「暑すぎて眠れない——」
悠はベッドから起き上がる。エアコンをつければすぐに涼しくなることはわかっているが、電気代が惜しい。
「眠くならないし、少し散歩するか」
外に出ると、少しだけ空気が冷えていた。と言っても涼しくはないが、家にいるよりはマシだろう。
しばらく静まり返った街を散歩して、公園にたどり着く。
「————」
そして悠は見てしまった。草木も眠る丑三つ時に公園を徘徊するリゼの姿を。
「——悠!?」
背後から近づく人の気配を感じたのか、リゼがこちらに気がつく。
「な、何してるんだ!?」
「それはこっちのセリフだ」
「わ、私は——」
「ああ、すまん、裏の仕事中だったか。見なかったことにするよ、また明日な」
悠がそう言って立ち去ろうとすると、リゼは慌てて「待て!」と悠の腕を握る。
「お前は私をなんだと思ってるんだ!?別に裏の仕事なんかしてないぞ!?」
「だったらなんでこんな時間に——。夜中に女の子一人で歩くの危なくないか?」
悠がそういうと、リゼは少しだけ照れた様子で「お、女の子って——」とつぶやく。
「わ、私はいざとなったら反撃できるから大丈夫だ」
「相変わらずたくましいな」
リゼと悠は近くにあるベンチに腰を下ろす。
「眠れなくて、散歩してたんだ——」
「お前もか、俺もだ」
「——なあ、少しだけ探検するか?」
「懲りねぇやつだな〜また洋館行くか?」
悠がそう茶化すと、リゼは「その話を掘り返すな!」と顔を手で覆う。
結局、夜の街を2人で探検することに。
「お、甘兎庵だ」
「千夜もシャロももう寝てるだろうな」
「深夜徘徊してるのは俺とお前ぐらいだろうな」
「——そういえばチノはどうしたんだ?」
甘兎庵を横目に見ながら歩く。
「チノは寝てるんじゃないのか?」
「一緒に寝てなかったのか。お前のことだから一緒に寝てるのかと」
「お前は俺をなんだと思ってるんだ?」
さっきのリゼの言葉をそのまま返すと、リゼはそれに気がついて「さっきの仕返しか!」とつっこむ。
「チノには涼しくて快適な部屋で寝て欲しいからな」
「空調つけないで寝てたのか?」
「あいにく、俺は節約主義なんでな」
雑談しながら散歩するのはとても気持ちがいい。
その後もチノの進路先について、ラビットハウスについて、リゼとチノの出会いなど、話が弾む。
「そりゃ、いきなり新人バイトが来て、しかもその新人に銃向けられたら怯えるだろ」
「私としたことが——」
「だけど、ぬいぐるみをプレゼントするとか、お前も案外可愛いところあるな」
「う、うるさい!!——そういうお前の方こそ、プレゼントにオルゴールとか……」
「なんだよ、オルゴールいいだろ。俺ああいうの結構好きなんだ」
悠がそういうと、リゼは意外そうな表情をする。
「男子でもオルゴール聞いたりするのか?」
「俺はたまに聞いてた。死んだ母親がよく買ってきてくれた」
「そうか——」
かれこれ1時間は街を歩いている。話が止まらない。
「で、結局お前とチノはどんな関係になったんだ!?」
「どんな関係?って——上司と部下?」
適当にごまかすと、リゼは悠の肩を揺さぶる。
「付き合ったのか付き合ってないのかはっきりしろ!」
「なんだかんだ、ココアよりその話に興味持ってるな——付き合ってるといえば付き合ってる、付き合ってないといえば付き合ってない」
「なんだよそれ——」
リゼは少しだけ不満そうだ。悠は「今は、曖昧でいいんだ」と満月につぶやく。
「家まで送ってやるよ」
「いいよ、私のことは気にするな」
「遠慮すんなよ、さっきも言っただろ、夜中に女の子一人で歩くのは危ないって」
「私を女の子扱いしてくれるのか——」
「銃を持ってるところ以外は普通だろ?」
悠がそういうと、リゼは少し顔を赤らめて「本当、そういうところだぞ——」とつぶやくが、悠には届かない。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート