ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第百四話 コーヒーの匂い

「あの、悠さん」

 

「ん?なんだ?」

 

 

朝、学校へ行く支度をする時間だ。チノが中学校の制服に着替えて下の階に降りてくる。

 

そして悠の元へ。

 

 

「私ってやっぱりコーヒーの匂い、しますか?」

 

「なんだよいきなり——」

 

「実は昨日、ココアさんにコーヒーの匂いがするって言われたんです」

 

「ココアめ、また余計なことを——」

 

「それと、ココアさんにコーヒー豆を被せられたことも原因してるかと」

 

 

悠はココアに呆れながらも、チノに顔を近づけてクンクンと匂いを確かめる。

どちらかというと、シャンプーの匂いと服からは柔軟剤の匂いがする。

 

 

「んー俺の鼻が慣れてるからかな。特にコーヒーの匂いはしないぞ?」

 

「お兄ちゃん?」

 

 

振り向くと里恵が立っていた。

 

 

「うわっ!いつから居たんだ!?」

 

「お兄ちゃんがチノちゃんの匂いを嗅いでるところからだよ。朝から何してるの……」

 

「あってるけど違う!」

 

「そうです、悠さんに私からコーヒーの匂いがするかどうか確かめてもらっていたんです!」

 

 

慌ててチノと悠が誤解を解く。すると里恵は「コーヒーの匂い?」とチノの近くに寄って匂いを確かめる。

 

 

「な?別にコーヒーの匂いしないよな」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「そうですか」

 

 

チノは少しホッとした顔をする。ココアも下の階へ降りてきて合流。

 

 

「ココア——」

 

「なあにー?」

 

 

相変わらず能天気なやつだ。悠が名前を呼ぶとニコニコと笑みを浮かべる。

 

 

「お前、昨日チノに『コーヒーの匂いがする』って言っただろう、気にしてたぞ」

 

「そうなの!?そんな意味で言ったわけじゃ——」

 

「やれやれ……」

 

 

そうしていつもの1日が始まる。

 

 

 

 

「ただいま〜!」

 

「おかえり。今日はココアの方が早いのか」

 

「短縮授業だったからね!早めに仕事手伝うよ!」

 

 

ココアがそう言って更衣室に走っていく。

 

しばらくして、ラビットハウスの制服に着替えたココアがホールに出てくる。

 

 

「なんか、ココアと2人で店番って久しぶりだな」

 

「だね〜」

 

「またやらかさないようにしっかり監視するからな」

 

「あれ?私の信用ゼロ!?」

 

 

ココアと雑談をしつつチノの帰りを待つ。

 

 

「ティッピーも相変わらずもふもふだね〜」

 

 

ココアがティッピーを抱きながら撫でるとティッピーが少し顔を赤くする。

 

体はメスだけど、中身は男性だからな——。

 

 

「変態め……」

 

「えっ!?もふもふしてただけだよ?」

 

「いや、ココアじゃなくてティッピーに言ったんだよ」

 

「————」

 

 

ティッピーは黙ったままだ。まあ、あんまり喋るとバレてしまうから仕方ないのかもしれないが。

 

 

「そういう悠くんも、今朝チノちゃんの匂い確かめてたでしょ?」

 

「その話が拡散されてる!?」

 

「悠くん、匂いフェチ?なんだねー」

 

「なんてひどい誤解だ……」

 

 

もはやココアの誤解を解く気すら失せる。

 

 

「ただいまです」

 

「おかえりー」

 

「チノちゃん!おかえりなさーい!」

 

「ココアさん——暑苦しいです」

 

「チノちゃんもふもふ〜」

 

 

ココアがチノに抱きつく。チノは引き剥がそうとするが、まんざらでもない様子だ。

 

 

「おいココア、チノが困ってるだろ」

 

「悠くんもチノちゃんもふもふしたくなった?」

 

「いや、チノをもふもふできるのはココアの特権だからな——」

 

 

悠は虚しくつぶやいた。

チノと悠の関係を

  • 進展させる
  • 現状維持
  • ココアに浮気ルート
  • リゼに浮気ルート
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