ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第百七話 制服と進路

夕食の後、悠は自分の部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、ココアの部屋からチノの声が聞こえる。

 

ココアは里恵とお風呂に入っているため、チノと悠しかいないはずだが——ティッピーと会話しているのだろうか。

 

 

「ちょっと拝借——似合うかな……」

 

「————」

 

「カーディガン、何色にしよう……」

 

「————」

 

 

ココアの部屋の扉が開いており、影からそっと中を覗いて見ると、チノがココアの制服を着て鏡の前で何やらつぶやいている。

 

ティッピーはいない。おそらく下でタカヒロとバーにいるのだろう。

 

 

「ココアさん……」

 

 

チノがボソボソとつぶやいているが、悠にはよく聞こえない。だが今の声は聞こえた。

 

 

「チ、チノ……?」

 

 

悠が恐る恐るチノの名前を呼ぶと、チノはビクッと体を大きく震わせ、ゆっくりとこちらに顔を向ける。

 

 

「ち、違います。これはその、ちょっとした出来心というか、前からもう一度試着してみたかったというか……」

 

「ま、まあ趣味は人それぞれからな……」

 

 

悠が一歩引いてその場から去ろうとすると、チノが悠の腕を掴んで壁に追い詰める。

 

 

「このことはココアさんには……」

 

「あ、ああもちろん!——しかし意外だな。チノにそんな趣味があったとは……」

 

「違います!そういう意味で着てたわけじゃありません!」

 

 

思わず大きな声を出すチノに悠は「静かに!」と口を押さえる。

 

 

「バレる前に着替えろ」

 

「そ、その前に……私のカーディガンの色、何がいいと思いますか?」

 

「それで着てたのか?」

 

「はい、待ちきれなくて」

 

「そうだな——何色でも似合うと思うけど。いっそのことピンクにしてココアとお揃いにしたら?」

 

 

悠がそういうと、チノは「そんなの、絶対みんなにからかわれます」と拒否する。

 

 

「それもそうか。でもその制服、ブレザーよりすごくいいよ」

 

「そうでしょうか。それなら良かったです」

 

「ああ、とりあえず写真撮っていい?」

 

「撮影禁止です」

 

「え〜いいじゃん。抱きしめたくなるくらい可愛いよ」

 

「か、からかわないでください。本当にしょうがない悠さんです」

 

 

 

 

 

翌日。リゼと届いた荷物を倉庫に移動させながら話をする。

 

 

「やれやれ、チノもようやく来年から中学生か」

 

「ああ、そうだな——ん?いや、高校生だろ」

 

 

リゼのボケにツッコミを入れ忘れそうになった。と思ったらリゼはどうやら本気で間違えたらしく、顔を赤くして

 

 

「ま、まあ大して変わらん」

 

 

とごまかす。

 

 

「いや、大違いだろ。チノが聞いたら怒るぞ」

 

「うっ——」

 

「なあ、リゼは進路どうするんだ」

 

「私は——とりあえず大学行くさ。将来何したいか、なんとなくわかってきたし」

 

「そうか——軍学校って大変らしいな。頑張れよ」

 

「私は軍人になるつもりはないぞ!?」

 

「え?違うの?」

 

「違うぞ!」

 

 

リゼの叫び声が倉庫に響く。

チノと悠の関係を

  • 進展させる
  • 現状維持
  • ココアに浮気ルート
  • リゼに浮気ルート
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