「外回り誰が言ってる〜?」
クラスメートの一人が厨房に顔を覗かせる。
「忘れてた!」
ココアが大慌てで外回りに向かおうとするが、ティッピーの帽子がないことに気がつく。
「あれ?ティッピーの帽子は?」
「さあ……。なくしたのか?」
ココアが困惑した様子で悠に尋ねる。
「ううん、ここに置いておいたんだけど——」
「そういえば、チノも見かけないな。まさか——ちょっと見に行こう」
悠がココアを連れて外に出ると、案の定チノがティッピーの帽子をかぶって宣伝している。
「ティッピーの上にティッピーが乗ってるよ!」
「めちゃくちゃ人集まってるじゃないか!」
「そんなっ……!私の時はみんな逃げて行ったのに……」
「そりゃ逃げるだろうな……」
「おーいチノー!」
「悠さん、それにココアさんも。大丈夫ですよ、宣伝は私がやります」
悠の呼びかけにチノが答える。
「でもそこまでしてくれなくても——」
後から追いかけてきた千夜がチノにいうが、チノは「いえ」と断る。
「皆さんがお店を盛り上げたい気持ち、すごくわかります。——だから、やらせてください。本物の喫茶店の孫娘として——」
そう言って、ラビットハウスの看板を首から下げ、店の看板を持って出発するチノ。心なしか、いつもより背中が大きく見える。
「チノがイケメンだ!」
悠のツッコミはチノには届かない。
「写真いいですか?」
見学に来た人からそう言われ、チノは
「はい。ラビットハウスもよろしくです」
と返す。
「いつもより積極的だな——。顔を隠すと恥ずかしくないってやつか——」
悠がつぶやく。
「スタッフ交代!厨房と外回り交代するよー!」
もともと厨房を担当していたクラスメートが帰ってきた。
「気にするな。さて、俺はチノを連れて文化祭回るとするか——」
悠はビアホールを後にしてチノを探す。
「あ、いたいた!チノ、外回りは交代だってさ」
「そうですか。ちょうど私も暑くなってきたので助かりました」
チノがティッピーの帽子を脱ぐ。
その後、演劇で怪盗ラパンを鑑賞したり、喫茶店に行って新メニューを勉強したり、軽音楽部のバンドを見に行ったりと、文化祭を満喫した。
「気がついたらもうこんな時間か——。ココアたちを探すか」
「そうですね。きっとあちらも仕事が終わって回ってる頃でしょうか」
ココアたちを探していると、背後から銃を突きつけられる。
「動くな。絶対にこちらを見るなよ」
「——その声はリゼか」
「リゼさん、その服は」
「み、見るなと言っただろー!」
振り向くと、リゼがココアたちの学校の制服を着ている。
「どうしたんだ、それ」
「あの後、クラスの人が貸してくれたんだ」
「そうか」
「あれ、ココアさんは——」
チノが辺りを見渡すが、ココアたちの姿は見えない。
「はぐれたんだ」
「迷子ですか」
「迷子だな」
チノと悠の言葉にリゼが顔を赤くして
「私は別に迷ってない!!」
と叫んだ。
「あっ、私ちょっと飲み物買ってきます」
「ああ」
チノが飲み物を買っている間、リゼと2人でベンチに腰をかける。
「はぁ……」
「どうした。疲れたのか?」
ため息を吐くリゼに悠がいう。
「いいや。実はさっき——シャロが『私たちが2人のクラスメートだったら大変そうだわ』って言っていたんだ」
「————」
「私だけひとつ年上なのが——」
「なるほど……って、お前も1ヶ月遅く生まれたらココアたちと同級生だろ。大して変わらん」
悠がそういうと、リゼが目を輝かせて「そうか——!」と納得する。——ちょろい。
「悠さん、リゼさん。ココアさんたち見つけましたよ」
チノが飲み物を片手に戻ってくる。
ココアたちの方を見ると、シャロもこの学校の制服を着ているようだ。
「——そうだ!おい、リゼ、早くもどれよ」
「なんだいきなり、お前たちは——」
「いいからいいから!」
「——?」
強引にリゼをココアたちのいる場所に送り返す。チノは困惑したが、悠がカメラを取り出したのを見て察する。
そして撮れた写真を見てチノが微笑む。
「なかなかいいのが撮れましたね」
「そうだろ?」
撮れた写真を眺めながら、チノと悠もココアたちと合流した。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート