異世界に転移したらユグドラシルだった件 作:フロストランタン
「よければ雇われないか?報酬は望む額をお約束しよう」
「お断りします」
ガゼフの提案に即答するアインズ。ヒナタは、この男ならば乗るかもしれない、あるいは断るにしても、悩む素振りくらいは見せるだろうと思っていた。アインズに対して少なからず期待を抱いていた彼女にとって、全く落胆していないと言えば嘘になる。
確かにアインズは人間ではない。人間に敵対はしないようだが、特定の国に肩入れするつもりもない、ということか。
眼を細め、「そうか」と残念そうに呟く戦士長にアインズは続けた。
「私も部下を抱える身。たとえ一時的であったとしても、簡単に雇われの身になるわけにはいかないのですよ。ただ────」
「……ただ?」
「この村を救うと約束しましたし、おめおめと逃げ帰っては部下にも示しがつきません」
「ゴウン殿……!恩に着る!」
アインズの真意を察したガゼフは頭を下げるがそれをアインズは窘める。
「戦士長殿、立場ある者が簡単にそう何度も頭を下げるものではありませんよ?」
肩を竦めておどけるアインズに、ガゼフも頭を上げ笑みを見せる。自分の都合だと口では言うが、本音は彼に手を貸したいようにヒナタには見えた。素直ではないようだ。いや、上に立つ者とはそういうものか。
上に立つ者は常に己を律し、下に付く者の模範となるよう行動しなければならない。
上司の気紛れで言うことが二転三転すれば、振り回される部下は大変だ。上司のへの信頼も降下することだろう。部下を持つ者としての面目を保ちつつも戦士長の想いを酌み、柔軟に対応して見せるアインズに改めてヒナタは感心していた。
ヒナタもまた自分の信念に従って行動する事にした。たとえ世界が変わろうとも、目に映る、か弱い存在に手を差し伸べる。ヒナタはいつか掲げた時と変わらぬ決意を胸に協力を申し出た。
「私も雇われる気はないが、協力しよう。構わないか?」
「
こうして、村を取り囲む
「では、我々が敵に突貫する。その間に村人を連れて安全な場所へ避難して貰えないだろうか?」
「戦士長殿はその後どうなさるおつもりで?勝算はあるのですか?」
ガゼフにアインズが訊ねる。暗に死ににいくようなものだと言いたいのだろう。
実際、自分と戦士団だけで勝ち目はないだろう事はガゼフ自身もわかっていた。
籠城も出来ない。頑丈な石の壁でもあれば違っただろうが、木の板で作られた村の家屋へ立て籠ったところで、魔法に耐えることは出来ないだろう。
今から村人を連れて一緒に逃げたとしても、逃げおおせる事は出来まい。誰かが敵を引き付けて時間を稼がない限り。
ヒナタもアインズも、かなりの実力者であることは推察出来るし、見返りも求めず協力してくれるという申し出は有り難い。それでも偶々寄っただけの旅の者に、国家間のいざこざに巻き込んで前線に立たせるのは憚られた。
「恐らく、勝ち目は薄いだろうな。だが、ここで私が逃げ出しては、私のせいで犠牲になった民に顔向けできない」
(決意と勇気の宿った目だ。勝てないと分かっていても誰かのために戦いに赴く、か……)
アインズは、自分にはない勇気を持つガゼフに魅力を感じ初めていた。実直な性格も好感が持てる。このまま死なせるには惜しいと思った。
「ゴウン殿、サカグチ殿、貴殿らのご厚意には感謝している。しかし、これ以上危険には巻き込めない。
出来る限りの時間を稼ぐつもりだ。どうか村の────」
「それは駄目よ」
ガゼフの言を止めたのはアルベドだった。
アルベドの目から見て、王国戦士長と名乗った人間の男の振る舞いは、組織を束ねる立場にいる者のそれとは思えなかった。
見え透いた罠にかかり、迂闊にも部下を危険に晒す。目下の者である村長に頭を下げ、お涙頂戴の科白を垂れ流す。挙げ句の果てには、至高の御方に向かって「雇われないか」などと不敬な物言い。
この様な者が本当に一国を代表する戦士団の長なのかと懐疑的になると同時に、所詮人間など、この程度のものかと納得しかける。
しかし、至高の御方が仰せになられた「人間も捨てたものではない、そう思える者も居る」という言葉を思い返し、改めて慎重に見定めようと考えを巡らせる。
戦闘能力は、せいぜいがデスナイトに勝てるかどうかという程度だろう。王国戦士長などと御大層な肩書きを持ってはいても、この程度の実力では脅威とはなり得ない。その部下は更に弱い。
(アインズ様はこの人間に何を見出だされたのかしら?)
戦士長の不敬な物言いに対しても、至高の御方は気にする様子もなく、友好的に接しておられる。それはつまり、
その深遠なるお考えには自分ごときではまるで及びも付かない。しかしその深淵なるお考えの、ほんのひと欠片でも理解しようと、アルベドは更に思考を重ねる。
(より多くの情報を手に入れる為?アインズ様は情報を極めて重要視されるお方。確かにこの者ならば、小さな村の村長よりは多くの情報を期待できるかもしれないけれど、それがどの程度信憑性も持つかは疑わしいわ)
現状、この世界の情報を自分達は殆ど持っていない。手に入れた情報の真偽を判断する材料に乏しいため、信頼性の高い情報を選び出すことは至難であろう。ある程度蓄積させ、多方面から照合した上で判断するしかない。それには、今後も広く情報を集める必要があり、現時点でこの男から情報を得る事に然程重要性は感じられない。せめてある程度欲しい情報を絞れていれば違うかもしれないが。
一方、サカグチという女はどうだろうか。まさか自分が遅れを取ることはないだろうが、言動や佇まいに隙らしきものは見られない事から、高い実力が窺える。デスナイトを難なく倒しても不思議ではない。
それと同時に、至高の御方の偉大さの一端でも理解できる感性も持ち合わせている。
これらを鑑みれば、戦士長よりはずっと高く評価出来る。
無論、敵に回れば即座に首を頸ねるつもりだが。
(アインズ様はサカグチに対しては何かを警戒するように、慎重に接しておられる様に思えるわ。あの女は至高の御方に警戒させる程の何かを秘めているのかしら。
それにしても、アインズ様が戦士長に接する態度は、やけに親しみを込められているように見えるのよね…。羨ましい……この男の一体何が御方の琴線に触れたの?
ま、まさかッ!?アインズ様は、この男の直情的な性格をお気に召されたということ……?)
戦士長の有用性ではなく、愚かではあるが裏表のない単純な性格を至高の御方は個人的に気に入ったという可能性に思い至り、アルベドは内心驚愕する。
至高の御方の個人的な好みは分からないし、知ろうとするのは不敬だとは思うが、考え出すと気になってしかたがない。もし馬鹿っぽい女がお好みであるならば、自分もあのシャルティアのように振る舞った方がウケがいいのではないかとまで考えてしまう。
しかし、アルベドは守護者統括という立場がある。統括があんな馬鹿をやっていてはナザリックの運営に支障をきたしてしまうだろう。
そこまで考えて、流石にそれは有り得ないと思い直す。振り払ってしまったその考えこそが最も正解に近いとは気付く事はなかった。
そしてアルベドは目の前の男の価値がいよいよもってわからなくなる。
(戦士長の価値がどうしてもわからないわ……。いったい何が正解なの!?)
