「第一回!甘兎庵カラオケ大会〜!」
千夜がカラオケ大会の開会を宣言すると、ココアたちが拍手する。
「チノの歌の練習?」
「ああ、こうやって場慣れさせておこうと思ってさ」
「なるほど……名案だ」
リゼと悠が会話していると、千夜がチノを連れてステージに上がる。
「じゃあ、今夜の歌姫をご紹介しまーす!大きな拍手でお迎えください!」
「あ、あの——みなさん、よろしくお願いします……」
緊張した様子でチノがステージに立つ。
「きょ、今日は足元の悪い中……」
「雨降ってたっけ?」
思わず隣に座っているシャロが困惑する。
「めちゃくちゃ緊張してる!」
「わ、私のためにお集まりいただきあ、ありがとうございます!この晴れの日に——」
「入学式か!?」
「雨なの?晴れなの?」
あまりに緊張するチノを見て、ココアがいう。
「チノちゃん、緊張ほぐれないね〜……。——そうだ!お手本見せてあげよう!」
「——お手本?」
ココアが何かを思いついたように、シャロの腕を引っ張る。
——とてつもなく嫌な予感。
そしてシャロを店の奥に押し込むと、数分が経ってシャロが出てきた。
「みんなー!今日は来てくれてありがとー!!」
「シャロさん!?」
「さてはカフェイン入れたな!?」
チノと悠の声をスルーしてココアはカラオケ大会の司会を始める。
「はいはーい!カフェインアイドルコンサートの始まりだよー!」
「みんなー!盛り上がってるぅ〜?」
「お、おう……」
「シャロさん……完全になりきってます」
悠とチノの困惑した声。リゼはシャロの変わりように言葉を失っている。
「いえーい!——んん?掛け声が聞こえないぞ〜?」
「私の歌!聞いてね〜!!」
シャロがノリノリに歌い始めた。
「はぁ……はぁ……」
シャロが歌い終わると、一斉に拍手が湧き起こる。
「すごいです。本当にアイドルみたいでした」
「ああ、そうだな」
「——はっ!」
シャロが意識を取り戻す。そして自分が何をしてきたのか自覚すると、顔を真っ赤にする。
「わ、私引退します!探さないでくださーい!!」
「カフェイン抜けてしまった!」
そう言って甘兎庵を勢いよく飛び出すシャロ。
「あ、シャロさん!」
「シャロちゃん!」
シャロが店を飛び出した後、千夜がゆっくりと立ち上がる。
「————」
「千夜、どうした?」
リゼが心配そうに尋ねると、千夜は——。
「あの程度でアイドルとは、笑わせるわね!」
「千夜に火がついた!」
そして店の奥から千夜のお婆さんを連れてくると、懐中電灯で千夜を照らす。
「懐中電灯だなんて……全く近頃の若いもんは!」
千夜のお婆さんがそう言ってリモコンのスイッチを押すと、天井の一部が抜けてミラーボールが出てくる。
「ミラーボール出てきた!」
リゼのツッコミは止まらない。
「強欲だねぇ……。そんなにキラキラが欲しいなんて——」
シャロが歌っていたアイドル風の歌とは違い、今度は演歌だ。
「演歌かよ……」
「素材がいいんだから。もっと輝けばいいじゃないか」
千夜のお婆さんが千夜にいう。——何気に優しいお婆さんだ。
「ありがとう、お婆ちゃん!」
「花の命は短いが、乙女の命は結構長い。遥かなる時を超え、千の夜を語り継ぐ。現代のシェヘラザード。甘兎庵の看板娘が歌います!」
「なんかナレーション入った!?」
千夜の後も、それぞれが自由気ままに歌い始め、踊り始め——「チノの歌の練習」という当初の目的を、誰一人思い出すことはなかった——。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート