ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第百三十二話 ココアの「カップルごっこ」

「リーゼちゃん!手繋ごー?」

 

「あ、ああ——」

 

前でココアとリゼが手を繋いで歩く。——確かにカップルっぽい。

 

「見てて微笑ましいです」

 

「だな」

 

「なんで2人は手を繋がないの?」

 

「微笑ましいって、保護者か!」

 

ココアとリゼはノリノリだが、その後ろを歩くチノと悠は全くノリノリじゃないことに、ココアとリゼがつっこむ。

 

 

「もー恥ずかしがり屋さんだな〜はい、お姉ちゃんが手伝ってあげるー!」

 

ココアがチノと悠の手を結ばせる。

 

「「余計なお世話だ(です)」」

 

「息ぴったり!」

 

 

そういえば、朝ごはんを食べてなかったことに気がつく。

 

「急いでて、食べるの忘れちゃった……」

 

「ココアさんがギリギリまで寝てるからです」

 

「うっ……そうだ、甘兎庵で食べよう!」

 

チノの追求を逃れるために、慌てて話を進めるココアにリゼは呆れる。

 

 

「いらっしゃいませ〜。あら、ラビットハウスさん勢揃いね」

 

「違うよー!今日は『ダブルデート』の日なの!」

 

「ダブルデート?」

 

まずい、嫌な予感がする。

 

 

 

「まあ、ココアちゃんとリゼちゃんもそういう関係だったの!?」

 

「今日1日だけ『カップルごっこ』してるんだ」

 

驚く千夜にリゼが補足する。

——今の千夜、絶対シャロに報告しようとした。

 

 

「とりあえず、メニュー見てもわからないから千夜のオススメで頼む」

 

「は〜い!」

 

千夜が店の奥へ向かうと、リゼとチノがメニュー名につっこむ。

 

「わかりやすいメニュー名にしてくれよ。なんだこの『月明かりの湖畔』って——」

 

「これ、映画のセリフであったような……」

 

「リゼは本当に鈍感だな……」

 

シャロに報告されたらまずい状況になると理解していないリゼに、思わず悠がつぶやく。

いい加減シャロに気持ちに気がつけ——と言いたい。ココアも同様だ。

悠のつぶやきにチノも呆れる。

 

「全くです。ここには鈍感な人しかいませんね」

 

「——俺も含まれるの!?」

 

「当たり前です。悠さんも鈍すぎます」

 

「どうしたら鋭くなるんだ」

 

「ナイフを研ぎたいのか?」

 

「違う、そうじゃない……」

 

リゼもなかなか重症だ。

 

 

 

甘兎庵で朝食を済ませ、次はみんなでゲームセンターへ。

 

「さあ、今日こそ決着をつけましょう」

 

「ふん。チノ、俺に勝てると思ってるのか」

 

「「2人が熱い!!」」

 

前にゲームセンターで遊んでから、チノと悠は度々この場所で白熱した戦いを繰り広げている。

今日こそ決着をつけようと燃え上がるチノと悠に、ココアとリゼが圧倒される。

 

 

「わ、私たちは何をしようか……」

 

チノと悠が戦いに取り残されたココアとリゼ。

 

「プリクラ撮ろうよ〜!」

 

「よしきた」

 

ココアとリゼがプリクラを撮る。出てきた写真をココアが悠に見せびらかすが、悠は困惑する。

 

「な、なんだ、この『ラビットハウス・カップル姉妹爆誕☆』って……」

 

「えへへ〜いいでしょー!」

 

「カップルなのか姉妹なのかはっきりしろ!」

 

ツッコミどころ満載なプリクラ写真だ。

 

 

「チノと悠は撮らないのか?」

 

「どうして撮ると思ったんですか?」

 

「もー!本当に手が掛かるなぁ〜」

 

ココアがそう言ってチノと悠を無理やりぶち込んで写真を撮る。

 

「私が『ラブラブカップル♡』って書いてあげる〜」

 

「なんてことを……」

 

「やれやれです」

 

「ココア……あんまり無理強いするなよ、2人には2人のペースがあるんだからさ……」

 

「そうだぞココア」

 

「そうですよ、ココアさん」

 

「自分で言うな!!」

 

 

「チノちゃん、私たちも撮ろうよ〜」

 

「しょうがないココアさんですね。1枚だけですよ」

 

ココアとチノのやりとりを見て、リゼがこちらを見る。

 

「——なんだよ」

 

「——私たちも撮るか?」

 

「仕方ねぇな〜撮ってやるよ」

 

「なんで上から目線なんだ!?」

 

 

こうして、『ラビットハウス・仲良し姉妹☆』と『今日も絶賛振り回されてます』の2枚が追加された。

 

 

ゲーセンを後にして、しばらく街を散策していると、チノの携帯にシャロからメールが。

 

『ちょ!リゼ先輩がココアと付き合ったってどう言うこと!?』

 

「バレました」

 

「だろうな。だって千夜だしな」

 

頭を抱える2人を置いて、ココアとリゼのイチャイチャは加速する。

 

 

「リゼちゃん〜もふもふ〜」

 

「いつまで抱きついてるんだ!くすぐったい!」

 

「リゼちゃん、なでなでして〜!」

 

「しょうがないやつめ……」

 

 

「ラブラブです」

 

「だな……もはや『ごっこ』じゃない……」

 

イチャイチャするココアとリゼとは対照的に、チノと悠は冷めている。

別に不仲なわけではないが、ココアのようにイチャイチャするような性格じゃない。

 

 

「ねえリゼちゃん、知ってた?チノちゃんの頬っぺたってスベスベでモチモチで可愛いんだよ〜」

 

「な、何を言い出すんですか突然!」

 

「そうなのか!ココア!」

 

「悠が今日一番生き生きしてる!?」

 

悠はチノの頰を引っ張る。

 

 

「にゃ、にゃにをしゅるんでしゅか……」

 

「か、可愛い……っていうか意外と伸びるな……」

 

チノは悠の手をどかすと、まんざらでもない様子で

 

「やめてください。顔が伸びてしまいます」

 

と言った。

 

リゼも悠に見習ってココアの頰を引っ張るが——。

 

 

「「ウーパールーパーにしか見えない」」

 

リゼと悠が全く同じ感想をつぶやくと、チノが「ぷぷっ」と吹き出す。

 

 

「そろそろお昼だね!うーん、甘兎庵はさっき行ったし——今度はフルールに行こう!」

 

「ああ、それがいい。ついでにシャロにも会いに行こう」

 

「「この鈍感!!」」

 

相当な鈍感か、あるいは鬼畜なのか、フルールへ行こうとするココアとリゼにチノと悠がつっこむ。

 

——この「ダブルデート」の結末はいったいどうなるのだろうか。

チノと悠の関係を

  • 進展させる
  • 現状維持
  • ココアに浮気ルート
  • リゼに浮気ルート
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