公式ではシュガーとモネは8歳差がありますが、ここでは同い年の双子だと思ってください。
じゃないと物語が進まなかったの!!許して!!!
「じゃあな。ハンコック。マリーゴールド、サンダーソニア。また会おう。」
「えぇ。テゾーロ。必ず成し遂げて見せますわ!未来の!夫のために・・・。」
ハンコックは若干頬を赤らめ、最後は尻すぼみになりながらも努力することをテゾーロに伝える。
テゾーロ自身は最後の方は聞こえなかった・・・ことにして話を続けた。
テゾーロは主人公補正のような耳が悪いと言う特典など無く至って健康体なのだ。
当然のように至近距離で例え後半のハンコックの言葉が一人言のように小さい声音になろうとも耳聡く聞き取っていたが、ここで、それに反応するのは些か無粋ではと思い、そのままサンダーソニアと、マリーゴールドに話しかける。
「ハンコックは恐らくこのまま美しいままだとは思うが、お前たち2人は注意しろよ?
サンダーソニアとマリーゴールドが食べたヘビヘビの実は恐らく太りやすい。ヘビになったお前たちに食事制限をしろとは言い難いが、なるべくそのままの美貌を保ち次会った時も美しい三姉妹でいてくれな。」
「嫌ですわ。そんな美しいなんて。」
ハンコックはさらに頬を赤らめ自らの手で顔を覆い隠すが、テゾーロはここでも至ってスルーである。
「えぇ。分かりましたわ。テゾーロ。此度は本当にありがとうございました。私もマリーゴールドも気をつけますわ。」
「はい。またテゾーロに会えること私達もお待ちしておりますのでそれまでお元気で。」
サンダーソニアとマリーゴールドの順でテゾーロに話しかけテゾーロはゴルゴン三姉妹と握手をした。
ここはシャボンディ諸島から一キロ程離れた海の沖。
シャボンディ諸島に彼ら全員上陸するのは危険と考え、彼テゾーロは沖から軍艦に載せられていた避難船5隻に20人ずつ。
合計約100人を海上で見送ることにした。
各々が別れをしばし惜しんだ後、すぐさま家族の元へ戻りたいと志願した元奴隷達は避難船に乗り込んでいく。
「あ!ハンコックー!もしレイリーが見つからなければシャクヤクって女がやってる『ぼったくりBAR』を探せ!そこで待てば会えるはずだ!」
軍艦の上から避難船に向かってテゾーロは叫びハンコックはそれに答えるように手を挙げた。
皆が避難船に。
避難船に乗った人たちは軍艦に。
各々が手を振った。
しばし軍艦と避難船の距離が離れたことを確認したテゾーロは何故か、歯をキリキリと食いしばるモネとシュガーに目をやった。
「テゾーロ。あなたやっぱり黒髪が好きなのねっ!」
「テゾーロのバカ!スケベっ!!」
2人がそれぞれ非難めいた目をテゾーロに向けるがそれを聞いてもテゾーロの顔は冴えない。
別に2人に責められてるからではない。
これからすることを考えると真剣な表情に成らざるを得なかったからである。
「みんな、ちょっと聞いてくれ。」
非難船からかなり距離が空き、軍艦も徐々に外洋へと進み始めた時テゾーロは軍艦に残った総勢約2000人を集めた。
「今回、俺たちがしたことは死罪であると俺は思う。
マリージョアからの脱走もそう。奴隷なのに天竜人に逆らったこともそう。
しかも俺に至っては恐らく何度殺されても足りないぐらいの裁きが待っているだろう。
それに海軍も世界政府もこれから俺を。そして脱走したお前達も血眼で探すはず。
だから俺はプルートとバルディッシュに悪魔の実を渡した。
2人ともこっち来てくれ。」
テゾーロの話を聞いてた集団の中から彼の元へ歩む2人の男。
1人はこの軍艦の拿捕に貢献した脚長族のプルート。
1人は巨人族のバルディッシュ。
その2人が彼の元へと近づきそのまま振り返りテゾーロと同じように集団に顔を向けた。
「この2人は此度の解放の折に力を尽くした。だから俺は彼らに悪魔の実を与えた。
悪魔の実のことについて知らない奴はいるか?」
テゾーロは集団に顔を向けるが誰一人手を挙げない。
それもそうだ。悪魔の実とはこの世界では数少ない秘宝であれ、それらのほとんどはマリージョアから生まれる。詳しく言えば聖地マリージョアの中心部に聳え立つ大樹イブであるが、
よって、マリージョアに囚われていた彼らは偉大なる航路の前である者達よりも悪魔の実は身近で、更に何人かは既に実験台としたら食わせられている。
「知らないものは居ないようだな。
それなら悪魔の実についての説明は省く。
俺が彼らに与えた悪魔の実は正直食べてもらうまで判断は出来なかったが、
プルートに渡した実は検証の結果動物系ネコネコの実のモデル猫だと分かった。
プルート。頼む」
プルートはその場で首をコクリと頷き了承の意を伝えると身体に力を入れる。
テゾーロ自身ゴルゴルの実を食べた時の記憶もそうだし、意識が覚醒した今でも分かる。
悪魔の実を食べた人間は己が何の能力か若干であるが理解出来る。
しかし不思議な事ながら原作の幼少期ルフィはなぜか最初びっくりして居た気がするが、恐らく子供故にとか、素直過ぎる故にであるとテゾーロは考える。
プルートが身体から能力を顕現しようと力を込めると彼のそのシンボルである長い脚、腕、顔が徐々に毛で覆われ、しばらくすると何とも言えない不思議な生物がこの世に現れた。
白い毛に覆われて異様に脚が長く二足歩行の猫。
まあ、キリンとかよりはマシではあるがある種滑稽な姿でもあった。
「プルートはこのように猫になるネコネコの実モデルネコと現時点では推測するがそれを食べた能力となったわけだ。
次バルディッシュ。頼む。」
テゾーロは顔を見上げバルディッシュを見た。
バルディッシュもその巨体に似合う太い声で返事を返し、己の身体に力を込める。
すると、彼の20mはある巨大な体がミルミル小さくなっていきテゾーロと同じぐらいの身長にまで小さくなった時、それは止まった。
「俺も驚いたが、バルディッシュが食べた能力は身体や物を小さくする能力であることが、分かった。この悪魔の実は俺は知らないが、ここではシュクシュクの実の縮小人間にでもなってもらったと思ってくれれば良い。
今俺が彼らの能力を皆に見せたのは別に彼らの力を今から使うわけではない。
ただ皆にある悪魔の実について知っていて欲しいことがあったから先に2人を紹介した。そのある悪魔の実とはシュガーのホビホビの実だ。
皆に説明したのは悪魔の実は得体の知れない能力ではあるが別に必ず危険があるという訳ではない。
たがシュガーのホビホビの実は別だ。
シュガー、ちょっと来てくれ。」
シュガーはテゾーロの後ろに隠れるように立っていたが、モネから背中を押されやむやむといった様子でテゾーロの横に立つ。
その表情はどこか冴えない。
彼女は基本悪魔の実の話をになると途端に口を閉ざし、表情も暗くするのだ。
無理もない。己の悪魔の実だけが、周りと違い唯一呪いが2点ある。
海に嫌われること。
そして
成長しないこと。
彼女はその成長しないことが酷く悪魔の実を嫌う理由であった。
30歳の頃や20代で食べるならまだ良い。
彼女は10代とは言え10歳でその悪魔の実を食べさせられ、それ以降全く成長しない。
モネが、周りが大きくなろうと、成長しようと、
テゾーロの声が一段、低くなり歳を取ろうと、
シュガーだけは、彼女だけは永遠に10歳なのだ。
周りは成長の具合を実感し、喜ぶことが出来るがシュガーにはその喜びを分かち合うことも出来ない。
故に悪魔の実そのものを恨む。
遊びや実験と称して成長しないという呪いを孕んだ禁断の果実を食わせた天竜人を酷く憎悪する。
少女趣味の男も巷にはいると聞くが、彼女が見てほしいのはテゾーロただ1人。
テゾーロはハンコックやモネを見る目つきと私を見る目つきは違うことは承知しているし、その様子から恐らく彼は少女が恋愛対象ではないことも理解している。
それでも彼女はテゾーロに見てほしい。
あの地獄から救ってくれた英雄。
自分が呪いにより塞ぎ込んでいた時も必ず優しく慰めてくれる彼に。
なのに、彼女は一向に身体は成長しない。
それが悪魔の実を、天竜人を恨む理由であり、
現在、晴れない表情をしている理由である。
シュガーは俯きながらテゾーロの横に立つと、彼はシュガーの水色の髪の毛の上に手を置いた。
シュガーは顔を上げ彼を見上げると、テゾーロは優しく微笑んでいた。
「実はシュガーとモネは姉妹なんだが、これについては凡そのみんなは想像していた通りだと思う。
ただ、ここで言っておくべきなのはシュガーもモネも共に15歳の双子だ。」
「「えっ!?」」
皆が目を見開きシュガーとモネは交互に見る。
どう見てもシュガーは15歳には見えない。明らかに児童である。
「皆の気持ちも分かる。シュガーが今現在、このようになったのはその悪魔の実の呪いによるものだ。
普通、悪魔の実とは海に嫌われること以外に他に呪いと言われる類のものはシュガーが食べた悪魔の実以外ないと俺は思っている。
では何故、彼女だけそのような呪いが2種類もある悪魔の実の能力者なのか。
それは彼女はホビホビの実の能力者だからだ。
ホビホビの実とはその手で触れたものをここでは人をだが、
触れた人間をおもちゃに変えてしまう。
しかもおもちゃに変えられた人間はシュガーに逆らうことは出来ない。
ただそれだけのレベルなら恐らく悪魔の実には幾らでもあるが彼女は更に、おもちゃに変えられた人間に関する記憶を世界から消すこと出来る。
例え、恋人であろうが家族であろうが仲間であろうが。
おもちゃにされた人物に関する記憶は完全に消失し、居なくなった事に対してもなんら疑問を抱かせないレベルの記憶の書き換えを世界中に引き起こしてしまう。
俺が知ってるなかでこれ以上の世界に対して作用する悪魔の実はホビホビの実だけだと思っている。
だからそこまで強力な力を持つからこそ呪いが2つ存在し、彼女はホビホビの実を食べた10歳から以降、身体の成長が止まるという呪いがかけられたのだと思う。
そこでだ。
何も彼女を皆に紹介したいから彼女について悪魔の実を説明したのではない。
俺たちはこれから彼女の力をでおもちゃとなりしばしその存在を消す。
これについては全員だ。
恐らく1日、2日の話ではない。
最低でも3年以上はおもちゃとして生活する必要があると俺は思う。
しかも今すぐだ。」
テゾーロのその真剣な声音からシュガーは全くこの作戦について聞いては居なかったが、自体は急を争っているのではと感じる。
正直、彼女は己の力を使いたくはない。
ただでさえ忌み嫌う能力。本来使わないで済むなら迷わず使わない道を選ぶだろう。
しかし、テゾーロを信じると決めた3年前から彼女の気持ちは決まっている。
(力になれるなら、そばに入れるならわたしはなんでもするよ!テゾーロ!)
彼女は己の心でテゾーロがその力を望むなら使う。いや今なら少し使いたいとさえ思うほど、若干であるが心のモヤが晴れた気持ちになった。
「正直、もう今更だし、俺はアンタを信じるぜ。」
その話を聞いていたプルートがテゾーロに語りかける。
「シュガーは私の妹だもん。お任せするわね。シュガー」
モネがすでにシュガーの頭に載っているテゾーロの手に被せるように手を置き笑いかける。
「お、俺たちも!ここまで来たら今更引けねぇ!!信じるぜ!!アンタ達を!!」
集団の内誰かが決意を叫ぶ。
彼らに悩む時間など必要なかった。既に英雄テゾーロは自分達の最善を考え、そして尽くしてくれる。
家族になってくれると言ってくれた。
守ってくれると言ってくれた。
力になってくれると言ってくれた。
そこまで言ってくれ、行動に起こしてくれた人物を疑うような事を元奴隷達は出来なかった。否、したくなかった。
そしてみんなが思い思いにシュガーに『よろしく』や『優しくね』や『頑張ってね』等の声をかけると、
シュガーの冴えない表情がみるみる明るくなって行くのをテゾーロは見ていた。
シュガー自身、その感情には戸惑いもあった。
恐れらると思った。
避けられると思った。
邪険にされると思った。
しかし彼らが取った行動はどれにも当てはまらない。
テゾーロを、彼女を信じて託したのだ。
嬉しくないわけがない。
「何という、俺が言うのもなんだがお前ら無鉄砲だな」
誰もがテゾーロのその声に
(((お前が言うな!襲撃犯ッ!)))
と思ったが口にはしない。
「まぁ、正直おもちゃになることにデメリットもあるはずだが、とりあえず今すぐおもちゃに変えるぞ!事件が報道される前に!!
シュガー俺は最後に頼む。今から全員おもちゃに変えてくれ。」
テゾーロは一度シュガーの頭をポンポンと優しく叩くと彼女に微笑みかけた。
「うん!!任せて!!」
シュガーは元気よく返事をすると近場にいた人物からおもちゃへと変えていった。
そして、世界から2000人もの奴隷が消失した。
次回は28日更新予定です。
加えて土曜日にはストックを頑張って続けますので。恐らく1日一話、多くて2話更新になるかと思います。
誤字報告等ありましたらまたよろしくお願いします。