「悠さん、いきなりですが、お使いをお願いします」
「本当にいきなりだな——。まあいいけど」
「すいません。お使いが終わったらそのまま上がっても構いませんから」
「了解〜」
突然、チノに買い出しを頼まれた。どうやらココアの特製パンを作るのに必要な材料が切れたらしい。
だが、時間も遅い。もう日が暮れ始めている。
「じゃ、行ってくる」
「はい、お願いします」
「あ、待て悠!暗くて危ないだろう。これを持っていけ」
リゼに引き止められ、拳銃を渡される。
悠はそれをリゼに押し戻すと、
「いらねぇよ!物騒だな!」
「おい、素手で戦うつもりか!」
「なんで襲われる前提なんだよ!」
全く、困ったものだ。この前は「小学校の先生になりたい」とか言っていたが、本当に大丈夫だろうか……。
「ついでにチノに土産を買っていこうかな——」
「あれ?悠じゃない。どうしたの?こんな時間に……」
「お前の方こそ、なんでいるんだ?」
スーパーでシャロと会った。どうやらシャロも買い物に来たらしい。
カートに目を落とすと、「激安!」や「特売!」などと書かれた商品。
「お、お前も大変だな……」
「う、うるさいわね!ここのスーパー、この時間帯になると安くなるのよ!この後は向こう側のスーパーでタイムセールね」
「めちゃくちゃリサーチしてる!?」
徹底的に安い時間を調べているシャロに驚きを隠せない。
「悠は何を買いに来たの?」
「チノに頼まれてお使いだ。ココア特製パンの材料買いに」
「そう——暗いから帰るときは気をつけなさいよ」
「お前の方こそ暴漢に襲われ——いや、お前の場合は野良うさぎに警戒したほうがいいか」
悠がそういうと、シャロがため息とともに
「さっきもあんこに噛まれて大変だったわ」
と吐き捨てた。
「じゃ、私は向こうのスーパーに行くわ。また今度ね」
「ああ、じゃあな」
シャロと別れ、ラビットハウスへ帰る。
途中、人気のない道で『
「うわっ……やば、拳銃持ってくるべきだったな……」
悠の視線の先には、白いフワフワとした何かがこちらにやってくる。
「——幽霊に拳銃って効くのかな」
しょうもないことを考えていると、白い影は「ふふっ」と笑う。
「あら、本当に可愛らしい男の子ね」
「それ、普通女の子を褒める時のセリフだよな?」
幽霊(?)の発言に違和感を覚えながら、悠は聞く。
「何の用だ。金ならさっき使っちゃったぞ」
「お金なんていらないわよ〜。ちょっとお話ししたいなって思って」
「ナンパかよ。まあ少し話すくらいだったらいいぞ」
どことなくチノに似ている。——というか、この人、どこかで——。
「悠くん?そっか……あの話は悠くんのことだったんだね〜」
「どの話だ!?」
意味深な幽霊の発言に思わずツッコミを入れる。
「よーし、マジックショーの始まりよー!」
「いきなりどうした!」
まるでココアのようなテンションだ。
幽霊がはっきりと姿を見せる。
魔法使いの格好だ。
魔法使いは、右手から飴玉を大量に出す。
「おー!」
思わず歓声をあげてしまうほど見事なマジックだ。
今度は左手からも飴玉が出る。
しばらくして、流れ出る飴玉がピタッと止まる。
だが、この魔法使いについて、2点気になることがある。
悠は以前、この人に会ったことがあるかもしれないこと。
そしてもう一つは——。
「その頭に乗ってるのは、ティッピーか!?——なんか若さを感じるな」
ティッピーのような
悠が顔を近づけて確認しようとすると、魔法使いは帽子から一つ飴玉を出す。
「まだ隠し持ってたのか!?」
もうないと思わせてからフェイントをかけてくるとは——この人、強い!
「その魔法、教えてくれよ!帰ってからチノをびっくりさせたい」
「ええ、もちろんいいわよ〜!」
魔法使いはそう言って踊り出す。
「なに!?発動する前に踊らないといけないのか!?」
悠がそういうと、魔法使いは顔を赤くして手を横に振った。
「関係ないんかい!!」
悠のツッコミは誰にも届かない。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート