ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第百三十話 思い出は宝箱の中に

「結局、私たち2人だけになっちゃったわね」

 

「そうですね。悠さんとリゼさんが待ってますから、早く宝物を交換しましょう」

 

壁の穴をくぐり抜けることができたチノとシャロは、宝箱を探して広場を歩く。

 

「神聖な場所ですね」

 

「ここでお昼寝とかしたくなっちゃう……。それになんだか懐かしい感じがするわ」

 

広場の奥にたどり着くと、壁のくぼみに宝箱が設置してある。チノとシャロは宝箱を開ける。

 

 

「甘兎庵の割引券!」

 

「肩たたき券まであるわ——って、あれ、これって……」

 

「——チノ、宝物はあったか?」

 

「悠さん!?」

 

突然背後から現れる悠にチノが驚く。

 

 

「な、なんでここに——」

 

「壁を乗り越えてきた」

 

「先輩は!?」

 

「置いてきた」

 

淡々と答える悠にチノとシャロの口が塞がらない。

 

 

「おっ、あったあった。この肩たたき券!シャロ、これ今使える?」

 

「どうして私が作ったやつだってわかるのー!!?」

 

「タイムトラベラーですか」

 

あたかもここに入っているのを知っていたかのように、昔シャロが入れた肩たたき券を取り出して使おうとする悠に、シャロが驚きを隠せない。

 

 

「実は——」

 

そんな2人に悠がこの間見た夢の話をする。

 

「な、なんて正確な夢なの……」

 

 

「おいシャロ〜これ、『大事に使ってください』が『だいじにつかってくだ()い』になってるぞ〜!」

 

悠が半笑いで肩たたき券に書いてある字をシャロに見せる。

 

「う、うるさいわね!昔作ったものなんだから、それくらいの間違いあって当然よ!」

 

「シャロさん……かわいいです」

 

「チノちゃん……恥ずかしいこと言わないでよ……」

 

悠とチノの言葉にシャロが顔を赤くする。

 

 

「おーい、リゼ!大丈夫かー!」

 

「くっ……後少しのところで——」

 

「隊長ー!もしかして壁越えできないんですかー?」

 

「覚えてろ!次来るときまでには——!!」

 

壁の向こう側から悠がリゼを煽る。

 

「悠さん、この壁を乗り越えられたんですか」

 

「そこの木を使ってなんとかな。だけど肩にダメージが——」

 

「し、仕方ないわね。少しだけやってあげるわよ!」

 

 

 

「悠——本当にお前、何者なんだ」

 

「振り回され隊の隊員?——普段はラビットハウスの店員?」

 

「うそだ、絶対に軍の関係者か、あるいは——」

 

「軍の関係者はお前だろ」

 

帰りも壁を上から乗り越えてくる悠に、リゼが信じられないという目を向ける。

 

 

「はぁ、私だけクリアできず、か……」

 

「せ、先輩!落ち込まないでください!次はきっと大丈夫です!」

 

落ち込むリゼと、それを慰めるシャロについていくチノと悠。

 

「チノ、何と交換したんだ?」

 

「甘兎庵の割引券です。今度使います。——悠さんは?」

 

「俺は、リゼの勲章だ」

 

「なぜ私のだと決めつけ——あっ、それは——」

 

「また正解〜!」

 

これも、夢で出てきたリゼが持っていた勲章だ。

おそらく、あの場所は昔、リゼたちが宝物を入れた場所なのだろう。

数十年後に、そのままの状態で巡り会えるとは——なんとも言えない感情が込み上げてくる。

 

 

「この甘兎庵の割引券は千夜か」

 

「そうね。千夜はよくシストの宝物に割引券を使ってたわ」

 

「千夜さんらしいです」

 

そんな会話をしながら、ラビットハウスに帰還する振り回され隊。

途中で、ココアに遭遇。

 

 

「みんなぁ〜!!なんで私を置いていくのー!!」

 

「お前が爆睡してたからだよ」

 

「起こしても起きなかったじゃないですか」

 

「——あれ?もしかして2人とも起こしに来てくれてたの?」

 

「本当にしょうがないココアだな」

 

「本当にしょうがないココアさんです」

 

 

目を点にするココアに悠とチノが見事にハモる。

チノと悠の関係を

  • 進展させる
  • 現状維持
  • ココアに浮気ルート
  • リゼに浮気ルート
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