「お待たせー!」
マラソン大会の前日。千夜が髪をツインテールにしてやってきた。
「本当に走るときはツインテールにするつもりなのか!?」
「走るときの願掛けよ。名教官みたいに走れるようにね!」
「ああ、俺はチノにちょんまげみたいだってバカにされたけどな」
律儀にルール(?)を守ってきた千夜と悠にリゼが驚く。
そして千夜は率先して走り出した。
「さあ!今日も地獄の果てまで進軍だー!」
「まて!まさかそれも私のつもりか!?」
そして、終点の丘の上までたどり着く。千夜も悠も、格段に体力が上がったからか、もうバテない。
丘の上の景色は格別だ。朝日が昇るのをそっと見守る。
「ここからの眺め、本当にいいよな」
リゼがそういうと、千夜も悠もそれに頷く。リゼは続ける。
「——マラソン大会終わっても続けるか?」
リゼの提案に千夜は「ううん」と首を横に振る。
「私は目標がないと頑張れないから——」
「俺もいいや。これからは定期的に走るさ」
2人の答えにリゼはショックを受けたのか、慌てて引き止めようとさらに提案する。
「スタンプカード、あと3回くればコンプリートするんだけど——2人はトライアスロンとか興味ないか?」
「トライアスロン——?」
「引き止めたいのはわかったが、それは身の危険を感じるぞ!」
トライアスロンの意味がわからず困惑する千夜の隣で、悠の顔から血の気が引く。
「じゃあ、本番頑張れよ!」
「ええ!——リゼちゃんも悠くんも、ありがとね」
「気にするな!私も少しは体重が……な、なんでもない!」
リゼが慌てて言葉を濁す。千夜はポケットから「甘兎庵 和菓子食べ放題券」を2枚取り出してから、リゼと悠に手渡す。
「おっ、サンキュー!」
素直に感謝する悠の隣で、リゼは
「私がランニング始めた理由言ったよな!?」
と叫ぶ。
そして、マラソン大会当日。みんなで観戦することに。
「千夜、大丈夫かしら」
心配するシャロに悠は「大丈夫だ」と励ます。
「リゼと俺と、毎日一緒に走ったし、体力的には大丈夫だろう」
「えっ!?なんで——なんで私はそこにいないの……?」
シャロは初耳だと驚くと、リゼは
「言えば誘ったのに!」
とスタンプカードを取り出してから、シャロと悠の手を握って
「よーし!3人で明日から特訓だ!目指せトライアスロン!」
「はい!!」
「まて、最後なんて言った!?」
目を輝かせるリゼと、「トライアスロン」というワードに気がつかないシャロに悠がツッコミを入れる。
しばらくして、千夜が見えてきた。——ココアが見えない。
「あれ?ココアは?」
「千夜さんの後ろです!千夜さんの髪を手綱のように掴んでます!」
キョロキョロとココアを探す悠に、チノが驚いた声で叫ぶ。
——千夜、目標通りココアを見捨てずに頑張っているのか。
リゼと悠は懸命に走る千夜に敬礼する。
「2人ともー!ツインテール役に立ってるわー!!」
「嬉しくないぞ!?」
「ココア!少しはお姉ちゃんらしいところ見せてくれよー!」
「ゆ、悠くん……!お姉ちゃんに任せな……うげっ!」
ココアが派手に転ぶと、千夜が手を差し伸べる。素晴らしい友情だ。
こうして、無事(?)にマラソン大会が幕を閉じた。
これを書いているとき、学生の頃「マラソン、一緒に走ろう!」と誘われて、そのまま置いていかれたことを思い出しました(涙)
「一緒とはいったいなんだろう」と思いながら走ったのを覚えています。(笑)
チノと悠の関係を
-
進展させる
-
現状維持
-
ココアに浮気ルート
-
リゼに浮気ルート