前話から見ていただけると嬉しいです。
悠が飛び出したあとのラビットハウスは皆、唖然としていた。
「お兄ちゃん……」
「ちょ、里恵!どうしたんだ!」
どうしていいのかわからない、そのことすら伝えられない幼き子は、泣くしか方法がない。
泣いたっ、何も変わらない、そのことを知っていても、里恵は泣いてしまう。
「あれっ?みんな、どうしたの?」
何も知らないココアが戻ってきて困惑していた。
「あっ、ココアさん。どこに行ってたんですか!」
「チノちゃん……ごめんね、本当にわざとじゃなかったの。弁償するから許してっ……」
「何の話ですか?――それより大変なんです!」
「へっ?」
チノから先ほどの話を聞き、ココアはすぐに悠を探しに行った。
夕日の照らす丘は、絶景だった。
かなりの高さがある、飛び降りれば死ねるのか。
そんなことを思ってしまった。
どうせ殺されるくらいだったら、自分で死んでしまえばいい。
でも、どうやって?
ここで死んだらラビットハウスのみんなや千夜、シャロまで悲しめるかもしれない。
では、ここを出てから……と言いたいが、突然消えるにしろ別れを告げてから消えるにしろ、悲しませるかもしれない。
――そもそも、最初から間違っていたのかもしれない。
こんなところに来る前にいなくなるべきだったのだ。
「あっ!いた!悠くん!みんな心配してたよ!どうして急に――」
「お前だって急にどっか行ったじゃないか……なんで、追ってきた」
「だって――――悠くんは、私の大切な弟だもん」
「――は?俺はお前の弟じゃない」
「ラビットハウスにいる間はみんな私の妹か弟だよ!」
「弟だから探しにきたってことか」
「そうだよ!さ、お姉ちゃんとラビットハウスに帰ろ!」
ココアが手を差し出してくる。
それを思い切り叩く。
なんで叩いたのかわからない。それも、なぜこんなにも本気で?
ココアを傷つけた?
俺は、俺の手がココアを傷つけた?
「痛っ……」
「――ラビットハウスから俺は出た。俺はお前の弟じゃない。お前が探しに来る必要もなくなった。じゃあな、暗いから気をつけて帰れよ」
「えっ……」
「なんだよ。早く帰れ」
「――――悠くんを連れ戻すまで帰らない……よ……」
「さっさと帰れよ」
「いや!」
「またチノに嫌われるぞ。いつも店の物を壊して、チノの嫌がることをして、みんなに迷惑を掛けて――俺に迷惑を掛けて、何がしたいの?」
「迷惑……?」
頭の中で、何かが壊れたような気がした。
口が一人でに動き出す。なぜだ、なぜ俺はココアを突き放そうとする。
「ああ、そうだ。俺はお前に帰れって言ったんだ、なのに……」
「悠くんは、私が……私が迎えにきたのが迷惑……なの?」
ココアは今にも泣き出しそうだ。今すぐ傷つけるのをやめろ、と脳が口に命令する。
でも、口はそれを無視して、また喋りだす。
「ああ、そうだな。お前のそういうお節介なところ、嬉しいときもあったが、鬱陶しいことの方が多いさ!みんなうんざりしてるぜ?今だってほら、こうして日が暮れてるのに俺を引き留めてる!」
「――――でも、チノちゃんが……」
ココアが半分泣きながら腕を掴んでくる。
「離せ!お前はチノの奴隷か何かか!」
「いやだ!チノちゃんも、リゼちゃんも、里恵ちゃんも、みんな帰りを待ってるんだよ!」
暗くなった丘で、ココアと悠は揉め合う。
だが、ココアのか弱い力では、到底かなうわけがなく――。
「離せって言ってんだろ!」
「きゃっ……」
「もう構わないでくれるかな、お前のためにも、俺のためにも、みんなのためにも」
地面に倒れたココアにそう言い放って、悠は暗闇に消えた。
なぜ、ココアから離れる?なぜ、あそこまで傷つけた?今まで思ったこともない嘘までついて、心にもないことを言って、俺は何がしたい?
ココアをいじめて、楽しいのか?否、気分は最悪だ。
なら、なぜ?どうして?
俺は、自分の弱いところを否定するために、ココアを「利用」したのか?
そんな最低なクズ野郎には、当然罰があって当然、だよな。
近くにあった石で口や手を激しく傷つけた。
病みそう……(お前が病んでどうする)
ココアちゃんにどう謝罪しようかな……。
どの組み合わせがお好きですか?
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