ネタバレ含むかもなので注意して下さい。
あとクパマリです。
マリオは公式っぽいヒーロー系マリオです。
クッパ様は公式ぽく無い優しい系大魔王です。
マリオ「これで…終わりだっ!」
シュパーン!
バキッ!
クッパ様「グオオオオオオッ!?」
クッパ様の体を乗っ取っていたテニスラケットはマリオのスマッシュで真っ二つになり、飛んでいく
同時にクッパ様の変身も解け、いつもの姿に戻った
力無く倒れるクッパ様に少しずつ近づくマリオ
と、その時
ゴゴゴゴ…パラパラ…
二人がテニスをやっていた地下神殿の天井から砂が落ち始めた
マリオが見回すと飛んでいったラケットの破片が神殿のあちこちに散らばり、神殿自体が崩れ始めていた
クッパ様はダメージで座り込んでしまって満足に動けていない
程なく巨大な岩が降り始めた
マリオは出口へ急ごうとするが、逃げることも出来ずオロオロするクッパ様を見る
マリオ「くっ…クッパ!早く!こっちだ!」
クッパ様「グヌヌ…足場が不安定で動けないのだ…!」
マリオ「……!クッパ!危ないっ!」
マリオは素早いフットワークでクッパ様に駆け寄り、突き飛ばすような格好で飛び込んだ
直後、クッパ様の居た場所に巨大な岩が降ってきた
その影響で入り口への道も遠ざかる
クッパ様「すまない…」
マリオ「謝るのは後でいいから!しょうがない、奥へ逃げるぞ!」
マリオはクッパ様の手を引き、岩を避けて神殿の奥へと駆け込んだ
クッパ様「ふぅっ…ふぅっ…」
マリオ「…この辺なら安全みたいだな。まさかこんなことになるなんて…」
クッパ様「ムム…それはワガハイのせいだと言いたいのか?」
マリオ「そうじゃないけど…いや…まぁ半分はクッパのせいだな」
クッパ様「……。わ、悪かったのだ…」
マリオに背を向けて肩を落とすクッパ様
マリオ「な、なんだよクッパらしくも無いなぁ」
クッパ様「ワガハイを助けなければお前は脱出できただろ?動けなかった自分が情けないのだ…」
マリオ「そんなの、クッパが本当に困ってたら助けるしか無いだろ?そもそも…」
クッパ様「…?」
マリオ「クッパが体を乗っ取られるのが嫌だったから助けに来たんじゃ無いか…。そりゃあピーチには国を救うみたいなこと言ってきたけどさ。クッパが操られてるのなんか見たくないんだよ…」
こちらも背を向けて座り込む
クッパ様「マ、マリオ…?」
マリオ「今のはなんでもないよ。あ、そうだ。さっきのでケガしてないか?」
マリオは振り返ってクッパ様に向き合う
そして腕や足などを触ってケガしていないかを確かめる
クッパ様「くっ…くすぐったいのだ」
マリオ「その様子だと平気みたいだな。ならよかった…」
クッパ様「心配かけたなマリオ。もう回復したから大丈夫なのだ」
クッパ様は立ち上がり、腕をぐるんぐるんと回して大丈夫なことをアピールした
マリオ「お、ちょっとはいつもの調子に戻ってきたみたいだね。じゃあ本格的に出口を探そうか」
マリオも立ち上がり、周りを見渡す
今いる場所は、全体的に岩だらけで元の神殿の方向も崩れた岩で通れそうに無い
マリオ「なぁクッパ。自慢の魔法で方向分かったりしないのか?」
クッパ様「うむ、ちょっと待て…。おっと、これは…やはり神殿の方向が一番出口に近そうなのだ。反対側はずーっと山で、地上に出るのは難しそうだな。それに岩盤が相当固いから掘り進めるのもだいぶ苦労するぞ。もとよりお前では掘れそうに無いがな」
マリオ「…まぁパワーはそっちの方が数倍上ってのは分かってるよ…」
クッパ様「ふむ、それでもって神殿の方はかなり魔力が渦巻いてるな。近づいたらワガハイでもマトモに扱えないかもしれん」
マリオ「ふーん、クッパでも魔力が効かなくなるなんてこともあるんだな」
クッパ様「軽く言うが、そんなこと今までほとんど無いぞ?それだけ不思議な力が働いてるって事なのだ」
