に着いた。んー文章がおかしい。自分の家を出て自分の家に向かう。なんだこれは徘徊か。俳諧?ハイクを読め、カイシャクしてやる……
「うーん。どうしよう。普通にドアホン鳴らせばいいのかな?」
李衣菜を家に入れた時の記憶が結構あやふやでどうするのが正解なのか分からない。
(過去を変えんなってよく分からん奴からだけど言われてるし、そうしようと思ってる。が、その過去に何をしたのか覚えていないのでどうしようもない。)
結論、当たって砕けよう。
「プロデューサー!約束通り来ましたよー!」ピーンポーン
『「多田ァ!何故ここにいるゥ!」
「え?一昨日言いましたよ?今日行きますねって。」』
『「じゃあ、どうやって入ってきたァ!」
「鍵開けてくれたのプロデューサーですよね??」』
(李衣菜なら、多分こんな感じで来る。そして俺は)
「うるせえぞ李衣菜ァ!声のボリュームをもうちょっと下げろォ!……ったく、ほら。入れ。」ガチャッ
声の大きさに呆れながら渋々家に入れる。
(てか俺の方がうるせえな。朝だし機嫌悪いのは解るけどもうちょっと紳士的に接せよ俺。なんだこれ俺が俺を説教してるワロタ。)
「プロデューサーも結構うるさい気が。」
「zzz」テクテク
(嘘だろ俺。寝ながら歩いてんぞ。大丈夫か頭が。)
「あの……」
「下で雑誌でも読んで待ってて……zzz……」テクテク
目を瞑ったままプロデューサーは寝室へ戻っていきました。
(ええ……夢心地じゃん……)
そりゃ記憶あやふやにもなるわ。
「机の上にあるファッション雑誌を取りーの、ソファに座りーの、読みーの。」
ふう。取り敢えず一段落。
(こっから先はどうすればいいのか分かるぞ。数分後に俺が来て何でここにいるの的な事を叫びだすからそれに呼応するよう言葉を返すんだ。)
この日の事を思い出す。
(あれ……そういえばなんか口論になった気がする。なんて言ってたっけ……やべえ、忘れた……)
家の中を見渡す。俺ん家だけど物少ねえなほんと。殺風景。ふと思ったけどさ、風景を殺すって盲目と同義だよね。ん?……恋は盲目……つまり恋は殺風景……?『恋は殺風景』っていう曲ありそうだな。厭世的な感じ漂ってるけど面白そう。まゆに歌わせたろ(アホ)
(外れの馬券が……あいつ置いてったまんま家帰りやがったな。しかもウマ娘のBlu-ray Disc boxの隣に置きやがって。腹いせかよ。いや腹いせではないな。もしも腹いせだったとしたら可愛すぎる。待て。違う。違うぞ。俺はホモではない。)
あいつとはギャンブル好きの同僚Pの事である。因みに歌が上手い。
(もうこれでいいか別に。たかが口論ごときで後の運命が変わるとか無いだろうし。李衣菜がこういう話してきても「ははは。それはロックではないよ。」で済むし。)
とかなんとか考えていると近くに人の気配が。
(お?俺来たか?冷静に考えてみると俺来たかってなんなんだろうね。完全にヤバい奴の台詞だよね。)
「お邪魔してまーす。」
×
料理を作ったりとしてたら昼の2時直前に。そろそろかな。
(口論の最中だし、丁度良いかな。)
「……今日のプロデューサー、やっぱり体調もテンションもおかしいですね。それに否定的ですし、なんか気持ち悪いですし。……まあ、そんなt」
大体俺は気持ち悪いとか否定的とか言われたらキレる。だからこの一言で恐らく俺はキレて李衣菜を追い出そうとする筈だ。
「ああ、そうかよ。おkおk。俺はキモいよ。だから今日はもう帰ってくれ。普通に考えれば用事無いのに俺の家に李衣菜がいるのはおかしいしな。……ああ、そういえば昼あんがと。旨かったよ。そんじゃ。」
よしキタコレ。このまま追い出されて告白云々は無かったことにしてやるぜ。
(恥ずかしいしね。)
×
意気揚々に帰ろうと廊下に出る。外面では悲しそうに装いながら。と、
(あ、あれ……またフラフラする感じが……)
慣れたから倒れはしないが少し辛い。体が浮く感覚に襲われる。
(もしかしてこれ告白有りのまま進んでしまうのでは……うーん……)
意識はそこで途切れた。告白有りかあ……はあ……
×
走って彼の家を出て、自分の家の玄関に急ぎ、靴を脱いで自室に。
(ど、どーしよ。言っちゃった。)
秘めてた想いを伝えてしまった。
(で、でも、ロックだよ!……うん、それは今関係ないね。)
脳内思考がぐるぐるぐるぐる。
(…………あんなこと、言われたら動いちゃうよ。)
「抜け駆けは駄目だよ、加蓮ちゃん。」
狡いなあ。
投稿遅れてごめんね。森久保が可愛かったからしょうがない。うん。はい。反省します。
Pはあんまり記憶力が良くないです。てゆーか一ヶ月以上も前の事を鮮明に覚えている方がおかしいと思うので別にPは普通です。