アインズの言葉がきっかけで、アルベドはこれまでに無いほど人間をよく観察するようになっていたが、これと言って発見は出来ていない。だが、何らかの成果を出し、至高の御方のご期待に沿わなくては。
(考えたくはないけれど、お隠れになった他の至高の御方々はお戻りになられないかも知れない。
これでもし最後にお残りになられたアインズ様まで御隠れになってしまったら……)
その先に待っているのは絶望しかない。生きる目的を失い、世界に取り残される。だから、例えどんな犠牲を払おうとも、世界の他の全てを敵に回しても、最後までお残りになられた至高の御方をお守りし、永遠にお仕えしていたい。大袈裟に思われるかもしれないが、これは紛れもなくアルベド心からの願いであり、同時にナザリック全ての僕達の総意でもある。
アインズ様は先にお約束された通り、村をお救いになるおつもりの様だ。今戦士長が作戦を話しているが、戦士長の作戦は穴だらけで作戦とも言えないレベルのお粗末な物だった。アルベドは内心舌打ちをする。
(この男、戦略というものをまるで分かっていないわ。人間などどれだけ集まろうと、塵芥のごとく屠られる程度の存在。逃げるだなんて有り得ないわ。敵がどの様な戦略を練ろうと、無駄な足掻きに過ぎないのよ。
アインズ様はこの戦士長に何かを見出だしておられるご様子。先程のお言葉といい、アインズ様の深いお考えはまだ分からないけれど、人間を知る為に手頃な観察対象は必要ね。不快な男だけれど、
思考の海に沈んでいたアルベドは決断した。
「アルベド殿……?」
戸惑うガゼフを尻目に、アルベドは続ける。
「アインズ様。戦士長には詳しい説明が必要かと……。どうか発言を御許しください」
「そうか?ふむ、許可しよう」
鷹揚に頷いて見せるアインズ。アルベドが言う説明とは何のことだかアインズにはよくわからない。たが、アルベドはナザリックでもデミウルゴスと並ぶ頭脳の持ち主。おかしな事にはならないだろうと、信じて任せてみることにした。
(時には部下を信じて任せるのも、良い上司の条件だよな……)
「ありがとうございます」
アルベドは恭しく一礼し、ガゼフに向き直る。その目には冷ややかな冷気が込もっている。
「……あなた、先程の話を聞いていなかったのかしら?アインズ様は村をお救いになると仰ったのよ」
「そ、それは聞いていたので分かって────」
「だから分かっていないというのよ。アインズ様が救うと約束した村の者達に、この村を捨てて逃げろとでも言うつもり?そもそも逃げることに意味はないわ」
「?それは、どういう……?」
「策略を用いて暗殺を企てるような連中が、目撃者をみすみす生かしておくと思う?一体どこへ逃げれば安全だと言えるの?王国内には内通者がいると言ったはず。仮に町へ逃げ込めたとしても、すぐに裏から手をまわされるわよ」
「な、なるほど、確かに……」
言われてみれば、と納得させられるガゼフ。アルベドは呆れたように溜め息を吐く。
「はぁ、こんな簡単な事も予想出来ないから、良いように策に嵌められるのよ。本当に一国を代表する組織を預かる身なのかしら。はっきり言ってお粗末すぎるわ。偽物だと言われる方が納得できるわよ」
(うわぁ、辛辣……セバスも怖かったけど、アルベドも違った意味で怖いなぁ。正論過ぎて全く言い返せる気がしない。アルベドにあんな風に責めれたら、俺だったら一週間は立ち直れないな)
アルベドの痛烈な批判を浴びるガゼフは肩を縮こまらせ、少し小さく見える。そんな彼を尻目に、アインズはそんな情けないことを考えていた。自分が発言を許可したくせに、止めに入る気になれない。ここで下手に彼の肩を持ったりしたら、自分まで巻き込まれる気がする。
(ペロロンチーノさんを叱る茶釜さんを宥めようとしたときがまさにそうだったもんなぁ)
彼が叱られている理由も知らずに首を突っ込んだのが不味かった。粘体の彼女の触手にからめとられていた
それは、白と赤の小さな三枚の布が数本の紐で繋がっているだけに見える装備品、『
勿論これは現実ならばの話で、ゲーム内ではそんな事は起こり得ないが。18禁どころか15禁にさえ厳しいユグドラシル。その癖こんなものを非公開イベントの報酬として配る運営はどうかしている。
非公開イベントとは、通常ならイベント開始前から運営が予告を行うのだが、一切情報を公開せず、偶然見つけたプレイヤーをきっかけに情報が拡散していくものだ。
非公開イベントにはかなりレアな報酬が多く、イベントに関する情報は、知り得たプレイヤーによって秘匿される場合が多い。運良く情報を仕入れたペロロンチーノは狂喜し、寝る間も割いて攻略に勤しんだ。
だが、既にイベント終了間近で、一人ではどうしても終了に間に合わない。そこでペロロンチーノに頼み込まれ、皆には秘密でモモンガが手伝った経緯がある。
「モンちゃんもここに座りなさい」
「え……?」
既にペロロンチーノはその情報を吐かされ、ぶくぶく茶釜の知るところとなっていた。そこからは自分も正座させられ、一時間も渾々とお説教を受ける羽目になったのだ。
そもそも何故秘密がバレてしまったのか。それはペロロンチーノのスケベ心……探究心のせいである。折角苦労して手に入れた装備は、人間種限定の装備だった。その為、吸血鬼でアンデッドのシャルティアには装備させることは出来ない。入手してからそれに気付いたペロロンチーノは、絶叫しながら血の涙を流したとか流してないとか。
話がそれだけで終わっていれば良かったのだが、彼のエロに懸ける情熱がそれを良しとしなかった。
彼はこっそりと『MSS』を試着させる候補を探していたのだ。しかし結局彼の企みは姉に看破され、『MSS』は没収されてしまった。
(戦士長には悪いけど、黙って成り行きを見守ることにしよう)
障らぬ神に祟りなし。心の中で合掌するアインズ。ガゼフは押し黙ったまま何も言い返せず、未だアルベドの濁流の如き説教が続いている。ガゼフの目元にキラリと光るものが見えた気がするが、気付かない振りをした。
「何れにせよ、逃げるのは無駄でしかないわ。相手が強ければ逃げても戦っても末路は同じ。相手が弱ければ倒せば良いだけ。単純な事じゃない。
罠なら、それごと叩き潰せば済むだけの事。アインズ様はここへ来た時点で既に、何者かの罠であると見通しておられたわ。勿論既に対策もお考えのはず。
ですよね、アインズ様?」
「「!」」
(え?)
怖い顔で説教を垂れていたアルベドが、急に笑顔で振り返ってキラキラとした目で同意を求めてくる。
ガゼフとヒナタは驚きと期待の目でアインズを向けてきた。だが、騎士達が敵を誘き寄せる作戦だとアインズが確信を持ったのは、ガゼフ達が近づいてきていると聞いた時だった。
確かに最初に騎士を殺したときに拍子抜けしたあまり、油断を誘う罠ではないか、などと呟いていた。それを聞いたセバスがアルベドに報告し、初めからガゼフを狙った罠の存在に気付いていたと勘違いしているのだろう。
(そこで俺に振るのかよっ!うーん、相手の実力は未知数だから、ホントは戦士長が戦う様子を窺って助けに入るかどうか考えるつもりだったのになぁ)
「ま、まあ……少しばかり過激な言葉が飛び出ましたが、逃げるよりも、共同戦線を張って立ち向かうべき、と言うことです」
(考えて無くはないけど、ユグドラシルじゃないこの世界でどこまで通用するか。まあ、出来れば彼を助けたいし、やるだけやってみるか)
