騒々しいアイドル達とプロデューサー お前ら皆落ち着け。 作:べれしーと
気づくとそこは俺の部屋だった。カーテンから覗く外は暗い。夜か。
声紋確認。
「あー……智絵里か。うん?智絵里?」
俺の部屋、夜、智絵里。
(まゆさんが来てる日やんけっ!!)
おいおいまじかよもしかしてあの時のちえりんって俺だった感じ?最悪じゃん。しかもそうなら行動が訳ワカメスープ。
《プロデューサー、聴こえるか、プロデューサー。》
晶葉の声が脳に響く。今頃かよォ!
「ちょっとだけ、遅いと思います。これまでの遡行のときは何処にいたんですか。心細かったんですよ?」
《ふむ。誰だお前は。被対象が違うようだが。》
「いや智絵里の真似しただけでそんな辛辣な。」
《なんだ助手か。》
《やっぱ急いで造ったやつだから色々ブレちゃったかー。ごめんね?》
「許さんけど?」
《うぇーん……》
最近志希が可愛い。なんでだろ。いやキュートだから可愛いのは当たり前なんだけどさ。
《にしてもその口振り、落ち着き……何回体験した?》
すげぇ、映画みたいなことを訊いてくる晶葉。そうそうこういうのを待ってたんだよこういうのを!かっこいいぜ!
「四回。まゆ、加蓮、李衣菜、俺だ。」
《俺?》
「俺だ。」
《俺か。》
「そうだ。俺だ。」
《そうか。》
なんだこのやり取り。そんなに俺が俺になるのはおかしいか。おかしいわ。ごめん普通におかしかった。感覚が慣れきってしまっている俺がおかしいんだね。
《原液はあったか?》
「なかった。」
《そうか……今いる場所は知ってるか?それとも知らない場所か?》
「俺の部屋。」
《へー……じゃああのベッドもプロデューサーの……か、かぎ》
「言わせねえよ変態。」
《先ずは実在した過去かを調べなければな。なんかやってみてくれ。》
「そんなこといわれても……クーラーはこの部屋にないぞ?」
《それなら別の部屋に行ってくれ。》
「佐久間まゆ。」
《分かった。移動は無しだ。》
すげぇなこれだけで何が起きてたのか分かるのかよ。晶葉ちゃんまじ天才!最高!可愛いです!
「どうするんだ?」
《んじゃー、逆転的発想?》
「発想、とは?」
《未来に影響を及ぼす行為をするんだよ。加えてプロデューサーが記憶している未来のね。》
「?」
こいつ気でも狂ったか(理解不能による人間不信)
《プロデューサーがミカンのない未来から来たとするでしょ?遡行してきた過去にはミカンがあったとする。過去が不確定というならどうすればいいかにゃ?》
「踊る。」
《…………そう、食べるなり捨てるなりすればその過去は確定化するね。結構力業な方法だし少し危ないけど、これくらいなら大丈夫だからなんか》
「ヘレンさん直伝ダンサンブルフルコース。」
《聴いて?》
「世界を無視するから。」
《ええ……》
「兎に角、俺が覚えてる未来にすればいいのね?しかもこの俺の部屋限定で。」
《そうそう!ね!晶葉ちゃん?》
《…………そうだな。それで助手もオッケーか?》
「りょーかい。」
考えた結果さ、一つ思い当たる節があるんだよ。多分そういうことだよね。
やりたくはない。だって智絵里が可愛そう間違えた可哀想。
「その過去の実在とかってやらんかったらどうなる?」
《やらなかったらはない。やるんだ。》
「……うっす。」
まじかよ。
「はよやった方がいいよねこれ。」
《機械が不安定だからな。そうしてもらいたい。》
…………許せ、智絵里。
「目、瞑っててくれませんか……?」
《それだと調べられないじゃないか。》
「うぅ……わ、わかりました……」
《てかどしたんプロデューサー。急に喋り方気持ち悪くなっブホッ》
《な、な、な、な、何をしてるんだ貴様は!?》
「……ぱ、パンツ脱ぎました。」
まあ、最初から普通の服装な時点で気づくべきだったよ。あの時智絵里もネグリジェだったんだし。
《へ、変態!!》
晶葉の変態が新鮮で心にある男の象徴がスターティングブロック(意味不明)
《うわー……プロデューサーも大変だねー……》
志希の同情が新鮮で心にある男の象徴が凸凹スピードスター(意味不明)
「これを本棚の奥に……」
《そんなとこに置くな変態!!》
そんなとこ置くな言われてもこれしか思いつかねぇんだよ。許せ。一週間後捨てたから許せ。
べ、別に使おうかどうかなんて一度も迷わなかったろ!!
《下どうすんの?そのまま?……うお、ガチで確定化された凄。》
周りを見渡すと……あった。俺のものではない紙袋。中を確認してみるとそこには、予想を裏切らず、かの偉大なるネグリジェ様が眠っていた。
「このネグリジェ着る。俺の時もそうだった。」
《そういって強制させたんだろ異常者……》
晶葉の好感度すげぇ下がっちった。
「ここはまじで目を瞑っててくれ。智絵里のために。」
《おけおけ。晶葉ちゃーん。その真っ赤な顔を後ろに向けてー?》
《うわっ!あっ、んっ……》
ちょ、そんなエロチックな声を14歳が出すな。立つ起つ断つ。斬られたから死ぬわ(錯乱)
「ネグリジェに着替えました。いいですよ。」
《ん……うへぇ……》
晶葉の俺に対する態度が犯罪者らへんまでクラスダウンしてらぁ。悲しい。
《わぁ……ちえりん似合ってるー♪》
「そ、そうですか?……えへへ♪」
《キモい。》
「ひでぇ。」
志希は変わらない。いつも通りだ。その優しさが身に染みるぜ。
紙袋を本棚の近くに隠して二人に言う。
「そろそろ口調をちえりんにするから気持ち悪いと思うけど我慢してね。」
《了解了解領海12海里。》
《排他的経済水域188海里~♪》
こいつらふざけてんな(ブーメラン)
「やだあああああああああああああああああ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」
俺の声……つまり、
「まゆが来る!」
《か、隠れるか!?》
「ああ!」
ベッドの下に滑り込む。喚き立つ鼓動をむりくり抑えて息を潜めて。さあ、来るなら来い。
《取り敢えずやり過ごして。出来れば急ぎめで。》
難しい注文だなおい。宮沢賢治か。
《あたしに電話するための時間がいる。》
ふむ。
《原液があるかどうか訊いて、あれば保管するように伝えてなければまた昔に戻る。いい?》
「OK」ボソッ
ガチャリという音と共に四つの足音。二つの声。俺が叫んでる。頑張れ。
まゆさんの猛攻凄い。ベッドがギシギシいってるもん。俺より彼女の方が変態だと思われます。どうですか有識者の皆さん。
「……ちょっと待って下さい。」
これは、確か……
「智絵里ちゃん、こんな所で何をしているんですか?」
やっぱ入ってきたか。ネグリジェのインパクトで頭おかしくなりそう。
「智、智絵里?本当にそこにいるのか?」
俺がそう俺に訊いてきた。二重人格みたいだねってこれ言うの何回目だろ。
「い、います……」
ちょ、まゆの刺す様な視線が。すまんて。邪魔してすまんて。
「えっと、プロデューサーさんを驚かせようと思って隠れていたんですけど、その、お二人はその様な関係なんですか……?」
ちゃうんやで。驚かせるためなんやで。プロデューサーさんを狙ってとかじゃないんやで。そういう意味を込めて発言するがまゆはまだプンスカしてる。可愛い。微笑ましい。
「ちっげぇよ!!無理矢理だわ!!つーか智絵里の理由おかしいだろォ!!」
そうかな?でもなんとなく智絵里なら言いそうじゃない?(偏見)
「プ、プロデューサーさんから無理矢理だなんて、もう、わたしに勝ち目はないんですね……」
ちょっとふざけてみる。多少は良いよね?お茶目になっても怒られないよね?怒らない?ありがと!
「あんたら俺の知らない所で本当に薬物やってますよね?じゃなきゃこんな会話にならないよね?」
いや俺はヤクなんてやってねぇよ。なんだこいつ。こ●すぞ。って、こいつ俺だわ!やっべ、死ななきゃ!逝ってきます☆
と、まゆが俺の近くを見ている。
「ど、どうしたんですか?」ボソボソ
「その本……」
本?と思い彼女の見やる方を倣って見るとそこには、
《……なんだそれは。》
《プロデューサーも男の子なんだねー?》
(おお神よ、何故貴方は私を見捨てるのですか。)
そこには俺の宝があった。私を悦ばせるためのものだ。
「智絵里ちゃん、それ、下さい。」
渋る。
「……はやく。」
こわっ。
「どうぞ……」
うわ、くしゃくしゃにされた。それを……おい、何処にしまった。どっかいっちゃったぞ。ちょっと、え?何が起きたの?
「プロデューサーさんに必要なのはまゆだけですっ」コトッ
そういって彼女が置いたのは鍵。
「家で待ってますよぉ……♪」
家の鍵!?
「お前もネグリジェかよ!?…………いや、何で普通にお前も俺ん家いるんだよ!?二人ともどうやって鍵を開けた!?後自由過ぎんだよ!!今、夜の10時やぞ!!常識考えろや!?」
二人でベッドの下から出ると俺がそう発言した。尤もな事を言われて反論できない。
《あ、ごめん。変なボタン押しちゃった。》
え、ちょ、
「「????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????」」
「やべぇ。初めてお前らに殺意湧いたわ。後文字数稼ぎ止めろ。それとクエスチョンマークがゲシュタルト崩壊する。目がチカチカする。」
《何してるんだ志希!そのボタンは押したら駄目だろ!》
《にゃはは~。》
「志希てめぇ……何しやがった……帰ったら絶対ぶっこ●す……」ボソッ
《ヒェッ》
「何のボタン押したんだよ」ボソボソ
《人の意識を消失させるボタンだな。》
「そんな物騒なボタン作るなアホォ!」ボソボソ
《好奇心》
「くたばれ。」
《変態が良い御身分で。》
「好奇心」
《くたばれ。》
晶葉さん酷いっす。でも目の前のまゆと俺二人による喧嘩的なやつの方がもっと酷いっす。第三者視点でやっと知ったけど顔の距離近すぎね。キスする勢いだよ。チューリップだよ。
と、
「「智絵里(ちゃん)はどう思いますか!?」」
聞いてなかった。何の話だ。俺の性癖の話?語るには余白が狭すぎる。省略。
《変態助手よ。そろそろそこから抜けろ。時間が心配だ。》
うるせぇ、マッドサイエンティスト。しょうがねぇな。
「……その、恥ずかしいのでわたしとまゆちゃんは服を着たいです。ですよね?」
これでいーい?
「そ、そんな恥ずかしくなんか…………う、うぅ。やっぱり、そんなに見ないでぇ……」
んー……まゆの可愛さは世界一ィィィィ!!!!!
「わ、分かりましたよ……服着ます……」
その瞬間俺が後ろを向いた。目に手をあててムスカごっこをしていらっしゃる。
「……キモいから意識飛ばせ。」ボソボソ
《え、いいの?自分の身体だよ?》
「キモいから構わん。」ボソボソ
《へーい。》ポチッ
鏡で自分の姿見たときふと気持ち悪いと思う事ない?そういうやつを感じたんだよね。だから意識をふっとばさせてもらいました。この思考ヤクザみてぇだな。いやヤクザはもっと優しいか。
おう……ポチッて聴こえて直ぐビクビクし出したんだが……
「これ合法?」ボソッ
《………………うん。》
なんだ今の間は。
「智絵里ちゃん。」
うおっ、びっくりした。なんや。
「なんですか?」
「いえ……ボソボソ言ってるのでどうしたのかなって。」
あ。聞こえてたみたい。
「えっと、その……な、なんでも、ないです。」アセアセ
頬を赤らめる。こうするとね、なんとかなるんだ。何故かって?可愛いからさ。
「そうですか(可愛い)」
ほらね。
「そろそろ戻して。」ボソッ
《りょーかい。》ポチッ
またビクッとした。地上に打ち上げられた魚かよ。ぴちぴち!ぴちぴち……
「着替え終わりましたよぉ。」
まゆがそう言う。なんか、犯罪臭が(ry
「よ、よし、じゃあ二人とも」
「帰りますね。」
……そういえばこの時まゆが帰るって言ったんだっけ。
(未だに理由は分からないが……志希に電話する時間はこれで取れそうだ。)
《なんてゆーか…………プロデューサーは大変だね?》
志希が俺に同情してくれる。ほんとだわ。プロデューサーってなんだよ(原題への反駁)
「……お、送らなくても大丈夫か?なんなら誰かを呼ぶけど?」
俺が問う。いややめろ。来るな。行動できないだろ。
「大丈夫です。まゆちゃんと二人で。寮、近いですし。ね?」
そう言うと、
「そ、そうか。気をつけてな。」
と応えた。聞き分けの良い奴だな。気に入った。殺すのは最後にしてやる。
「はい。また明日。」
まゆが先に俺の家を出た。まあ今の俺は智絵里なんですけどね。つまりここは智絵里の家……?まじかよ。いつの間に俺と智絵里は結婚していたのだ。
「……ベッドの下、確認しといた方が良いと思います。それでは、おやすみなさい。」
これくらいは教えておいていいっすよね?ね?これだと俺が可哀想だから、ね?
夕闇に紛れ二人でプロムナードを歩きます。
……パンツは新しいのを履きました。あって良かった。
「驚きでしたよ。まさか智絵里ちゃんがいるなんて!」
こっちの台詞だわアホ。
「私も驚きました。」
《おい変態。まゆまでその毒牙にかける気か。早く任務を遂行しろ。》
言い草。
「ごめんなさい。まゆちゃん。私、用事があるのでこれで。」
失礼させてもらおうか!フハハ!
「こんな時間に?」
夜の11時である。
「う、うん。」
「そう……」
訝しむ目線。怪しく思えるのは解る。でも今は無視して。頼む。まゆ鈍感になれ……っ!
「じゃ、じゃあね。」
「志希さんですか?」
「……え?」
《ひゃー、鋭いねー。》
「ボソボソ言ってたの全部聞こえてますよ?」
うっそだろお前。そこはご都合主義で難聴になっとけよ。
「えっと……その……」
「また何かしら企んでるんですか?プロデューサーさんを困らせるんですか?どうなんですか?ねえ?」
ヒェッ
《……まゆに全部教えろ、プロデューサー。この遡行の事を全部だ。いいのか?とかは考えなくていい。話した方が早そうだ。従え。》
おお、俺の思考を予想されてた。その通りいいのか?って思いかけてました。
言っていいなら言わせてもらおう。なんか段々と面白くなってまいりましたね(ワクワク)
「実は____」
×
「そうだったんですね……」
「信じてくれるのか?」
「口調で。」
「あ、そっか。そうだわな。」
案外すんなりと信じてくれた。物分かり良すぎでしょまゆさん。これは俺がえっちい事したいって言ったらやってくれるんじゃないか……いや、止めよう。こんな事考えちゃ駄目だ。
「……加蓮ちゃん、明日プロデューサーさんの家に行くんですね。」
あれ?これ喋りすぎた?
「電話でもして邪魔してあげましょう」ボソッ
もしかしなくても喋りすぎた。
「そういうことで。スマホとかある?貸してくれない?」
「いいですよ(智絵里ちゃんの声でプロデューサーさんの口調という違和感。)」
《あたしに電話電話!》
「分かってるって。」
「それもテレパシーってやつですか?」
「そうそう。」
「へー……」
あった志希の連絡先。
「加蓮ちゃんとみくちゃんの時に電話がなかったら助からなかったかもしれない……ふむ。使えそうですね。」ボソボソ
……でねぇ!こいつでねぇぞ!
「まゆがプロデューサーさんを助けるチャンス……!」ボソボソ
「出ない。」
《……ごめん。》
「出ないですねー?」
《ごめんなさい。》
「ゆ"る"さ"ん"!!」
《ひぃー……》
《というか助手の遡行録波乱だったな。お疲れ。》
「でもここで志希が電話に出ないから?」
《何度でも。》
「志希。」
《失踪していいですか(白目)》
《拘束。》
《ヴァァァァァァア!!!!》
「GOD JOBだ晶葉。」
「(智絵里ちゃん、じゃなくてプロデューサーさんは一体何を言っているんでしょうか。)」
と、おふざけしまくっていると、
(酩酊。これはまた昔に飛ばされる感じか。)
「ごめん。まゆ。また過去に行かなきゃならんみたいだ。」
「今から智絵里ちゃんの意識が戻ってくるって事ですか?」
「そうだな。」
《不思議だな。こちらでは何も出力してないのに。》
《なんで過去に戻されるんだろーね。》
お前ら専門家が分かってないのォ!?嘘ォ!?
「頑張って下さいね。」
《ここからは意識を紐付けておくから安心してね。》
安心できねぇよォ!何でそっちで機械を触ってないのに俺が過去に戻るのか調べろよォ!
お、おい!……うーん…………
智絵里Pほんとにごめん。