七武海 黄金のテゾーロ   作:たんばりん

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グランテゾーロは船だとの指摘があり現在編集中です。
よろしくお願いします。


あと2、3話でテゾーロ海に出る予定ですがそれまではお待ちくださいねー!

〜補足〜

ご指摘があり再度読み返すと掲載してなかったお話が見つかりました。
一応メモ帳には残していたのですが、非常に申し訳ありません。笑
再度3話を読み上げてくれると助かります。


第3話 英雄の序章

「あーー、なるほど。このタイミングか…おせぇよ」

再びテゾーロが目を覚ました時、彼は一筋の涙を流した。

 

「なるほど。トリガーって奴は、精神的に多大なショックを受けたらってことかよ。

ハッ。あのクソジジイも性格悪ぃことしてくれる」

 

それでもテゾーロ一筋の涙が頬を伝い地面に落ちる時強かに笑みを浮かべた。

 

前世の記憶が蘇ったことによる歓喜なのか、はたまた今までの天竜人に対する憎悪なのか、彼自身もなぜ笑ってしまったのか分からなかった。

 

「まあ、これで全てのピースが揃ったか。」

彼は一つ深呼吸をし、手のひらを見つめた。

 

「武装色」

 

彼が一言呟くと手のひらは漆黒の如く黒く染まる。

彼はその後己の手のひらを閉じたり、握りこんだりしてその感触を確かめた。

 

「やっぱり、覇気とは己を信じる心そのもの。

記憶の覚醒前も若干無意識で覇気を使っていたことは覚えているが、それでも覚醒後と比べると全く精度が違うな。

やはり、覇気とは己を疑わない心。

まあ、神様の転生によりチートを与えられたと認識している俺なら己を信じる力も強いわな」

 

彼はそこで再びニヤリと笑った。

 

「まあ、覇気は所詮確認だしな。問題はゴルゴルの実だよなー。」

 

彼は以前、天竜人に食べさせられた悪魔の実を思い出す。

恐らく彼ら天竜人は遊びか、それとも探し物か、分からぬがテゾーロに悪魔の実を一つ食べさせた。

 

それが、ゴルゴルの実。

金を操る力を得ることが出来る悪魔の実を。

 

しかし、天竜人も、そして当時のテゾーロはもちろん現在のテゾーロも予想外な事が起こった。否起きなかったと言うべきか。

 

ゴルゴルの実とは金を作り出すことは出来なかったのである。

あくまで金を操れるだけの能力という金持ちしか使えない、否金持ちでも、選べるなら他の悪魔の実を選ぶであろう程、対して使えない能力であったのだ。

しかも現在、奴隷のテゾーロが個人で金を持てるわけもなく。

 

同時に金を操る以外なにも出来ない。

むしろ金を作り出すことを期待していた天竜人は、テゾーロがその能力をない事が分かるや否や彼に対して興味を失ったのか、今まで以上に悪辣にあたった。

しかしそれも毎日ではないのが唯一の救いか。

 

いくら奴隷とは言え、天竜人の奴隷なんて腐る程いる。

故に彼らにとっておもちゃとはテゾーロだけではなく、その他大勢のおもちゃがあるのだ。

そうなれば必然的に壊れてもいいような遊び方になってしまう。例え毎日遊ばれることが無かろうと。

 

そして現在テゾーロは生きているのも不思議なくらいに生傷が絶えず、それ以外にも痣が至る所に見受けられる。

 

恐らく彼がここまで暴力を受けようと生きてこれたのはステラへの想いがあったからなのだろう。

 

しかし、ステラが死んだ事を知った時、世界に絶望したことにより意識が覚醒したのである。

 

テゾーロは考える。

とりあえずは26歳。フィッシャータイガーが奴隷を解放するまで、覇気の修行、それと、天竜人が持つ黄金をできる限り触ること。

 

正直意識が覚醒してしまった今、現代人としての尺度で天竜人の行いを測ってしまい、これからでも天竜人を八つ裂きにしてやりたいと思ってしまうと同時に

どうせなら原作ストーカーをするべきだと決めたテゾーロは今後の方針を軽く定めた。

 

それは簡単に言えばあと5年間はひたすら待つ。

 

たとえ鞭で叩かれようとも。拳銃で撃たれようとも。

実際叩かれようが、撃たれようが今では武装色でこっそりとガードすればいいのだ。

 

そう決めるとテゾーロはまた深い眠りについた。

 

 

 

 

テゾーロの一日、いや、大半の奴隷の一日は早朝から始まる。

奴隷に朝食などはもちろん無く、食べれるのは夜に一食だけである。

奴隷達は早朝になると管理人が牢の鍵を開け点呼を取り、各自振られた仕事に着く。

その大半が掃除である。

 

もちろん女の奴隷は性奴隷や、給仕の仕事もあるが、男の奴隷は基本、天竜人に殴られるもしくは、屋敷の片付けが主な仕事であり、テゾーロ 自身も例外ではない。

 

しかしテゾーロにとってそれは非常に幸運であった。

もちろん宝を持ち出すことは死罪(銃殺など簡単に死ぬ処刑では無く。ただひたすら身体を精神を痛めつけた上で衰弱死させる程の)極刑が課せられる。

これは物を壊した、もしくは天竜に逆らったら。彼らの機嫌を極端に損ねたら。

も加えられる。

 

しかし天竜人も無闇やたらに奴隷を殺すわけではない。

天竜人同士にも力関係が存在し、

どれほどの優秀な奴隷を、多く側に、もしくは飼えるかが天竜人のステータスにもなっているのだ。

故にやたら無闇に殺すのではなく、あくまで生かさず、殺さずのコレクションとしても用いられている。

テゾーロ自身はその現状に虫酸が走るが今は我慢する時とし、粛々と日々を過ごしていくのであった。

 

 

 

意識が覚醒してから2年が経ち23歳になった年の冬

テゾーロは2人の姉妹奴隷と親しくなった。

その姉の名前はモネ

妹の名前はシュガー

共にテゾーロとは11歳離れた双子の姉妹であったが

双子はテゾーロに異様に懐き、テゾーロ自身もまるで兄のように時には父のように2人に優しく接していた。

 

もちろん彼は知っていた。

 

モネという名も

シュガーという名も

 

どちらも原作開始後にはドフラミンゴの仲間になる人物でありテゾーロ自身、前世で好きだったキャラクターでもあった。

 

もちろん邪な考えが全くなかったわけではない。

しかし彼自身今やONE PIECEの中で生きるリアルな人間。

初めは青田買い!や、そもそも奴隷だったのか!?と驚きもあり好奇心などにより近づいたが、しばらく接するようになってから2人のことをまるで妹のように大事に接するようになった。

 

それにモネもシュガーも既に天竜人の実験により悪魔の実を食しており、

且つシュガーに至ってはこれ以上成長しない呪いをかけた天竜人により深い憎悪を感じるテゾーロであった。

 

そして今日もいつものことながらテゾーロはシュガーを慰めていた。

 

「テゾーロさん、やっぱりわたしはこれ以上大きくなれないの?モネはこれからも身長も大きくなってるのに、わたしはもう大きくなれないの?

双子なのに?どうして?なんで、わたしだけ…。」

 

現在モネもシュガーも12歳。

しかしシュガーが悪魔の実を飲まされたのは10歳の頃であり、現在モネとシュガーが同い年とは誰も気がつかない程の身体の大きさに差がある。

当然年頃の女の子であるシュガーはそれを毎日のように悲しみ「この呪いさえなければ」と卑下する。

今まではモネがそれを諭していたが現在その役目はテゾーロに変わっている。

テゾーロ自身、シュガーの気持ちが分からなくもない。

しかも、これから先更に悪魔の実を恨む気持ちは強くなるだろうとさえ彼は思う。

 

あと10年20年経ってもシュガーはその身体のままであり、双子のモネはこれからも成長していく。それに引け目を感じないワケがない。

 

故にテゾーロは毎日のように思う。

 

天竜人をいつか全員殺そう。と

 

シュガーにつらい思いをさせた天竜人を

 

ステラを攫いそして殺した彼らを。

 

そもそもが彼は前世の時でも天竜人は嫌いであった。

むしろ好きな人間がいたら出てきて欲しいとさえ思う。

それがこうして今、自分達が天竜人に人とは思われない、まるで汚物に対するような扱い方をされれば思うのは当然であろう。

故に彼は毎日のようにシュガー、そしてモネに語りかける。

 

「あと、3年。あと3年待ってくれ。必ずここからお前たちを出す。今はその準備が必要なんだ」

 

最初にそれを2人に行った時は2人とも「なぜあと3年なのか?」と疑問に思い口にしたが、

テゾーロはその理由自体は語らず、ただ準備が足りないと常に2人に言う。

故に2人はそれ以上何も聞かずにただテゾーロを信じて待つ。

 

「あと3年」という言葉を胸に秘めて。

 

 

 

 

 

あれから約束の3年と言うべきか、テゾーロの物語が進む時が来たと言うべきか、

テゾーロ26歳の年、テゾーロは焦っていた。

「来ない。」

 

そう、フィッシャータイガーがである。

既に26歳になってから10ヶ月は過ぎている。

無論テゾーロ自身の準備は今や完璧というまで終わっている。

 

当初の目標通り、彼を飼っている天竜人の持つ黄金は触れるだけ触り、覇王色、武装色の覇気も原作を知っているからか、

 

自分でも驚く程の精度の成長を遂げており、

覇王色の覇気を出すとしても、標的のみ気絶させることが出来るし、武装色もタイムラグがほぼ0コンマの世界で全身に展開出来る。

 

見聞色に至っては元々転生特典でもらってなかったからか、未だ完璧ではないにしてもある程度使える程にはなった。

目標はカタクリのように未来予知ではあるが、これは気が長くなりそうな目標でもあった。

 

ただ覇気について予想外な事が一点。

それは相手の意識を奪えば、その標的は直前の記憶まで失ってしまうことであった。

これについては何度やってもコントロールは出来ず、

初めは申し訳ないが奴隷仲間に覇気をかけ実験をしていく上で発見、及び成長した技であった。

 

話を戻そう。

現在彼は悩んでいるのである。

フィッシャータイガーはどうやって脱獄したのか。

彼が知る知識はフィッシャータイガーが脱獄して奴隷を解放するところからのことは知っていても、フィッシャータイガー自身がどうやって脱獄したのかまでは知らない。

 

ただ、ひたすらフィッシャータイガーを待つ事10ヶ月。彼も、加えてモネとシュガーの姉妹もそろそろ我慢の限界を来ていた。

原作を知るテゾーロは当たり前ではあるが、モネとシュガーの双子はテゾーロの3年を今も信じているのだ。彼女らもそろそろ限界であろう。

 

加えてあれから3年が経ち双子は共に15歳なった。

シュガーの身体の成長は別として、モネの成長は著しい。

恐らくあと一年も経たずに性奴隷にされてしまうことは想像に難くない。

そこでテゾーロは行動に移すことにした。

 

実際看守と言うべきか、管理人と言うべきか奴隷を管理する人間を無力化すること自体は容易である。

ただ彼がなぜ頑なに26歳と言う原作でいう奴隷解放まで待ったかと言うと理由の一つはフィッシャータイガーを待つためであった。

しかし、一向に姿を現さないフィッシャータイガーを待つのももう限界であった。

 

故に

 

「やるか」

 

そう彼が呟くや否やテゾーロはおもむろに立ち上がり自分を閉じ込めている牢に手をかける。

 

「武装色」

テゾーロは右手を黒く染め上げると、そのまま牢に向かって手刀を振り下ろす。

 

スパッ。

 

鉄が切れたとは思えない音を上げ牢の一部が切れると、少しして、牢の一部が床に落ち、鉄が地面に当たる音が響いた。

 

カラーン。

 

その音に耳聡く気がついた管理人は素早く音の発生源を探しテゾーロの牢に当たりを付け向かうと、牢の外にテゾーロが立っていた。

 

「おい!貴様何をしている!?どうやって牢から出た!すぐに戻ッ!」

 

管理人が言葉を言い終わる前に身体中にとてつもない緊張感がほとばしり、それは重圧となって彼の意識を奪った。

 

「まずはあの双子を助けて、その後はフィッシャータイガー。出来ればハンコック達も俺が救出したいな。

あと、黄金の回収だな。」

 

彼はそう言うと、近くの牢から順に武装色で硬化した両手で手刀を持って奴隷達を解放していく。

 

「あんた、こんな事して奴らに殺されちまうよ!」

救出した奴隷の人がテゾーロに向かって叫ぶ。

しかし彼はその意見に怯える様子もなく、他の救出した奴隷達にも向かって話しかける。

 

「どーせ、このまま居たっていつかは殺される。それなら自由の身となっていつか天竜人を滅ぼす。そっちの可能性に賭ける方が幾分か人間らしいってもんだろ。

別に残りたい奴は残ればいい。

ただな、俺たちはゴミじゃねえ。人間だ。

人間なら人間らしく足掻こうじゃねえか。強制はしねぇけどな。」

 

彼はそう言うと、そのまま歩を進め他の奴隷を解放していく。

初めは不安な表情をしていた彼ら奴隷も、テゾーロの雄姿に魅了されてか、彼の後に続き、まだ解放されてない牢へと近づき手を合わせ牢の錠を壊しにかかる。

「お前ら、彼に続け!!俺たちはゴミじゃねえ!!

ここでやらなきゃ一生このままか死んじまうぞ!!」

 

奴隷の誰かがそう叫ぶとたちまち周りの奴隷達も大声を出し己を周りを鼓舞する。

 

今ここに奴隷解放の英雄。ギルド・テゾーロが生まれた瞬間であった。

 

モネシュガー姉妹の牢はすぐに見つかった。

だいたいは予想がついていたのもあれば加えて見聞色を発揮したのも理由に挙げられよう。

テゾーロは姉妹が閉じ込められている牢の前で一度止まると彼女らに笑いかけた。

 

「待たせたな。ここから出るぞ。」

 

「テゾーロ。待ってたわ。」

 

「うん。ここから出よう!」

 

モネとシュガーの順でテゾーロに返事をし、それを頷きで返した後彼は手刀で2人の折を切り裂いた。

 

 

「テゾーロ、これからどこに行くの?」

モネは首を傾げテゾーロの顔を見上げた。

 

「じゃあまずは今までお世話してもらったお礼として天竜人の黄金奪いにいくか!

その後はフィッシャータイガーっていう魚人を救出する。

彼の力は役に立つ筈だ。」

 

彼はニカッと笑いモネに返した。

 

「わたしも、モネもずっとテゾーロについていくよ!!」

シュガーはテゾーロに笑顔を語りかけ、テゾーロの左手を握る。

 

彼女も、モネもまた、この3年でテゾーロとさらに親しくなり今やお互い呼び捨てで呼ぶのに何も抵抗はない。

 

ただ精神は成長しているはずのシュガーは今もこうして身体の成長と相応な、まるで10歳というフリをして自然にテゾーロの手を握ってくる。

 

時には子が親に甘えるように接してくる時もあるが、彼もまた満更でもないのか、手を振り払うようなことはなくシュガーの手を握り返した。

 

「ずるいわよ!シュガー!それなら私はテゾーロの右手と手を繋ぐから!」

なんの対抗心か、

モネもまたシュガーに対抗してテゾーロの手を掴む。

「おいおい、両手が塞がっちまったら他の牢を解放出来ねぇし動きずれぇだろ」

 

しかしテゾーロの言葉とは裏腹に彼もまた同じようにモネの手を握り返した。

 

「まあ、いい2人ともついてこい。俺がお前らを自由にしてやるよ。」

 

「「うん!」」

 

姉妹は満面の笑みで返事をし、テゾーロはまたニヤリと笑うだけで再び行動を開始すべく、歩を進めた。

 

2人の手を繋いだままに。

 

 

 

 

 

「あんたがフィッシャータイガーか?」

 

「お前は?」

現在テゾーロ達はフィッシャータイガーの牢の前に来ていた。

 

現在テゾーロ、モネ、シュガーを除く既に解放された奴隷は他の牢に回っている。

 

フィッシャータイガーの元へ行く道中テゾーロは天竜人の金を能力を使い回収し、

おおよそ300キロは下らない黄金を全て指輪サイズに圧縮し現在10本の指の内左手薬指を除く9本にはめている。

もちろん現在も奴隷が、おおっぴらに行動している理由も、テゾーロがついでに掛けた覇王色の覇気により見聞色で把握出来る敵対勢力は全て気絶済みであり、こうしておおっぴらに動けるという理由もあるのだが、

 

それもそろそろ限界だろう。

恐らくそう遠くない先で海軍大将や。中将、もしくはCP0あたりが動き出すのは目に見えている。

 

故に戦力になりそうな人材は率先してテゾーロが解放し、申し訳ないが陽動を頼んでいる最中でもあった。

 

「俺の名は、ギルド・テゾーロ。

テゾーロで良い。あんたも周りの騒々しさに気がついてるかも知れんが、今奴隷を解放し回っている首謀者とも言える。

悪いが手伝ってくれんか?

俺には今魚人であるあんたの力が必要だ。」

 

「はっ。人間が今更。

お前らも知らないわけでないだろう。

お前たち人間が俺たち魚人に対してどのように接して来たか。

人間という狂気の塊を。」

 

フィッシャータイガーはその巨体の四肢を鎖で繋がれながらもその目にはある種の誇りを、己の力の自信を感じる瞳をしていた。

 

「あんたも知っているだろう?

俺たち人間が全て狂気に染まっているわけではないことを。

たしかに俺たち大人同士では種族間での差別意識は強いかも知れない。

しかし、この子らモネやシュガー、更にはその次の世代の子らには俺は種族間での差別意識を完全に撤廃までは言わなくとも少しでも薄れていて欲しいと願う。

 

あんたの島のオトヒメ王妃も同じ考えのはずだ。

だから、今よりお前も俺と一緒に英雄になってもらうぞ。」

 

そういうと、テゾーロは己の両の手のひらを左右に立つモネとシュガーの頭に置いた。

 

「何故人間として生まれただけで偉い。何故天竜人として生を受けただけでまるで他の生物をゴミのように扱える。

人間も魚人も巨人族もミンク族も全て同じ命あるもの。

命あり、己のことを考え行動出来るもの。そこに種族での優劣などないと俺は思う。魚人に生まれたからといって海底1万の海の底の世界でしか生きられないなどおかしいだろ。

あんたはこれから俺と一緒に。今だけでも良い。

種族など抜きにし、囚われている者達の英雄として協力してくれないか?

これから生まれる命のためにも。」

 

テゾーロの言葉を聞きフィッシャータイガーは目を見開いた。

確かに人間にもさまざまな種類の性格があり、魚人もまた同じである。

しかも、今目の前にいる男は、フィッシャータイガーと、オトヒメ王妃のやり方は違えど、目指すべきは次の世代に怨念を教えない。という考え方が一致する。

ここまで面白いと思うことが今まであっただろうか。

いやあったのだろう。思い出すは魚人島に置いてきたジンベエと、アーロン達の事。

 

彼らと一緒の時は総じて楽しかった。

もしかしたらこの人間もその信じるに足る人物のように思えた。故に彼は、

 

「良いだろう。ただし、今だけだ。

俺自身人間に対しては悪いがもう良い感情は思えそうにない。

だが、今回は別だ。乗ってやろう。その話に。」

 

フィッシャータイガーはニヤリと凶悪そうに牙を剥きながら笑うと、

テゾーロも同じようにニヤリと笑った。

 

「じゃあ悪いがあんたには奴隷解放の後俺とは違う場所で存分に暴れまわってくれ。

あんたがそうしてくれるだけできっと他の奴隷達の生存率は格段に上がるはずだ。」

 

 

「あぁ、わかった。お互い検討を、祈ろう」

フィッシャータイガーの返事を聞くとテゾーロは彼の鎖に近づき人差し指の金の指輪を刀に変形させ、それを断ち切った。

 

「ふっ、悪魔の実能力者か。」

 

「あぁ。なんの能力かは秘密だけどな。それじゃあ頼んだぞ?フィッシャータイガー」

 

「お前らもな」

 

「大丈夫だよ!テゾーロはすごく強いから!」

 

「そうよ。きっとあなたの予想の100倍強いと思いますわ」

シュガーとモネがまるでフィッシャータイガーにあっかんべーとするように言ったがそれを聞いたテゾーロもやれやれとした様子で、彼女らを連れて彼のの元から去って行った。

 

あとは九蛇姫姉妹だな。

そう心に決め彼は見聞色の覇気を発動する。

 

 

 

ハンコック達は比較的すぐに見つかった。

「あなたね、この騒動の正体は。」

 

その容姿から出される声音もまた容姿並みに美しく、これぞ後の海賊女帝。

ONE PIECE世界で一の美女と言われるだけのことはある美しい少女が目の前にいた。

そしてその両脇にも多少ハンコックには見劣りするも、比較的美しめな少女が2人、ハンコックを守るように脇を固めている。

 

「やはり、気がついていたか。

俺の名はギルド・テゾーロ。

テゾーロで良い。今奴隷を解放し回っている者だ。

もしよければ君達も解放するがどうする?」

 

「もちろん。着いていきます。またとない好機。今こそこの汚らわしい場所から去りましょう。行きますよ。貴方達。」

 

「「はい。姉さま」」

 

ハンコックの話し方を聞いてテゾーロが真っ先に思ったことは、「あれ?話し方違くね?」であったが、現在はただ美しい奴隷でありあくまでアマゾンリリーの女帝ではないのだ。それも当然かと思い直し、

 

同様に手刀を持って牢を切り裂きゴルゴン姉妹を解放した。

「礼を言います。素敵な殿方殿」

 

そういうとハンコックらゴルゴン姉妹は深いお辞儀をテゾーロにした。

すると元々よれよれなボロ布をまとっているだけの三姉妹(テゾーロ一行もそうだが)の胸元が大きく見えテゾーロは心の中で

 

(この歳で爆乳かよ!!欲しい!)

っと密かに。密かに思ったはずなのにその視線もしくは心を読んだのか、両脇にいたモネとシュガーから脇を抓られ無言ではあったが、冷たい視線を浴びることになってしまった。

 

「テゾーロで良いと言っているだろ。

肩苦しいのは無しだ。それにここからが本番だ。」

 

「テゾーロ、どうやってマリージョアから逃げるのですか?」

モネがふとずっと疑問に思ってたことをテゾーロに聞くと、テゾーロはさも当然のように

「海軍の船を奪うしかないだろう。」

それだけ言うと、「行くぞ」と一行に伝え、テゾーロ、モネ、シュガー、ゴルゴン姉妹はその場を後にした。




次回 テゾーロVS海軍の英雄
更新は早ければ今日中、遅くても明日中(6月26日)に投稿致します。

6月25日改稿しました。

ちなみに2話と3話でのテゾーロの人格の差異は前世の記憶が蘇ったことによる差異だとご理解下さい

ただ、モネとシュガーとの出会いの詳細は後ほど別の時に掲載する予定でありますので何卒よろしくお願いします。
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