「じゃあ、行ってくる」
「はい、気をつけて」
午後、ラビットハウスをココアとチノに任せ、悠は図書館へと向かった。
ここ最近、悠は定期的に図書館へ通っている。読みたい本の貸し借りも含め、主に勉強のためだ。
ラビットハウスで勉強しても良いのだが、主にココアがやかましいせいで何かと集中できない。
チノに図書館の場所を教えてもらってから、定期的に通うことにした。
「って、シャロもいるのか」
「悠じゃない。あなたも勉強しに?」
「ああ、満席みたいだし、前いいか?」
「別に良いわよ」
今日は珍しく人が多い。とてもいい天気なのに……。
黙々とシャロと勉強をする。
が、沈黙を破ったのはシャロだった。
「勉強は得意なの?」
「まあ、普通だな」
「そう」
こんな短い会話を何度か続けていると、あっという間に日が沈む頃になった。
「じゃあ、私帰るわね」
「ああ、なんなら暗いし、送っていこうか?」
「べ、別にいらないわよ!」
そうか、こいつの家は、きっとデカい家に違いない、送り迎えなんてボディーガードか何かがするだろう。
「そうか。じゃあまたな」
「ええ」
さて、そろそろ帰ろうかと席を立ち上がって、窓を見ると、小雨ではあったが雨が降っていた。
「マジか……。傘持ってきてないぞ」
さっきまでものすごい晴れていたのに……。
外へ出ると、傘を持っていたチノがいた。
「あっ、チノ」
「悠さん。まだ図書館に居たんですね。よかった。傘を――」
「おいまて……」
傘を届けに、ということは、普通なら自分用の傘と相手用の傘を2つ持って出かけるものだが、なぜチノは1つしか持ってきていないのか。
「あ、里恵さんから、これで大丈夫だから早く行ってきてって」
「あの野郎……」
たまには気の利くこともするじゃないか――おっとつい本音が。
「いや、いいや。俺はそこら辺の店で傘買って帰るから、チノはそのまま帰ってくれ」
「しかし……これ以上傘が増えると困ります。ココアさんがいつも買ってくるので」
「そういえば、店の傘立てぎっしり詰まってたな。何してるんだよココアのやつ……」
「まったくです」
「チノは俺と相合い傘になるけどいいのか?」
すると少しチノの顔が赤くなって
「べ、別に私はかまいませんよ!」
「ほう」
お互いなぜか意地を張って、結局相合い傘になった。
「悠さん、そんなに端っこいってたらぬれますよ」
「ぐ……」
いかん、立場が逆になろうとしている。いや、もう手遅れか。
こんなところリゼにでも見つかったらどんな目に遭うかわからん。
「あら、悠。さっきぶりね――ってな!!?」
「あらあら」
千夜とシャロが歩いていた。何事も無かったかのようにすれ違おうとしたが、不幸にもシャロと目が合ってしまった。
「あらまあ、2人とも……ラブラブね」
「悠、あんたやっぱり」
「おい、何度も言うがそういう趣味はないぞ。だいたい1つしか歳違わないからな?」
「千夜さんたちは何をしてるんです?」
「チノも何か言ってやれよ!なんでスルーするの!?」
「2人とも遅いねー」
窓の外を見ながらココアが言う。
「まあ、今頃お兄ちゃんはめっちゃ楽しんでるでしょうね〜」
「お、おい、チノに何を」
「そういえば、チノちゃん傘2つ持って行ってたっけ?」
店のドアが開き、チノと悠が帰ってきた。
「おかえりなさーい!あれっ……傘が1つ??」
ココアが余計な一言を発したために店内は騒然となった。
「てことは相合い傘!?悠……もう言い逃れはできないぞ」
「むぅ、もう悠くんがお兄ちゃんでいいよ!」
「お兄ちゃん、さすがにそれは」
「お前が仕込んだんだろうがー!」
「なんで皆さん怒ったり泣いたりしてるんですか?」
当事者もチノだけが会話について行くことができなかった。
どの組み合わせがお好きですか?
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