姉妹ごっこ2日目を迎えた朝。
リゼ宅では、里恵があることに気がつき、「はっ!」と青ざめる。
「どうした?」
リゼがすかさず事情を聞く。
「まさか——お兄ちゃん、チノちゃんと2人きりだからといって調子に乗って何かやらかしてるかも——」
里恵がそういうと、リゼも「あー!」と気がつく。
「しまった!すっかりそのことに気がつかなかったぞ!確かに悠のことだからありえるかも——」
その会話をココアが聞き、「ヴェアアアア!!チノちゃん取られるー!!」と泣き喚く。
「すでに手遅れということもありそうだが、とりあえずラビットハウスに行って様子を確かめよう」
リゼがそういうと、ココアが
「よーし!ラビットハウスに潜入だよー!」
と敬礼する。
〜ラビットハウス〜
リゼ宅の騒動を知らず、のんびり開店の支度を始めるチノと悠。
「昨日はよく眠れたか?」
「はい」
「なんだ、てっきり怖くてよく眠れなかったとか言い出すのかと思ってたぞ」
「子供じゃないです」
「でも俺の部屋にはきたけどな」
「——早く在庫確認してください」
「はいはい、わかったよ」
顔を赤くしてそっぽ向くチノに悠が苦笑いする。
やがて、ラビットハウスが開店する。
リゼ、ココア、里恵の3人が窓の外から中を確認する。
「どう?中の様子は」
里恵がそう尋ねると、
「——いつも通りって感じだな」
「そうだね……でもチノちゃん、悠くんと楽しそうに喋ってる……」
リゼとココアが報告した。
里恵は人影に気がついて、2人に「隠れて!」と指示する。
——千夜とシャロだ。
「こんにちは〜」
「バイトがなくなったから遊びに——ってあれ?リゼ先輩は?」
「ココアちゃんもいない!?」
ラビットハウスに入ってきた千夜とシャロは、チノと悠しかいないことに驚く。
「何を言っているんだ。ココアもリゼも、この店にはいないぞ」
悠がそうやってとぼけると——
「あら、パラレルワールドかしら?」
「どういうことー!?」
と2人が慌てる。
「悠さんの冗談ですよ。今、『姉妹ごっこ』をしているので、ココアさんもリゼさんもお休みです」
チノが事情を説明すると、2人は「姉妹ごっこ——?」とハモった。
「姉妹ごっこ」について詳しく説明すると、シャロが泣き出した。
「私——リゼ先輩の妹になりたかった——」
「な、泣くな!とりあえずこのコーヒーでも飲め」
突然泣き出すシャロに動揺した悠がコーヒーを差し出す。
「悠さん、それは逆効果かと——」
「リゼ先輩を諦めきれないわー!!」
「悪化したな」
「悪化しました」
「あらあら——」
コーヒーを飲んでハイテンションになったシャロは、どうしてもリゼの妹になりたいと店を飛び出す。
——リゼを探しに行ったようだ。
「シャロ——」
「リゼ先輩!」
「すまん。シャロの気持ちに気がつけなかった——」
「リゼ先輩……!」
こうして、シャロも姉妹ごっこに参加することになった。
「あーっ!!」
ココアがラビットハウスの中を指差す。
「どうした!」
リゼが慌てて中を覗くと、千夜がチノや悠と手を繋いで
「私たちが組めば天下だって取れるわー!」
と、どうやら千夜はチノや悠と組んで姉妹ごっこに参加したようだ。
「千夜ちゃんが取られちゃった——」
「千夜——あんなに楽しそうに——」
ココアとシャロの嫉妬の目線には気がつかず、ラビットハウスにいる3人は「おー!」と謎の掛け声をかける。
「千夜がいるなら安心だな」
「それは、どうだろう……」
リゼが安堵するが、里恵は逆に不安になってきた。
それはシャロも同じようで、
「逆に心配ね……」
と呟く。
「ということは、千夜が一番上ってことになるのか」
「そうね。気軽に『千夜お姉ちゃん』って呼んでくれていいのよ」
「千夜お姉ちゃん……早速店を手伝ってくれよ」
悠がそういうと、千夜はいつものココアがやっているように
「お姉ちゃんに任せなさーい!」
とポーズを決める。ココアより姉オーラが出ている様子に、思わずチノも悠もツッコミを入れてしまう。
「ダメです。本当に姉オーラが出てしまってます」
「ああ、美化されてるな」
「でも、普段やらないことまでしてくれて——ありがとうございます」
ラビットハウスの手伝いをする千夜に、チノが言うと、千夜は少し恥ずかしがった様子で
「いいのよ。ラビットハウスごっこは一人でよくやってるから——」
「「えっ……」」
千夜の一言にチノと悠が困惑した。
〜リゼ宅〜
一方、リゼの家に帰宅した一行は、リゼのことを「リゼ先輩」と呼ぶシャロにココアが違和感を覚えていた。
「シャロちゃん、姉妹ごっこやってる間は『リゼ先輩』じゃなくて『リゼお姉ちゃん』って呼んだらどうかな?」
ココアの提案に、シャロが納得する。
「確かに——それもそうね——」
「リ、リゼお姉ちゃん——今日の夕飯の買い出しはどうしま——どうする?」
「シャロ!?カフェインでもとったのか!?」
突然キャラが変わったシャロに、リゼが酔ったのかと心配する。
〜ラビットハウス〜
店での仕事が終わり、チノの部屋で遊ぶことになった。
「おばあちゃんに連絡してお泊まりOKだったわ」
「それは良かったです」
千夜も泊まることになった。
チノ、千夜、悠の組み合わせは初めてかもしれない。
「千夜はどうして、甘兎庵のメニューを変な——いや個性的な名前にしてるんだ?」
「今、変な名前って言おうとしましたよね?」
「うるさいぞ」
悠が尋ねると、チノが小声でツッコミを入れてくる。千夜はニッコリと微笑んで
「できた和菓子に名前をつけることが大好きなの」
「そうだったのか。——だけどその、お客さんは混乱しないのか?」
「一回普通にやってみてはどうでしょう」
悠とチノがそう言うと、千夜は「わかったわ」と一回普通のメニュー名で接客してみることに。
チノと悠がお客役だ。
「お待たせしました。こちら、新作の桜餅です。——ダメよ!私、負けちゃう!!」
「「誰に!?」」
チノと悠がハモる。
〜リゼ宅〜
「リゼお姉ちゃ〜ん」
「な、なんだ?」
そろそろ「お姉ちゃん」と呼ばれるのに慣れてきたリゼ。
「チノちゃんたちに、楽しそうな写真送ろうよ!」
「具体的には何をするんだ?」
ココアの提案に、リゼが質問する。
「まずは前髪をぱっつんにしてみよう!」
「そこなの!?」
目を輝かせてそう言うココアにシャロがつっこむ。
「お、おかしくないかな……」
「大丈夫!とっても似合ってるよー!」
ココアがそういって撮った写真を千夜の携帯へ送信した。
そして、数分後。
「千夜ちゃんから返信だ〜!」
「どれどれ」
一同がココアの携帯に顔を覗かせる。
『みんな、とっても似合ってるわ!こっちは悠くんを囲む会よ!』
千夜からのメールには、その一文と悠の肩に頭を乗せて眠るチノと千夜に抱きつかれて顔を赤くする悠の写真が添えられていた。
「「「「大丈夫じゃなかった!!」」」」
思わず全員ハモってしまった。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート