「でも、なんで小学校の先生なんだ?どっちかっていうと『先生』というより『教官』ってキャラだろ」
悠がリゼに理由を尋ねると、リゼは「ああ、それは——」と前置きしてから話し始めた。
「私が小学校の先生になろうと思ったのは、チマメ隊の相手をしたのがきっかけだった」
「なるほど〜!教官と先生ってちょっと似てるもんね〜!」
ココアが満面の笑みで納得する。
悠も納得しかけたが、チノの一言でようやく違和感に気がつく。
「——つまり、私たち小学生……!?」
「——あっ、忘れてた!おい、リゼ!チノは来年から高校生だぞ!」
「忘れてたんですか!」
慌ててツッコミを入れる悠に、さらにツッコミを入れるチノ。
リゼは「す、すまん!そんなつもりは——」と容疑を否認した。
「やっと宿題終わった〜!」
ココアが両手を挙げて喜ぶ。
「溜めとくからこうなるんだぞ、ココア」
「もーお母さんみたいなこと言わないでよー」
「あれ……?このノートは——」
チノが机の下に落ちていたノートを拾う。
ココアと悠もそれに気がつき、顔を覗かせると、ノートには丁寧な字で何か書いてある。
『ココア——トマトNGだがケチャップはOK、人参とピーマンは微塵切りにすると気づかれない』
『チノ——セロリNG、人参とピーマンは微塵切りに一瞬むっととしたがOK』
『悠——納豆を出すと明らかに不快な顔をする。納豆以外はOK』
「なんだ、これは——」
ノートには、ココアたちの好きな食べ物や嫌いな食べ物に関する情報が綺麗にまとめられていた。
他にも、常連客の好みやまかないレシピまで書いてある。
「すごいです……私たちからお客さんの好みまで把握してくれてます……!」
「ちゃんと見てるんだね〜」
「リゼ……お姉ちゃん……」
感動のあまり涙が出てくる。まさかここまで真面目なやつだったとは。
ココアの宿題に付き合わされているとき、疲れが出たのか途中で眠ってしまったリゼ。
ココアが
「いつもありがとー、リゼせんせー」
とリゼの額にスタンプを押すと、リゼがガバッと起き上がった。
「あっ!『せんせー』で起きたー!」
『せんせー』というワードに敏感に反応するリゼを見てココアが大笑いすると、リゼは顔を真っ赤にして
「お前も似たようなもんだろ〜!」
とココアの肩を揺さぶる。
「リゼのやつ、ここにいた方がいい教師になりそうですよ」
『そんな!なんとか……頼む!俺の娘を返してー!!』
リゼの父親の叫びは悠以外の誰にも届かない。
「おい、一旦家に帰ってみたらどうだ?さっき電話したら、泣いて謝ってたぞ」
「なに!?親父のやつ、泣いてまで——」
少し話を盛ったが、悲鳴はあげていた。
「やれやれじゃ……早めに娘離れしておかないと、後が大変じゃぞ」
ティッピーが呆れた様子でそういう。
「あれ?確かチノの職場体験の時、随時甘兎庵の状況を報告させてた爺さんがいたような——」
ティッピーのブーメラン発言に、今度は悠が呆れる。
「わかったよ、一旦家に帰ってみるさ」
「ああ、そうしてくれ」
「またいつでも家出しに来てください。なんなら明日でもうちは歓迎です」
「うんうん!私たちが家出を徹底サポートするよー!」
「家出を推奨された!?」
やたらリゼの家出を歓迎するチノとココアにリゼがツッコミを入れる。
こうして、リゼの家出は一旦幕を閉じた。
孫離れできない爺さんについては「第三十二話 職業体験」からの話をご覧下さい!笑
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート