■■■■は勇者である。   作:たむろする猫

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《幼い少年少女から見た“彼女”》

ゆーしゃのねーちゃんはスッゲェカッコイイんだ!

バケモノをこう『ドーンッ!!バーンッ!!』ってやっつけて、俺たちを守ってくれるんだっ!

 

違うよっゆうしゃのおねえちゃんはとってもカワイイんだからっカッコいいとか言っちゃダメッ。

ゆうしゃのお姉さんはね、とっても優しいの。いつもね、ニコニコってしててね、わたしがおかーさんのお手伝いをしてたら、「えらいねー」って頭なでてくれたんだよっ。

お姉さんの手はねっあったかくってとっても大好き!

 

だからっ!ゆーしゃのねーちゃんは強くてカッコいいんだって!

じえいたいのオッチャンとかにーちゃん達も、「勇者様はとても強い」って言ってたし!!

 

うぅ確かにゆーしゃのお洋服着てるおねえちゃんはカッコいいけど〜

でもでもっおねえちゃんは女の子だもんっ、カワイイんだもんっ!カッコイイなんていっちゃダメッ。

 

ママ達がね、甘いおかしのひじょーしょくとかは、「これは勇者様のためのものよ」って言ってね。たまーにしか食べさせてくれないの、だけどねっ昨日ゆーしゃのおねえちゃんが「お母さん達にはナイショだよ?」って言って、クッキーをくれたの!

ちっちゃいのをね、いっこづつだったけどね!いちごのジャムがのってたの!!

あまくてとってもおいしかったの!

 

まえにけっかいの外にこっそり出ようとしたら、すっごくこわい顔をした、ゆうしゃ様が走って来たんだ。

「外に出ちゃダメだって言われてるでしょう!?」ってすごく怒ってたんだ。

怒ってるゆうしゃ様が怖くて泣いちゃって、ごめんなさいごめんなさい、嫌いにならないでって言ったら、ギュッて抱きしめてくれたんだ。

「大きな声を出してごめんね。でもねお姉ちゃんは君の事が嫌いになったんじゃ無いんだよ?君の事が大好きだから、だから危ない事をしようとした君を叱ったんだよ」

って頭を撫でながら優しく言ってくれたんだ。

 

 

 

 

ママにね、「ゆーしゃさまスゴイねっわたしもあんな風になりたいっ」っていったら、ママね、「そうね」っていいながらとっても、かなしそうなお顔してたの。

 

うちのかーちゃんもだぜ。

おれが「ゆーしゃのねーちゃんはスゲェ」って言ってたら、「そうね、勇者様はとてもとても凄い方ね」って言いながら、どっか痛いみたいな顔すんだぜ、どっこも怪我してないのに変なの。

 

おかーさんね、勇者さまのおはなしする時、くるしそうなお顔するの。

わたしが「しんどいの?くるしいの?」って聞いたら、おかーさん「お母さんは大丈夫よ、大丈夫。ホントにホントに苦しいのはお母さんじゃなくて、、、」って言って泣いちゃった。

 

ウチのとーさんは、ゆうしゃ様の姿を見たら、いっつも「すまない、すまない」って言ってるんだ。何で謝ってるんだろう?

とーさんは別にゆうしゃ様に悪いことなんてしてないのに。

ゆうしゃ様だって、とーさんに何も言ってないのに。


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