翌朝になった。
「行ってらっしゃいませ。お嬢様」
「ああ、また後で」
リゼは短くそういうと、ラビットハウスへ向かう。
休日である今日もラビットハウスでバイトがある。
だが、ラビットハウスに入ってみるといつもと雰囲気が違うことに気がついた。
「どうしたんだ?」
「な、なんでもありません……!」
チノが先ほどから落ち着かない様子だ。
ココアの姿は見えない。
「ココアはまた寝坊か?」
「そ、そうだと思います!」
「——何があったんだ、本当に……。起こすのが大変だったら、私が行こうか?」
「は、はい。お願いします。できれば上の階の様子をできるだけ細かく教えてください」
「この家でいったい何が起こってるんだ!?」
リゼは恐る恐る階段をのぼる。
「おーい、ココア。早く起きないと……ってあれ、いない……」
ココアの部屋に行ってみるも、部屋には誰もいない。
「悠?ココアを見かけなかったか?」
今度は悠の部屋へ向かう。——返事はない。
「入るぞ?」
リゼはそう断ってから扉を開ける。
「何事だ!?」
「あ、リゼちゃん!今朝起きたら悠くんが——」
悠は布団にうずくまり、出てくる気配がない。
「寝坊はココアじゃなくて悠の方だったか……」
「起きてる……」
布団の中から今にも死にそうなくらい枯れた悠の声。
「なんだ、リゼもいたのか……。こんなところに寄り道しやがって……学校遅れるぞ……」
「あれ?今日って確か休日だった——よな?」
悠の言葉に困惑するリゼ。
「悠くん、さっきからこんな様子で——」
「体調でも悪いのか?」
「めちゃくちゃ元気さ……」
「声が死んでるぞ?」
「気のせいだ……」
「悠くん!ティッピーの言葉を信じて!チノちゃんが待ってるよ!」
「ティッピー……?チノ……?」
ますます困惑するリゼに、ココアが昨日の一件を話す。
「なるほどな……状況が読めた」
「いざ実行となると緊張して——」
「もうこうなったらコーヒー飲んで乗り切るしかないよ!」
「コーヒーで乗り切れるのはシャロだけだぞ!?」
「つっこむほど元気があるなら問題ないさ。さあ、私も応援してやるから行こう!」
布団の中からココアの発言にツッコミを入れる悠にリゼが苦笑いする。
「こうなったら特攻だ!」
「特攻!!?」
悠のヤケクソ発言にリゼのスイッチが入る。
「お、おはよう……」
「あ、悠さん——おはようございます」
「————」
「————」
「Staff Only」と書かれた扉から少しだけ顔を覗かせる悠を、リゼが後ろから押す。
「何すんだよ」
「時間が経てば経つほど厳しくなるぞ」
「そ、それもそうか——」
悠は恐る恐るチノの方へ行く。
「チノ、昨日言ったことだけど」
「は、はい!」
チノが磨いていたカップを落としそうになるが、なんとか落下を防ぐ。
「——俺と付き合うことを前提に結婚してくれ」
「————」
「——ん?」
「——なんか違和感……?」
チノはフリーズし、リゼとココアは違和感を覚える。
しばらくしてココアが違和感の正体に気がつく。
悠も同様に、先ほどの発言におかしな点があったことに気がつく。
「——ん?——あっ、結婚を前提に付き合ってくれ」
「——ぷっ」
悠の言い直しに思わず吹き出すチノ。
「本当にしょうがない悠さんです」
チノは真っ赤になった顔を見せないように、悠と反対の方向に振り返ると、そうつぶやいた。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート