光を纏った剣がこちらに向けて振るわれる。
その速度はかなりのもので、並みの人間では避けるどころか受け止めることすら困難だろう。
だがそれは、一般的な人族基準での話。
思考超加速を発動させている俺の目は、近づいて来る刃をはっきりと捉えていた。
俺は剣に闇を纏わせて斬撃を受け流し、返す刃で相手……シュンを吹き飛ばした。
「がっ……!」
シュンはアニメのように盛大に飛び、建物の壁に叩きつけられた。
骨が何本か折れたようで、顔を歪ませて攻撃を受けた部分を手で押さえている。
「まだやるか?」
「っ……もちろん!」
シュンは治癒魔法で傷を治すと、再び剣に光を纏い直し、こちらに向かって駆け出した。
学園生活は順調と言えば順調だった。
残念ながら、授業で得るものは特に無く、授業中はずっとスキルを鍛えていた。
原作では、
人との交流もほとんど無く、シュンと少し話したり、模擬戦をする以外には特にやることが無く、ずっと鍛え続けるだけの灰色の青春だった。
大島……カティアは俺を警戒しているし、岡ちゃんに関しては俺の方が彼女を避けている。
転生して神言教にはまり、シュンやカティアに布教活動を続けている長谷部……ユーリでさえ、俺を恐れて近づいてこない。
だが、ずっと鍛えていたことで俺のステータスとスキルはさらに伸び、中位龍を倒せるくらいの力はあるだろう。
少し誤算だったのが、俺に触発されたのか、シュンが原作よりも厳しい鍛錬を積むようになった事だ。
俺もいろいろシュンにアドバイスをしたり、鍛錬や模擬戦に付き合ったりして、本格的に鍛えてみた。
シュンが俺に勝ったことは終ぞなかったが、体験版蜘蛛ん式トレーニングにより、原作よりも強くなったと思う。
授業でもシュンが俺と組むようになり、完全なボッチからは脱却することができた。
しかし、兄と接する機会が減ったスーは俺への敵意をさらに強くしている。
……エルフの里にいる腐女子達が見たらどうなるか考えて、少し恐ろしくなった。
それと、俺はレベルを上げないようにするために、魔物との戦いは避けていたのだが、ついに基礎ステータス系スキルがカンストした。
これでようやくレベル上げを行うことができる。
「というわけで、これからレベル上げに行く。お前も来い」
「わかりました。ごしゅじんさま」
そして俺は、
暴力と権力を盛大に使った結果、ユーナは闇龍に進化した。
ステータスとスキルも非常に伸び、そこらの魔物には負けはしないだけの力を得た。
基礎ステータス系スキルも、カンストはしていないもののかなり高レベルで所持しているため、今回のレベリンクツアーはかなりのパワーアップを見込めるだろう。
……病み具合もヤバイことになっていて、蜘蛛ん式トレーニングでかなり痛めつけているにも関わらず、すごく俺に甘えてくる。なんかヤンデレに目覚めそうになった。
ちなみにユーナのステータスがこちらだ。
『闇龍ユーナ LV4
ステータス
HP:4847/4847(緑)+1200
MP:4542/4542(青)+1200
SP:4694/4694(黄)
:4694/4694(赤)+1200
平均攻撃能力:4513(詳細)
平均防御能力:4719(詳細)
平均魔法能力:4279(詳細)
平均抵抗能力:4730(詳細)
平均速度能力:4465(詳細)
スキル
「闇龍LV1」「逆鱗LV8」「堅甲殻LV5」「鋼体LV5」「HP高速回復LV7」「MP高速回復LV2」「MP消費緩和LV9」「魔力感知LV8」「魔力操作LV8」「魔神法LV1」「魔力撃LV6」「魔力付与LV4」「SP高速回復LV5」「SP消費大緩和LV1」「闘神法LV2」「気力撃LV7」「気力付与LV5」「龍結界LV1」「暗黒攻撃LV7」「暗黒強化LV7」「破壊大強化LV1」「斬撃強化LV7」「貫通強化LV4」「打撃強化LV7」「衝撃強化LV5」「飛翔LV7」「空間機動LV3」「集中LV8」「予測LV6」「演算処理LV3」「記憶LV3」「並列思考LV2」「命中LV10」「回避LV10」「確率大補正LV1」「危険感知LV10」「気配感知LV8」「熱感知LV7」「動体感知LV6」「呪怨LV1」「影魔法LV10」「闇魔法LV10」「暗黒魔法LV2」「飽食LV2」「妬心LV2」「破壊大耐性LV2」「斬撃大耐性LV1」「貫通大耐性LV1」「打撃大耐性LV1」「衝撃大耐性LV1」「火耐性LV8」「水耐性LV3」「氷耐性LV2」「風耐性LV3」「土耐性LV3」「雷耐性LV5」「光耐性LV4」「暗黒無効」「重耐性LV7」「状態異常耐性LV8」「酸耐性LV3」「腐蝕耐性LV3」「気絶無効」「恐怖大耐性LV2」「外道耐性LV8」「苦痛無効」「痛覚大軽減LV5」「暗視LV10」「千里眼LV2」「五感大強化LV1」「知覚領域拡張LV2」「神性領域拡張LV1」「天命LV5」「天魔LV4」「天動LV4」「富天LV4」「剛毅LV4」「城塞LV5」「天道LV3」「天守LV5」「韋駄天LV4」
スキルポイント:0
称号
「魔物殺し」「悪食」「魔物の殺戮者」「龍」「覇者」』
やってよかった蜘蛛ん式。
俺のステータスと比べると低く見えるが、今の時代の人族の平均的なステータスが千を超えないことを考えると、かなり高い方ではある。
しかし、これでも下位龍の域を出ないし、レベルを上げればまだステータスは伸びる。
俺もユーナも強い方ではあるけれど、俺よりも遥かに超える強さを持っている存在はまだまだいる。
まだだ。まだ足りない。俺はもっと強くならなければならない。
「修行の旅に出ます。探さないでください」という書き置きを残し、長距離転移を発動する。
レベリングを行う目的地は、世界最大の迷宮、エルロー大迷宮だ。