ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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今回の話は、食事中の方はなるべく閲覧を控えた方がいいお話です。

ご了承ください。


第百三十七話 シャロ宅防衛隊(前編)

突然、ラビットハウスに1本の電話がかかってきた。

今日は、ココアは千夜と遊びに行き、リゼは部活の助っ人で、ラビットハウスにはチノと悠の2人しかいない。

悠が受話器を取る。

 

 

「はい、こちらラビットハウスです」

 

『——悠?大変なの、すぐに来て!』

 

電話の向こうからシャロの声がする。——いったい何があったのだろうか。

 

「どうしたんだ?」

 

『お願い……すぐに来て……説明は後でする……』

 

今にも泣き出しそうなシャロの声に、悠は「わかった、待ってろ」と受話器を置く。

 

 

「チノ、シャロからSOSだ。俺はシャロの家に行くけど、1人で大丈夫か?」

 

悠がそう聞くと、チノは

 

「いえ、ちょうど閉店の時間なので私も行きます。シャロさんに何があったのか心配です」

 

と答えた。悠は「よし」とうなづいて、店の扉にぶら下がっているプレートを「closed」に変える。

 

 

 

シャロの家の前に到着すると、シャロが外で泣いていた。

 

「おい、大丈夫か?何があった?」

 

「シャロさん!しっかりしてください!」

 

「うぅ……チノちゃん、悠くん……って、リゼ先輩は……?」

 

「あいにく、部活の助っ人に行ってて今日はいないんだ。俺とチノで我慢しろ」

 

涙を拭いながら駆けつけてきたチノと悠に事情を説明するシャロ。

どうやら、家の中に数匹「()()()()」が湧いたらしい。

 

「1匹だけならなんとか——でも、何匹かいるみたいなの……」

 

「そ、それって——ご、ゴキ……」

 

チノが震える。無理もない、()()()()は人類の天敵と言える生き物だ。

 

 

「要するに、退治してほしいと」

 

「そうなの……ココアにも千夜にもリゼ先輩にも電話したのに——みんな留守電で……」

 

——部活中のリゼはともかく、ココアと千夜はいったい何をしているんだ。

 

 

「まあいい、とりあえず中に入るぞ」

 

「無理!私、他の虫には慣れてるけど、あれだけはダメなのー!!」

 

「わ、私も——」

 

シャロとチノがそう言って、自分たちは外で待つと主張する。

悠は「へいへい」とうなずいてシャロの家の中へ。

 

 

「——おじゃまします」

 

悠が部屋の中へ入ると、早速カサカサと音が聞こえる。

 

「やれやれ。夏はよく湧くんだよな〜この生き物」

 

「な、なんでそんなケロッとしていられるんですか——!」

 

窓の外からチノが悠にいう。

悠はそれをスルーして、部屋の中を探索する。——というのも、今武器を持っていない。

奴が姿を現しても攻撃できないのだ。

まずは、部屋の中にある道具で武器を作らねば。

 

 

「お、こんなところに雑誌発見!」

 

悠がそういって床に転がっている雑誌を手に取ると、窓の外でシャロが発狂する。

 

「やめてー!それは私が全財産をはたいて買ったリゼ先輩が載ってる雑誌ー!!」

 

「うるさい奴だな、部屋が危険地帯になるのと、雑誌がお亡くなりになるの、どっちがいいか選べよ」

 

「うっ……地味に高いのよね、その雑誌……。諦めきれないわ」

 

「——じゃあティッピーで潰すか」

 

悠が冗談交じりにそういうと、ティッピーは青ざめた顔で

 

「のぉぉぉぉ!!!」

 

と叫ぶ。チノも「そんなことしたらティッピーが——」と止める。

 

 

雑誌は使えないようだ。

しばらく辺りを見回すと、今度はハーブティーの本。

 

「これは?」

 

「そ、それも勘弁してほしいけど——まあそれなら諦められるわ」

 

シャロが悔しそうな表情を浮かべる。

 

 

さて、ここからが腕の見せ所だ。と張り切るが、悠が部屋の中に入ってしばらくすると、音が聞こえなくなる。

 

「なんでだ、俺にビビってるのか?」

 

「————」

 

煽っても反応はない。当然といえば当然だが。

 

「悠さん、あっちです!」

 

チノがキッチンの方を指差すと、悠はそれを見逃さない。

——まずは、1匹。

 

「シャロ、死体はどうする?」

 

「「ぎゃあああああ!!!!」」

 

悠が無邪気に潰れた死体が乗った本を窓から顔を覗かせてるチノとシャロに見せる。

悪意はなかったのだが、2人を怯えさせてしまった。

 

「す、すまん。そういうつもりはなかったんだが——」

 

「ゆ、悠さんのせいで心臓が破れそうでした……」

 

「ほんと、あんたって人は——。死体はトイレにでも捨てておいてくれる?」

 

「了解〜」

 

 

さて、シャロの話によるとあと2匹いるそうだ。

これは、長期戦になりそうだ。

チノと悠の関係を

  • 進展させる
  • 現状維持
  • ココアに浮気ルート
  • リゼに浮気ルート
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