ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第百四十一話 ココアとお留守番

「はぁ……」

 

「え、えーっと——そうだ!私がチノちゃんになるから落ち込まないで!」

 

「いや、どうしたらそうなるんだ!?」

 

落ち込む悠を見て、慌てるココア。

と、いうのも、今ラビットハウスにはココアと悠の2人しかいない。

チノと里恵はマメ隊と2泊3日のお泊まり会に出かけた。

 

 

「私だって寂しいよ……チノちゃんと2日も会えないなんて——」

 

「まあ、そんな遠くに行ったわけじゃないし、会おうと思えば会えるけどな……」

 

一番被害を受けているのは、悠でもココアでもない、ティッピーだ。

 

「おい、そろそろ泣き止めよ」

 

「ううっ……」

 

「ティッピーも寂しいんだね。よしよし……」

 

先ほどから大泣きしているティッピーをココアが撫でる。

 

 

「ほら!私をチノちゃんだと思って!もふもふしていいんだよ!」

 

「お前が俺をもふもふしたいだけだろ」

 

「えへへ、バレた?」

 

「全く……」

 

しばらくして、ラビットハウスに千夜とシャロが遊びに来た。

そして、落ち込むティッピーと悠を見て驚く。

 

 

「悠?——何かあったの?」

 

シャロが心配そうに聞いてくる。悠の代わりにココアが事情を説明すると、シャロは「なんだ……」と肩を下ろす。

 

 

「なんだじゃないだろ!生命の維持に関わる一大事だぞ」

 

「そんなに深刻なの!?」

 

「まあ、悠くんは遠距離が苦手なタイプね」

 

「千夜ちゃん、シャロちゃん。どうしたら元気出してくれると思う?」

 

「ココアちゃんがチノちゃんの真似をすればいいんじゃないかしら」

 

先ほどのココアと全く同じ発想をする千夜に、悠が

 

「お前ら——2人揃って息ぴったりだな——」

 

というと、ココアと千夜は手を繋いで

 

「だって私たち親友だもんね!」

 

「ねー!」

 

とじゃれ合う。

 

 

 

「あっ、悠——」

 

何かを思い出したようにシャロが悠の名前を呼ぶ。

 

「なんだ?」

 

「その——あのパーカー、あんたが私の分を作ろうって提案してくれたんでしょ?お、お礼を言っておこうと思って——」

 

「粋な計らいだろ?」

 

「私、今ではあのパーカーがないと寝られなく——」

 

「そんなに!?」

 

シャロもなかなか重症だ。

 

 

 

「悠くん!泣きたい時は私の胸で泣いてもいいんだよ!」

 

「ココア——」

 

「私の胸はパブリックスペースだから!」

 

「あらゆる誤解を生む表現だ!!」

 

得意げにそういうココアに悠がツッコミを入れる。

 

「悠、たった2日離れるだけじゃない。そんなに落ち込むことないわ」

 

「シャロ——お前は2日リゼの顔が見られなくても生活できるのか?」

 

悠の発言に、シャロは「そ、それは——」と弱腰になる。

 

 

 

その日の晩、ココアと悠は早速夕食に困っていた。

 

「さて、料理人が2人もいない件についてどうしようか」

 

「お姉ちゃんが悠くんの大好きな料理を作ってあげるよー!」

 

ココアが腕をまくりながらそう宣言する。——その自信が怖い。

 

「じゃあ、チノの手料理を作ってもらおうかな?」

 

「チノちゃんの味を完全に再現してほしいってこと!?」

 

鬼畜な悠のリクエストにココアがツッコミを入れる。

 

「冗談だ、お前が料理すると失敗しそうだから、俺が何か作るよ」

 

「私——お姉ちゃんなのに全然ダメだね……」

 

「——一緒に作るか?」

 

落ち込むココアに悠がそういうと、ココアはパッと顔を明るくして「うん!」と頷く。

 

結局、その日の晩に完成したのは、そこそこ綺麗に作れたオムレツと、もはや何の料理かわからない妙な形をしたオムレツだった。

 

 

 

 

 

「——悠くん、くすぐったいよ……」

 

「——ん?」

 

名前を呼ばれたような気がして目を覚ますと、朝になっていた。

目を開けると目の前にココアが見える。

 

「なんで俺の部屋で寝てるんだよ!ココア!!」

 

そう叫ぶと、ココアがゴニョゴニョと寝言をつぶやく。

 

「悠くん、お姉ちゃんって呼んで〜……」

 

——いったいどんな夢を見ているんだ。

 

 

 

悠がココアを放置したまま部屋を出て、朝の支度を済ませる。

歯磨きやら洗顔やらを済ませてもう一度部屋に戻ると、まだココアが寝ている。

 

「おいおい——」

 

「悠くん、耳に息はダメだよ〜……」

 

「まだ寝言言ってやがる——そうだ」

 

悠が何かを思いついたように、ココアの耳に口を近づけると、ふっと息を吹きかける。

 

「うわあああ!!!」

 

ココアがガバッと起き上がった。

 

「な、なんかすごいインパクトを感じたよ!?」

 

「効率よくココアを起こせる方法を見つけたぞ。今度チノにも教えよう」

 

 

こうして、ココアと悠の2人きりの留守番が始まる。

チノと悠の関係を

  • 進展させる
  • 現状維持
  • ココアに浮気ルート
  • リゼに浮気ルート
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