「流石はアインズ様……感謝なさい。幸運にも貴方は、偉大なるアインズ様の御慈悲を賜る機会を得られたのよ」
「そ、それは……有りがたい……」
柔和な笑みを浮かべているアルベドに、ガゼフは引き攣った顔で応えた。そんな二人をヒナタは若干生暖かい目を向けている。
(何だかすごくハードル上げられちゃってるよ……やりにくいなぁ)
アインズは一人、頭を抱えたい衝動を堪えながら、作戦を頭の中で組み立てるのだった。
戦いは始まった。アインズの立案により、最初は戦士団半数が馬に乗って突貫し、包囲網を一点突破。ガゼフ達はそこから反転し、集結してくるであろう敵と相対する。そこへ少し遅れて飛びだしてきた残りの戦士とヒナタとで敵を挟撃する。
包囲網を破られた上での挟撃に焦る陽光聖典隊員だったが、隊長ニグンの指揮により、迅速に天使を召喚。内と外に天使の壁を作り出す事に成功した。ガゼフの部下達と天使は、強さだけを見れば同程度のようだ。しかし、天使には物理攻撃を軽減する
アインズは村に防御結界を施す為に残り、結界を張り次第合流する手はずになっている。アルベドは付近に更なる伏兵がいないか警戒している。いずれにしてもすぐには増援を期待できないだろう。
(次々に召喚される天使が意外に厄介だな。術者を倒さなければ天使を倒してもきりがない。私一人でも壁を破れるが、それでは兵士達が……)
自分だけ突進すれば敵に肉薄出来るが、それではガゼフの部下達を見捨てることになってしまう。葛藤するヒナタ。
「俺たちの事は気にせず行って下さい!覚悟は出来ています!」
「あなたの足を引っ張ったら、後で隊長にどやされます!」
「分かった、ここは任せるぞ!お前達も諦めるな!」
死すら覚悟しているという若い兵士達の言葉に、ヒナタは決断する。彼らがやられる前に術者を倒す。転移で一気に術者の背後を取る。
一方、ガゼフも苦戦していた。
馬の殆どは精神系魔法により混乱させられ、降りざるを得なくなった。部下は既に何人も倒れ、それでも怯む事なく立ち向かっていく。
彼らは戦う才能があるわけではない。
このままここで散らせるには、余りにも惜しい。
だが、ガゼフの部下達はいつの間にか、一人前の戦士の顔つきになっていた。つまらぬ感傷は彼らの覚悟に泥を塗ることになるだろう。ならば、やるべき事は一つ。
「武技〈
ガゼフの剣が光を帯びる。数体の天使が紅蓮の剣を構え、一気にガゼフへと殺到してくるが、ガゼフはそれを意に介すこともなく一刀の下に切り捨てる。
「狙うは指揮官!覚悟しろっ!」
ガゼフは指揮官に向かって疾走する。十数体の天使を切り刻み、飛び交う魔法を掻い潜り、一気に指揮官へと迫る。あと、数メートル。そこへ天使が割って入る。
「だが、それがどうした!武技〈
同時に六つの剣擊が襲い、
もう指揮官に剣が届く距離だ。そうガゼフが思った瞬間、眩い光が辺りを包んだ。
「ふはははは!最高位天使の威容にひれ伏すがいい!!」
「な、なんだアレは……!」
ガゼフもヒナタも、戦士団も、呆気に取られたように上空を見上げる。そこに居たのは、眩いばかりの光を放つ翼を持った、巨大な天使。
「嘗て魔神をも葬ったとされる最高位天使、
ニグンが勝ち誇ったように歪んだ笑みを浮かべる。その目には光が灯っていない。しかし、それに気付くものは誰一人居なかった。
結局戦う事を選ぶアインズ様。
アルベドさんは主の考えを理解するために人間について学ぶべく、戦士長を手懐けるつもりのようですが……。
オマケ
ペロ「お、俺の野望が……エロエロ水着の巫女さんが……」
モモ「何で俺まで……」
茶釜「うひゃー、こんな際どいの、よく運営が許可したわね。……一回アウラに着せてみようかな。それともマーレがいいかな?い、一回だけ…ウフフ」