ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第百十六話 早朝ランニング≒ラジオ体操

その日の帰り、リゼからスタンプカードが渡された。

 

 

「ほら、毎日参加したらこれにスタンプを押してやるぞ」

 

「まあ、いいわね〜コンプリート目指すわよ!」

 

「————」

 

 

リゼから渡されたスタンプカードをじっと眺める悠に、リゼは「どうした?」と首をかしげる。

 

 

「小学校の夏休みにやるラジオ体操のスタンプカードを思い出して——」

 

「ああ、それを参考に作って——いや、なんでもない!」

 

「こんなので喜ぶの小学生までだぞ……」

 

 

もはや「教官」というより「先生」に近いリゼの言動に悠が呆れる。

全く、千夜はなぜ小学生扱いされてるのに気がつかないのか。

 

 

「と、とりあえず、今日の分だ!」

 

 

そういってリゼは悠のスタンプカードの左上にスタンプを押す。

——うさぎのスタンプだ。

 

 

「かわいい〜!」

 

「そ、そうか?」

 

 

千夜は喜ぶが、悠はジト目でリゼを見る。リゼはその視線に気がつくと、慌てて話題を変える。

 

 

「このあとみんな時間あるか?」

 

「俺は大丈夫だけど」

 

「私も平気よ」

 

「そうか。なら一緒に朝ごはん食べないか?」

 

 

そうして、3人で朝ごはんを食べることに。

 

 

「ファーストフード……店のチョイスがリゼらしい」

 

「たまにはいいだろ!」

 

 

テーブル席でリゼを前にファーストフードを食べる。隣で千夜が飲み物を口にする。

 

 

「おっと、ココアからメールだ」

 

 

そう言ってリゼがスマートフォンを取り出すと、ココアのメールを読む。

 

 

「どれどれ……」

 

「ココアちゃん、なんて?」

 

 

千夜がそう聞くと、リゼは呆れた様子でスマートフォンの画面をこちらに見せる。

 

「ひどいよー!」という件名のメール。

 

 

『も〜!みんな私を置いて走りに行っちゃったの?私のこと忘れたの〜?』

 

 

と書かれている。悠もリゼに続いて「やれやれ」と呆れる。

時間はもう8時を回っている。今日は休日だから学校はないが、おそらくチノに起こされてやっと気が付いたようだ。

 

そしてもう一件メールが届く。今度は件名なしだ。

 

 

『よーし!私もチノちゃん連れて走りにいくよ〜!』

 

 

ココアからまたメールが来たと思いきや、次はチノからメールが届く。ココアにも同時送信しているようだ。

 

 

『ココアさん、勝手に私を巻き込まないでください。リゼさん、気にしなくていいので』

 

「やれやれ、しょうがないやつめ……」

 

 

 

「——考えてみると、この3人で会うのって結構レアだよな。いつもは振り回され隊と振り回し隊に分かれてるし」

 

「振り回され隊——?」

 

 

悠の発言に「振り回され隊」の存在を知らない千夜が首をかしげるが、リゼは「確かにそうだな」と同意する。

 

 

「でも今は私たちが千夜を振り回してるな」

 

「物理的に、な」

 

 

首を傾けたままの千夜を置いてリゼと悠がクスクスと笑う。

 

 

 

 

「悠さん。おかえりなさい」

 

「ああ、ただいま。ココアは?」

 

「さっき出て行きました。すれ違いませんでしたか?」

 

「ココアのやつ、本当にランニングに行ったのか——」

 

「全く、本当にしょうがないココアさんです」

 

 

チノは呆れた様子でそういうと、悠の頭に視線を向ける。

 

 

「——ところで、どうしてツインテールなんですか?」

 

「わからん、千夜に『走るときはツインテールにしましょ』って言われてこうなった」

 

 

悠の答えにチノが「髪が短いので、ちょんまげに見えます」と笑った。




次回で早朝ランニング編が終了します。

チノと悠の関係を

  • 進展させる
  • 現状維持
  • ココアに浮気ルート
  • リゼに浮気ルート
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