2月25日。
後楽園ホールの4階のロッカールームで、計量を行う。
本来は午後の3~4時ぐらいに行うのだが、交渉して夕方以降にしてもらった。
……平日は仕事。
ダメ元の交渉だったのだが、真田も『大学の都合が……』ということで、両者の合意の下、俺たち2人の計量は夕方以降に変更されたわけだ。
今計量場所にいるボクサーは、俺と真田の2人だけ。
たぶん、前座のボクサーの計量はいつもどおりに行われたのだと思う。
あとは、所属するジムの会長と、記者連中。
冬は汗が出にくいから減量が厳しいというが、乾燥した空気が曲者だ。
冬の空気はもちろん、暖房の効いた室内は余計に乾燥する。
尿や汗としての、目に見える排出量は減るかもしれないが、空気と接した部分から奪われていく水分は無視できない。
その上、肌が荒れたりすると、減量期でありながらその修復のために余計なエネルギーと栄養素を必要とするので……当然ケアが必要になる。
ハンドクリームにワセリン……減量中なのに、身体(肌)から水分を奪われるのを防がなきゃいけない。
冬の減量は、汗が出にくいから厳しいというより、体調を崩しやすいから難しいというのが真実に近い。
飲食物についても、冷たいものを摂取すると、身体の中で『体温』まで暖めるエネルギーが失われる。
熱いものならいいのかというと、それはそれで熱を発散するために余計なカロリーが奪われる。
通常時ならともかく、バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性がある。
首を傾げてしまうかもしれないが、『食事』がカロリーになるまで時間がかかることを忘れてはいけない。
つまり、身体の中のエネルギーが少ない状態で、消化のために必要以上のエネルギーを使うような食事を取ると……どうなるかって話だ。
なので……減量末期は、人肌というかぬるいものを口にすることになる。
減量が終わった後、『ヒャア、もう我慢できねえ!』と冷たいものを飲んだり、考え無しに食事をしたら……当然、ギリギリであればあるほど体調を崩すのは言うまでもない。
とはいえ、食事を取り、消化し、栄養を吸収するというのも、人によって差がある。
食が細い人間、脂モノがダメな人間がいるように、それもまた才能のひとつだ。
人間が動くにはカロリーが必要で、練習を多くするのには、それだけのカロリーを取らなければならない。
つまり、『食事をたくさん食べ、消化できる』という才能は、スポーツ選手にとって重要だ。
それだけの栄養素を、自分の中に取り入れることが出来る。
動くためのカロリー、成長するためのエネルギー、回復のための栄養……それらをどれだけ『食べることが出来る』かは、紛れもない才能であり、環境といえる。
客観的に言えば、俺はわりとそっちの才能にも恵まれていると思う。
ただ、主観的に言えば……前世よりも弱くなったなぁと。
弱くなったという実感が、俺を神経質にさせているのは間違いない。
……さて。
息を吐き、秤に乗る。
問題は無いと思っても、緊張する一瞬。
「……速水選手、121と4分の3ポンド。OKです」
……4分の1ポンド(約110グラム)は、計量時間がずれ込んだ分だと思っておこう。
音羽会長に軽く肩を叩かれ……身体が冷えるのを防ぐために服を着た。
水筒のぬるいスポーツ飲料を一口飲み、息をつく。
2人とも、計量はクリア。
これで、何かアクシデントが起こらない限り、明日は問題なくタイトルマッチが行われる。
その前に……明日の試合に向けての取材だが。
ちらり、と真田を見た。
一瞬だけ視線が交錯し、お互いに目を逸らす。
……うん。
俺の公開スパーの後の発言は、例によって『引退させてやるぜ』的なアオリ文句に加工されたが、それに対する真田のコメントが……スポーツ新聞の記事では、こうだ。
『ん?ああ、ボクシングしかやってこなかった、視野の狭い人間の言いそうなことですね』
これこそまさに、会話のキャッチボールだろう。
ただ、俺が真田と会話したのは、チャンピオンカーニバルの日程発表のあの時だけ。
それなのに、こちらの意図を読み、きちんと応えてくれた。
人間関係でいうなら望ましいが、ボクシングで戦う相手となると……こちらの意図を読み取られるのは、なかなかに怖いものがある。
まあ、それは今更だが……真田のコメントが、悪役寄りになっているのが気になる。
『ボクシング』の取材に『ボクシングしかやってこなかった視野の狭い人間』などと口にすれば、反感を買って当然だ。
真田なら、それを理解していないはずはないと思うんだが。
俺が
頭の中で色々と想定しながら、俺はビスケットを2枚、スポーツ飲料でふやかしながら飲み下した。
俺と真田が、記者連中と向かい合う。
「まずは、王者から一言お願いします」
沈黙。
真田に視線を向けると、にこやかに微笑んだまま……反応しようとしていない。
周囲がざわつき始めたところで、初めて真田が表情を動かした。
「あれ?王者って、ボクのことですか?」
……おい。
どうやら、真田は本気で
なら、俺もそのつもりでいくしかない、な。
「ボクが何Rで倒されるかとばかり予想されてるようですから、てっきりボクは王者とは思われてないんだなと勘違いしてましたよ」
にこやかに吐き出された真田の毒に、記者連中の顔が引きつった。
これまで、紳士というか優等生のイメージの強かった真田の言葉だけに、戸惑いが見える。
俺は俺で、そんな記者連中を眺めて楽しんでいたり。
5秒ほど経って、ようやく口を開いたのが藤井さんだった。
「いや、まあ……予想は予想に過ぎないということで」
「そこは嘘でも否定してくれると嬉しいんですけどね」
真田は、あくまでもにこやかに毒を吐く。
なんとなく、だが……基本的に、真田は真面目なんだろうなという気がした。
優等生をイタズラに誘うと、本気でイタズラに集中してしまう……そんなイメージ。
もしかすると、試合が注目されず、負け確定の予想が飛び交う現状に腹を立てていたのかもしれないが。
さて、と。
真田ではなく、記者連中のほうを見ながら口を開いた。
「……そんなにいじめちゃかわいそうですよ、『元』
「……気が、早くないかな?」
真田もまた、俺ではなく記者のほうを見ながら言ったのが、気配でわかった。
「1日ぐらいなら、誤差でしょう」
一旦言葉を切り、ここでようやく俺は真田の横顔に視線を向けた。
「それに、『元』ボクサーとは言ってませんし」
ゆっくりと、顔ではなく身体の向きを変えて、真田が俺を見る。
そして俺は、真田を見返す。
カメラのフラッシュ。
記者連中のざわめき。
こうなると、もうコメントは不要だ。
熱だけを残して、記者連中に想像の余地だけを与えるとしよう。
「じゃあ、真田さん。次はリングで会いましょう」
ホールの5階。
リングが既に設置されていて、多少驚く。
「昨日ボクシングに使われて、今日は予約が入らなかったんだろうな……だから、照明はともかく、リングは解体せずに置いといたんだろうよ。もちろん、明日はちゃんとチェックするけどな」
音羽会長の言葉に、納得する。
ホールを借りるのは、ボクシングやプロレスだけじゃない。
なので、試合の前にリングを設置するし、終われば解体して片付ける。
まあ、ホールと興行主同士の間で合意が得られれば……そういうのもありなんだろう。
俺はポケットから時計を取り出し、明日俺がリングに向かう青コーナーの入場口へ移動した。
入場をイメージしながら、いつものペースでリングへ向かい……時計をチェックする。
人それぞれだろうが、俺にとってリングの上は勝負の場だ。
さすがに、今の格好、そして土足で、リングに上ろうとは思わない。
リングにつくまでの時間、足元、松脂をつけ、階段を上る時間、リングに上がってからは観客に向かって手を上げて一周……それに、何秒かけるか。
明日の、真田とのタイトルマッチ。
実は俺にとって初めてのメインになる。
俺が今何をしているかと言うと……。
「『リングの上』じゃなく、『リングで会いましょう』って言われたから、もしかしたらと思ったんだよ」
苦笑しつつ、振り返った。
真田と、木下ジムの会長の2人。
他は……いないか。
新聞記者は、記事の作成と選別で締め切りが早いため、ネタになるかどうかが重要だが、藤井さんのような専門誌の記者は、ある意味で腰をすえられる。
さっきも、藤井さんが妙な視線で俺を見ていたし。
「時間、大丈夫ですか?」
「2時間ぐらいなら問題ないかな」
2時間、ね。
つまり、真田も話をするつもりだった、か。
まあ、とりあえず……。
「真田さん、俺が
「いやぁ、ボクは子供の頃から優等生をやってたからさ。実は、悪役ってやってみたかったんだよ」
などと頭をかく真田の後ろで、木下ジムの会長が、音羽会長にぽんと肩を叩かれているのが見えた。
何をやるかぐらいは、報告しておいたほうがいいと思うんだ。
俺もあまり人のことは言えないけどな。
「……まあ、試合が話題にもならないし、早いラウンドでのボクのKO負けの予想ばかり聞かされて、うんざりしてたのも事実だけど」
……いい性格をしてらっしゃる。
音羽会長は木下会長と。
そして、俺は真田と。
「それで、さっきは何のチェックをしてたのかな?」
「ああ、入場曲のタイミングのチェックです」
「……?」
「俺は、メインも入場曲を使えるのも初めてですからね」
ホール全体を見渡すように、視線をめぐらせた。
「ホールは狭いですからね……何も考えずに入場すると、その曲を象徴する部分に入る前に切られたりするじゃないですか」
と、真田に同意に求めたのだが……おかしそうに笑われた。
「……?」
「いや、本当にエンターテイナーなんだなって」
「小学校の運動会でさえ、予行演習があるじゃないですか?試合を思い通りに演出するのは困難ですが、入場のタイミングは簡単に確認できるし、調整もできますからね。やって当然でしょう」
ほんのちょっとしたことの積み重ね。
ボクシングと変わらない。
キリが無いともいえるが、手を伸ばせるところには手を伸ばす。
「うん、確かにそうだね……何の曲を使うんだい?」
「それは明日のお楽しみにということで……クラシックジャズの人を紹介してもらって、俺の好きな曲をアレンジしてもらいましたからね」
「へえ」
「収録のスタジオを借りるのも含めて、20万ちょいかかりましたけど」
真田が、おそるおそるといった感じに、聞いてきた。
「それ、この試合のファイトマネーのほぼ全額なんじゃあ……?」
他の大きな会場でも使えるように、ショート、ミドル、ロングの、3種類のバージョンをアレンジして作ってもらった。
俺の要望も反映された、いい仕事。
いい仕事だから高くない。
高くないったら、高くない。
ただ、前世の……デジタル音源全盛の、セルフ収録が出来た時代がちょっとだけ懐かしくなったのは確かだが。
「真田さんの入場曲は、ボレ〇でしたっけ?」
「あ、うん、同じフレーズの繰り返しで盛り上げていく感じが好きなんだよ」
「……個人的には、入場に時間がかかる広い会場に向いた曲のような気もしますが」
「……かもしれない」
ここまでは、当たり障りのない会話。
「それで、真田さんも……俺と話をするつもりだったんですよね?」
「話をすることで、勝つ可能性を上げたいなと思ってね」
性格。
価値観。
会話を交わすことで、その一端が知れる。
情報のやり取り。
情報を与えることで、裏をかくことも出来る。
しかし、嘘をつけばつくほど、自分をさらすことになる。
ふと、真田が俺を見た。
「速水くんも、そうだろ?」
「……ですね。いい試合をするためには、ある程度かみ合う必要がありますし」
「なら、ボク達が話をすることには、何の問題もない」
わずかな、間。
ここは、俺から譲歩すべきか。
「俺に、何を聞きたいですか?」
「いくつもあるけど……一番気になったのはあれかな」
真田の目は、俺に向けられたまま。
「なぜ、野球をやめてボクシングに転向したのか?」
「……それを、聞いちゃいますか?」
「速水くんを、『挫折知らずのエリート』と評する人間は多いけど、ボクはそうは思わない。野球を諦めたことは、キミにとって大きな挫折だったと思うんだけど、どうかな?」
「挫折ですよ」
短く。
そして続ける。
「自分が野球選手としては大成できないことがわかってしまいましたからね」
「中学生の時点で?評価されていたと聞いたけど?」
「俺が中学に上がる前ですけどね、甲子園優勝校のレギュラーの1人が母校の中学校で野球教室っぽいことをやると聞いて、見学にいったんですよ」
後輩達に『どこまで飛ばせるか見たい』と請われ、『軟式と硬式は打ち方から違うから意味無いぞ』と前置きした上で……フルスイング。
強打で甲子園優勝を勝ち取ったと言われるチームの、5番打者のフルスイング。
「……俺の見ている前で、ボールが千切れ飛びました」
「……」
「……」
「え?野球のボールって、千切れ飛ぶものだったっけ?」
真田が動揺する表情はレアかもしれない。
「硬式はともかく、軟式のボールは……まあ、古くなってゴムが劣化すると、衝撃に耐え切れずに割れることはあるんですけどね」
「ボールが、古かった?」
「新品ではなかったですが、その中学校で普段の練習で使っていたボールでした。それを含めて5球打って、2球はボールが割れて、残り2球もボールが振動しながら異音を発しつつ飛んでいって、飛距離は出ませんでしたよ」
「……5球で、3球か。偶然とは言えないね」
頷いておく。
「俺は、中学に上がると身長の伸びがすぐに止まって……結局、野球選手として大成するための前提条件、基礎体力が足りないというか、俺では届かないことがわかってしまいましたからね」
中学生でも身体能力が高ければ、ボールの状態によっては、打撃練習で割ってしまう。
ただ、千切れ飛ばしたり、5球で3球を破壊となると……基礎体力の違いと言ってしまえばそれまでなんだろう。
俺に衝撃を与えた、野球のボールを千切れ飛ばした人は……結局プロから声がかかることはなかった。
基礎体力は、あくまでも前提条件でしかない。
野球選手として必要なものは他にもたくさんあって、やはり適正がなければ厳しい。
時速150キロのボールは、投手の手を離れてから約0.4秒でストライクゾーンを通過する。
プロの1流選手のスイング速度で、始動からインパクトまで約0.2秒。
投手の手を離れてから0.2秒で、ボールの軌道を予測し、狙いどころを定めて正しくスイングする。
これが、プロのバッティング。
中学生ならごく普通、あるいは標準以下のレベルの時速100キロでも、到達するまで0.66秒。
スイング速度は相応に遅くなるが、まあ約0.4秒で、ボールの軌道を予測し、正しくスイングするとして……中学野球とプロ野球との差は、0.2秒ほど。
この0.2秒の中に、ギュッと濃縮された無限のハードルが存在する。
野球に限らず、あらゆるスポーツにおいて……上位に近づけば近づくほど、人間の反応限界、0.1秒に挑戦する争いになる。
「野球はダメだと理解して、じゃあどうするかとなると……体格的に、体重制のスポーツかなと。そして、曲がりなりにも『プロ』が存在するスポーツということで、野球の代わりになるものがボクシングでした」
……と、この説明でそれほど設定に穴は無いはずだ。
事実と、確かめようがないエピソードの組み合わせ。
前世も含めて、ほとんど嘘はついてない。
「……なるほど」
真田が頷いた。
「なんだか、ずいぶん計算高い印象だね」
「……多数派とは言いませんけど、高校野球をやる人間は計算高くないと厳しいですよ?」
「というと?」
「高校で、甲子園を目指すようなところで野球をやろうとすると、どのぐらい費用がかかるかわかります?」
指を折りながら、真田に説明していく。
毎月の部費、そして保護者会の会費……仮に月に1万として、引退するまで約30万。
ゴールデンウイークと夏休みの、年に2回の遠征……1回に5万として、引退までに5回で25万。
試合用のユニフォーム一式、バッグ、遠征バッグ、その他諸々……学校にもよるが、これらが約10万。
グローブは、いくら丁寧に手入れをしても寿命がある。
革と革の間の油脂……これが、衝撃のたびに飛ぶのだが、表面に油を塗ってもダメで、職人に頼まない限り回復は出来ない。
結局、あるレベルの衝撃を与える……何回ボールを受け止めるかがグローブの寿命で、捕球を繰り返すことで寿命が尽きてしまう。
軟式グローブに比べて、硬式のグローブは高い……2~3万を、引退までに2つ。
キャッチャーやファーストなど、ポジションによっては複数のグローブが必要になる。
スパイクは、交換式の刃が約1000円だが、この刃は早ければ1ヶ月、まあ2ヶ月は保たない。
その前に、半年から1年程度でスパイクそのものを履きつぶしてしまう。
試合用も考えると、1足1万円としても、引退までに5万程度は見ておくべきで、これに交換用の刃の金額が加わる。
そして、意外にもアップシューズが金食い虫だ。
ダッシュや、サーキットトレーニングなど、左右前後の動きが激しく、運動靴は2ヶ月保つかどうか。
ランニングシューズは、基本的に横の動きへの耐久力が弱く、高い安いはあまり意味がない。
年に6足から8足を履きつぶす羽目になる。
1足2~3千円の安物でも、引退までには最低でも3万以上必要だ。
学校によってはトレーニングマシーンがなく、近くのジムに通うためにジムの費用がかかる。
練習前に食事をさせる学校なら、栄養費が必要になる。
ざっと挙げただけでも引退までに約100万……寮に入れば、さらに上乗せされる。
「……とまあ、経済状況も含めて、親が乗り気ではない家庭の子供は、本気で野球をやるなら高校進学前に『これだけ金を出してくれ』と両親を説得しなきゃいけないんです。場合によってはリターンを示さなきゃならない……プロにいける可能性か、大学進学の推薦、あとは実業団野球ぐらいしかないでしょう。計算高くなきゃ、野球そのものが続けられなくなるんです……まあ野球に限った話ではないですが、野球は他のスポーツより金食い虫なのは確かなので」
親に養ってもらっている以上……金を出してもらうために、自分をプレゼンするしかない。
かかる費用に、自分の可能性、そして親の愛情さえも計算に含めて、出資させる。
失敗すれば、そこで終わり。
「自分が野球選手として大成しないことを理解した上で、これだけ金を出してくれ……と、俺は言えなかったですね。それは、俺の自己満足にもならない無駄金としか思えませんでしたし」
「うん……医者の卵であるボクとしては、ちょっとコメントしづらいかな」
真田の言葉に、苦笑を浮かべた。
医学部も、金がかかることで有名だ。
まあ、金がかかるのは野球に限った話ではないが、この手の話は、話題に上ることがほとんどない。
ネガティブな話は、イメージが悪くなるために情報として流れないものだ。
「あと……野球で飯を食う線引きはどこにあると思います?」
「……プロになることじゃなくて?」
「大卒のサラリーマンの生涯賃金が、2~3億って言われますよね?なので、前提としてプロ野球選手として得た稼ぎが、最低でも平均的サラリーマンのそれに匹敵しなければ、飯を食うとはいえない、と」
この世界、日本のプロ野球では1億円プレイヤーがトップクラスの時代だが、中堅のレギュラーの年俸が4千万から5千万程度。
大きな収入は税率が高いため、手取りで考えると……レギュラーとして、8年から9年、活躍しなければいけない計算になる。
CM出演など、副収入は除くが……そんなものは、基本的に知名度の高いトッププレイヤーだけだ。
ドラフト7位までとして、12球団で毎年約80人のプロ選手が誕生する。
つまり、同学年の野球少年からプロになれるのは80人。
第二次ベビーブーム世代は1年で約200万人が生まれ、半分は女子、100万人の男子のうち、この時代は高校球児になるのが10万人程度、男子の10人に1人は退部者も含めて高校球児になる。
そして、中学から高校に上がる時に野球を諦める人間は、経験的に6割程度か……仮に半分としても、5人に1人以上の男子が、少年野球、中学野球の選手になっていて、最低20万人の中からトップ80人に滑り込まないと、プロにはなれない。
さて、プロになった80人の中で、レギュラーとして8年間、活躍できる選手の割合は……。
「うわぁ……」
真田がドン引きした。
いくらドン引きされようと、野球の道を志す少年にとっては……中学生の時点で、就職活動が始まっている。
本人が自覚してなくとも、周囲の大人が自覚している。
極端な話、特待生として高校に入った野球少年は、条件にもよるだろうが、その時点で『授業料などの諸費用』を野球で稼いだと言えるだろう。
たぶん、下手をするとボクサーとしての俺よりも稼いでいる。
「ちなみにこれ、元々はドラフトを蹴って就職した人の発言というか理論らしいですよ……それも、言ったのがテレビの企画番組の収録中」
「……うわぁ」
真田、再びのドン引き。
「番組としては、『プロ野球選手には夢がある』というテーマだったらしいですけど……まあ、台無しですよね」
当然、番組は放映されなかったそうだが。
まあ、番組の雰囲気が自分の人生の選択を否定するようなコメントを求める感じだったそうだから、当人が反発するのは当然だろう。
それに、その人がドラフトを蹴った時代は、まだそれほど世の中でプロ野球が認められてはいなかったのもあるから……そもそも条件が違う。
「……その理論で言うと、ボクシングで飯を食うって、奇跡レベルじゃないのかな?」
「伝説を作るレベルじゃないと、無理なんですよねえ」
俺がそう言うと、真田が俺を見つめてきた。
「速水くん、その人の影響受けてるよね?」
「受けてますよ。ええ、かなり受けてます」
「……だろうね」
息を吐く。
たぶん、真田が相手なら……言ってもいいだろう。
「コメントで真田さんを中途半端なんて言いましたけどね……俺は、純粋にボクシングだけが好きとは言えない人間です。どこまで行っても、計算高い、元野球少年の部分が残ってますから」
ボクシングが好きで、ボクシングに全てをささげる……この国の人間は、そういう物語を好む。
たぶん……俺の本音を非難する存在もあるだろう。
「うん……うん、そうか。たぶん、ボクが考えているより、大きな挫折なんだろうね、それは」
話に一区切りついた感じだったので、俺は真田に水を向けた。
「ところで、真田さんはどうなんです?ボクシングを始めたきっかけってのは?」
「……そうだね。次はボクが語る番か」
広告で見かけたボクシングジム。
真田と、ボクシングの出会い。
グローブをつけ、サンドバッグを思いっきり殴る。
爽快感。
どこにでもありそうな、ありふれた始まり。
ただの気分転換、あるいは体力づくりとしての運動の一環。
「ジムに通い始めて半年ぐらいだったかな。会長がいないとき、スパーに誘われてね」
「……指導者がいないのに、練習生にスパーさせるのはありえないのでは?」
「いや、トレーナーは1人いたんだ……ただ、ボクは練習について質問攻めにしたからね、嫌われていたんだと思う」
「……ますますありえないんですが」
もしかすると、金持ちのボンボンと見た真田へのちょっかいか嫌がらせ、あるいは嫉妬。
女性ファンの声援を浴びる俺に野次が飛ぶのと一緒。
人が集まれば、そういうことは当然ある。
「当然だけど、ボコボコにされたよ。ボコボコにされたことよりも、自分が思うように動けなかったことに納得が出来なくて、自分なりに考えて練習に励んだ」
真田の言葉から俺が抱いたのは孤立のイメージ。
理論派で、金持ちのボンボンで、イケメンで……嫉妬も含めて、たぶん、浮いた存在だったんだろう。
俺も理屈を口に出すタイプだが、アマでの実績があった。
体育会系でも、格闘技、武術系の場合……道場の師弟関係ならともかく、上下関係は、実力で覆る部分は少なくない。
だからこそ、性質が悪いともいうが。
たぶん、俺とは違う意味で……真田が歩んだボクシングの道は、なだらかではなかったのだろう。
おそらく、実力を示すことで……周囲の反応が変化した感じか。
「そういえば、真田さん……デビュー戦で負けたんでしたっけ?」
「はは、記念というか、大学に進学する前に1試合だけプロでやろうと思ってね……試合前も、試合が始まっても、勝てると思って……なぜか負けた」
真田の口元は、笑っている。
その視線は、どこか遠い。
「納得できなくてね……共通一次試験前だったけど、2戦目を組んでもらった」
「いや、受験前に試合って……」
「大学受験は、年によって多少の上下幅はあるけど、基準になるゴールはほぼ決まっているからね。受験対策なんて、そのゴールを2年で超えるか、3年で超えるか、直前に超えるかだけの違いだよ」
「いま確実に、全国の受験生を敵に回しましたよ」
真田が俺に向けて、にこりと笑う。
「これは、ボクとキミとの間だけの話だろう?」
「……ああ、自覚はあるんですね。ならいいんですが……」
「別に、ボクが特別ってワケじゃないしね。受験の準備はできていたし、両親にも何も言われなかった。だったら……何よりも、自分が納得するほうが大事だよ」
そして、2戦目で初勝利。
勝って、ボクシングをやめるつもりだった。
しかし、もっと楽に勝てるはずだった。
相手は、そんなに頑張れるはずじゃなかった。
また、真田がリングを見つめながら笑う。
「……納得できなくてね。大学の合格が決まったあと、3戦目を組んでもらった」
結果は引き分け。
そして、4戦目に挑み……。
高校時代に2試合。
大学1年時に4試合。
大学2年時に4試合。
大学3年時に4試合……この4試合目が、チャンピオンカーニバルでのサニー田村とのタイトルマッチ。
そして、今は大学4年。
防衛戦を2試合こなして、俺との試合が3試合目で、通算17試合目。
これまで、16戦14勝1敗1分。
真田が『納得できなかった』ことの積み重ねがこの結果か。
それは、満足してしまったら……引退するということなんだろうか。
ある種の向上心。
言い訳ができなくなったら、悔しいと思えなければ、それ以上戦えないという言葉と同じようなもの。
満足すれば、そこで競技者は終わる。
ただ、良くも悪くも……真田の意識は、対戦相手ではなく、自分自身に向けられている。
そんな気がした。
「新人王や、A級トーナメントは出てませんでしたよね?」
「スケジュールが厳しいからね」
真田が、苦笑を浮かべた。
「速水くんは、医学部の生徒が留年したと聞いたらどう思う?」
「……俺、地方の出身なんで、そのあたりの事情は結構詳しいんですが」
俺の世代だと、地方では特に、成績がいいと『医者か弁護士を目指せ』と言われることが少なくない。
本人の興味だけでなく、周囲の大人が語るために自然に詳しくなっていく。
「おっと……じゃあ、一般的にどう思われる?」
「まあ、勉強もせずに遊びまわった挙句……ですかね?」
「そういうケースも、無くはないけどね」
医学部の必修単位。
座学だけじゃなく、実習も含まれる。
人の身体が必要な実習。
生徒数は一定でも、都合よく実習に必要な人体が集まるとは限らない。
「……数が足りないときはね、成績順で実習を受けられるかどうかが決められるんだ」
「実習が受けられないと?」
真田が、にこりと笑う。
「当然留年だよ。そして、その年に取った単位は全部リセットで、次の年に全部取り直す必要がある。その1年は、進級という意味では全部パーになるね」
「うわあ……」
「合格水準に達していても、全体の中で順位が低いって事はそのまま留年の危機なんだよ。安心できるラインは、上位3割ってとこかな。まあ、大学によって違いはあるけど……結局は、運次第の部分はある。改善しようにも、天災と同じでどうしようもない」
医学部は、特に私立は学費が高い。
運不運で留年が左右されるなら、裕福な家庭でなければ……最初から背水の陣か。
とはいえ、1人の生徒を卒業させるまでに費用が1億円以上かかると聞いた覚えがあるから、学費を考えても、医者を育てる教育は最初から赤字を見込んでいることになる。
真田が、俺を見た。
そして笑う。
俺に見せるための笑い。
「本意じゃないとわかっていてもさ、『ボクシングと医者、どちらも中途半端』なんて言われるとね?」
「あー、それは申し訳ない。謝罪します」
「うん、その謝罪を受け取ろう」
真田が差し出す手を、俺が握り返す。
言葉は選ばないといけない。
良くも悪くも、俺は本当の意味で真田の事情を知ってはいないのだから。
というか、わりと根に持つタイプか。
あるいは、そういうフリか。
「医者を目指す道も、わりと残酷なんだよ……医学部に合格するためには試験の点を取ればいいけど、医者の資質に関してはノータッチだからね」
「外科医を目指していたけど、不器用だったとか?」
「あるね……かなり高いレベルの繊細さ、器用さが求められる。なのに、医学部に入学して、時間が経ってから『キミは外科医には向いていない。諦めなさい』って突きつけられるんだ」
両親、あるいは身内に医者がいるかどうかで、変わるんだろう。
地方の、歴史のある進学校なら、医学部を希望する生徒には注意点や医学部の特殊性がある程度説明されるらしいが、それを知らない受験生は、入学してから行き止まりに直面したりするんだろうか。
「看護婦も、身長制限があるんでしたっけ?」
「患者の介護や、器具のサイズの絡みもあって、身長が低い、体力がないってことは、どうしても医療の現場ではネックになるよ」
「ああ、そういう理由ですか……ひとりひとり適性を調べるなんて出来ないから、線引きするしかない、と」
どの世界の、どんなルールにも、それなりの理由はある、か。
同じ育てるなら、同じ費用と手間をかけるなら、当然素材を選ぶか。
その後も、話をした。
アマ時代のことを、俺が語る。
父親への尊敬と、医者という職業について真田が語る。
語り合う。
聞き合う。
時に質問する。
ボクシングに限らず、医療に限らず、様々なジャンルを。
真田を知り。
俺を知られる。
そして。
「ボクが、明日の試合でキミのスタミナ切れを狙うと言ったらどうする?」
「どうするも何も、勝つために色々とやらせてもらいますよ」
「色々と言うと……それは、客が喜ぶいい試合にならなくても?」
「真田さんが、『納得できる試合』を目指すように、俺は俺で勝ちを目指しますよ。その上で、客が盛り上がるいい試合が出来れば最高ですが……良くも悪くも、試合は2人でやるものですからね」
真田の視線から目を背け、ホールの天井を見上げた。
「どんなボクサーでも、1人で試合は出来ない……試合をしない、試合が出来ないボクサーは、たぶんボクサーとは呼ばれないと思うんですよ」
視線を、リングへ。
「リングの上で戦うことで、ボクサーはボクサーでいられる。なら、自分がボクサーであるために、リングの上で最優先されるのは、勝つことでしょう」
「……勝つため、か」
「……おかしいですか?負けて、客が呼べなくなったボクサーなんて、試合を組んでもらえませんよ?前座はともかく、メインを張るボクサーは興行の中心ですからね、自然に立ち位置が違ってきますよ」
真田が首を振り、ちょっと困ったような表情を浮かべた。
「いや、以前サニー田村さんと話をしたときにね、聞いたんだ。『何故、判定にこだわるのか?』ってね」
「勝つためでしょう?」
足元に視線を落とし、真田が頭をかいた。
「うん、そうなんだ。『勝つためだよ。他に何かあるのかい?』と不思議そうに返されたよ。今思うと、王者じゃなくなったあの人は、試合を組むのが難しい立場だったんだなって」
相手が王者なら、強くても対戦するだけのメリットがある。
じゃあ、実力のあるランキング2位ならどうか?
正直、サニーと試合をしたがるボクサーは……少なかったと思う。
もちろん、『判定ばかりでパンチがないならイケル』などと判断したボクサーは、ランキング狙いで試合を申し込むのだろうけど。
つまり、客が呼べなければ、客を楽しませなければ、ボクサーでいられなくなるリスクは高まる。
「ボクサーであるために、試合を組むための努力をする、勝つための努力をする……だからこそ俺は客を喜ばせるような『いい試合』をしたいですね」
これは俺の都合でしかない。
しかし、俺のスタミナ切れを狙うといっても……実際はどうやるのかって問題がある。
少なくとも、俺を動かさない限り、スタミナを浪費はしない。
じゃあ、どうやって俺を動かすか。
それが、作戦の指針になる。
俺が真田を倒そうとして猛攻をかける……その展開は、もちろんありだ。
しかし俺は、『いい試合でなくても、勝ちを優先する』と宣言した。
耐久作戦には応じないし、フットワークを含め、速度は俺の方が真田を上回っている。
俺が倒しに行かない限り、空振りしてしまう。
つまり、勝ちの目は薄い。
『いい試合をしよう』という提案は、俺の都合だが、それだけじゃない。
真田にとっても、悪くない提案だと俺は思っている。
今日、ここで話をする機会がなかったとしても……真田が『それ』を選択する可能性は高かったはず。
「……速水くんは、いつもこんな駆け引きを?」
「相手が真田さんだからですよ……ほら、俺は計算高い、元野球少年ですから」
「はは、見込まれたかな、ボクも……」
アゴに手をあて、真田が黙り込んだ。
長い、長い沈黙。
「……これは、ボクの興味本位の質問なんだけど」
「何ですか?」
「速水くんは、人の強さってどういうものだと思う?」
「また、抽象的な質問ですね……ボクサーではなく、『人』の、ですか……」
原作の、幕之内。
そして、真田。
何かに勝つ、達成する……そういう強さとは別のもの。
たぶん、相手がいて初めて証明できる種類の強さではないのだろう。
自分が自分であるためのもの。
自分を支えるもの。
背骨。
「……俺のイメージですが、人が生きていくってことは、急流に逆らって立つようなものだと思っています」
「……うん」
「理想は、自分の身体だけでまっすぐに立つことでしょうけど……ごくわずかな限られた人間にしか出来ません。それは、与えられた強さであって、目標とすべき強さではないと俺は思っています」
ならばと、急流に流されないように、川底に刺さった1本の棒にしがみついて支えにする。
それで、流されずに耐えられる。
しかし、それを傍から見るとどうか。
「美しくないかな、と思うんです」
「……美しくない?」
「ええ……」
身体の中心線は崩れ、ただ棒にしがみつく姿。
それは、立っているといえるか?
急流に逆らって立つ姿。
普段の立ち姿。
その2つを、出来る限り重ねたい。
1本の棒ではなく、2本ならどうか。
1つのものにすがるから、姿勢が崩れる。
だから、2つのもので自分を支える。
右手と左手で、別の棒を持つ。
しがみつくのではなく、すがりつくのでもなく、支えにして立つ。
2本の棒。
そして、両足からつながる、自分の背骨を意識する。
三角形。
偏らず、頼り過ぎない……バランス。
見苦しくない、綺麗な姿勢。
「誰かに、何かに支えてもらう、しかし、自分の背骨も意識する。それでバランスを崩さず、姿勢を美しく保つ……俺が考える強さは、そういうイメージです」
頭をかき、真田に視線を向けた。
「まあ、上手く言葉になってませんね……ボクサーが、1人じゃ試合が出来ないように、医者は患者がいなければ医者じゃないのかとか……強さってのは、自分ひとりで完結するようなものじゃない気がします」
真田の視線が、俺からホールの天井に。
そして、自分の足元に。
長い沈黙。
真田が、顔を上げた。
「うん。今日、この場でキミと話せてよかったと思う」
俺に向かって手を差し出してきた。
「明日は、『いい試合』をしよう」
「ええ、お互いに」
握り返す。
そして、手を放す。
「じゃあ、次は……リングの上で」
右手を上げ、真田が……木下会長と連れたって、ホールを去っていった。
そして、音羽会長が近寄ってくる。
「……話は終わったのか」
「ええ」
真田の姿が消えた方角を見つめながら、呟く。
「明日の試合は、短期決戦です」
「……予定どおりか?」
「どうですかね」
俺も、真田も、相手を観察するタイプ。
長所も短所もあるが、それを捨てて……ハイスピードの攻防戦。
お互いがお互いを、倒しにいく。
俺を動かすなら、自分も動かなければならない。
しかしそうすることで、真田もそうだが、俺のスタミナも削られる。
『いい試合』を目指すなら……お互いのスタミナが切れる前に、倒しにいかなければならない。
スタミナの不安をわかっていながら、俺はそれに付き合うしかない。
焦りと不安は、迷いを生む。
身体と精神に負担をかける試合展開。
そこに、紛れが生まれる。
試合を盛り上げる。
いい試合をする。
そうして、真田を誘導していったつもりではあるが、俺の計算では、もともとこの試合展開が一番真田にとって勝ち目があると思っている。
ハイペースの攻防のリズムに慣れたところで、ギアを変える。
速度とリズムの変化。
それに対応しようとするなら、俺は警戒のために『余力』を、一段階上のギアを残しておかなければならない。
しかし、仕掛ける側はその瞬間まで全力を尽くせる。
これだけでも、俺と真田の身体能力のスペック差は縮まる。
かといって、俺が全力でねじ伏せにいっても……防御に徹せられたら、そこまでのスペック差はない。
真田を追い込めるだろうが、猛攻をかける分だけ、俺のスタミナの方が多く浪費される。
もちろん、真田をプレッシャーで押しつぶす可能性も無くはないが、俺が多くスタミナを消費する展開は避けたい。
自然と、真田の攻撃を受け止め、はね返す展開になる。
俺と真田の強みと弱み。
分析すればわかる、膠着感。
『いい試合をしよう』というのは、俺と真田の約束であると同時に、縛りだ。
まあ、このあたりまでは真田も承知の上だろう。
だからこそ、俺の提案を呑んだ。
ここが、スタートライン。
ここから先の読み合いが、勝敗に大きく影響してくるだろう。
試合前の語り合いのシチュエーションとか好きです。(昭和世代)
まあ、一人称で真田を語らせるためには、速水に語らせるしかないともいう。
千堂もそうでしたが、真田のキャラをつかみ損ねているかもしれません。
ファンの方には申し訳ない。