七武海 黄金のテゾーロ   作:たんばりん

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第4話 強敵との邂逅

現在テゾーロ一行は聖地マリージョアの中心部にいた。

 

 

奴隷を解放し回ることすでに数百人以上。

 

解放された奴隷はほかの奴隷を

 

さらにはフィッシャータイガーも解放して回ることにより、現在聖地マリージョアで囚われていた奴隷凡そ3000人弱が解放され、皆一応に殺気立ちながらも冷静にこの場から逃れる為、各々が死力を尽くしていた。

 

 

奴隷の集団はだいたい三つに分かれ、

 

一つ。 テゾーロが率いている奴隷おおよそ50名。

 

一つ。フィッシャータイガーが解放してまわりさらに陽動のために彼の近くにいるもの500人

 

一つ。その他の解放された数多くの奴隷。

 

 

この内最期のグループは、聖地から逃げ出すべく逃亡手段を探している最中であった。

そして、そのグループのリーダー格である、初めにテゾーロに死にたいのか?と問いかけた元奴隷。

 

足長族のプルートがグループの先導に立ち、聖地からの脱出方法を探っていた時、テゾーロ達は彼らから離れ、マリージョアの中心地。

 

 

聖地を襲撃する上で欠かせないことを果たすべくこの中心地にいた。

 

 

その果たすべきこととは、聖地からの悪魔の実の奪取。

 

そのため彼、テゾーロは陽樹イブを探すためマリージョアの中心地へと来たが、陽樹は思いの外、すぐに見つける事が出来た。

 

何故なら陽樹イブはここマリージョアで一番の大樹であり、遠くからでも確認出来る程、高く、高く天に向かってそびえ立ったいた。

 

 

陽樹イブ。

 

推定で直径50メートルはあるであろう幹。

高さは恐らく200mは下らないその大樹は、悪魔の実を宿し、世界に混沌の力を振りまく存在。

 

現在テゾーロら一行、ここではグループAとしよう。

 

総勢50名の多種多様な種族で集まった元奴隷達は陽樹イブの下で、その大樹を見上げていた。

 

 

「これが悪魔の実を宿す陽樹イブか」

 

 

「テゾーロ。この木の名前知ってるの?」

 

横に居るモネはこの大樹の名を知るテゾーロに疑問を問いかけながらも、その目はこの大樹から目を離すことはない。

まるで、その大樹を崇拝するかのように。

 

モネとは対照的な表情を。

 

まるでその大樹を睨むように見上げるシュガーはまるで親の仇を見るような表情をしていたが。

 

 

「あぁ、あくまで噂だけどな。

 

恐らくここ、マリージョアにあるだろうと当たりを付けていたがどうやら俺の予想は当たりだったようだ。

 

見ろ、枝になってる実を。あれは間違いなく悪魔の実だろうな。」

 

 

テゾーロが、モネが未だ握っている右手の力を抜き手を離し高くそびえ立つ大樹の枝を指差す。

 

 

指を指した先には視認出来るギリギリの高さにある悪魔の実がそこになっていた。

 

 

 

「恐らく、ここにはありとあらゆる悪魔の実がなっているはずだ。

俺たちはそれを奪う。

 

シュガーそんな怖い顔をするな。

 

今の俺たちには必要なことだ。」

 

テゾーロはそういうと彼女の頭に手を乗せ、まるで幼い妹をあやすように優しく撫ぜる。

 

 

シュガーから返事らしき言葉は返ってこなかったが、

 

それでも一応は納得したのかシュガーは首をゆっくりと縦に振り、頷いた。

 

 

「なら、俺が適当に取ってくる。お前らは全員そこで待っててくれ」

 

「ちょっと!どうやっ…て?」

 

ハンコックがテゾーロを制止しようと声を上げるが、途中テゾーロの「月歩」という声を出した後、空をかけるように彼は飛んだ。

 

 

「「「は!?」」」

 

 

一同テゾーロの行動に驚愕する。

 

 

それもそのはず。これまでマリージョア制圧の為テゾーロは幾度となく黄金の力や、覇気と呼ばれる不思議な力(そもそも相手が抵抗する前に気絶させるという力自体にも驚愕したが)

テゾーロに現在従っている者、全員がもうこれ以上驚くことはないのではと思うほど、衝撃的であった。

 

人間が空を走るということに。

 

 

しかしテゾーロ自身はなんてことない。ただの六式の一つ「月歩」を使っただけでありなんら、驚かれるようなことはしてないつもりである。

 

 

(転生者がこの数年覇気だけ修行するわけもねぇし、そりゃあ、もちろん六式の会得出来るようにするよな)

 

というのが転生者の考えであった。

 

 

空をかける彼はあっという間に枝になっている悪魔の実を一つもぎ取ると、さらに上を見上げ、視界に入った悪魔の実を目指しまた、跳躍した。

 

おおよそ手当たり次第テゾーロが確保した悪魔の実が20個ほど取った時、テゾーロは地表へと降り立った。

 

 

(まあ、こんなもんかな。これ以上とっても今のところ使う予定が立て込んでるわけでもないし、それに下手に原作改変して先が読めなくなるのも不安だからな)

 

 

彼はそう1人思案しながらモネやシュガーの元へ戻っていった。

 

「ハンコック、お前まだ悪魔の実食べてなかっただろ。この一つやるよ」

 

 

テゾーロは生前悪魔の実辞典で見たメロメロの実の外観をなした悪魔の実をハンコックに渡した。

 

 

「サンダーソニアと、マリーゴールドは既に食わされたんだろ?その外観で分かる。

ただ、この悪魔の実は必ずお前の役に立つ。

だから渡しておくわ。

 

この悪魔の実はメロメロの実。

お前のその美しさを最大限いかせるはずだ。」

 

そういうとテゾーロはハンコックの右手首を手に取り、彼女の手にメロメロの実を載せた。

 

 

「今食うか、後で食うかは任せるが、どのみち今すぐ使いこなせるような物でもない。

 

これから使いこなせるよう努力してくれればと思う」

 

そういうと彼は後ろを向き手をヒラヒラとしモネとシュガーの元へ戻っていった。

 

 

「…私を美しいと…何故だろう。何故他の男には靡くことがなかった私の心はこうも揺れてしまうのだろう…。

 

テゾーロ。貴方は一体…。」

 

 

ハンコックの独り言がテゾーロに聞こえることはなく、しかし、何故が体が紅潮するのに理解出来ないハンコックであった。

 

 

ハンコックとは、所謂チョロインであったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふーん。テゾーロはあの子のような黒髪がタイプなのね。

黒髪がいいのかしら。ねぇシュガー。」

 

 

「そうだね。モネ。あの女私の能力で消してもいい?ねぇ、消してもいい?」

 

 

テゾーロが彼女らのそばに戻った時モネと、シュガーの何故か高圧的な威嚇を受け若干タジタジになってしまったテゾーロであった。

 

 

「シュガー、お前の能力は今回は使うべきじゃない。

 

俺が思う限りお前の悪魔の実はこの世で一番恐ろしい力を発揮する。

 

だが、今はなるべく隠すべきだ。

 

天竜人。俺らをゴミのように扱ったクズどもの復讐のために。」

 

 

テゾーロの言葉にシュガーもニヤリと口角を上げた。

 

 

「分かってるよ。なんとなくテゾーロのしようとしてることは。

 

私の能力でいつかあいつらをオモチャにしてくれる機会を与えてくれるんでしょ?

 

天竜人なのに、みんなから忘れられる。まるで初めから居なかったかのように扱われるクズ達。

 

あぁ、早くその時が来ないかなー?」

 

 

「必ず成し遂げよう。

 

しかし今はまず脱出だ。

 

そろそろ海軍も動くはずだ。気を引き締めて行くぞ。」

 

 

 

 

 

そういうとテゾーロは己の指輪をリュックのように精製するとその中に悪魔の実を入れていく。

 

そのリュックは金色に輝き、ある種成金趣味なリュックになってしまったが、

彼は気にせずそれを背負うと、陽樹イブをあとにした。

 

 

どうやらテゾーロ達が陽樹イブで色々しているうちに、フィッシャータイガーが奴隷をほとんど解放したのだろう。

 

マリージョアからいくつもの火をあげ、

 

あたりには物が燃える臭いが漂い、いくつもの煙が立ち上げ、若干であるが炎の光により夜の空を照らしていた。

 

 

 

 

 

その火は奴隷達の今出来る精一杯の反逆の狼煙であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃フィッシャータイガーのグループは数多くの奴隷を解放し、さらに元奴隷の数は爆発的に増え、数の暴力で聖地マリージョアを荒らしていた。

 

 

「まぁ、よぉ〜くやってくれるねぇ〜。魚人は。」

 

 

フィッシャータイガー自身も暴れ周り、人間の数十倍の腕力を駆使し天竜人の建物を壊している時彼の頭上から声が掛かった。

 

「お前、海軍か。一人で何しにきた?」

 

 

「そりゃあ〜、お仕事でしょぉ〜。お前ぇ楽に死ねると思わない方がいいよぉ」

 

 

フィッシャータイガーの言葉に答える海軍将校のみ許される正義の文字を背中に刷られたコートを肩にかけ、黄色のスーツを着込んだ男は、どうやった空に飛び留まっているか謎だが、フィッシャータイガーは、彼は恐らく一筋縄でいかない相手だと判断し、

 

背筋を伸ばし構えた。

 

 

「能力者か。来い。俺はここで引くわけには行かんのでな。」

 

「あっしの光は魚人なんぞに止められるんよぉ。

 

八尺瓊勾玉。」

 

フィッシャータイガーに相対する海軍の将校の周りから光の粒としたか表現出来ないモノがおびただしく発生し、その粒は弾丸となり彼を否、彼を含む奴隷目掛けて飛翔する。

 

 

「「「がああああああ!!!」」」

 

 

天竜人の建物を壊すべく各々そこらに会った鉄や、木を手に取り好き勝手に暴れていた奴隷達に高速の光の粒が当たり、それは弾丸の如く彼らの肩を、腹を、頭を、足を、心臓を貫く。

 

 

周りを一瞬にして地獄絵図へと変えた。

恐らく今の一瞬で100人以上の奴隷は死に、更にその倍の数は行動が不能な程の傷を負ってしまったであろう。

 

その将校に対しフィッシャータイガーは激怒した。

 

「貴様ッ!!

俺だけでなく、周りの者にも手を出し、そこまで奴隷が憎いか!!

 

それにその能力!聞き覚えがある。お前、海軍中将、ボルサリーノだなっ!!

 

許さん!魚人空手正拳 「上段爆掌」!!!」

 

フィッシャータイガーは己の持てる力を、武装色の覇気で掌を黒化し、ボルサリーノの顔目掛けて掌底を放つ。

 

 

「八咫鏡」

 

フィッシャータイガーが掌底をボルサリーノの顔に打ち付けるその瞬間ボルサリーノは忽然と姿を消し、上段爆掌を、回避する。

 

空を切ったフィッシャータイガーの掌底は、その場に風を巻き起こし、前方の土はえぐれ、近くにあった天竜人の銅像らしきものを風圧で破壊した。

 

 

「ん〜。魚人族の腕力に武装色とは、恐れ言ったねぇ〜。」

 

一瞬消えたボルサリーノであったが、突如としてフィッシャータイガーの右後方に姿を現し、口笛を吹くように戯けた表情をしながらその掌底の感想を述べる。

 

 

「コケにしおって。俺もお前に勝てるとは思えん。しかしここはまだ時間を稼がせてもらうぞ!

 

行けぃ!!お前達!ここは俺が時間を稼ぐ!

 

お前達はテゾーロという男を探せ!!我ら奴隷の本当の解放者だ!!彼と一緒にここから逃げ出せ!」

 

 

 

 

フィッシャータイガーの叫びにより一斉に奴隷達がその場から逃れようと散り散りに逃げ出す。が、

それを見逃すボルサリーノではなかった。

 

 

「あっしから逃げれるとでも思ってるのかぃ?

 

八咫鏡。」

 

 

ボルサリーノはまた忽然と姿を消すと我先と逃げ出す奴隷の先頭集団の前方に姿を現した。

 

 

「じゃあ、死んでもらいますか。八尺瓊勾玉。」

 

 

ボルサリーノが再び光の弾丸を空中に留まらせ、光の弾丸の発射準備が終わろうとした時。

 

 

彼もまたそう易々と見逃す男ではない。

 

 

「魚人空手正拳!唐草瓦正拳!」

 

 

フィッシャータイガーの声がいつのまにかボルサリーノの側面から聞こえ、彼は驚いた顔をフィッシャータイガーに向けるが既に遅い。

 

フィッシャータイガーの繰り出した右拳が衝撃波を生みボルサリーノの顔に直撃した。

 

 

バキャっと人を殴る音に相応しくないような音がその場に響きボルサリーノはその場から飛ばされ天竜人の住まう屋敷に激突し、屋敷を破壊していく。

 

 

「お前だけが早いと思うなよ。

魚人は人間より優れた筋力を持つ。それは脚力もしかりだ。」

 

 

吹っ飛んだボルサリーノに向かってフィッシャータイガーはニヤリと笑みを浮かべ啖呵を切る。

 

 

ガララっ。

 

潰れた屋敷から柱を退かし這い上がってくる音をフィッシャータイガーの耳に捉えると彼は瓦礫に近づき更に攻撃を放つ。

 

「七千枚瓦回し蹴り!」

 

恐らくボルサリーノのが這い上がる場所を見越して居たのだろう。

彼が体を起こした瞬間にボルサリーノの頭部目掛けてフィッシャータイガーの回し蹴りが炸裂する。

 

ゴウンッ!と風を切る音を立て、ボルサリーノの顔に近づく圧倒的な圧力の回し蹴りをボルサリーノは避けることもせず、抗うこともせず受けた。

 

ギンッ!

 

鉄と鉄がぶつかり合うような音がその場になった。

 

「ふぅ〜。やるねぇ〜魚人。

全く厄介だねぇ。魚人という種族は。

お前ぇ、何者だぃ?」

 

 

「貴様のようなものに名乗る名前など無いわ!!!」

 

ボルサリーノに回し蹴りが効果ないと見るや、彼は拳でのラッシュに切り替えた。

 

武装色を拳に纏い、ひたすらの連打。

しかしボルサリーノのまた海軍中将の実力者。

 

いくら魚人との種族の間に腕力の差があろうとも

退かず、手に武装色を纏い、彼の拳の連打の軌道を全て逸らす。

 

 

「やるねぇ〜。魚人君。お前にはここで必ず死んでもらうよ。

天叢雲剣。」

 

 

ボルサリーノは手のひらから光の剣を作り出しフィッシャータイガーに斬りかかる。

 

 

「魚人空手!腕刀斬り!」

 

しかしフィッシャータイガーもここは引かない。

 

己の肘(ヒレ)を武装色で硬化し光の剣と打ち合う。

 

 

 

 

「そう、簡単に俺の命が取れると思うなよ。ボルサリーノ。」

 

 

 

フィッシャータイガーはボルサリーノと打ち合いながら笑みをこぼした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって、脚長族プルート率いる最大人数を擁する奴隷グループ。

 

ここではグループCとしよう。

 

 

彼らもまたフィッシャータイガーと同じように海兵も戦闘を繰り広げていた。

 

 

「殺せ!!!絶対に船を奪うぞ!!!」

 

プルートが叫び、周りの奴隷達も「「「応ッ!!」」」と答え、遅いかかる海兵達に向かい力の限りを尽くす。

 

 

現在彼らは脱出手段として海軍の軍艦を奪うべく、軍艦に駐留していた海兵と戦闘を繰り広げていた。

 

 

 

当初、2500人以上居た集団は一時4000人まで膨れ上がったが、道中、マリージョアの衛兵や、海兵の襲撃を受け今や3000人まで数を減らしていた。

 

しかし、プルートは思う。

 

 

恐らくこの海軍の軍艦を奪うことこそが我らの残された唯一の道だと。

 

それはプルートに限ったことではない。

 

非戦闘員ながらも近くにある木を。鉄くずを。石を。持ち戦おうとする者たち全員の認識であった。

 

 

故に、血みどろになろうとも。死に物狂いで奪取すべく戦う奴隷達は海兵を恐怖させる。

 

2つ、彼らにとって幸運なことがあった。

 

それはプルートを含めた生き残った奴隷の2割は海賊や、荒くれ者であり腕に覚えたあった。

 

更に、船に滞留していた海兵に主力級。所謂中将以上の力を持つ海兵がいなかったことが挙げられる。

 

故に彼らが取った戦略は数による暴力。

滞留している海兵総勢100人。相対する奴隷は当初3000人

 

海兵側も何も黙ってやられるのを見ているわけではない。

船上から銃で、大砲で数を減らすべく殺戮の限りを尽くす。

それによって軍艦にたどり着いた時には3000人もいたが、徐々に数を減らす。

 

しかしそれでも彼らは止まらない。今更止められない。

 

大砲が一発放たれることに50人。銃での一斉射撃で更に50人の命を簡単に奪っていく。

 

それでも奴隷側プルートが率いるチームCも黙って見ているだけではない。

 

ロープを、梯子を使い船上に登る。

例え目の前にいる仲間が倒れようとも。友となり結束し自由を夢見た者が死ぬ様を横目に見ようとも。

彼は止まらない。

 

 

 

 

勝負は気がつけば一瞬でついた。

 

 

仲間の一人が船上に踊り出ると、それに続き続々とプルート含め総勢2000人が、船に乗り込むべく駆け出す。

 

船上にさえ登ってしまえば、海兵達は同士討ちを恐れ、剣や、槍、拳などの近接戦闘を取らざるを得なかった。

 

気がつけば100人はいた海兵を一人に対し15人以上の奴隷が囲み全員で袋叩きにする。

 

 

「やべでっ!!や、、やめでぐだざいっ!!」

 

海兵の一人が寄ってたかって殴られながら命乞いするも、彼らは止まらない。

 

足を砕き、指を潰し、鼻を、目を、喉を、そして頭部を。

 

その様を見てしまった海兵は己大事に逃げ出してしまう。

 

しかしすぐさま彼らは逃げ出した海兵を取り囲み再び暴力の限りを尽くす。

それは女の奴隷も例外ではない。

非戦闘員など、関係なく皆が一様になって海兵を嬲り殺す。

 

気がつけば船上で息をする海兵はいなくなり、デッキの床には血の海が広がった。

 

 

標的がいなくなったと皆が気づいた瞬間

 

辺りを静寂が包む。

 

しかしそれも束の間、プルートが、女の奴隷が。子供の奴隷が。他の男達の奴隷が、まるで雄叫びをあげるように咆哮した。

しばし、その熱に盛り上がりひとしきり声を荒げ勝鬨をあげた後、

プルートは静かな声で、しかし確かにその場にいる仲間達に聞こえるように呟いた。

 

「後は英雄の帰還を待つべきだと。」

 

なにもプルート達とテゾーロが事前に落ち合う約束などしていない。

 

しかし彼らは言葉にせずとも英雄は。

テゾーロ は必ず俺たちの元に来ると。

なにも確信はないが彼らはテゾーロがこの軍艦に来るのを待つことにした。

 

奴隷達には導いてくれる存在が必要なのだ。

 

それはプルートではない、フィッシャータイガーでもない。

 

この騒動を巻き起こした、ギルド・テゾーロその人を待ち続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖地マリージョアには二つの港。入国入り口がある。

それは西と東。

 

現在テゾーロ達チームAは西の港を目指していた。

なんでも、チームAに同行していた巨人の奴隷「バルディッシュ」という男の奴隷が基本的にその門番のような役割をさせられており、

 

バルディッシュ曰く、海軍は西の港から来ると行ったからである。

 

 

バルディッシュという奴隷は背丈20mはあり、筋骨隆々で奴隷になる前は闘技場の闘士をしていたそうだが、ある日天竜人がそんな彼に目を付け奴隷として引き取ったのだが、

 

その背丈20mというのは非常に目立つ。

 

時折、彼を目印にしてか、海兵の襲撃な会うがそこはテゾーロの覇王色により、未だ行動不能になったものは0人と驚異的な生存率を誇るチームである。

 

 

チームAはひたすら走る。一刻の猶予もない。

この地から逃げ出し自由を手にするため後ろなど振り向かずひた走る。

 

そんな中テゾーロは見聞色で近づいてくる強敵の存在に気がついた。

その強敵は恐らく2人。猛スピードで彼らの後方を追うように近づいてくる。

なぜ港の方ではなく後方からという疑念が湧いたが、すぐにその疑念を振り払い来たるべく接敵に彼はその場で立ち止まり後方を振り向いた。

 

 

近くで走っていたモネとシュガー、ゴルゴン姉妹も彼の様子に立ち止まった。

 

 

「どうしたの?テゾーロ」

 

モネが代表してテゾーロに問うが、彼から返答は無い。ただ今来た道を真剣な顔で睨むように見ているだけである。

 

そのまま2秒程経っただろうか、テゾーロは未だ共に立ち止まる彼女達に振り返ることなく口を動かす。

 

 

 

「先に行ってろ。とんでもない奴らが俺たちを追っている。後で必ず追いつく。お前たちは先に行って軍艦の拿捕を頼む。」

 

 

彼の有無を言わせぬ覇気を帯びた声にモネが

 

「分かったわ。死なないでね」と返答するとテゾーロもすぐさま

「死ぬわけねぇだろ。これからだ。だから先に行って待ってろ」

 

そう言うと

テゾーロは今来た道を、モネ達は港に向かって走り出した。

 

 

 

 

そして暫し、テゾーロは神経を集中させているとその強敵はまるで地を翔ける豹のようなスピードで接近して来た。

 

 

「貴様かー!!!この騒動の原因。諸悪の根源は!!」

 

正義のコートを羽織った黒髪に白髪混じりの筋骨隆々な巨体。

もう片方は黒髪にアフロのようなふざけた髪型をし、同じく正義のコートを羽織る海軍将校の姿だった。

 

(いきなり英雄と後の元帥かよっ!)

 

テゾーロは己の不幸を一瞬恨んだが、今の実力を試すには申し分ないと考え直したのか、ニヤリと笑う。

 

 

「答えろ!!貴様が首謀者か!!」

 

先程のは問いかけだったのか、アフロ頭の将校。センゴクが怒りの表情で今もテゾーロに近付く。

 

 

「だったら。なんだよセンゴク大将さん。」

 

 

「その答えだけで充分だ!!やれ!ガープ!!!」

 

 

 

「ぬうっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

今までの走るペースはなんだったのか。一瞬にして100m程の距離を詰めたガープが、右手を武装色で包み拳骨を繰り出す。

 

 

それを見聞色の覇気で察知しすかさずテゾーロは横に飛び、躱した。

 

バゴォォォオオオン!!

 

ガープの放った拳が地を貫き、その一帯に地割れを起こさせる。

 

 

「人間のやることかよっ!!嵐脚ッ!!」

 

テゾーロはすぐさま態勢を切り替え、修行で習得した六式の一つ嵐脚をガープの顔目掛けた放つ。

 

 

ギィィィンッ!

 

テゾーロの嵐脚はガープの顔に決まることなく武装色で硬化した手をクロスしそれを防いだ。

 

 

 

「ガッハッハ!! お前覇気も六式も使うか!!面白いッ海軍に入らんか!?」

 

「冗談を。天竜人の奴隷を解放し、更に聖地マリージョアを荒らした大罪人が海軍など」

 

「冗談ではない!!海軍に入れ!!そしたら儂が鍛えてや「ガープゥゥゥゥ!!!!」る…」

 

ガープが豪快に笑いながら素敵な提案(笑)をするが、センゴクがそれを制す。

 

「貴様!!また適当なことを抜かしおって!此奴はこの場で捕らえなければならん!!少しは真面目に仕事やらんかっ!!!」

 

そう叫びガープの横にセンゴクが移動するとセンゴクの頭に拳骨を落とした。

 

「痛えーぞ!!クソアフロ!!!てめぇ、いま本気だっただろ!!!」

 

 

「やかましい!!!お前と言う奴は今日という今日は許さん!!!今、職場放棄してみろ!!二度と海軍本部の敷地跨がせんぞっ!!!」

 

 

「ぬっ…それは困る…しかし…この男のは面白いのじゃが…「ガープ!!!」…ええぃ!うるさいわ!!!わかっておるわ!!!!やればいいんじゃろ!!やれば!!

 

と言うわけだ。若いの。儂はお前を捕まえにゃならん。黙って捕まってくれるか?」

 

 

「それこそ、何を冗談を。必死で抵抗させてもらう」

 

 

「やはりそうでなくてはのぅ!!!若いの。名は?」

 

 

「ギルド・テゾーロ。いつか世界を変える男だ。」

 

「ギルド・テゾーロか。 儂はモンキー・D・ガープ。

 

では。」

 

 

「「参るッ!」」

 

 

テゾーロとガープの声が被ると彼らは己が持つ最大限の覇気を拳に纏いぶつけた。

 

 

 

 

後に奴隷解放の英雄テゾーロ、海軍の英雄ガープがぶつかり合ったと後世に渡って語り継がれる名勝負のゴングが切って落とされた。

 

 

 




長すぎたので一度ここで限らせて頂きます。

次回は6月27日更新予定です。
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