「————」
「————」
夜遅く。人の気配を感じて目を薄っすら開けてみると、チノが悠の部屋にきていた。
——なんだ。まさか夜這い?
「——寝てますか?」
「————」
あえて黙って寝たふりをしてみる。
「寝てますよね?」
「————」
まさか、チノは悠の狸寝入りに気がついているのだろうか。
「どうしましょう……」
何やら困った様子だ。気になるが、ここはぐっと堪えて寝たふりを続ける。
「寝てるときの悠さん——ちょっと子供っぽくてかわいいです」
「チノ?」
「なっ!い、いつから起きてたんですか!?」
思わず反応してしまった。
「え、えっと……今起きたぞ?」
「今の、聞いていましたか?」
「な、なんのこと……?」
「さては聞いていましたね。忘れてください」
「それは無理かな……」
悠が苦笑いすると、チノはさらに顔を赤らめた。
「眠れないって?」
「はい……さっきココアさんとコーヒーの違いを当てるゲームをしたからでしょうか」
どうやら、眠れないチノは悠が起きていないかと部屋にやってきたようだ。
「俺もチノが恥ずかしいこと言うから眠気吹っ飛んだな……」
「だから、さっきのは忘れてください!冗談ですから!」
悠は大きくあくびして、チノに提案する。
「よし、それなら深夜徘徊だ!」
「——深夜徘徊?」
深夜に男女2人きりで人気のなくなった街を散歩——。
そういえば、前にリゼと遭遇したことがあったな。
「この前も、暑くて眠れない時に散歩してたんだ」
「そうでしたか。ですが、こんな夜中に——誰かに見つかったら怒られないでしょうか」
「大丈夫だ。誰もいないし——」
公園に到着した。前回、リゼと遭遇した場所だ。
「あっ、ちょっとお手洗いに行ってきます」
公園にあった公衆トイレを見てチノがそう言う。
悠は「わかった」とうなずくと、トイレの近くにあるベンチに腰をかける。
「——チノのやつ、大丈夫かな」
トイレに不審者がいたらどうしようと心配していると——
「うわあああっ!!」
トイレからチノの悲鳴が聞こえる。
しばらくして、トイレから人影が素早く木陰に移動した。
悠は、女子トイレの前で「チノー!」と叫ぶ。——返答はない。
「あの木陰か——」
悠は気配を消して木陰に足を進める——が、突然視界が奪われた。
「だ〜れだっ」
お淑やかさの中に可愛さがある声だ。女性だろうか。どことなく千夜っぽい。
「その声は——千夜か?こんな夜中に街を徘徊するようなキャラでもないか……」
声の主を考察するが、すぐに答えがわかった。
「私だ」
目に覆い被さっていた手のひらがなくなり、夜の公園が見える。
そしてこの声——リゼだ。
「リゼ、ふざけてる場合じゃないぞ、チノが——」
「ほほう。やはりか。真夜中に幼い子を連れて徘徊している男がいると言う通報は——」
「待ってください。子供じゃないです」
木陰からチノが顔を覗かせる。
数分前——。
チノが手を洗っていると、突然視界が奪われた。
「うわあああっ!!」
「静かにっ!私はだ〜れだっ」
「——千夜さん?」
「私だよ。チノ、こんな夜中に何してるんだ!」
「リゼさん——驚かせないでください。実は——」
チノが悠と深夜徘徊をしていることを告げると、リゼは
「あいつ……チノと深夜徘徊なんて——もし何かあったらどうするんだ」
「子供じゃないです」
「よし、ドッキリをかけよう!」
リゼがそう言うと、チノは首をかしげる。
「ドッキリですか?」
「ああ、さっき悲鳴あげただろ、それを利用して——」
「それで今にあたるわけか」
悠がやれやれと呆れていると、リゼが笑う。
「お前の動き、スパイみたいで格好良かったぞ。そんな訓練もしていたとは」
「——別に訓練はしてないけど、チノを木陰に攫った罪を償ってもらおう」
「えっ?ちょ、まて!早まるなああああ!!!」
「あっ、頭に毛虫〜!」
「うわああああああ!!!なんてことをー!!!」
近くの木にとまっていた毛虫をリゼの頭に乗せると、リゼは悲鳴をあげてジタバタと走り回る。
「ふっ、リゼにはこれぐらいやってやらなきゃダメだな」
「やれやれです」
走り回るリゼと、「やってやったぜ」と勝ち誇る悠にチノが呆れた。
「で、リゼはなんで徘徊してるんだ?」
「その——実は家出したんだ。今夜はどこかでサバイバルしようかと思ってさ」
リゼはそう言うと、チノと一緒に木陰に隠したバッグを見せる。
「「家出!!?」」
チノと悠がハモる。
「ああ——親父と喧嘩したんだ……」
リゼはそう前置きして、何があったのか語り始めた。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート