今日は休日だ。
ココアの誘いで、街へ出かけることになった。
「この街、本当にきれいだよね」
「そうですね」
ココアとチノが前を歩く。その後ろを悠と里恵がついていく。
「あれって、リゼちゃんじゃない?」
ココアが指差す先には、服を選んでいるリゼの姿が見える。
「ああ、確かにリゼだな」
「お洋服を選んでる……」
「私たちはあまり着ない系統の服ですね」
里恵とチノもリゼに気がつく。
服を選ぶリゼの手元を見ると、ミリタリー系の服。
——チョイスがいかにもリゼらしい。
「ぐぬぬ……」
リゼは何やら迷っているようだった。——何に迷ってるのかは知らないが、深刻な顔。
「なんかリゼちゃんが葛藤してるよ!」
「乙女心は複雑みたいです。そっとしておきましょう」
ココアとチノがスルーしてリゼの後ろを通ると、悠と里恵もそれに合わせてスルーする。
「悠さん、ちょっとお願いが……」
「なんだ?」
チノがこちらに振り向く。
「少し付き合ってもらえませんか」
チノに連れて行かれたのはゲームセンターだ。
前にここでチノと激しいバトルを繰り広げたことがある。
「UFOキャッチャーなんですが、その……調子が悪くて。やり方を教えてもらってもいいですか」
「ああ、いいよ」
「悠くん、UFOキャッチャー得意なの?」
「まあ人並みにはできるぞ」
ココアが意外そうに尋ねると、「私もやるー!」と便乗した。
「チノちゃん!」
「はい……?」
先ほどから失敗を繰り返すチノに、ココアが後ろから抱きつく。
「私のパワーを分けてあげるー!」
——この状況、どこかで見たことがある。
——しばらくして、チノが欲しがっていたぬいぐるみが取れた。
「納得いきません」
「このシチュエーションどこかで……」
不満げなチノの顔に悠がつぶやく。
「里恵は何か欲しいものあるのか?」
「んー、あっ、お兄ちゃんとチノちゃんのラブラブなプリクラが欲しい」
「なんて恐ろしい妹だ……」
「なっ……それはご遠慮ください」
チノが慌てて里恵の要求を却下すると、里恵は「残念だな〜」と大げさに落ち込む。
この後、ココアと里恵に半ば強引にプリクラを撮影させられた。
チノのお目当てだったぬいぐるみは取れたが、チノは少し不満そうだ。
無理もない、自分の実力というよりは、「ココアのパワー」によって取れたものだ。操作もほとんどココアが行なった。
「——な、なあ、そんなに落ち込むなよ」
「ココアさんのせいです」
「ココアー!!」
「なんで私怒られてるの!?」
ゲームセンターからの帰り道。そんな会話をしながら歩いていると、リゼとすれ違った。
「リゼさん?」
「はい!」
すれ違ったリゼにチノが名前を呼ぶ。
——が、リゼの様子がおかしい。先ほどとは髪型も服装も異なる。
いつものリゼとは違い、「お淑やかで優雅なお嬢様」感が溢れている。
——こんなこと本人の前で言ったらどうなるか考えただけで恐ろしいが。
「人違いでした。すいません」
「えっ?」
あまりの変化にチノもリゼがリゼだと判別できないようで、人違いだと謝る。
「さっきとは髪型も服装も違うもんね〜」
ココアがそういうと、リゼの顔が引き攣る。
——「見られてたのか」と焦ったか。
「でも、リゼって呼んだら反応しただろ」
悠がそういうと、リゼは持っていたカバンで顔を隠して、
「ま、間違えました——私、『ロゼ』という名前なので——」
とごまかす。
「驚きました……。ロゼさんにそっくりな人がうちの喫茶店で働いているんです」
チノがそういうと、またリゼの顔がわずかに引き攣る。
「ほ、本当?それは是非、行ってみたいわ〜……」
「『ラビットハウス』というお店です。お待ちしてます」
「は、はい!いつか必ず——じゃ!」
リゼはそれだけいうと、去っていった。
「いつか必ずって……さっそく明日のバイトで店来るだろ……」
「え?悠くん、何か言った?」
「なんでもない!」
——ココアたちの鈍さに呆れる悠だった。
『カットモデルを頼まれたのはまだしも、買った服をすぐ着たくなるなんて……』
とか考えてそうな顔だった。
ティッピーの方を見ると、ティッピーもロゼの正体に気が付いたのか、呆れた顔をしている。
「私、人見知りするんですが、今の人とはすぐに話せました」
「チノちゃん、すごーい!」
「チノちゃん!おめでとー!」
褒めるココアと里恵に、チノは
「——これって、もしかしてココアさんの影響!?」
と騒ぐが、悠とティッピーは
「「やれやれ……」」
と呆れるのだった。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート