ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第百七十二話 音楽会の前夜祭

「あ、あの——」

 

チノの困惑した声を聞いて、ハッと我に返る。

 

「す、すまん、チノの歌の練習なのにはしゃいでしまった」

 

リゼがそういうと、シャロが

 

「振り回されまくってますね」

 

と笑う。シャロの発言を聞いて、ココアと千夜が

 

「何に振り回されてるのかな?」

 

と尋ねる。

 

 

「お前たちにだよ。この振り回し隊!」

 

悠がそういうと、ココアと千夜が

 

「「振り回し隊——?」」

 

とハモる。

 

「そう——私たちは——振り回し隊!いえーい!」

 

ココアのテンションがいつも以上に高い。

 

 

その様子を見て、シャロがチノとリゼと悠の方の方を向く。

 

「3人とも!振り回され隊で応戦よ!」

 

シャロが振り回し隊にそう宣戦布告するが、ココアがチノの腕を握って引っ張る。

 

「チノちゃんはこっちに入隊ね!」

 

チノが向こう側にとられてしまう。慌てて悠がチノのもう片方を腕を掴む。

 

「チノは振り回さないだろ!」

 

その様子を見て、こちら側にはリゼが、向こう側には千夜が参戦する。

 

「え〜チノちゃんはこっちだよ〜」

 

「いいや、こっち側だ!」

 

悠が強めに腕を引っ張ると、チノとチノの腕を掴んでいたココアと千夜がこちら側に飛んでくる。

 

 

「——振り回され隊は私だけで十分です!!!」

 

ついに堪忍袋の緒が切れたのか、チノがかつて無い大声で叫ぶ。

 

 

 

 

 

カラオケ大会の夜。

 

「今日の風呂当番はココアだぞ」

 

「お姉ちゃんがピカピカに磨いてあげよう!」

 

ココアは風呂掃除にお風呂場へ向かう。

 

チノは夕食の片付けのためダイニングにいるだろう。

悠はチノの手伝いをしようと、ダイニングへ向かう。

 

 

「おーい、チノ!俺も手伝うよ!」

 

「悠さん——ありがとうございます」

 

 

黙々と洗い物をする2人。するとお風呂場の方から変な歌が聞こえる。

 

「ご〜く〜ろ〜さまクロワッサン!頑張るあなたに、メロメロメロンパン!」

 

「「変な歌(です)……」」

 

チノと悠が見事にハモる。

 

ハモったことに気がついた悠は「ふっ」とにやけ、チノは「あっ……」とそっぽを向く。

 

 

「いよいよ明日か——」

 

「はい。——緊張して、ちゃんとできるか不安です」

 

「大丈夫だ。あれだけ練習したんだし、それに——」

 

「——それに?」

 

「俺はチノの歌、大好きだぞ」

 

「またそんなこと言って——さ、さあ、もう洗い物終わりです!私はお風呂行ってきます!」

 

「はいはい、行ってらっしゃい!」

 

赤くなった顔を隠すようにダイニングを出ていくチノ を見届けた後、悠は部屋に戻る。

 

 

 

 

 

 

「——ん?ヘアピン?」

 

脱衣所にヘアピンが落ちているのを見た。

 

「これチノのやつだ——届けるか」

 

2階に上がると、ココアと遭遇した。

 

「悠くん!私が磨いたお風呂はどうだったかい?」

 

「——いつもと変わらん」

 

「そんな!——ってあれ、それチノちゃんの?」

 

ココアは悠の持っているヘアピンに気がつく。

 

「ああ、脱衣所に落ちてたんだ。届けようかと思って」

 

「私も行くよ〜!私もチノちゃんの部屋で遊ぼうと思ってたところなんだ〜」

 

「じゃあ一緒に行くか——」

 

 

チノの部屋の前に到着すると、ココアはノックもせずに部屋に入っていく。

 

「チノちゃーん!」

 

「こ、ココアさん!それに悠さん!——いきなり入ってこないでください」

 

「あれ?チノちゃん何見てるの?」

 

ココアはチノの発言を無視して話を変える。

 

「——アルバム?」

 

悠が首を傾げると、チノは「そうです。昔の写真を見ていたんです」と肯定する。

 

 

「これチノちゃん?うわー、今と全然変わんない……」

 

ココアがそういうと、悠も「そうだな」と同意するが、チノは不服そうに言う。

 

「全然違います!何年経ってると思ってるんですか——」

 

「今と変わらず可愛いってことだよ〜!」

 

「何を言ってるんだココア?今の方がもっと可愛いぞ」

 

「そっか!そうだよね!」

 

「ふ、2人とも何言ってるんですか——!」

 

 

「あれ?これってタカヒロさんとリゼちゃんのお父さんと——この真ん中の人は?」

 

ココアが一枚の写真を指差す。悠はそれを見てハッと目を見開く。

 

——この人、あの日出会った魔法使いだ……。

 

「母です」

 

「やっぱり……そうだったんだ……」

 

「へぇ〜!チノちゃんが歌上手なのはお母さん似なんだね!」

 

「上手かはわかりませんが——でも私——ここまでアクティブじゃないです」

 

チノが別の写真を見ていう。

 

魔法使いの格好に大量の羽を生やしたチノの母親の写真だ。

——アクティブすぎる。

 

「めっちゃはっちゃけてる!?」

 

思わず写真にツッコミを入れてしまう悠だった。




ココアちゃんの新しいキャラソン『「ラビットハウスへ行こうよ♪」のうた』

原作ではパンのことしか歌っていませんでしたが、フルで聞くとしっかりラビットハウス要素も入っているのがわかります。

——しかし、仕事中も「ご〜く〜ろ〜さまクロワッサン!」ってメロディーが頭から離れないの、なんとかなりませんかね(笑)

なかなかの中毒性です。皆さんはもうお聞きになりましたでしょうか?

チノと悠の関係を

  • 進展させる
  • 現状維持
  • ココアに浮気ルート
  • リゼに浮気ルート
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