ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第百六十九話 過酷な訓練

そして、音楽会に向けた特訓が始まった——。

 

「よし、まずはランニングからだ!」

 

リゼが笛を吹きながらチノと悠を誘導する。

 

「もっと足を上げて、手を振って!」

 

「——これ、歌と関係あるのか……?」

 

悠は一時期、リゼと千夜と3人でマラソンをやったことがあり、それなりに体力はついているが、チノはすでにヘトヘトだ。

リゼはそれに構わず次の訓練を指示する。

 

「ランニングが終わったらうさぎ跳びだ!」

 

「お、おい、あまり無理させるなよ」

 

「上官の命令は絶対だ!あまり時間がない。短期間で体力をつけないとやられるぞ!」

 

「今日に関しては俺も上官だ!」

 

「あ、あの喧嘩は……」

 

訓練内容でぶつかるリゼと悠にチノが困惑する。

 

その後もリゼの特訓は続き——。

 

 

「1日ごとに倍にする!」

 

チノに大量のタイヤを引っ張らせるリゼ。

 

「いいぞ!本物の鶴のようだ!」

 

川の上にある小さな切り株に片足立ちさせるリゼ。

 

「なんか意味あるんでしょうか……これ……」

 

「同意見だ……」

 

軍隊でやらされるような訓練に、チノと悠が困惑する。

 

 

そして日が暮れ始めた頃——ようやく発声練習に入る。

 

「やっとそれっぽくなってきたな」

 

「大切なのは腹式呼吸だ!腹から声を出せ!」

 

 

 

「いいぞ、昔より声が出せるようになってる!」

 

「昔もこれやってたのか!?」

 

リゼの褒め言葉に悠が驚く。

 

「もう今日はそのぐらいでいいだろ。ほら、水でも飲め」

 

「ああ、そうだな。まだ初日だし今日はここまでにしよう」

 

悠の提案にリゼが同意する。

悠はチノに水の入ったペットボトルを渡す。

 

 

「よーし!私は後片付けをしてくるから、それまで休憩!」

 

「は、はい……ありがとうございました……」

 

そういってリゼは河原に戻った。

 

 

「チノは偉いな。リゼが無茶な訓練課してくるのに、真面目にやって」

 

「そ、そんなことないです」

 

「にしても本当に驚いたな〜」

 

「私も選ばれるとは思ってませんでした」

 

「そうじゃなくて——」

 

チノが「えっ?」とこちらに振り向く。

 

「チノがソロパートを決心したことだよ」

 

「そ、それは……す、少しでもお店の宣伝になればいいと思っただけで——」

 

悠の言葉を聞いて、今度は反対方向に向きなおすチノに、悠はジト目で問い詰める。

 

「本当か〜?本当にそれだけか?」

 

「す、全てはお店のためです。それだけです」

 

「なんでそっぽ向くんだよ〜もふもふ」

 

「み、道端でもふもふしないでください!」

 

「ん〜?理由教えてくれたらやめてあげるけど?」

 

「尋問しても無駄です!」

 

 

 

その後、リゼと合流してラビットハウスへ帰宅。

 

そして、ラビットハウスの外に置かれた『歌姫爆誕』と書かれた看板を見てチノとリゼが叫ぶ。

 

「「なんだこれー!?」」

 

「おっ、飾り付けバッチリだな」

 

悠がそういって店内に入ると、ココアたちが「おかえりー!」と迎える。

 

「飾り付けバッチリだよー!」

 

「い、今すぐ飾り付けやめてください!」

 

「え〜?タカヒロさんOKしてくれたよ〜?」

 

「お父さん!」

 

飾り付けを続けるココアを必死に止めるチノ。

そんな2人を置いて、マヤは悠に尋ねる。

 

「これどこに貼るのがいいかな?」

 

「そうだな〜それはドアのところかな?」

 

「了解〜!」

 

「だから貼らないでくださーい!!」

 

大声で叫ぶチノを見て、リゼが

 

「チノが声張れるようになったのって——ツッコミのおかげだろうな……」

 

とつぶやいた。

チノと悠の関係を

  • 進展させる
  • 現状維持
  • ココアに浮気ルート
  • リゼに浮気ルート
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