あの鐘を鳴らすのは…   作:デモンズかぼたんこそ至高

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始まりの町・オラリオ

馬車に揺られて一日近く経った後…ようやくマリナスと共にオラリオに到着しようとしている…

この世界に来た時は昼時だったがもう夜を越えて朝日が昇ろうとしている

 

暗闇の世界から少しずつ太陽の世界に染まっていくと町の全貌が明らかになって来た

とは言っても外から町の中を窺い知る事は出来ない

 

壁だ。

町を覆う様に高い壁がそびえ立ち、ここから見えるのは壁と出入り口の巨大な門が一つだけで

それ以外の一切を、来訪者からの視界を拒んでいる

 

…侵入出来なくする為か…或いは…安易に出られない様にする為か…

 

たった一日だ。

この世界に来てたった一日だがこの世界の大地は美しく感じる

 

太陽が分け与えてくれる命を力に変えて、青々と生い茂る草木に鼓動する大地

冷たさの中に仄かに感じる暖かな風

命満たされる大気がリカルドを優しく包んでくれている

 

死体や亡者で溢れてはいない

澱んだ空気も魂が凍りそうな冷たい風も…あの世界は生を、人を拒んでいた。

 

だから此処は違う

この世界では草木が、風が、大地が己の生を謳歌している…美しい…

 

…だというのに…

 

リカルドにはオラリオがまるで一つの檻の様に感じていた。

 

 

「やっと着いたな!いやしかし大きな町だなリカルドよ」

「…そうだな…ようやくだ、俺は近くの町と訪ねた筈だったんだがな…」

 

「まだまだ若いんだから、そう生き急ぐ事もないだろうが」

「…若いか…そうだな…せっかくの機会だしな」

 

「そうだとも!さてお前さんとの旅路も楽しめたが私は行商人だからな、商売しなければ始まらん。

リカルド…お前さんはこれからどうするつもりだ?」

 

「とりあえずは情報が欲しいな…金も必要だろうし…!済まないマリナス…運賃なんだが!」

「あぁ構わんよ、どうせ道中だしな…暫くはオラリオに住むんだろう?また会った時にでも酒の一つでも奢ってくれ」

「本当に済まない…次の機会には必ず」

 

「あぁ。情報が欲しいならギルドって所に行くと良い、迷宮の一切を取り仕切る組織だそうだから知っている事も多いんじゃないか?

まぁあそこに立っている門番さんにでも聞いてみると良い」

 

「だな…ではマリナスよ…短い間ではあるが本当に世話になった感謝する」

リカルドはマリナスに一礼し感謝の意を伝えた

 

「酒の約束を忘れるな、後は…死ぬなよ~?」

マリナスは笑いながらそう言うと馬車に乗り大通りに歩を進めた

 

残されたリカルドは嗤いながら俯き、一人口籠る

 

…あぁ()()は無い………()()()()()……

 

 

 

 

「おはよう…門番さん少し聞きたいのだが」

「なんだ?…フン…身なりからして冒険者志望だろう!だったら迷宮でもギルドにでもいけ!」

「………」

「な…何だよ?…」

 

「……申し訳ないな仕事中に、その迷宮に行きたいのだが、初めてこの町に来たんだ。

場所を教えてはいただけないだろうか?」

 

「あ…あぁ…地図があるが…あんた金は?」 「無い」

「なら迷宮はこの通りを真っ直ぐ行くと良いぞ…噴水のある中央広場に出たらバベルに入れ…あのでっかい塔だ

ギルドはそこにあって、迷宮はあの塔の下にあるんだ…他の所は…悪いが地図を売ってるからな…教えられない」

 

「町の事ならこれからの時間はさっき言った中央広場や大通りを使って朝市があるからそこで仕入れろ…

大通りは北・南・西・東・北西・北東・南西・南東の八方位だけだ…大通りも通れば迷う事も無い…」

 

「ありがとう、仕事中に申し訳なかった」

 

 

 

 

「お!兎亭の女将さんじゃないか~おはよう!今日は鯖があるよ」

「おはよう!鯖も良いけど朝食用に鮭も頂ける?」

 

「こっちには新鮮な卵があるよ~!明け方採れたばかりだよ~!」

 

「皆さんおはようございます!デメテルファミリアです!

野菜も果物も沢山ご用意しておりますので、どうぞ見て行って下さい~」

 

「はい!ありがとうね、こっちはおまけだ!またよろしくね~」

「どうも…おばさん、調味料なんかも欲しいんだけどどこにいけばいいかな?」

「調味料?それなら東方面の通りの方に行ってみな!香辛料なんかも揃ってるよ」

「ありがとう!行ってきますよ」

「そこの冒険者の君!ジャガ丸くんはどうかな!揚げたてだよ~!」

 

 

太陽が昇り、町に日の光が差し出した頃、中央広場に着いたリカルドは大階段に腰を下ろし目の前の光景を眺めていた。

リカルドはこの絶景に心奪われ、先程までの疑問は頭から消え去っていた

 

大通りにも人は沢山いたがこの中央広場は段違いの活気で満ち溢れている

 

商人の一人が自身の用意した商品こそ一番だと誇示する様に声を張り上げれば、彼に負けじとまた別の商人が声を上げ

また一人、また一人と声の波が巨大な広場に活気を促す

その熱にあてられて買う者や食べながら他の商品を物色している者も多い

皆が今と言う時を大事に楽しんで生きている。

 

見れば人間では無い者も多い

マリナスが言っていた亜人と言う者達か

猫の様な耳を生やした者・耳の長い者などがよく目立つ

 

中には明らかに一般人とは違う、重量過多な重厚な鎧を身に着けた者や魔法でも使うのか?

小汚いが、何処か懐かしくも思うローブを纏っている亜人などの姿も見かけた。

 

…あれが冒険者…あの装備で迷宮とやらに挑むのか…

 

…割りと上等そうな武器を持っている少年がいたがあの少年も冒険者なのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そして……

 

……ソレ等は見ればすぐにわかった……

 

……わかってしまった……

 

……そこには……

 

……神達がいた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オンスモ勝てないけど白呼んだら負けな気がする
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