熱を測ると、先ほどより熱が上がっていた。夏風邪とはいうものの、高熱が続く。
「悠さん——すみませんが、夕食の準備がありますので」
「私も、宿題やらないといけないから、里恵ちゃんに来てもらうね」
そういってココアとチノが部屋から出て行こうとするが、悠がチノの腕を掴んで止める。
高熱で頭がやられているのか、自分が何しているのかわからない。
「悠さん——?」
「悠くん?どうしたの?何かしてほしいこと、あった?」
「——寝るまで手、握って……」
悠の発言にココアとチノは少し顔を赤くする。
「——私、今キュンと来ちゃった……」
「本当にしょうがない悠さんですね。少しだけですよ」
「——手、ちっちゃい」
「余計なお世話です」
「——ん、何か手に冷たいものが……」
悠が目を覚ますと、隣でチノが悠の手を握ったまま寝ている。背中には毛布が被せられている。
「——チノ?」
「ぁ——おはようございます悠さん……」
「あ、ああ、おはよう——って、夜だけどな。それよりなんで手を繋いでるんだ?」
「悠さんが言ったんじゃないですか」
「——え?」
「記憶がないんですか?しょうがない悠さんです」
チノがクスッと笑うが、悠は「いつ言ったっけ——」と困惑する。
「つられて私まで眠ってしまいました……」
「なんかよくわからないけど、ごめん……」
「いいんです。それより、そろそろ何か食べませんか?」
「そうだな」
悠がそういうと、チノは「取ってきます」と手を離して下の階へ降りていった。
そしてチノと入れ替わりでココアがやってくる。
「あ、起きたんだね!」
「ああ、なんかチノに申し訳ないことをしてしまった」
「風邪ひいてるときはみんな甘えん坊さんになっちゃうから、仕方ないよね」
「——え!?俺、何を言ってたんだ?」
悠が驚いてココアに聞くと、ココアはふふっとにやけて「内緒だよ」とごまかす。
チノが部屋に帰ってきた。手にはお盆の中にはおかゆとりんご。
「どうぞ——」
「——食べさせてくれんの?」
チノがスプーンの中におかゆを入れてこちらに差し出してくる。
悠が聞くと、チノは少しだけ恥ずかしそうにして
「さっき、リゼさんに食べさせてもらってたじゃないですか」
「——え、なに、嫉妬した?」
「違います。こぼしたら洗濯するのが大変なので食べさせてあげようと思っただけです」
「私もチノちゃんにあーんってしてもらいたい!」
「ココアさんは元気じゃないですか」
「どっちが姉でどっちが妹なのかわかんねぇな……」
相変わらずなココアとチノに悠は苦笑いして口を開ける。
「体が暑い——」
「そうですか?エアコン、ついているようですが」
「きっと熱のせいだよ〜」
先ほどからやけに暑い。と悠が訴えるとチノはココアと床に座ってから
「では、私が怪談話をしてあげましょう」
「「おー……」」
チノの提案にココアと悠がハモる。怪談話で涼しくさせようとするチノが愛おしい。
「実は、このラビットハウスにも怪談があるんです」
「そうなのか!?」
悠は驚くが、ココアは驚かない。むしろニコニコしている。
「このお店は——夜になると……。目撃情報がたくさんあるんです。父も私も見ています」
「うそだろ……」
またココアの方を見ると、ココアは怖がる様子もなくニコニコしている。
——こいつが一番反応すると思ったのに。意外だ。
正直怪談の内容も気になるが、一生懸命こちらをビビらせようとしているチノに思わず頰が緩んでしまう。
「暗闇に光る目。小さくてもふもふな——」
「まて、チノ。その話、オチがわかった」
「そ、そんな……」
「暗闇に光る目」「小さくてもふもふ」この2つのキーワードで十分予想がつく。——ティッピーでしかない。
「で、では、この話はどうでしょう——」
チノが慌てて別の話を始める。
「私の実体験なんですが——私が寝ていると、枕元から『お姉ちゃんと呼びなさーい』と何度も声が——」
「その話のオチもわかったぞ。何してんだよココア……」
「えへへ、お姉ちゃんって呼びたくなる呪文を唱えてたんだよ〜」
「むぅ……やっぱり私、怪談に向いていないんでしょうか」
チノが頬を膨らませて落ち込むと、ココアは慌てて「そんなことないよ!」と否定する。
「チノちゃんの話ならみんなをニコニコさせられるよ!」
「それは怪談としてどうかと……」
いつの間にか、暑さを忘れていたのはチノの怪談話のおかげだろうか。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート