俺は親友を一人失う。

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小説家になろうの方に初投稿した作品をこちらでも投稿します。

ポンと思いついたので、数時間で書きました。良い出来ではないでしょうが読んでもらえたらうれしいです。


キャラの設定も載せておきます、出てない人もいます。



砂田友秋:主人公。16歳高校1年、小学生からの付き合いの鈴木秋広、秋宮咲の二人しか遊ぶほどの友人が居ない、

大勢と学校で会話はするが、友人と言えるほど進展しない、本人も『無理して友人関係になっても疲れそう』と、

思っている。やや無表情ぎみ。成績、身体能力共にそこそこ高い。帰宅部。そこそこ良い顔。



鈴木秋広:主人公の親友。16歳高校1年、名前に同じ秋がついていることがきっかけで仲良くなる、友人思いで

活発、主人公達と遊ぶために部活に入らなかった男。中学校卒業時に思い人に告白し、成功した彼女持ち。

成績は平均的、身体能力はかなり高い。顔は人並。



秋宮咲 :主人公の親友。16歳高校1年、秋広と同じく名前がきっかけで友人に。活発で相手を引っ張っていくタイプ。

黒髪をポニーテールにしている。一人だけ違うクラスで納得いかない。成績、身体能力共にかなり高い。帰宅部。

見た目だけなら釣り目で冷たい感じの美人。



三人はそれぞれを、トモ、ヒロ、サキ、と呼び合う。



前原真由美:鈴木秋広の彼女。中学卒業時思いを寄せていた秋広に告白され、付き合い始めた。

『もっと早ければ同じ高校に行けたのに』と、自分の意気地なさをちょっと恨んだ。咲とは友人。

主人公には『彼女さん』と呼ばれている。 呼び名は、まゆ。たれ目で中々可愛い。


俺が親友を一人失う話

 

 

 俺が親友を一人失う話

 

 「今日はここまで、あまり遅くまで残るなよ」

 

最後のHR(ホームルーム)が終わり周囲が一気に騒がしくなった、俺……、砂田友秋ものんびりと帰る支度をし始める。

 

「トモー」

 

俺を呼びながら男がやって来る。俺の数少ない親友である鈴木秋広だ。

 

「今日お前んち行って良いか?」

 

「ああ、いいぞ」

 

大抵こいつは俺のうちに来る、小学生の頃から変わらない。

 

「入学して1週間であっさり慣れちまったな」

 

そう言ってくる親友に「そんなもんだろ」と返す。

 

「ヒロ、彼女はいいのか?」

 

そうこいつは彼女持ちだ、中学卒業時に思い人に告白し成功させやがったのだ。

 

「大丈夫、しっかり会ってるし理解もされてるし」

 

「そっか、恨まれずに済みそうだ」

 

「そんな子じゃないけどな」

 

その時、教室に黒髪ポニーテールの女生徒が入って来て俺達に声をかける。

 

「二人とも、帰ろ!」

 

「ああ」

 

「おう」

 

彼女が俺のもう一人の親友、秋宮咲だ。

 

見た目は黒髪ポニテのクールビューティーなのだが、性格は明るく活発でクールではない。

 

「ヒロもどうせトモの家行くんでしょ?私も行くよ」

 

「その通りだ、じゃあさっさと帰ろうぜ」

 

 

 

 

 「ただいまー」

 

二人と共に俺は家に着いた。父親は仕事、母親は買い物だろう。

 

「飲み物とお菓子用意するから二人は部屋に行ってて」

 

そういうと二人は「お邪魔します」と言いながらも自宅のような気軽さで二階に上がっていった。

 

俺が色々用意して部屋に入るとレースゲームをしていた。

 

「あ、トモ対戦しよーよ」

 

サキが4つあるコントローラーの一つを渡してくる。

 

「よし俺のテクを見せてやろう」

 

そう言ってコントローラーを受け取り熱戦を繰り広げた。

 

ゲームに飽き、適当に話しながらそれぞれ漫画やら雑誌やらを読んでダラダラしているときヒロが言った。

 

「二人は恋人は作らないのか?つーか好きな人居ないの?」

 

「恋人、ねえ」

 

俺がまず考えたのは、『疲れそう』だった、お互い気を使ってずっと一緒に居るのはちょっと嫌だな。

 

もっとこう疲れない……自然で幼馴染みたいな、そう……サキみたいな。

 

そう思いながらサキを見ると俺と目が合ってお互いにサッと目をそらした。

 

「す、好きな人か……」

 

サキはそう言ってほんのり顔を赤くした。

 

「おっ、サキ好きな人いんの?」

 

ヒロが追及してくる。

 

「まあ……いる、けど」

 

「まじ!?サキにも春が来そうだな!」

 

ヒロは嬉しそうだ、まあ、自分だけ恋人がいるしな。この幸せを俺達にも感じてほしい。とか思ってそうだ。

 

しかし、サキも好きな人居るんだな、そのうちこうやって三人で遊べなくなるのかな……。

 

などと考えて居る間にも話は進んで居たようだ。

 

「無理には聞き出そうとはしないけど、うまくいくといいな、何かあったら手伝うぞ!」

 

「ありがと、でもまあ、自分でどうにかしてやるわよ」

 

「まあ、お前ならほとんどの奴は断らないだろ、性格いいし可愛いし」

 

と、俺は口を挟む。

 

「ホント!?」

 

うお、すごい反応したな。

 

「ああ、というかお前人気高いぞ、勉強もできるしさっき言った通り性格も顔もいいしな」

 

クラスや他の男子と世間話程度の会話しかしてなくても可愛い、かっこいい、って話はそれなりに聞く。

 

「そっか……そっか」

 

うん、照れて顔赤くするところなんて滅多に見ないから、これはまずい、クールな顔してるからギャップがすごい。

 

「自信持てサキ、お前なら絶対上手く行く俺の名にかけて保証しよう」

 

「うん、ありがとう……勇気出してみるよ」

 

そう言って微笑んだ。

 

 

 

 

 そんな事があった次の週の金曜日の放課後、休みの前ということもあっていつもより少し浮かれて帰る準備をしている。

 

「トモ」

 

何時ものようにサキがやってきた。

 

「お、来たか、じゃあ帰ろう」

 

「うん、今日も遊びに行っていい?」

 

「ああ、いいぞ」

 

今日二人だけだ、ヒロは放課後デートがあるとすぐ帰って行った。

 

「ただいまー」

 

今日も母親は買い物のようだ、毎日何買いに行ってるんだ。

 

「何か持って行くから上がってて」

 

そう言うと、「うん」と言って俺の部屋に向かっていった。

 

俺がお盆を持って部屋に入ると俺のベッドの上で寝っ転がって漫画を読んでいたのだが……下着が見えている。

 

顔が熱くなるのがわかる……俺は見ないようにしながらお盆をテーブルに置き座り込んだ。

 

「サキ」

 

「ん?なーに?」

 

「あー、下着が見えるから気を付けたほうがいいぞ」

 

それを聞いた彼女は頬を染めながら、そっとスカートを直してベッドから下りて俺の体面に座った。

 

「格闘ゲームでもするか?」

 

「えっと、それよりもちょっと聞きたいことが有って……簡単な確認というか」

 

「どういうこと?」

 

「ほらこの前、好きな人が居るって言ったでしょ?そのことで……」

 

ああ、相談に乗るといったのはヒロだが、俺も同じ気持ちだ問題ない。

 

ちょっと、もやっとするけどな。

 

「いいぞ。何があったんだ?」

 

「えっと、トモにとって私は親友と言ってもいい……よね?」

 

「うん、間違いなく親友だぞ」

 

今更何を、幼いころからずっと一緒だったんだ、今もこうして遊んでるし親友に決まってるだろう、

少なくとも俺はそう思っている。

 

「そっか、そうだよね」

 

そう言った彼女は何かを決意したような顔になり、数回深呼吸した後、口を開いた。

 

「私はあなたの親友をやめたいと思っています」

 

「え……」

 

やめる?……親友を、俺との関係を?好きな相手に他の男と関わるなと言われたのか?……それは嫌だ。

 

これからもずっと一緒に居たいと思っていた、ずっと二人で……ああ、俺サキの事好きだったんじゃないかな?

 

ずっと傍にいすぎて当たり前になってしまっていたのか?

 

気持ちに気が付くのか少し遅かったか、もう彼女には好きな相手が、そして俺と関わるのをやめたいと言ってきたということは

既に告白して上手くいった後だろう、無くしてから自分の気持ちがーというのは本当だったんだな。

 

でも彼女がそれを望むのなら、受け入れよう。

 

「それでもう一つ……」

 

「分かった」

 

「え?」

 

「もうサキとは遊ばないし関わるのもやめよう」

 

「……ちょっと?」

 

「気持ちはわかる、好きな相手が他の男と必要以上に仲良くしているのはいい気分じゃないもんな」

 

「ちょっと話聞いて」

 

「大丈夫だ、サキと彼氏の邪魔はしない」

 

「……」

 

「だから心配せずに……」

 

「私の話を聞けぇ!!」

 

「!?」

 

サキの大声が俺を止めた、やばい……あれは昔見たサキのマジ怒りだ……。

 

「もー、なんでこうなるのよー」

 

と思ったらへにょった。

 

「最後までちゃんと聞いて、いい?」

 

「わかった」

 

「私が言いたかったのは、親友をやめて新しい関係になりたくて……」

 

なんか、もじもじしてるぞ。俺は鈍感ではない、さすがに何となくわかったが、でも違ったら……。

 

彼女は大きく深呼吸をするとはっきりと言った。

 

「砂田友秋君、あなたがずっと好きでした、愛しています、私の彼氏に、恋人になってください」

 

そういわれたとき俺が感じたのは少しの驚き、少しの困惑、そして膨大な喜びだった。

 

ほんの少し前に恋を自覚し、遅かったと諦めていたのに……。

 

そうだ!返事!返事をしないと!

 

「秋宮咲さん、俺もあなたが好きです、愛しています、俺の彼女に、恋人になってください」

 

そう答えると彼女は今まで見たことのない美しい泣き笑いをしながら唇を重ねてきた。

 

 

 

 

こうして俺は親友を一人失い……恋人を得た。

 




読んでいただいてありがとうございました。



同じネタで、俺が恋人を失う話も考えましたが、やめました。


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