「なに?進路の話で喧嘩?」
「ああ、そうなんだ——」
リゼは、そう行って公園の自販機で売られているジュースを一本購入する。
「お前らも飲むか?」
「いや、俺はいい」
「私も大丈夫です」
「そうか」
リゼは買ったジュースを一気に飲み干す。
「親父のやつ——なにもあんな……」
「そ、そんなにひどいこと言われたのか?」
悔しそうなリゼの表情に、思わずチノと悠が困惑する。
「いったい、どんな道へ——」
チノが恐る恐る尋ねると、リゼは深く息を吐いてから——
「小学校の先生になるって言ったら、笑われたんだ。それで喧嘩して——」
「小学校の先生——小学校って、6歳の時に入学して初等教育を受けるあの小学校か?その先生になるって?」
「なぜ、念を押す!?——そうだ!私は小学校の先生になる!」
「————」
チノと悠が顔を見合わせる。
——まだ幼い児童たちがリゼの周りを囲み、リゼのことを「リゼせんせー!」と呼ぶ、その光景を想像しているのだ。
「「ぷっ」」
チノと悠は吹き出る笑いを必死に堪える。
だが悠の方は抑え込むのに失敗したようだ。盛大に笑いが溢れ出る。
それを見てチノも「ぷぷぷっ」と小さく笑う。
「リゼが……ははははっ」
「おーまーえーらー!!!」
リゼが2人を追いかけ回す。
「ほらーっ!お前たちまで笑う!——やっぱり向いてないのかな」
「大丈夫だって、めっちゃ似合ってるぞ〜」
悠がニヤニヤした顔でそう言うと、リゼはまた顔を赤くして
「お前のそれは、本音なのか、あるいはからかってるのか——」
「で、今夜はサバイバルするのか?」
「ああ、とりあえず人目のつかないところで——」
「危なくないですか」
チノがそう言うと、リゼは
「大丈夫だ!親父の武器をパクってきたから!」
と、カバンから巨大な袋を取り出す。中身を聞くのも恐ろしい。
「わかったからその袋をしまえ!」
「リゼさんがよければ、今夜ラビットハウスに泊まってもらっても大丈夫ですよ」
「いいのか!?」
「はい」
チノがそう言うと、リゼの顔が明るくなる。
「み、みんなでお泊まり——」
「嬉しそうですね」
「別にそんなこと——!」
「はいはい、いつもの照れ隠しね」
「悠、この袋の中身が火をふく前に口を閉じておけよ」
「女子高生とは思えない脅迫文句だな——」
こうして、リゼの家出が幕を開ける。
「おーい、ココア!起きろー!」
下で朝食の準備をするチノと里恵を置いて、リゼと悠はココアを起こす。
相変わらず、悠の呼びかけに応答はない。
「リゼ」
悠がリゼの方を向いて短く名前を呼ぶと、リゼはこちらの意図を察したように「ああ」とうなずく。
「早く起きなきゃCQCかけちゃうぞ、お姉ちゃん」
リゼが声を変えて言うと、ココアはピクッと反応して
「どんとこいっ……」
と呟く。するとリゼは、すぐにいつもの声に戻り、
「そうか。じゃあ遠慮なく」
と冷たい声で言うと、ココアが目を覚ます。
「なんでリゼちゃん!!?」
「——というわけで、昨日からうちに来てもらいました」
朝食を食べつつ、チノがココアと里恵に事情を説明する。
「そっか〜!」
「家出に巻き込んですまない……」
「えっと……進路の話で喧嘩だっけ?」
「リゼのやつ、小学校の先生に——思い出しただけで——ぷぷっ」
悠がそうからかうと、リゼから「笑うなー!」と怒鳴り声が聞こえる。
「リゼちゃん、小学校の先生になるの!?」
ココアが驚きの声をあげ、里恵と顔を見合わせる。
——しばらくしてニッコリと笑みを浮かべる。
「お前たちまで——はぅぅ……」
少し怒った様子で皿洗いを手伝うリゼに、ココアが
「大丈夫だよ!似合ってるよ!」
と慰める。
「やっぱりココアもそう思うよなー!」
「うんうん!」
後ろで謎の意気投合を見せるココアと悠に、リゼがため息。
「悠と同じで本音なのか、からかってるのか……」
「本音だよー!」
ココアが弁解する。
「——やっぱり、私が先生って怖いのかな」
「銃持ってなきゃ大丈夫だ」
「——鬼軍曹って呼ばれちゃうかも」
「それはそれで慕われてるのでは……?」
リゼの独り言に悠とチノがそう返す。
「よーし!ココア先生に任せなさい!私の指示通りにすれば鬼も立ち去るよー!」
「「「ココア先生!?」」」
その場にいる全員が、ココアの唐突な発言に驚く。
「上等だ!かかってこい!」
「あれ!?先生にお願いする態度じゃない!?」
こうして、ココア先生の指導がはじまった
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート