「グラララ!おめぇの仲間はおもしれぇじゃねぇか。糸使いの嬢ちゃんに六式を使うミンク族。それに雪のロギアの姉ちゃん。お前は俺とやりあわねぇでも良いのか?」
白ヒゲがその戦闘の一部始終を見てテゾーロに問う。
「俺はあいつらの大将だ。大将戦は最後にやるものだろ?」
テゾーロはそれに答え目の前に置かれた酒をグイッと飲み干す。
「グラララ!ちげぇねえが既に0勝2敗。俺らの勝ちだろうがよ!グラララ。」
白ヒゲもまた同じように酒を飲む。
現在彼らは先ほどの場所から移動し、何故かモビーディック号の甲板で酒を飲んでいる。
シュガーとピットも同様にモビーディック号の船内に運ばれて船医がその様子を見ているということだ。
そして何故かこうして白ヒゲの部下に酒を注がれていると状況にテゾーロは思う。
(どうしてこうなった)と。
初めは海岸で向かい合った二人であったが、お互い仲間の戦闘が気になったのか暫し見ていた時、急に白ヒゲが仲間を呼び酒を持ってきて飲み始めたのだ。
それに乗っかる形でテゾーロもダメ元で酒を頼むと普通に出てきてしまった。
そうして暫くその場で呑んでいたが、初めにシュガーが運ばれ、その次にピットと運ばれることで場所をモビーディック号に変え現在二人で酒を呑んでいる。
「それにしても、ハナッタレ。俺に勝つつもりか?」
白ヒゲが笑いながら、しかしその目には獰猛な目つきを浮かべテゾーロに問う。
「初めから負けるつもりで喧嘩なんか始めるかよ。」
テゾーロが尚も酒をグイッと飲み明かし答える。
「グラララ!ちげぇねえ!」
白ヒゲもそれに続き再び酒を空ける。
「とりあえずはモネとアンタの家族で良いんだよな?」
テゾーロが問うと白ヒゲが笑顔で「あぁ。家族だ。」と答える。
「その家族だかで、そいつで俺たちの一勝。」
テゾーロの言葉に白ヒゲはピクリと眉を潜める。
「マルコを舐めてんのか?」
白ヒゲの声に先ほどのような陽気さはなくどこか剣呑とした雰囲気が漂う。
「別に舐めてねぇよ。だけどな、モネは強ェぞ。あいつ怒ったら俺にも手がつけられん。いろんな意味でな。」
テゾーロの言葉に白ヒゲが「グラララ!女とはそう言う生き物だ!」と答える。
「それで、一勝。そしてこの飲み比べで一勝。最後に俺がアンタに買って合計3勝だ。」
彼の言葉に白ヒゲは
「おもしれぇ!ハナッタレ!俺ァ酒でも負けねぇ!」と宣言し今度はそばに置いてあった酒ダルを口につける。
テゾーロもそれに負けじと同じく横に置かれた酒樽に口につけた。
「雪の姉ちゃんよぃ。そろそろ終わらせねぇかよい。」
上空でマルコは両腕を翼に変え
モネは背中の肩甲骨の部分に翼を形成し、空中戦を繰り広げていたマルコがモネに話しかける。
彼らは現在拮抗していた。
己の持ちうる技を駆使しても、お互いがそれを躱し、時にははたき落とし現在二人とも息を切らしながらもこうして空中にとどまっている。
「えぇ。そうね。私は早くシュガーの様子を見に行きたいもの。」
それに同意するように、モネを、頷きシュガーの身を案じる。
恐らく致命傷ではないが、姉とは妹が倒れている時にそばにいてあげるべきだと彼女は考える。
「じゃあ、全力でいくよい!不死鳥、鳳凰演舞。」
マルコが纏っていた青い炎の勢いが増し、炎全体が彼を包む。
「
そしてそれに相反するようにモネは全身を雪で包む。
マルコは炎を滾らせ、周囲の温度を上げる。
モネは雪を吹雪かせ、周囲の温度を下げる。
自然パワーの衝突によりその周囲の景色はいっぺんする。
落ちる雪に炎が纏い青い炎が空を舞い散る。
しかしその炎に雪の結晶が燃やされているわけではない。
炎の中に確かにその結晶は核となり存在する。
「グララ!雪の火の粉なんざぁ粋なことしてくれる!」
白ヒゲが空を見上げ手に持つ酒を煽る。
テゾーロもそれに頷き同意を示す。
彼らの戦いもまた熾烈を極めていた。
既に2人で空けた酒ダルは彼らの背後に積まれおおよそ1人5樽程。
現代世界ではまずあり得ないし、自分の体重以上の量を呑んでいることになるが、それはこのワンピース世界特有の物だとテゾーロは認識している。
「
右手に雪の剣を形成しモネはマルコに近づきそれを振り下ろす。
「両手が空いてるのは汚ねえよい。」
しかしマルコも負けじと口を膨らませ、一気に吐き出すことでそれは火炎放射となりモネは距離を再び取る。
「フフ。女の子に汚いなんて言うのはどうかと思うわ。それに両手が塞がってる方が悪いからのよ。」
モネはマルコに対しどこか冷笑をする。
「思ったんがよぃ。アンタ
「それはね、見た目が美しいからよ。」
モネは自分の言葉に胸を張る。
背中から生えた雪の翼を盛大に広げ、肌は雪のように白く絹のように滑らか。
着ている白いワンピースはその姿を更に映えさせ、それは天女、もしくは翼の生えた美しい雪女となっている。
「見た目重視かよぃ。」
マルコがそれに突っ込むがそれに対しモネは再び冷笑を浮かべると即座にマルコへと距離を詰める。
「なッ!?!」
マルコが驚きのあまり声を出す。
それは今までのモネのスピードを遥かに超えた速度で彼は反応に遅れた。
「後はね。四肢が空くからよ。」
気がつくとモネはマルコの背後に立ち手にした雪走をマルコの首にそっと近づける。
「武装色を纏わせた能力の
モネは優しくマルコの耳元で
「アンタ、何者だよぃ。」
マルコはそれに翼の両手をあげることで降参の意を示す。
「ただのお姉ちゃんよ。」
「グラララ!!!コイツァ面白え!!あの嬢ちゃんマルコに勝ちやがった!!!!!」
それを下で見ていた白ヒゲはあぐらをかいていた己の膝をバシバシと叩き盛大に笑う。
「だから言ったろ?アイツは強ェって。」
それに対しタバコをふかしていたテゾーロは答える。
「それじゃあ。」
「あぁ。」
「「やるか。」」
2人の言葉が重なり2人はそこから腰をあげる。
飲み比べ勝負は互角へと終わり彼ら一味の対決はもはや決まっていたものではあるが、彼らとてここで引くわけには行かない。
「しかし、ハナッタレ。テメェ大丈夫か?顔が赤いを通り越して青いぞ?」
白ヒゲが床に置いていた薙刀を手にしてテゾーロに問う。
「なんだ、爺さん耄碌して目まで腐っちまったか?この通りピンピンしてらぁ。」
しかしそれに対し負けじとテゾーロも白ヒゲに悪態をつく。
「グラララ!!俺とここまで飲み比べできる奴は久しぶりだっ!」
白ヒゲが自分たちが飲んで空にした酒樽を後ろ指で指すとそこには1人10樽の空いた酒樽が積まれていた。
「すげぇ。」
「どっちも人間じゃねぇよ。」
白ヒゲの船の乗組員達が彼らのその様子に驚きの声を漏らす。
「まあ、ここじゃあなんだ。ちょっと場所を移すぞ。」
白ヒゲの声を無視し、テゾーロはモビーディック号の看板から岸辺へと飛び、そして着地する。
「マルコォ!テメェは終わったらお説教だ!!!嬢ちゃん!妹さんは無事だ!俺の船で寝てる!会ってくるといい!」
白ヒゲは船から降り立ったテゾーロを見送った後上空からゆっくりと近づく2人に声を掛けた。
白ヒゲの声にマルコは目に見えて肩を落とし、逆にモネは微笑んだ。
「えぇ。そうさせてもらうわ。ありがとね。」
それに対し白ヒゲは「グラララ!」と笑うとすぐさま真剣な表情に戻りテゾーロの後を追うべく船から降り立つ。
「勝敗はどうやって決める?死ぬか降参でいいか?」
テゾーロが正面に立つ巨体な男。エドワード・ニューゲート。別名白ヒゲと呼ばれた男に声をかける。
「グラララ!ハナッタレ。俺ァ別に殺し合いするつもりはねぇよ。これは喧嘩だ!お互いが満足すればそれでいいじゃねぇか。」
それに対して白ヒゲはどこか暖かい表情を浮かべ手に持った身体同様に巨大な薙刀を肩にかける。
「まあ、確かにな。アンタ面白えよ。好きだわ。そうゆうの。」
テゾーロが手に持っていたタバコを口に運びふかし、ポケットから飛び出した携帯灰皿にタバコを仕舞う。
「グラララ!男に好かれてもなんも嬉しくねぇよ!グララ!」
テゾーロの言葉に白ヒゲはまた朗らかに笑う。
「まあ、勝つのは俺だがな。」
「やってみやがれ、ハナッタレ。」
テゾーロの言葉に白ヒゲの表情は真剣なものへと戻った。
「「参るッ!!」」
2人の覇王色の覇気が衝突する。
それは単純な威圧感の衝突ではあるが周囲の空気が震え、彼らの立つ岸辺の砂浜が波立つ。
ドゴゴゴゴゴゴッ!
まさしくそのような音がお互い何もしていないが発せられる。
「親父も化け物だがアンタの船長さんもバケモノだよぃ。」
その様子を甲板で見ていたマルコは横に立つモネに声をかける。
「ありがとう。とでも言うべきかしら?」
それにモネはにっこりと微笑む。
モネの腕にはシュガーが抱っこされる形で現在シュガーは眠っている。
恐らく起きたら一悶着あるがそれよりも今はこの幸せな瞬間を精一杯過ごすのよッ!と意気込みながらテゾーロにほとんど目をくれず現在はシュガーの匂いを盛大に嗜むモネ。
ピットは寝てたからそのまま船室で放置してきたが。
「モネちゃんもシュガーちゃんも今何歳なんだい?それにテゾーロもだが。」
それに対し近くに立っていたサッチがモネに問う。
「私も
モネの言葉に周りにいたモビーディック号の船員達がモネの腕に抱かれスヤスヤと寝ているシュガーに目を向ける。
「それ以上の詮索は辞めてね。ただ一つ言えることはこの子も苦労してるの。」
そう言ってモネはシュガーの頭をそっと撫でる。
モネの顔は聖女のように優しくどこか華やかさを持っていた。
「まあ、詮索はしねぇよ。悪かったな。」
サッチはすかさずモネに対し謝罪をするとモネは彼に対し「またシュガーにオムライスを作ってあげて。」と伝えるとサッチは頷いた。
「もちろんだ。約束だったしな。」
サッチの言葉にモネは満足そうに頷き、再びシュガーの頭を優しく撫でる。
モネは現在幸せの頂点にいた。
「
テゾーロは手首につけた黄金を能力で全身を覆う
黄金は腕から伸びそれは胸へ、腰へ、脚へと伸び背中からも黄金の翼を伸ばす。
「ハナッタレ。その能力は?」
白ヒゲはテゾーロの体を顎で指し聞く。
「俺はドロドロの泥人間。全ての土を操ることができる。」
「「「いや、嘘だろ!!!!」」」
テゾーロの言葉にその様子を見ていたモビーディック号の乗組員達が即座に突っ込む。
「あ?わざわざこれから戦うのに教えてやるかよ。」テゾーロはそれに対しそう答えると白ヒゲは笑った。
「確かに。これから戦うやつに能力を教えるのはいいことじゃねぇなぁ!グラララ!」
「天宮の弓。」
テゾーロは指輪の黄金を金色の弓矢。所々金の装飾を施された弓矢を形成し、そして矢を放つ。
「一の矢。」
テゾーロから放たれた弓は白ヒゲへと真っすぐ金色の軌跡を描きながら進む。
「震刀。」
白ヒゲは己の手にもった薙刀の刃に能力を宿しその矢を叩き斬る。
ブゥゥンッ!
ある種、虫の羽音のような振動音をあげた薙刀が彼に向かって飛んでくる矢を捉えた瞬間、矢は消し飛びそれを形成していた金は砂金のような形状まで崩される。
「二の矢。」
テゾーロはその様子を目端に捕らえながら続けざまに二本の矢を放つ。一本は上空に向かって。そして一拍おいて再び真っすぐ進む矢を。
二本の矢はその形を変え無数の小さな矢へと分裂する。
上空へ飛びそこから地面へと振る無数の矢は黄金の雨となり白ヒゲへと落ちる。
正面から飛んできていた矢も分裂し、それは面での矢の攻撃。その両方が白ヒゲへと向かう。
「舐めるなァッ!ハナッタレがぁ!!!」
白ヒゲは手に持った薙刀に再び能力を宿し、初めに正面から飛んでくる矢を上段から振り下ろし、そのまま今度は回転ざまに振り下ろされた薙刀を上へと斬り上げる。
ドパァァァァンッ!
矢は瞬時に砂金へと戻り金が白ヒゲの周囲に舞う。
「三の矢。
テゾーロが腕を上に振り上げそして手を握ると、白ヒゲの周囲に舞う砂金は彼の体にまとわりつきそれは黄金の棺へと変わる。
通常の棺と違うのは黄金でできていること。そして顔の部分は露出し胴体部には無数の穴があることか。
「グララララ!ハナッタレ。こんなんで俺を拘束したつもりか?」
白ヒゲは全身を長方形の黄金の箱に全身を捉えられながらも笑う。
「秘技。白ヒゲ危機一髪ッ!!!」
しかしテゾーロはその言葉に反応はせずその棺の無数の穴に向かって黄金の矢を放つ。
ドドドドドドドドドドッ!!!無数の矢が穴に命中しその中の白ヒゲの体へと衝突する。衝撃音あたりに響く。
「効かんわッ!!!!!!!!」
白ヒゲが雄たけびをあげ全身に力を入れる。否、全身を能力で纏い周囲に地震を巻き起こす。
そして彼を捕らえていた黄金の棺はピシリ。ピシリと音を立て亀裂が走る。そしてやがてその棺は粉々に砕かれ白ヒゲの体が現れる。
無傷。全身に刺さっていたはずの矢の跡など欠片もなかった。
「おい。ハナッタレ!今度は俺から行くぞ!」
白ヒゲはニヤリと笑い大地を駆る。
踏み込んだ大地は一瞬で窪み瞬時にテゾーロとの距離を詰める。
「ふんっ!!」
白ヒゲが己の手に能力を宿し彼に向かってその拳を振り抜く。
「やべぇ!!」
テゾーロは白ヒゲの速さに反応が遅れるがなんとかその拳を横に避ける形で躱す。
彼の頬に風の衝動が掠める。
頬は能力で波打ち黄金の兜は不気味な不快音をあげる。
「
テゾーロが手に持っていた弓を重量な籠手に変え白ヒゲに殴りかかるが、白ヒゲはそれを見越していたのか手に持っていた薙刀を側方に投げ、テゾーロと同じく、今度は両手に能力を宿しテゾーロの拳にぶつけ相殺する。
ドガァァァンッ!
否。相殺したのでは無い。両者の拳がぶつかった瞬間そこから爆発が起こるが、白ヒゲの拳はテゾーロの拳を打ち抜いた。
黄金の籠手は崩れ素肌が露出する。
しかし未だ接着する白ヒゲとテゾーロの拳。故に白ヒゲの地震の能力は止まらない。
「チッ!!!!」
テゾーロはすかさず手を離し後方に飛ぶことで白ヒゲとの距離を取り自らの手に目を向ける。
手の甲は砕かれそこから多量の血が地面へと落ちる。
かたや白ヒゲの拳に目を向けると未だ無傷。擦り傷さえ出来ていない。
「ジィさん化け物かよ。」
テゾーロはポツリと愚痴をこぼすが白ヒゲはそれにグララと小さく笑った。
「ハナッタレが、一丁前に俺に喧嘩売るなんざァ2000年早ぇ!」
白ヒゲが再び距離を詰め再び肉弾戦へと持ち込む。
繰り出される凶器の拳のラッシュ。
当たれば片方の拳の同様潰される。故にテゾーロは回避に徹する。
「グラララ!!見聞色まで使うとはおもしれぇハナッタレだ!だがまだ未熟。」
白ヒゲがフェイントを加えテゾーロのみぞおちに拳を打ち込む。
「
白ヒゲはテゾーロのみぞおちに拳がヒットした瞬間に能力をさらに強める。
触れる拳からいままで以上に強い振動を加える。
それは拳が当たったことによる衝撃で後方に飛ぶはずだった衝撃を地震の引力をもって引き戻す。
そして絶えず触れ続ける腹部に必殺の振動がテゾーロを襲う。
「くそがあああああああ!!!!」
テゾーロが咆哮を上げ力の限りの拳を白ヒゲに見舞う。
「おっと。」
白ヒゲはその攻撃を避けるため瞬時に後方へと下がり彼から距離をとった。
「降参しやがれ。ハナッタレ。そいつを食らったなら早く治療しねぇと死ぬぞ?」
白ヒゲがテゾーロのみぞおちを指さす。
テゾーロもそれに従うように己の腹部を見る。今までテゾーロ自身の身を守っていた鎧は腹部の部分だけ弾け、断続的な衝撃の拳を食らったためか腹部の至る所に裂傷が見受けられる。しかし外傷よりもひどいのは内部の傷であろうことはテゾーロ自身理解できた。
先ほどから吐き気が収まらず今も口から血を流している。
「たかがフェイントに引っかかるとは。」
テゾーロは己の見聞色を恨むが、白ヒゲはグララ!と笑った。
「見聞色というが、そもそも覇気自体が奥が深い。それにこれはもはや経験の差だ。おめぇにはまだ早ぇよ。」
白ヒゲは己が投げた薙刀を拾う。
「どうする?まだやるか?」
ニヤリと白ヒゲが口角をあげる。彼自身先ほどの言葉に偽りはなかった。本当に今、降参して船医にでも見てもらう必要があるほどの傷だ。しかし同時に「このハナッタレは降参などしない」というどこか断言できるほどの予想が立つ。故に薙刀を再び手にしたのだ。
「上等。黄金聖闘士モデル
テゾーロ全身鎧が二本の角を生やした羊の形態をとる。
「正直今にでも降参してぇがな。」
テゾーロは一人ボソッと呟く。
「言ってろ、ハナッタレ。テメェがそうゆうタマじゃねぇことぐらい想像できらぁ!」
それを耳ざとく拾った白ヒゲは豪快に笑った。
「
テゾーロがそっと呟き己の掌を前に突き出す。
すると指輪の金がすべて剣の形に形成される。
「おい。じいさん。死ぬんじゃねぇぞ。」
テゾーロが目の前に形成された聖剣を掴み構え白ヒゲに言う。
「ハナッタレが。口だけは立派だな。」グララと笑い白ヒゲも薙刀を両手に持ち構える。
「おらよっ!!!」
テゾーロが握った光輝く聖なる剣を振るうとそこから金色の斬撃が飛ぶ。衝動波ではない。正真正銘聖剣の一部。金の刃だ。
「千本桜。」テゾーロは聖剣をまるで剣舞を舞うかのように振るうことで無数の黄金の刃が白ヒゲへと向かう。
毒などの特殊能力などない。ただ3つの特異点を挙げるとすればその数は数千。数万の刃となり白ヒゲが薙刀で払い落とそうが避けようがそれは追尾してくる。加えその刃の薄さは限りなく薄くそして圧縮された刃であった。
「おもしれえ!!!!」
白ヒゲはその飛ぶ刃を避けながら笑う。完全には避けきれていない。現に今も一筋の刃が彼の腕を掠る。いままでは無傷であったのがウソのように彼の体に傷が走り、血がジワジワと流れる。
「おい!ハナッタレ!」
白ヒゲの周りを幾千の黄金の刃が飛び交う。見る間にどんどん白ヒゲの体に傷が走りあたりに血が流れるもその刃はとどまることをしらない。
「舐めるなあああああハナッタレえええええ!!!!大空震ッ!!」
白ヒゲが空いた片方の手で空間を叩くと周囲にとてつもない振動が響きあたりに舞う黄金の刃が砂状へと形を壊す。
「おい。やっぱりアンタ化け物だわ。」
それをみたテゾーロは白ヒゲに悪態をつくが白ヒゲはグララと笑い声をあげた。
「まだやるか?小僧。」
白ヒゲは全身から血を流しながらもテゾーロに問う。しかしその姿は悠然と立つ仁王像の如く力強さを発している。それもそのはず。彼は血を流そうとも致命傷はすべて避けている。
逆にテゾーロはあまり傷を負ってはいないものの能力を使い果たしいまや肩で息をしている現状である。
「参った。降参するわ。」
テゾーロは現状ではどうしようもないと考えその場で両手をあげ負けを宣言する。
「グラララ!!俺の勝ちだ!ハナッタレ!」
その宣言を聞き白ヒゲもまたその場で勝ちを宣言する。
「「「オォォォォォォ!!!!」」
モビーディック号でその戦いの一部始終をみていた白ヒゲ海賊団の連中も雄たけびをあげる。
「好きに盛り上がってろ。バカヤロー。」
その様子をみたテゾーロはその場で最後に吐けるだけの悪態を着きその場に倒れた。
傷を負ってなくても彼の体力は底をついていた。
「マルコォ!!!!このハナッタレも治療してやりな!!!おめぇら!!祝杯だぁ!!」
白ヒゲが手に持っていた薙刀を空に掲げるとその仲間たちもまたガヤガヤと動き出した。
こうしてテゾーロ達金狼の海賊団と白ヒゲの海賊団の波乱の一日は終わった。
「コイツァ。間違いなく大物になるぜ。グララララ!」
白ヒゲは未だ倒れその場でいびきをかき寝ているテゾーロを見下ろしながら一人呟いた。