俺、ユーゴー・バン・レングザントは、5歳になった。
その間のことは特に面白みの無いボッチ生活だったのでカットだ。
俺は様々な勉強に励んでいる。
スキルを教師に正式に習い始めたので、今までのようにこっそり鍛錬するのを辞め、昼間に堂々と鍛錬できるようになった。
魔闘法はMPが切れない限り基本常時発動し、魔力操作の鍛錬は起きている間中ずっと行う。
さらに鍛錬のときは並列意思のスキルを使うことで、修行効率を何倍にも引き上げている。
並列意思便利すぎる。このスキルは俺と相性が良いようで、蜘蛛子のようにフル稼働させている。スキル上げがもうすごく捗る。
剣術にも手を出し、「剣の才能」スキルを得てからはガンガンスキルレベルを上げている。
なんか天才と褒められるのを通り越して、ドン引きされているのは気のせいだと思いたい。
さて、今日は鑑定の儀を行う日だ。
鑑定の儀は、5歳になった貴族や王族の子供が多くの人の前で鑑定を行うというイベントだ。
会場に入ると、奥に台座があり、さらにその奥には父親である皇帝がいる。
周りには沢山の貴族がいて、こちらを眺めている。
俺は台座の前まで歩くと、皇帝に向けて膝をついた。
「これより、鑑定の儀を執り行う。ユーゴー・バン・レングザント。立つが良い」
「はっ」
立ち上がり、台座の前に置かれた踏み台に乗る。
そして、台座に嵌め込まれた意外と大きい黒い石に手をつけ、鑑定の発動を念じる。
『人族 LV1 名前 ユーゴー・バン・レングザント
ステータス
HP:129/129(緑)
MP:1271/1271(青)
SP:129/129(黄)
:129/129(赤)
平均攻撃能力:69(詳細)
平均防御能力:69(詳細)
平均魔法能力:1235(詳細)
平均抵抗能力:1153(詳細)
平均速度能力:69(詳細)
スキル
「HP自動回復LV3」「MP回復速度LV9」「MP消費緩和LV5」「魔力感知LV10」「魔力精密操作LV1」「魔闘法LV9」「魔力付与LV8」「魔力撃LV5」「SP回復速度LV4」「SP消費緩和LV2」「気闘法LV5」「気力付与LV3」「気力撃LV2」「剣の才能LV4」「体術の才能LV2」「破壊強化LV3」「打撃強化LV3」「衝撃強化LV2」「投擲LV2」「立体機動LV1」「集中LV8」「予測LV4」「演算処理LV6」「記憶LV5」「並列意思LV4」「命中LV2」「回避LV2」「隠密LV7」「気配感知LV2」「無音LV2」「帝王」「睡眠耐性LV5」「気絶耐性LV1」「恐怖大耐性LV1」「苦痛無効」「痛覚軽減LV1」「暗視LV5」「視覚強化LV8」「聴覚強化LV9」「嗅覚強化LV7」「味覚強化LV4」「触覚強化LV5」「神性領域拡張LV1」「生命LV9」「魔蔵LV3」「瞬発LV9」「持久LV9」「強力LV9」「堅固LV9」「道士LV3」「護符LV2」「疾走LV9」「n%I=W」
スキルポイント:119500』
ざわめきが起こった。
なんか皆あり得ないものを見たかのような目でこちらを見ている。
まあ、5歳の子供が並みの大人よりも高いステータスを出したらそうなるだろう。
「あれは!?」
「まさに天才……いや」
「なんだアレは!? 化け物か!?」
うん。
やっちまったぜ☆
「静まれ!」
皇帝の一喝で、会場はようやく静かになった。
そして皇帝は鑑定結果を写し取った紙を俺に差し出した。
俺はそれを受け取り、一礼して下がった。
こうして、俺の鑑定の儀はすごく荒れたが、なんとか終わった。
……なんか違う気がする。
鑑定の儀が終わり、なんかさらに化け物度が増した気がするが、もう諦める。
俺が目指すのは、俺TUEEEなインフレ系キャラである。
引かぬ!媚びぬ!省みぬ!の精神でいこうと思う。
さて、鑑定の儀が終わったので、鑑定の儀を終えるまで取得を避けていたスキルを取得しようと思う。
それは、支配者スキルだ。
支配者スキルは、七つの大罪と七つの美徳の名を冠する最上位のスキルで、どれもぶっ壊れた効果を持つ。
取得する方法は主に二つで、大量のスキルポイントを使用する方法と、凄まじく強い感情によって、「怒」や「休」などの強い感情に呼応して手に入る系統のスキルをカンストさせる方法がある。
俺は手っ取り早く前者で行く。
さらに、支配者スキルを取得すると、それに付随して称号が手に入る。
称号の効果は、主に支配者特権及び強力なスキルの獲得に加え、ステータスの上昇、一部の熟練度へのプラス補正などがある。
人格の侵食などを始めとした物騒な副作用があるが、外道無効のスキルがあればほとんど無効化できる。
取得にかかる膨大なスキルポイントも、俺のインフレしたスキルポイントなら問題ない。
今まで俺がこれらのスキルを取得しなかった理由は、支配者スキルを取得すると、「禁忌」のスキルもついてくるからだ。
禁忌の内容自体は問題ないが、このスキルは所持すること自体が禁忌とされていて、持っていると神言教に目を付けられる。
鑑定の儀なんていうビッグイベントで禁忌のスキルを晒すわけにはいかなかった。
しかし、鑑定の儀は終わった。これから鑑定されることになっても、支配者権限で鑑定を妨害すればいい。
俺が取得しようと思っているのは、「忍耐」「強欲」「怠惰」の三つだ。
取得経験値を増加する「傲慢」も取るかどうか迷ったが、「おしえてD先生」曰く、魂が崩壊する恐れがあるらしいので、取得するのをやめた。
効果はそれぞれ、MPを消費することによる食いしばり、殺害した対象のステータス、スキル、スキルポイントの一部の強奪、自分以外のHP、MP、SPの消費を増加と、どれもこれもぶっ壊れている。
もちろんこれらはとても強力な効果だが、俺の目的は称号に付随するスキル、それと支配者権限だ。
今欲しいスキルは、「忍耐の支配者」に付く、魂に関する耐性の「外道無効」と、「怠惰の支配者」に付く、睡眠をとらなくてよくなる「睡眠無効」だ。
このスキルがあれば、俺はさらに効率的に成長できるだろう。
そして支配者権限は、システムに干渉するための権限だが、今はまだ使わないため割愛する。
三個の支配者スキルを取得するとなると消費するポイントがとんでもないことになるし、魂の容量が足りるか心配だが、多分なんとかなると思う。
俺の魂は二人の魂が混ざってできている。スキルポイントが膨大なのもおそらくそれが原因だし、魂の容量も単純計算で二人分ある。
たぶん大丈夫だろう。
というわけで早速忍耐を取得!
《現在所持スキルポイントは119000です。
スキル『忍耐』をスキルポイント5000使用して取得可能です。
取得しますか?》
はい。
《『忍耐』を取得しました。残りスキルポイント114000です》
《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV2』を獲得しました》
《条件を満たしました。称号『忍耐の支配者』を獲得しました》
《称号『忍耐の支配者』の効果により、スキル『外道無効』『断罪』を獲得しました》
よし、次だ。
強欲を取得!
《現在所持スキルポイントは114000です。
スキル『強欲』をスキルポイント10000を使用して取得可能です。
取得しますか?》
はい。
《『強欲』を取得しました。残りスキルポイントは104000です》
《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV2』が『禁忌LV4』になりました》
《条件を満たしました。称号『強欲の支配者』を獲得しました》
《称号『強欲の支配者』の効果により、スキル『鑑定LV10』『征服』を獲得しました》
怠惰を取得!
《現在所持スキルポイントは104000です。
スキル『怠惰』をスキルポイント30000使用して取得可能です。
取得しますか?》
はい。
《『怠惰』を取得しました。残りスキルポイントは74000です》
《熟練度が一定に達しました。スキル『禁忌LV4』が『禁忌LV6』になりました》
《条件を満たしました。称号『怠惰の支配者』を獲得しました》
《称号『怠惰の支配者』の効果により、スキル『睡眠無効』『退廃』を獲得しました》
《『睡眠耐性LV5』が『睡眠無効』に統合されました》
続けて支配者権限を確立……
……
……
……確立完了。
これで次のステージに進める。
俺は未来を思い、天を見上げて笑みを浮かべた。
**********
は?
誰かが支配者権限を確立した?