マリオ「まぁいいや。じゃあどうしようか…まずはこの辺の岩をどかさないとねー…」
マリオは来た方角の岩を叩く
クッパ様「おいっ、危ないのだ!」
クッパ様は手を伸ばし、マリオのお腹を抱えて飛び下がる
刹那、上からまたいくつかの岩が降り注いできた
クッパ様「かなり地盤が不安定だな…大丈夫か?マリオ?」
マリオ「くっ…」
クッパ様「ん?」
マリオ「クッパ…ありがと…」
クッパ様「うむ、いいのだいいのだ。お前に助けられたからな。その分ワガハイもお前を守るのだ。少なくともここを出るまではな」
マリオ「う…ん…」
クッパ様「おい、顔赤くないか?調子悪いのか?」
マリオ「いや…クッパ…も、もう離してもいいよ…」
クッパ様はずっと胸の前でマリオを抱きしめていた
クッパ様「おっと!すまんすまん、苦しかったか?」
マリオ「いや…別に…」
クッパ様が手を離すとスタッと綺麗に着地をして、そそくさと若干の距離をとるマリオ
胸に手を当てる
鼓動が早くなっていた
クッパ様「おーいマリオ?怒ったのか?」
マリオ「……。ううん!じゃ、どうしよっか?」
クッパ様「変な奴だな…。ええと、今のを見たところ上の方は地盤が柔らかそうだし、崩れた岩の分の隙間が出来てるかもしれんから、そっちの方を見るのはどうだ?身軽なお前に見て欲しいのだが」
マリオ「うん、分かったよ、クッパ」
マリオは崩れた岩を階段がわりにしてどんどん登る
さっきマリオに落ちてきた岩の部分をのぞくと、小さな隙間があった
手で押してみるとポロポロと崩れ落ち、クッパ様が通れる程度の穴が現れた
マリオ「あっ!クッパ!穴が開いてる!」
クッパ様「よしよし、じゃあそこを伝って出よう。あと、ワガハイが先に行こう。もし埋まってたら掘り返していくからな」
クッパ様も素早く岩を登り、マリオを抜いて先に穴へ潜り込んだ
マリオもそれに続く
しばらく行くと床の穴から光が見えた
クッパ様「ふむ、距離的にもそろそろ神殿かそれに続く廊下だろう。魔力もかなり強まっているな…」
マリオ「大丈夫かな?」
クッパ様「うむ、じゃあワガハイが降りて様子を見よう」
クッパ様は光の射し込む場所打撃を加えて穴を開けて素早く飛び降りた
そこは神殿の奥の廊下だった
つまりここから神殿を抜ければ地上への階段があるはずだ
クッパ様「よし、大丈夫そうだ。マリオ、いいぞ。受け止めるか?」
マリオ「えっ、いやっ、大丈夫!そこ退いて…」
マリオは穴から飛び降りようと構えたが降りる瞬間に足下が壊れ、バランスを崩したまま落下した
マリオ「うわっ!?」
クッパ様「ぬおっ!」
クッパ様が飛び込み、ギリギリでマリオをキャッチしてそのまま地面に転がり込む
クッパ様「…マリオ!ケガは…」
マリオ「うぅ…だ、大丈夫…だと思う…」
クッパ様「まったく、油断ならんな…ほら、立てるか?」
マリオ「う、うん…」
二人で並び、神殿の方へ歩き出す
神殿の直前、岩が壁のようになってはいるがその向こうには空間がまだあるようだ
クッパ様「よし、これならタックルで壊せそうなのだ」
マリオ「ホント?ケガしないでね…」
クッパ様「あぁ、任せとけ!」
クッパ様は肩から壁に体重をかけてぶつかり、その衝撃で壁はバラバラと崩れ落ちた
そしてそこに広がっていたのは
マリオ「え…?なんで炎が…」
クッパ様「うむ…上の方の松明が落ちてきて燃え広がった、というところか。危ないから少し下がるのだ」
二人の前には炎の海が待っていた
元テニスコートだったところは瓦礫と火でいっぱいになっている
回り込もうにも脇道にまで火の手が回っている上に足場も悪く、行けそうに無い
マリオ「そんな…こんなところで…」
クッパ様「おい、なに諦めてるのだ?これ位の炎、大したことないだろ?」
マリオ「む、無理だよ!焼け死ぬって!」
マリオは膝を震わせ、青ざめている
クッパ様「ふむ…ならばこうするしかあるまい?」
クッパ様はひょいっとマリオを抱き上げ、お姫様だっこ状態にした
マリオ「は、はわっ!?ちょ、クッパ…?」
クッパ様「ほら、このまま走るぞ!」
マリオ「ま、待って!僕もちゃんと走るから…」
クッパ様「お前、ワガハイより足遅いだろうが。しっかり掴まって口塞いどくのだ!」
クッパ様はその大きな手でマリオの顔を覆う
マリオ「んっ…!」
クッパ様「ほら行くぞ!」
クッパ様は凄い勢いで炎に突っ込み、走り抜ける
邪魔な瓦礫は蹴り飛ばし、炎が体を焼いても止まらずに走った
マリオはクッパ様の腕にしがみついている
クッパ様「グヌォォォォ!」
そしてクッパ様は階段へ飛び込む
階段は大きな被害も無く、火の手も回っていない
クッパ様「………………。はぁっ…はぁっ………マ…マリオ…へ…平気か…?」
マリオ「ぼ、僕は大丈夫!クッパ…!しっかりして…!」
クッパ様「なに、こんなことで倒れるワガハイでは…ない……」
そう言いつつもクッパ様はかなり疲弊しているようだった
マリオ「すぐ外に出よう!回復しないと…!」
クッパ様「んぐ…ワガハイはいいから先に行くのだ。ピーチ達が待ってるのだろ?ワガハイと一緒だとお前に迷惑かけるのだ…」
マリオ「そんなこと…!クッパ!立って!お願いだから!クッパと一緒じゃなきゃ僕、やだよ…」
クッパ様「……。分かった分かった。…よっこいしょっと。しかし疲れたな…」
マリオ「すんごい早かったもんね!クッパってやっぱすごいや…」
クッパ様「なんなのだ急に?おっとっと、ちょっと肩を貸してくれ」
クッパ様は自身より小さな体格のマリオを支えにしてヨロヨロと階段を上がる
そして光の射し込む出口まで来た
クッパ様「ふっ…地上は眩しいなぁ」
マリオ「そうだね…」
ピーチ「マリオ~!大丈夫!?またクッパを倒して国を救ってくれたのね!貴方は英雄よ!」
ピーチとキノピオが駆け寄ってくる
それを見たクッパ様はこっそりと離れていこうとした
マリオ「待って!」
ピーチ「マリオ、どうしたんです?クッパなんかほっとけば良いじゃない」
マリオ「“クッパなんか”じゃない!クッパは僕を助けてくれたんだ!何度も…!僕はヒーローなんかじゃ無いんだ…クッパがいなければ…」
クッパ様「……。」
マリオ「それなのに皆でクッパの悪いところだけを言って…酷い目に合っていても助けもしないで…クッパが不憫だ!」
クッパ様「マリオ、いいのだ。ワガハイはそういう役目なのだ」
マリオ「よくないっ!クッパが虐められたりひとりぼっちにさせられるのはもう嫌だっ!」
ピーチ「クッパ、あなたマリオに何かしたの?マリオ、貴方変よ…」
マリオ「僕は正気だ!どうしてクッパを悪者にするんだ!そんなこと言うピーチなんて嫌いだ!クッパの方がずっと優しいし思慮深いしさ!」
ピーチ「マ、マリオ、貴方なにを…!?」
クッパ様「マリオ…!?」
マリオ「ぼくっ…クッパと…クッパと一緒にいたい…クッパを…傷つけたくない…ぼくっ…ぼくっ…」
抑えていた思いが溢れ出して涙をも流すマリオ
ピーチは呆然としている
クッパ様はマリオに近づき、正面から抱きしめて頭を撫でた
クッパ様「ガハハ…そんな風に思っていたとはなぁ…全然気づかなかったぞ?」
マリオ「うぅ…クッパ…」
クッパ様「ということで、マリオはワガハイが貰っていくぞ!返して欲しければ城まで来い!まぁ返す気はさらさら無いがな!」
ピーチ「えっ…そんな…!?」
クッパ様「ふん、心配しなくともマリオが手に入ったなら侵略などしないのだ。なんのために支配力を欲していたと思ってる?全てはマリオのため…。キサマらはワガハイもマリオもいない国で平和に暮らすんだな!」
クッパ様は魔法でクラウンを作り出し、マリオを抱えて飛び乗る
クッパ様「では、サラバなのだー!ガーハッハッハー!」
クッパ様を止められる者は誰もいない
そのままクッパ様とマリオは一緒にクラウンで飛び去っていったのであった…