「リーゼちゃん!手繋ごー?」
「あ、ああ——」
前でココアとリゼが手を繋いで歩く。——確かにカップルっぽい。
「見てて微笑ましいです」
「だな」
「なんで2人は手を繋がないの?」
「微笑ましいって、保護者か!」
ココアとリゼはノリノリだが、その後ろを歩くチノと悠は全くノリノリじゃないことに、ココアとリゼがつっこむ。
「もー恥ずかしがり屋さんだな〜はい、お姉ちゃんが手伝ってあげるー!」
ココアがチノと悠の手を結ばせる。
「「余計なお世話だ(です)」」
「息ぴったり!」
そういえば、朝ごはんを食べてなかったことに気がつく。
「急いでて、食べるの忘れちゃった……」
「ココアさんがギリギリまで寝てるからです」
「うっ……そうだ、甘兎庵で食べよう!」
チノの追求を逃れるために、慌てて話を進めるココアにリゼは呆れる。
「いらっしゃいませ〜。あら、ラビットハウスさん勢揃いね」
「違うよー!今日は『ダブルデート』の日なの!」
「ダブルデート?」
まずい、嫌な予感がする。
「まあ、ココアちゃんとリゼちゃんもそういう関係だったの!?」
「今日1日だけ『カップルごっこ』してるんだ」
驚く千夜にリゼが補足する。
——今の千夜、絶対シャロに報告しようとした。
「とりあえず、メニュー見てもわからないから千夜のオススメで頼む」
「は〜い!」
千夜が店の奥へ向かうと、リゼとチノがメニュー名につっこむ。
「わかりやすいメニュー名にしてくれよ。なんだこの『月明かりの湖畔』って——」
「これ、映画のセリフであったような……」
「リゼは本当に鈍感だな……」
シャロに報告されたらまずい状況になると理解していないリゼに、思わず悠がつぶやく。
いい加減シャロに気持ちに気がつけ——と言いたい。ココアも同様だ。
悠のつぶやきにチノも呆れる。
「全くです。ここには鈍感な人しかいませんね」
「——俺も含まれるの!?」
「当たり前です。悠さんも鈍すぎます」
「どうしたら鋭くなるんだ」
「ナイフを研ぎたいのか?」
「違う、そうじゃない……」
リゼもなかなか重症だ。
甘兎庵で朝食を済ませ、次はみんなでゲームセンターへ。
「さあ、今日こそ決着をつけましょう」
「ふん。チノ、俺に勝てると思ってるのか」
「「2人が熱い!!」」
前にゲームセンターで遊んでから、チノと悠は度々この場所で白熱した戦いを繰り広げている。
今日こそ決着をつけようと燃え上がるチノと悠に、ココアとリゼが圧倒される。
「わ、私たちは何をしようか……」
チノと悠が戦いに取り残されたココアとリゼ。
「プリクラ撮ろうよ〜!」
「よしきた」
ココアとリゼがプリクラを撮る。出てきた写真をココアが悠に見せびらかすが、悠は困惑する。
「な、なんだ、この『ラビットハウス・カップル姉妹爆誕☆』って……」
「えへへ〜いいでしょー!」
「カップルなのか姉妹なのかはっきりしろ!」
ツッコミどころ満載なプリクラ写真だ。
「チノと悠は撮らないのか?」
「どうして撮ると思ったんですか?」
「もー!本当に手が掛かるなぁ〜」
ココアがそう言ってチノと悠を無理やりぶち込んで写真を撮る。
「私が『ラブラブカップル♡』って書いてあげる〜」
「なんてことを……」
「やれやれです」
「ココア……あんまり無理強いするなよ、2人には2人のペースがあるんだからさ……」
「そうだぞココア」
「そうですよ、ココアさん」
「自分で言うな!!」
「チノちゃん、私たちも撮ろうよ〜」
「しょうがないココアさんですね。1枚だけですよ」
ココアとチノのやりとりを見て、リゼがこちらを見る。
「——なんだよ」
「——私たちも撮るか?」
「仕方ねぇな〜撮ってやるよ」
「なんで上から目線なんだ!?」
こうして、『ラビットハウス・仲良し姉妹☆』と『今日も絶賛振り回されてます』の2枚が追加された。
ゲーセンを後にして、しばらく街を散策していると、チノの携帯にシャロからメールが。
『ちょ!リゼ先輩がココアと付き合ったってどう言うこと!?』
「バレました」
「だろうな。だって千夜だしな」
頭を抱える2人を置いて、ココアとリゼのイチャイチャは加速する。
「リゼちゃん〜もふもふ〜」
「いつまで抱きついてるんだ!くすぐったい!」
「リゼちゃん、なでなでして〜!」
「しょうがないやつめ……」
「ラブラブです」
「だな……もはや『ごっこ』じゃない……」
イチャイチャするココアとリゼとは対照的に、チノと悠は冷めている。
別に不仲なわけではないが、ココアのようにイチャイチャするような性格じゃない。
「ねえリゼちゃん、知ってた?チノちゃんの頬っぺたってスベスベでモチモチで可愛いんだよ〜」
「な、何を言い出すんですか突然!」
「そうなのか!ココア!」
「悠が今日一番生き生きしてる!?」
悠はチノの頰を引っ張る。
「にゃ、にゃにをしゅるんでしゅか……」
「か、可愛い……っていうか意外と伸びるな……」
チノは悠の手をどかすと、まんざらでもない様子で
「やめてください。顔が伸びてしまいます」
と言った。
リゼも悠に見習ってココアの頰を引っ張るが——。
「「ウーパールーパーにしか見えない」」
リゼと悠が全く同じ感想をつぶやくと、チノが「ぷぷっ」と吹き出す。
「そろそろお昼だね!うーん、甘兎庵はさっき行ったし——今度はフルールに行こう!」
「ああ、それがいい。ついでにシャロにも会いに行こう」
「「この鈍感!!」」
相当な鈍感か、あるいは鬼畜なのか、フルールへ行こうとするココアとリゼにチノと悠がつっこむ。
——この「ダブルデート」の結末はいったいどうなるのだろうか。
チノと悠の関係を
-
進展させる
-
現状維持
-
ココアに浮気ルート
-
リゼに浮気ルート